飛段（NARUTO）とは【徹底解説・考察まとめ】

飛段のプロフィール・人物像

年齢：22歳
誕生日：4月2日
星座：おひつじ座
血液型：B型
性格：信仰深い、わがまま
好きな言葉：殺戮、ジャシン教
アニメの声優：てらそままさき

飛段（ひだん）とは『NARUTO』に登場する敵キャラクターであり、10人で構成される忍組織「暁」のメンバーの一人。湯隠れの里の抜け忍で、アスマ率いる第十班のメンバー（シカマル、チョウジ、いの）たちと交戦した。暁のメンバーは特異な能力を持っており、飛段の場合は、殺戮をモットーとしたジャシン教の肉体実験で手に入れた不死身である。口が悪く粗雑だが、ジャシン教に対しては真摯であり、その教えを広め、不敬な無神論者に神の裁きを与えるために暁に属している。
赤紫（ピンク）の眼に髪は銀髪のオールバックで暁特有の赤い雲が描かれた外套と笠を身にまとっている。反逆の意味を持つ傷が入った額当てをしており左手の人差し指には「三」の文字が刻まれた指輪をし、三連鎌に鎖鎌を足したかのような武器を持つ。好戦的な性格で言葉の節々に伸ばし言葉を使う。「ぬるま湯」と揶揄されていた湯隠れの里出身だったが、そのぬるさへ不満を持っていた。そこへ新興宗教であるジャシン教が飛段へ目を付け、殺戮の教えを説くジャシン教へ飛段はのめり込むことになる。そのため、ジャシン教の神「ジャシン」様へは敬意を払っているが、暁のリーダーであるペインに対して「クソリーダー」、先輩のデイダラへは「デイダラちゃん」や「若輩者」などと呼んでおり、敬意を払うそぶりを見せない。
暁は基本、ツーマンセル（2人1組）で行動しており、飛段の相棒は角都（かくず）である。角都からはバカあつかいをされており、また、金儲けのための殺しはジャシン教の教義か信条に反することなどの対立から普段から仲がよさそうな様子が見られない。しかし、暁では珍しく、戦闘におけるツーマンセルでは連携技を披露したりと良好なコンビネーションを築いている。
主人公・ナルトが過ごす木の葉隠れの里の上忍・猿飛アスマの命を奪い、その後はアスマの弟子のシカマルに敗れる。

飛段の来歴・活躍

ジャシン教との出会い

飛段は「ぬるま湯」と揶揄された湯隠れの里のぬるさに不満を持っていた。そんな彼を新興宗教・ジャシン教（『NARUTO』公式外伝小説『木の葉新伝』では湯隠れの里が発祥との説がある）が目につける。好戦的な性格を持っていた飛段は、戦いを推奨し殺戮の教えを説くジャシン教へ心酔し、のめり込む。この際に、飛段はジャシン教から人体実験を繰り返し受け、不死身の体を手に入れた。また、信者を実験台にした呪術の研究を行っているが、不死の実験において成功者は飛段のみである。
生首の状態でも死ぬことはない。暁の中でもジャシン教団内部でも、もっと大きく言えば『NARUTO』において不死の能力を有するのは飛段のみである。死ぬことはなく、殺戮を繰り返すことができる飛段に最適な能力である。

ジャシン教とは

そもそもジャシン教とは、「ジャシン様」という神を崇め、「汝、隣人を殺戮せよ」を教義とする過激な思想を掲げた教団である。多くの命を奪う殺戮をモットーとしているため、半殺しにとどめることは戒律違反としている。丸と三角形を組み合わせたシンボルを象ったペンダントを、他者を殺す前に掲げてお祈りを行い、その相手を殺害した後は地面にそのシンボルを描き、シンボル上で疑死を行うことが定められている。自由気ままに殺戮と殺人を繰り返し、それをジャシン様に生贄として捧げる事にしか飛段は興味がない。また、この教団は本編内では飛段しか言及しておらず、謎が多い。宗教ということもあり、一般市民なども信仰しているとは考えられるが、飛段を暁に勧誘する際には飛段の姿しか確認されていない。

暁に所属

実は、飛段が暁に所属するに至る経緯は原作では描かれておらず、『者の書』、アニメ、ゲームで異なっている。暁では自分と同じ不死のような能力を持つ角都とコンビを組み、「不死コンビ」として知られている。

原作（『者の書』）の場合

データBOOK『者の書』では、湯隠れの里を抜け、ジャシン教を世に広めてジャシン様の存在を知らしめ、不敬な無神論者たちに神の裁きを与えるために、戦争請負組織である暁に所属していたとの記述がある。また、所属した時期はトビ以前で、トビが暁に入るまでは一番の新入りだった。

アニメの場合

アニメ版のイタチ真伝では、湯隠れの里から暁に飛段の抹殺が依頼され、その際に暁の小南（こなん）に不死の能力を見込まれてスカウトされている。

ゲーム（『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストームレボリューション』）の場合

『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストームレボリューション』では、不死の能力に目をつけていた大蛇丸から推薦され、角都・大蛇丸・ゼツでスカウトしに行くものの飛段には拒絶される。また、その際に角都がジャシン教に対して「くだらない宗教」と言い放ったことに激昂し、戦うことになる。しかし、その戦いに負け、大蛇丸に説得されることとなり、しぶしぶ暁入りに至った。

尾獣狩り・二尾

上記のように飛段は無神論者たちに神の裁きを与えること、ジャシン教を広めることなどが暁に入った目的であったため、暁の目的を知ったのは36巻での生け捕りにした二尾を外道魔像と呼ばれるものへ封印する場面だった。その目的とは、すべての尾獣を手中に収めることで、飛段はその目的を詳しくは知らなかったのだ。つまり、二尾を捕らえることの意味も知らずに生け捕りに加担していたのだ。尾獣とは巨大な力を持つ魔獣のことで、九体の尾獣が存在し、尾の数に応じて名前が決まる。例えば、尾が一つなら一尾のようになる。『NARUTO』では、九尾まで存在している。この尾獣が体内に封印されている人物を人柱力と呼び、人に封印することで尾獣をコントロールしていたのだ。つまり、二尾とは二つの尾を持つ尾獣で、二尾が封印されている人柱力が二位ユギトということである。暁は目的のために、暁のメンバー1人当たりに尾獣を1体回収するという命令を出した。飛段と角都は二尾の人柱力・二位ユギトの生け捕りののち、木の葉隠れの里の九尾の人柱力・ナルトの生け捕りを命じられた。しかし、飛段の信仰するジャシン教にはある問題点があった。本編では、「大体今回の仕事はオレの宗派にゃ合わねーんだよ ジャシン教は殺戮がモットー 半殺しは駄目だと戒律で決まってる」と飛段は述べており、生け捕りには気乗りしていなかった。その証拠に、二位ユギトを襲撃する際には「ここは話し合いで解決しないか？」などと話していた。しかし、角都に「お前は馬鹿か」といつものように一蹴される。最終的にはジャシン教の教えに従い祈りをささげ、生け捕りを実行した。二位ユギトは人柱力の中でも珍しく尾獣の力をコントロールできるにもかかわらず、飛段と角都は生け捕りに成功しているため相当の実力者であることがわかる。

戦争請負組織「暁」と尾獣、人柱力

「暁」は10名の主に抜け忍で構成され、ほとんどがS級の犯罪者である。もともとは雨隠れの里の小さな組織で、平和を目指す組織であったがその当時のメンバーのほとんどが亡くなり、飛段たちが登場する35巻の時点ではその目的が「全ての尾獣を我が物とし資金を集めること」へと変化している。尾獣は一から九までの尾を持つ九体の魔獣で、『NARUTO』においては核兵器のような扱いをされている。この人知を超えた力はいかなるものにも制御できず、生きた人間に封印することで処理した。これが「人柱力」と呼ばれる存在である。各国の力の均衡と平定を保つという理念の下で尾獣は分配されることとなった。暁はこれら九体の尾獣を手に入れることによって、忍界を支配しようと考えていた（外道魔像と呼ばれる尾獣を封じ込むことができる特殊なものへ封印していた）。また、稀に尾獣の力をコントロールすることのできる人柱力が存在し、本編ではそれが二位ユギト、八尾の人柱力であるキラー・ビー、そして主人公である九尾の人柱力・ナルトが該当する。

火の寺を襲撃

二尾の生け捕りに成功した飛段、角都は次に火の国に侵入した。これは、角都は暁の中で資金調達の係を担っていたため、賞金首である地陸という元「守護忍十二士」といういわばエリート忍者が火の国の火の寺にいるためである。地陸は三千万両（NARUTOの世界の通貨）の賞金首がかけられており、不死コンビは火の寺を襲撃する。地陸は「ワシが出る。他の者は援護しろ」といい、飛段たちに立ち向かうが、かなりの実力を持つとされる地陸ですら他の僧侶とともに殺されてしまう。しかし、このときの戦闘シーンについては描かれていないため、どのような戦いが行われたのかは不明である。殺害した後は飛段がお祈りの儀式を行っているが、衣服の汚れなどがなく、全く歯がたたなかったことがうかがえる。地陸は換金所に運ばれ、暁の資金になってしまうのだった。

アスマたちと交戦