ガメラ2 レギオン襲来(平成ガメラ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ガメラ2 レギオン襲来』とは、前作『ガメラ 大怪獣空中決戦』に続き、金子修介が監督した平成ガメラシリーズの第2弾。1996年7月に東宝洋画系にて公開された大映製作のモンスター・パニック・ムービー。惑星の生態系を侵略しようとする宇宙からの異生物レギオンが日本に飛来。地球の生態系を守ろうとする大怪獣ガメラとの壮絶な戦いを、前作から1年後の日本を舞台に自衛隊の活躍を交えて描く。

『レギオンプラント(草体)』

レギオンが繁殖に使う、植物に似た共生生物。大きさは、全高100メートル・全幅60メートル・重量3000トンに及ぶ。レギオンが放出する酸素ガスを吸収して成長し、最後には自爆して種子を宇宙空間に打ち上げる。種子にはレギオンの卵も産みつけられている。レギオンと草体は、互いに欠かすことのできない存在となっている。

本編では札幌と仙台に出現。札幌ではガメラの火球により炎上し、未然に発射は阻止されたが、仙台ではガメラが直前に草体を引きずり倒し、種子を受け止めたために宇宙への発射は防がれたものの、種子の直撃と爆発によってガメラは仮死状態に陥った。暖かい場所では成長が早くなる傾向があり、仙台では短時間で種子発射段階まで変化している。活性化すると、夜間であれば花の上に緑色のオーロラが確認される。帯津による計算では、打ち上げ時の酸素爆発によって札幌市中心部6キロメートル四方の範囲は確実に壊滅するという結果が出た。

『ガメラ2 レギオン襲来』の主な登場人物・キャラクター

渡良瀬佑介(わたらせ ゆうすけ/演:永島敏行)

本作の主人公で自衛隊二等陸佐。
大宮化学学校に配属され職種は化学科。
隕石の落下現場に一等陸尉の花谷と共に派遣され、そのまま事件の調査をすることになる。本来は前線に出ることはまずない大隊長クラスの幹部自衛官であるが、自ら地下鉄の捜索に加わり化学防護小隊の陣頭指揮を取ったり、対戦車ヘリ部隊の戦闘指揮を補佐するため小型レギオンが群がる名崎送信所に向かったり、そこで9mm拳銃1丁で近接戦闘するなど積極的な行動を見せる。
普段は温厚な人柄で、協力者であるがあくまで民間人である碧や帯津に対し自衛官として護り気遣う。劇中では制服だけでなく私服で行動するシーンもある。

穂波碧(ほなみ みどり/演:水野美紀)

本作のヒロインで札幌市青少年科学館の学芸員。
実家は薬局を経営していて、普段はNTTの帯津の協力を得て仕事をしていることが多い。隕石の調査中に渡良瀬と出会い、隕石が移動した可能性を示唆したことから渡良瀬に興味を持たれ、以降レギオンの調査と謎の解明へ協力することとなる。
仙台市から避難するために霞目駐屯地に向かったところガメラとレギオンの戦闘に巻き込まれ、同時に浅黄と出会う。その後、レギオンとの戦いに向かう渡良瀬の無事を祈りながら見送り、浅黄と共にガメラのもとに向かう。

帯津(おびつ/演:吹越満)

NTT北海道のネットワークオペレーションセンターのエンジニア。
碧の勤める青少年科学館に派遣され仕事をしている。常に碧に気がある素振りを見せている。
レギオンが電磁波で意思疎通をしていることや、そのパターンなど、本作の理論的背景の解説役を担う。あくまで民間人であるため戦闘が始まることから渡良瀬たちと別れたが、小型レギオンを誘導するために名崎送信所に電波を最大出力で放射するように要請し、恐怖で送信を止めようとする職員を羽交い絞めにしてガメラ援護を行うなど個人的にサポートを続ける。

花谷(はなたに/演:石橋保)

自衛隊一等陸尉。
隕石の落下現場に派遣され、以降渡良瀬と行動を共にすることが多い。
神話への造詣が深く、レギオンの群れを見ながらマルコによる福音書5章9節をそらで読み上げた。
出動命令なしで勝手に部隊を動かした渡良瀬に当初は激怒するが、地下鉄構内の異常環境に事態の深刻さを悟る。仙台では帯津と行動を共にし、足利で別れる際に戦闘終了後におごらせてくれと約束をする。また、足利でのガメラとレギオンの戦いで、ガメラを援護するよう懐疑的な師団長に進言するも、一度は退けられてしまう。

草薙浅黄(くさなぎ あさぎ/演:藤谷文子)

ガメラと心を通わせることができる高校生。
1年前のギャオスとの戦いで時の人となり、インターネットサイトに掲載されており、碧の目に留まる。
仙台に友人とスキーに来ていたが、レギオンの出現によって避難するため霞目駐屯地に向かったところガメラと再会、同時にレギオンとの戦闘に巻き込まれる。
その後は、偶然そこで出会った碧とともにガメラのもとに向かう。勾玉を肌身離さず持っているが、仙台でガメラが復活すると同時に勾玉は砕けている。
前作で登場した彼女の父・直哉は電話での会話によりニューヨークにいる事が判明する。

野尻明雄(のじり あきお/演:川津祐介)

札幌市青少年科学館所長。
穂波碧の上司であり、天体観測をしていた碧に隕石が落下するかもしれないことをすぐに伝える。
英語を読むことは得意だが、コンピューターの扱いは苦手である。

大迫力(おおさこ つとむ/演:螢雪次朗)

ビール会社の倉庫の警備員。
1年前は福岡県警の刑事だったがギャオスと遭遇したことでの恐怖を忘れたくて警察官を辞めて酪農の仕事をしていた。
警備中に小型レギオンの群れに遭遇して再び異生物による恐怖を味わう。更には、過去にギャオスに関わったことを勘ぐった警察の取り調べで、怪物の所為にした自身の犯行だと決めつけられ、完全に犯人扱いされて深く傷ついた。

NTT名崎送信所職員(演:ラサール石井)

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