BILLY BAT(ビリーバット)のネタバレ解説・考察まとめ

『BILLY BAT』とは、浦沢直樹による漫画作品。ストーリー共同制作は長嶋尚志。『モーニング』(講談社)にて、2008年から2016年にかけて数回の長期休載を挟みつつ連載された。
歴史の裏を描くSF大河作品。特定の人物に取り付き、未来を予言する「こうもり」の声を聞いた人々が、やがて歴史的な事件に大きく関わっていく様子を描く。

第二部

ケヴィン・グッドマン

トニー・グッドマンとダイアン・グッドマンの間の1人息子。天真爛漫で活発な性格。子供のころからこうもりの声を聴くことができた。
青年期にゲリラアーティスト「ゴールデンハット」としてビリーバッドの壁画を描いていたが、それに着目した来栖らこうもりを追っている組織によって命を狙われるようになる。そこをスミスによって助けられ、彼から護身術を学んだ。
その後絵の才能が認められ、チャック・カルキン(真)から「BILLY BAT」の3人目の作者に任命され、「BILLY BAT」をさらに世界的な人気作品に成長させる。だが、作中でベルリンの壁崩壊を言い当てたことによって世間から「預言者」として扱われるようになったことで次第にこうもりの声を聴くことを疎ましく感じるようになり、徐々にこうもりの声が聴こえなくなっていってしまう。
その後かつての自分と同じくこうもりの声が聴こえると言うティミーに「BILLY BAT」の連載を譲ろうとするが、ジャッキーがこうもりから託された「ティミーにはこうもりの声が聞こえていない」というメッセージを聞いて混乱する。
その後、「BILLY BAT」の初代作者であるヤマガタの行方を追って世界中を旅してまわり、チベットにてヤマガタと対面を果たす。その際にヤマガタから「描いて描いて描きまくれ」と励まされ、再び漫画に対する情熱を取り戻す。
その後は大学時代の恋人だったモニカと結婚し、100歳を過ぎて「BILLY BAT/ファラオの呪いの巻」を完結させたのちに死去。

オードリー・カルキン

チャック・カルキン(偽)の娘。幼いころにチャック・カルキン(真)のアトリエに忍び込んだことがあり、「BILLY BAT」の作者は父親ではなく彼であるということを知った。
優れた審美眼と卓越した経営手腕の持ち主で、「ゴールデンハット」としてビリーバッドの絵を描いていたグッドマンの才能を見抜き、彼をチャック・カルキン(真)に引き合わせて『BILLY BAT』の3代目作者にした。その後、チャック・カルキン(偽)からカルキンエンタープライズの経営権を奪った。
世間から「預言者」として扱われることを煩わしく思い、『BILLY BAT』を描くことに苦悩するようになっていったグッドマンと次第に対立するようになる。グッドマンの後に『ビリーバット』の連載を担当することになったティミーとも対立し、2015年にティミーが起こした法廷闘争で敗訴してカルキンエンタープライズの資産のほとんどを失ってしまう。
しかし、唯一自分の手元に残った「紙媒体のBILLY BATの出版権利」を生かし、ヤマガタの作品を扱い続けていた零細出版社・トーゴー出版社の再建に成功。紙媒体の『BILLY BAT』をヒットに導いた。
その後、「『BILLY BAT』を奪ってしまったことをヤマガタに謝罪したい」というチャック・カルキン(真)の願いを叶えたうえで彼の死を看取った。

ティミー

スラム街にて育った日系人の青年。一見礼儀正しく穏やかそうに見えるが、どこか影のあるミステリアスな雰囲気を持つ。
少年時代にグッドマンと出会っており、絵の才能を認められていた。その10年後に再びグッドマンのもとを訪れ、グッドマンとともに連名で「BILLY BAT」を連載するようになる。その後、オードリーの働きなどによって「BILLY BAT」の4代目作者となる。
その正体はチャック・カルキン(偽)の私生児。父親の意志を継いで、一度はオードリーのものになってしまったカルキンエンタープライズの経営権を奪い返し、世界支配を企んで世界中の水源と資源を独占する。
カルキンエンタープライズの経営権を手に入れた後は「BILLY BAT」の執筆に行き詰まり、大量のファン離れを引き起こしてしまう。また、人相も悪くなり急激に老化する。2032年にグッドマンのもとを訪れた時には漫画家としての情熱を完全に失っており、グッドマンを激しく罵倒した。

コニー・アケチ

日本の映画監督。下山事件とその予行練習として行われたチャーリー・イシズカの轢断現場を目撃しており、ヤマガタを事件の真犯人だと思っている。
カルキンエンタープライズにより依頼されて撮影した月に着陸する映画が、実際の月面着陸の映像として使用されてしまう。さらに、NASAにて「月にあるこうもり」を目撃してしまった為にUSAの監視対象になってしまう。
1980年代は売れない映像会社を経営し、B級ホラー映画専門の映画監督になっていた。グッドマンと出会い、月面着陸の映像として使用されている映像は自分が作った映画の一部である事、月には巨大なこうもりがあり、それを隠蔽する為に自分が作った映像が月面着陸の映像として使用されたのだと主張する。
2018年には世界的な映画監督になっており、ドキュメンタリー映画監督志望のマギー・モモチにインタビューを受けていた。「黒蝙蝠教団」というチベットの団体による地上絵が「月にあるこうもり」に似ている事を知り、マギー・モモチを助手としてチベットに向かう。その際にヤマガタの消息を追ってチベットに来ていたグッドマンと合流し、彼とともにチベットで漫画を描き続けていたヤマガタと対面した。

マギー・モモチ

マギー・モモチの娘。日系4世だが日本語はそれほど上手くない。ドキュメンタリー映画監督を目指している。
世界的な映画監督であるコニー・アケチをインタビューした際に半ば強引にアケチの助手にさせられてしまい、彼とともに「黒蝙蝠教団」を追ってチベットへ向かう事になる。
その後、ヤマガタの消息を追ってチベットを訪れていたグッドマンと合流し、彼とヤマガタの再会に立ち会った。

モニカ・マウラ / モニカ・グッドマン

グッドマンの大学時代の恋人。大学卒業は環境問題を取り扱う凄腕弁護士になり、世界中のエネルギーと水源を牛耳りシェールガス採掘で汚染を垂れ流していたカルキンエンタープライズを告訴した。
カルキンエンタープライズの裁判を通じてオードリーやチャック・カルキン(真)と深く知り合うようになり、オードリーの依頼により死の床にあるチャック・カルキン(真)とヤマガタの再会を取り持った。
カルキンエンタープライズとの裁判に勝利し、カルキンエンタープライズから支払われた5億5千万ドルの賠償金を環境被害に苦しむ人達の救済に使った。
その後、グッドマンとよりを戻し、彼と結婚した。

モアハウス

スタンフォード大学のスターなんとかというプロジェクトび関わる人物。死の床にあったチャック・カルキン(偽)からこうもりの声を聴く者達の暗殺を命じられ、それ以前に暗殺を担当していたデヴィヴィエが消息を絶っていたため中断されていた暗殺を再開した。その後フィニーを殺害し、フロリダの地下施設にて密かに行われていた「ビリーバット歴史研究会」の資料と研究内容を奪った。
2002年、こうもりの研究の為に研究会のメンバーとともに訪れていたバスクの洞窟にて罠にかかってしまい重傷を負い、さらに彼以外のメンバーは全員圧死してしまう。その後はずっと病院で治療を受けていた。
2015年に、病室を訪れたティミーに「ビリーバット歴史研究会」の資料と研究内容を奪われてしまう。

ジェフリー

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