The Beatles(ザ・ビートルズ)とは【徹底解説まとめ】

The Beatles(ザ・ビートルズ)とは、1962年に英国でデビューした20世紀を代表する4人組ロック・バンド。その影響力は音楽のみならず、ファッション、言動、思想にまで及び、社会現象を巻き起こした。彼等の音楽を語るうえで特筆すべき点の一つは、彼等自身の音楽的成長がそのまま音楽界全体の、そして聴き手である我々ファンの音楽的成長を促したことだろう。1970年の解散後も彼等の影響力は引き継がれ、21世紀の現在でもそれは変わらない。

●1983年
5月21日(日本)
・アビー・ロード
*世界初のザ・ビートルズのCDは日本盤の「アビー・ロード」だった。しかしイギリスEMIから「待った!」がかかったため、初回生産分のみで廃盤となってしまった。

●1985年
9月21日(日本)
・レア・ライヴ・'62
*1977年5月10日リリースの「デビュー!ビートルズ・ライヴ'62」の形を変えてリリースされたもの。レーベルは「オーヴァーシーズ」。

●1986年
3月1日(日本)
・シルヴァー・ビートルズ
*1962年1月1日に行われたデッカ・セッションでの発掘音源。レーベルは「オーヴァーシーズ」。
7月1日(日本)
・ヤング・ビートルズ
*トニー・シェリダンとドイツでレコーディングした楽曲を集めたCD。レーベルは「オーヴァーシーズ」。

●1987年
2月26日
・Please Please Me
・With The Beatles
・A Hard Day's Night
・Beatles For Sale
*ザ・ビートルズのオリジナル・アルバムのCD化はこの時に始まっている。
4月30日
・Help!
・Rubber Soul
・Revolver
6月1日
・Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
8月24日
・The Beatles
・Yellow Submarine
9月21日
・Magical Mystery Tour
10月19日
・Abbey Road
・Let It BE

●1988年
3月8日
・Past Masters Volume One
・Past Masters Volume Two
10月31日
・The Beatles Ultimate Collection
*ザ・ビートルズのCD化された作品全15タイトルをセットにしたボックス。

●1989年
11月6日
・The Beatles CD Singles Collection
*ザ・ビートルズの3インチCDシングルをセットにしたボックス。

●1992年
6月5日
・The Beatles Compact Disc EP Collection
*ザ・ビートルズのEPのCD化をセットにしたボックス。
11月2日
・The Beatles CD Singles Collection
*ザ・ビートルズの5インチCDシングルをセットにしたボックス。

●1993年
・1962-1966
・1967-1970

1962-1966 と 1967-1970。

●1994年
11月30日
・Live At The BBC

●1995年
3月20日
・Baby It's You/I'll Follow The Sun/Devil In Her Heart/Boys
*アルバム「Live At The BBC」からのカット。
11月21日
・Anthology 1
12月4日
・Free As A Bird/I Saw Her Standing There/This Boy/Christmas Time (Is Here Again)

●1996年
3月4日
・Real Love/Baby's In Black/Yellow Submarine/Here, There And Everywhere
3月18日
・Anthology 2
10月28日
・Anthology 3

●1999年
9月13日
・Yellow Submarine Soungtrack

●2000年
10月17日(アメリカ)
・1962 Live At Star Club In Hamburg
*1962年に行われたザ・ビートルズ最後のハンブルク公演のテープの発掘音源。レーベルは「Walters」。

11月13日
・1

1。

●2003年
11月17日
・Let It Be...Naked

●2004年
11月15日(アメリカ)
・The Capitol Albums Vol. 1
*キャピトルからリリースされたアメリカ編集アルバム「Meet The Beatles」「The Beatles' Second Album」「Something New」「Beatles '65」の4枚のボックス・セット。レーベルは「Capitol」。
12月21日
・The Beatles' First! (Deluxe Edition)
*1962年に行われたザ・ビートルズ最後のハンブルク公演のテープの発掘音源。レーベルは「Polydor」。

●2006年
4月11日(アメリカ)
*キャピトルからリリースされたアメリカ編集アルバム「The Early Beatles」「Beatles VI」「Help!」「Rubber Soul」の4枚のボックス・セット。レーベルは「Capitol」。
5月2日
・Love

●2009年
9月9日
・Please Please Me
・With The Beatles
・A Hard Day's Night
・Beatles For Sale
・Help!
・Rubber Soul
・Revolver
・Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
・Magical Mystery Tour
・The Beatles
・Yellow Submarine
・Abbey Road
・Let It BE
・Past Masters
*リマスターによるリイシュー。バラ売りされたのはステレオ・ヴァージョンのみで、モノラル・ヴァージョンはボックス・セットのみのリリースだった。
9月9日
・The Beatles In Stereo
*ザ・ビートルズのリマスターされたステレオ・ヴァージョンのCD14タイトル、全16枚のボックス・セット。
9月9日
・The Beatles In Mono
*ザ・ビートルズのリマスターされたモノラル・ヴァージョンのCD11タイトル、全13枚のボックス・セット。

The Beatles In Mono。

●2010年
10月18日
・1962-1966
・1967-1970
*リマスターによるリイシュー。

●2011年
9月2日
・1
*リマスターによるリイシュー。

●2013年
11月11日
On Air - Live At The BBC Volume 2

●2015年
11月6日
・1+
*CD「1」に2枚のブルーレイを付属した限定デラックス・エディション。

●2016年
9月9日
・Live At The Hollywood Bowl

●2017年
5月26日
・Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
*オリジナル・リリース50周年記念盤。CD4枚+ブルーレイ+DVDのスーパー・デラックス・エディションとCD2枚のデラックス・エディションがリリースされた。

The Beatlesのディスコグラフィー

オリジナル・アルバム

*「Magical Mystery Tour」はオリジナル・アルバムではないが、1987年にオリジナル・アルバムと見做されてCD化のライン・アップに加わっていたので、ここでもオリジナル・アルバムとして取り上げる。
*収録曲概説の「レコーディング詳細」はマーク・ルイソン著による「ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版」と日経BP社発行、フロム・ビー責任編集による「ザ・ビートルズ全曲バイブル」を比較し、齟齬があった場合は発行の新しい「ザ・ビートルズ全曲バイブル」を正とし、さらに調べられる限りの関連書籍、ウェヴ上の関連サイトをチェックしたうえで記述してあるが、完全に正しいとは言えない可能性もあることをご了承ください。

Please Please Me

Side A
1. I Saw Her Standing There
2. Misery
3. Anna (Go To Him)
4. Chains
5. Boys
6. Ask Me Why
7. Please Please Me

Side B
1. Love Me Do
2. P.S. I Love You
3. Baby It's You
4. Do You Want To Know A Secret
5. A Taste Of Honey
6. There's A Place
7. Twist And Shout

1963年3月22日にリリースされた記念すべきザ・ビートルズのデビュー・アルバム。
デビュー・シングル「Love Me Do」とセカンド・シングル「Please Please Me」の後にリリースされており、この2枚のシングル収録曲4曲は本アルバムにも収録されている。ただし「Love Me Do」はリンゴではなくアンディ・ホワイトがドラムスを叩いたヴァージョンである。
このアルバムの14曲のうち8曲は"レノン=マッカートニー"作品だが元々は"マッカートニー=レノン"と記されていた。

リリースまでの経過を時系列で簡単にまとめると以下のようになる。

●1962年

5月9日
EMIでのレコーディング・テストの約束を結ぶ。

6月6日
午後7時から8時まで、ロンドン:セント・ジョンズ・ウッド:アビー・ロードに位置するEMIの第2スタジオでレコーディング・テストを行う。ちなみにアルバム「Anthology 1」の解説では「第3スタジオ」が使用されたことになっているが、マーク・ルイソン著による「ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版」では「'91年にEMIが資料公開し、『第2スタジオで7時~10時』という事実が判明した」となっているので、ここでは「第2スタジオ」とした。
レコーディングされた楽曲は次の4曲。
・Besame Mucho
・Love Me Do
・P.S. I Love You
・Ask Me Why
この時のドラマーはまだピート・ベストである。この日のレコーディングからは後に「Besame Mucho」と「Love Me Do」がアルバム「Anthology 1」に収録されている。
また、ジョージ・マーティンの「何か気に入らないことがあるか?」の問いに、ジョージ・ハリスンが「あんたのネクタイが気に入らない」と答え、その場の雰囲気が和んだというエピソードはこの日のレコーディング終了時のことである。
この日のレコーディング・テストの結果、マーティンの決断により、ザ・ビートルズはEMIとレコーディング契約を結ぶことになる。

8月16日
ピート・ベスト、ザ・ビートルズから解雇される。

8月18日
イギリス・バーケンヘッドにあるハルム・ホールでライヴ。
この日、初めてリンゴ・スターがザ・ビートルズのメンバーとして演奏する。

9月4日
二度目のレコーディング。この日はデビュー・シングル用の楽曲のレコーディングであった。
レコーディングされた楽曲は次の2曲。
・How Do You Do It
・Love Me Do
「How Do You Do It」はマーティンがデビュー・シングル用にどうか、と持ち込んできた曲であるが、ザ・ビートルズは自作曲で勝負したい旨を告げ、結局彼らの望みが通ることになる。この時にレコーディングされた「How Do You Do It」はアルバム「Anthology 1」に収録されている。
「Love Me Do」はリンゴがドラムスを担当している。
「How Do You Do It」「Love Me Do」共にこの日にモノ・ミキシングが行われている。
同じ日には「Please Please Me」のテンポの遅い、ハーモニカが入らないヴァージョンがスタジオで練習されている(レコーディングはされていない)。

9月11日
三度目のレコーディング。前回のレコーディングでは「ドラム・サウンドが良くなかった」と判断されたため、今回はセッション・ドラマーのアンディ・ホワイトがスタジオに呼ばれていた。
レコーディングされた楽曲は次の3曲。
・P.S. I Love You
・Love Me Do
・Please Please Me
「P.S. I Love You」ではリンゴがマラカス、アンディがリム・ショットを担当している。
「Love Me Do」ではリンゴがタンバリン、アンディがドラムスを担当している。
この日レコーディングされた「Please Please Me」がアルバム「Anthology 1」に収録されているが、「ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版」では、この日のヴァージョンではなく、同年11月26日のヴァージョンではないかと意義を唱えている。理由としては、この9月11日の時点ではまだ「Please Please Me」はロイ・オービソン風のスローな曲であり、マーティンは「テンポを速めてタイトなハーモニカをつけてはどうか?」と提言している。「Anthology 1」に収録されたヴァージョンは正式リリースのものとそれほどテンポは変わらない。このマーティンの提言が間違いなく「9月11日」だとすると、「Anthology 1」に収録されたヴァージョンは少なくとも「9月11日」にレコーディングされたものではなく、またドラマーもアンディ・ホワイトではないことになる。
「P.S. I Love You」「Love Me Do」共にこの日にモノ・ミキシングが行われている。

10月5日
デビュー・シングル「Love Me Do/P.S. I Love You」イギリスでリリース。

11月26日
以下の3曲をレコーディング。
・Please Please Me
・Ask Me Why
・Tip Of My Tongue
「Tip Of My Tongue」はシングルのB面候補にもなったが、マーティンが気に入らず、結局はブライアンが手掛けるアーティストの一人、トミー・クイックリーに提供される。

11月30日
以下の2曲のモノ・ミキシング。
・Please Please Me
・Ask Me Why

●1963年

1月11日
セカンド・シングル「Please Please Me」イギリスでリリース。

2月11日
デビュー・アルバム用のレコーディング。10:00~13:00、14:30~18:00、19:30~22:45、と2回の休憩を挟み、計585分間、約10時間の間に以下の11曲をレコーディングしている。
・There's A Place
・I Saw Her Standing There
・A Taste Of Honey
・Do You Want To Know A Secret
・Misery
・Hold Me Tight
・Anna (Go To Him)
・Boys
・Chains
・Baby It's You
・Twist And Shout
このうち「Hold Me Tight」はデビュー・アルバムには収録されず、リメイクされたヴァージョンがセカンド・アルバムに収録されることになる。

2月20日
オーヴァーダブ作業。
・Misery
・Baby It's You
ザ・ビートルズはレコーディングには参加せず。マーティンが「Misery」にピアノを、「Baby It's You」にチェレスタとピアノをオーヴァーダブしている。

2月25日
この日もザ・ビートルズはレコーディングには不参加。マーティンのチームによるモノ、及びステレオのミキシング作業が行われる。また、「I Saw Her Standing There」の第12テイクの冒頭に第9テイクのカウント (ワン・ツゥ・ツリー・フォー!)を付け加えている。ちなみに、資料によって「第1テイクに第9テイクのカウントを付け加えた」という記述と「第12テイクに第9テイクのカウントを付け加えた」という記述があるが、日経BP社が出版した「ザ・ビートルズ全曲バイブル」と「ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版」を総合すると「第1テイクに手拍子をオーヴァーダブしたものを第12テイクとし、それに第9テイクのカウントを付け加えた」ということになる。

3月5日
以下の3曲をレコーディング。
・From Me To You
・Thank You Little Girl (のちの「Thank You Girl」)
・The One After 909
*「The One After 909」はのちにアルバム「Let It Be」に収録される「One After 909」と同曲。この日レコーディングされたヴァージョンは「Anthology 1」に収録されている。

3月13日
以下をレコーディング。
・Thank You Little Girl (のちの「Thank You Girl」)
*ハーモニカのオーヴァーダブ。
以下のモノ・ミキシング。
・Thank You Little Girl (のちの「Thank You Girl」)
以下のステレオ・ミキシング。
・Thank You Little Girl (のちの「Thank You Girl」)

3月14日
以下のモノ・ミキシング。
・From Me To You
以下のステレオ・ミキシング。
・From Me To You

3月22日
デビュー・アルバム「Please Please Me」リリース。

4月11日
シングル「From Me To You/Thank You Girl」リリース。

ジャケットは当時のEMIレコード本社ビルのバルコニーで撮影されている。1969年にリリース予定だったアルバム「Get Back」も同じ場所、同じ構図で撮影されたがリリースには至らず。結局は1973年リリースの編集アルバム、いわゆる赤盤・青盤である「1962-1966」に、この「Please Please Me」のジャケットの別写真、「1967-1970」にアルバム「Get Back」で使用予定だった写真がジャケットとして採用されている。

アメリカではイギリス盤と全く同じ仕様、つまり同じジャケットで収録曲や収録順も同じアナログ・アルバムはリリースされていない。1987年のCD化で初めて登場した。

日本では、1966年5月25日にリリースされた、ジャケットと曲順を変えた「ステレオ!これがビートルズVol.1」がイギリス盤の「Please Please Me」にあたるが、モノラルではなかった。1976年6月20日にジャケットと曲順を同じにした「Please Please Me」がリリースされるが、この時もモノラルではなかった。イギリス盤と同仕様によるアナログ・アルバムのモノラル盤は1982年1月21日にオリジナル・モノ・シリーズとして限定リイシューされたのが初めてになる。

イギリスのメロディ・メーカー誌のチャートでは、1963年4月6日付で10位に初登場。以降7位→5位→3位と上昇し、5月4日に1位に輝いている。その後同年11月30日に同じザ・ビートルズのセカンド・アルバム「With The Beatles」に1位を明け渡すまで30週間1位に君臨していた。

マーティンは最初、キャバーン・クラブでのライヴ・レコーディングを考えていたが、レンガ造りの低い天井での反響音や、狭い場所へのレコーディング機材の搬入・セッティングでの困難さを考慮し断念している。ただしライヴに近い形でレコーディングをしたいという意思は続いており、実際にスタジオでのメンバーの立ち位置などはライヴでのステージングと同じポジションを採用している。
また、マーティンは「Off The Beatles Track」というアルバム・タイトルも提案していが使用されることはなかった。ただし1964年にリリースされたザ・ビートルズの楽曲をジョージ・マーティン・オーケストラで再現したアルバムのタイトルに使用された。

ザ・ビートルズのデビュー・アルバムのレコーディングは1963年2月11日、約585分間で終了している。この年のイギリスは1947年以来の厳冬だった。ジョンは風邪がひどく、大量のノド飴と紅茶、タバコの力を借りてレコーディングを乗り切っている。この1963年2月11日をロック史の記念すべき日と記述している書籍も多い。

リンゴの記憶によると、曲ごとのリハーサルはなく、最初に当日の全演奏曲をランスルーし、スタッフに各曲のサウンドをつかんでもらったという。

ジョンはこのアルバムに対し「ハンブルクやリヴァプールのクラブでやってたライヴの音に一番近い、つまり賢いビートルズになる前の俺たちに一番近い音だよ」と語っている。彼の言葉通り、本アルバムはライヴ感覚を大切にした作りになっており、ベーシックなレコーディングをたった1日で終了させたのも、「I Saw Her Standing There」の冒頭に編集までしてカウントを付加したのも、オーヴァーダブを最小限に抑えたのも、このライヴ感覚を意識してのことであった。

また、ジョンは「このレコーディングで良かったことのひとつは、エコーなしでレコーディングしたことなんだ。エコーが出始めた時、自分たちにそんなものを使える余裕はなかった。余裕ができたころには嫌いになっていた。だからステージでは使ったことがないんだ。エコーを使用しなかったことで、より生に近いヴォーカルをレコーディングすることが出来た。」と語っている。

エンジニアのノーマン・スミスは「サウンドはけっこうドライな感じに仕上げた。当時全盛だったエコーがわたしは大嫌いだったんだ。それでシンガー用のマイクを、バンドと同じ場所に立ててみた。普通、シンガーは別のレコーディング・ブースに入るものなんだけれど、わたしにはいいアイディアとは思えなかった。それではセッションのライヴ感が失われてしまう」と語っている。

マーティンは「実際のところ、わたしたちはただ、キャヴァーンでのパフォーマンスを、それに比べるとずっと静かなスタジオで再現しただけだ。イントロとエンディング、そして中間に入る楽器演奏の部分がわたしの担当だった。たとえば『Please Please Me』は、最初1分10秒しかなかった。だからわたしがコーラスは2回必要だし、2回目のコーラスではこれこれのことをやるようにと指示したんだ。でもアレンジといってもその程度のものだったね」と語っている。

収録曲概説

● I Saw Her Standing There
ポールが16歳の時に作った作品でリード・ヴォーカルもポール。歌詞の一部をジョンが手伝っている。

ジョン「ジョージ・マーティンいうところの『ウケ狙い』を、いつものようにポールがうまく仕上げてくれた。僕も歌詞をちょっと手伝っている」
ポール「最初のフレーズで行き詰ったんだけど、ジョンが"Well, she was just seventeen/She'd never been a beauty queen"の"She'd never been a beauty queen"の代わりに"You know what I Mean"を思いついて『これだ!』ってね」

冒頭のカウント「1-2-3-4!」は第9テイクからわざわざそのパートのみを抽出して付け加えているが、この処理によってよりライヴ感が増している。ザ・ビートルズのデビュー・アルバムの冒頭の掛け声としてはこれ以上のものはないだろう。

ポールは、チャック・ベリーの"I'm Talking About You"からベース・ラインを拝借したと語っている。

I'm Talking About You/Chuck Berry

厳密な意味でのテイク違いは存在しないが、アメリカの"Vee Jay"からリリースされた”Introducing The Beatles"は、冒頭のカウントが「1-2-3-4!」ではなく、ただの「4!」、つまり「フォー!」という雄叫びだけで始まる。
同様に"Vee Jay"からリリースされた、"Songs, Pictures And Stories Of The Fabulous Beatles"(「Introducing The Beatles」のジャケットを変えたもので内容は一緒)、"The Beatles VS. The Four Seasons"(2枚組アルバム。1枚目にザ・ビートルズ、2枚目にザ・フォー・シーズンズの曲を集めた共演盤)に収録されている同曲も「フォー!」という雄叫びだけで始まる。

1974年11月28日、マディソン・スクゥエア・ガーデンで行われていたエルトン・ジョンのライヴに、ジョン・レノンが飛び入りで出演。その時に「僕を棄てたフィアンセ、ポールの曲をやります」と冗談っぽくアナウンスした後にこの曲を演奏している。
ザ・ビートルズ解散後に、ジョンとポールが揃って演奏したことがあるザ・ビートルズの楽曲はこの「I Saw Her Standing There」と「Come Together」だけである。

I Saw Her Standing There/John Lennon & Elton John

I Saw Her Standing There - Twist And Shout/Paul McCartney & Bruce Springsteen & The E. Street Band

yamada3desu
yamada3desu
@yamada3desu

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