超高速！参勤交代 リターンズ（映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

洗濯に来た女たちが河原で倒れている鈴木を発見していた。「こごはどこだ」と鈴木が言うと、女たちは親切に船の乗り降り場を教えてくれる。

一方湯長谷の一行は、あと一つ森を抜ければ湯長谷というところまで来ていた。しかし荒木が「何かいる！」と言う。そこには柳生の幻道とその手下の諸岡三太夫（もろおかさんだゆう）や極蔵などが勢揃いしていた。
そこにかつて一緒に信祝に対抗した雲隠段蔵（くもがくれだんぞう）がいた。政醇たちは「なぜじゃ」と動揺している。段蔵は攻撃しながらも小声で「戦え、頼む」と言う。段蔵は柳生に娘を人質に取られ、仕方なく戦っているだけだったのだ。
それに気付いた政醇は段蔵とおみよを連れて逃げ切るのだった。

湯長谷城

湯長谷藩の一行は、ようやく湯長谷城に到着し安心している。しかし増田が「火が！」と城の中で見知らぬ男たちが燃やしているのを発見する。
そこにケガをおった侍が一人出てくる。その侍は湯長谷藩の次席家老である福田弥之助（ふくだやのすけ）だった。福田は「湯長谷を守りきれませんでした…」と泣き崩れる。政醇は「まずはことの次第を話せ」と言った。

江戸の秋山

江戸屋敷では藩の改易に合わせて、政醇の妹である琴姫や藩士たちが追い出されていた。
湯長谷藩の祐筆の秋山は、人々を指揮して「一同、磐城平藩（いわきたいらはん／湯長谷藩の本家のこと）に身を寄せるのじゃ」と言う。そして琴姫に「拙者は行きます」と言い、脱藩の意思をしたためた手紙を渡す。
「どうするつもりじゃ」と琴姫は言うが「信祝を許せません」と脱藩の意志は固い。まさに乗り込もうというその時、南町奉行の大岡忠相が秋山を止めるのであった。

一揆の真相

百姓の家では一揆のことについて話をしていた。福田は「何の前触れもなく突然一揆が起こりました。あれは百姓にばけた手練れの武士のしわざです。幸いみな無事です。櫓（やぐら）に閉じ込められておりますが」と笑顔を見せる。

江戸南町奉行所

秋山がなぜ信祝の屋敷にいたのかを大岡が問うていた。「老中を狙っていたのだな、あきれたやつだ」と大岡が言う。
大岡は秋山に小声で「（実は）老中を見張っておったのだ。幕閣を殺した者を捕らえれば、信祝のしっぽもつかめよう」と言う。
秋山は「まさか、信祝を裁くおつもりですか」と驚く。そして大岡は「お主、手伝うてみるか」と持ちかけるのだった。

動き出す政醇たち

政醇は「段蔵。娘は大事なかったが」と聞くと「すまなかった」と頷く。皆がほっとする中、荒木が「段蔵、信祝の仕業とはなんだ」と聞く。
段蔵は「信祝はこれまでにも狙った藩に隠密をつかって一揆をしかけ、騒乱をおそれた藩から金を受け取っておりました」と続ける。政醇は「まずは民のことよ。夜が明け次第村の様子を確かめっぞ」と言う。

湯長谷の現状

翌朝、政醇は村の様子を見に出ていた。田畑は荒され家屋も壊されている状態に唖然とするしかない。そこに百姓たちが集まってきて「手塩さかけた田んぼが、めったくそになっちまった」「殿様が留守にしてたから…今頃戻ってきても、おせえ」と口々に言う。そんな百姓たちに政醇はただ「すまねえな…」としか言えないのだった。

信祝、湯長谷へ

江戸の信祝は湯長谷へと出発するところだった。大岡と秋山がその様子を木陰から見ていた。しかし2人は途中で他の人間に尾けられていることに気づく。そのまま秋山と大岡は二手に分かれ、秋山が角を曲がったところで男たちと対峙する。
秋山は最後の敵を倒すと、その男の胸元に紙が挟まれているのを見つける。その紙には「鳩五川九岩八」と書かれていた。大岡は避けて十手を投げ、極蔵の顔面に命中させる。

お咲の想い

政醇は「湯長谷の藩士や民の行く末がこの手ひとづにかかっでっど思うとおっかねぇだ」と言う。それを聞いたお咲は「内藤様に助けられてから、初めて生きてるって感じたんだ。あたしにも、何かできることはあるかい」とお咲は言う。政醇は、まっすぐお咲の目をみて「炊き出しをしたいんだけっじょも」と言う。お咲は「手伝うよ」と微笑むのだった。

湯長谷の村では、お咲や村の女たちが炊き出しを行っていた。するとそこに、柳生の男たちが乱入してくる。お咲は村人を守るように前に出て「なにするんだよ、あんた」と啖呵をきる。すると、柳生の男は「内藤の女だな。一緒に来てもらおう」とお咲を連れ去ってしまうのだった。

踏みにじられる湯長谷領

柳生の一派は「ここには柳生農場をつくるのだ」と再び村を蹂躙しに訪れていた。百姓は「ここはおらの畑だ！」とすがりつくが足蹴にされてしまう。

政醇は、井戸の様子を見に来ていた。そこに百姓の少年が「殿様ー！」と駆けてくる。「畑が悪いやつらに荒らされたんだぁ！」と言う。政醇が村の様子を見に行くと、百姓たちが荒らされた畑をみて泣いていた。政醇は「信祝、許さねぇ」と畑をにらみつけるのだった。
すると、おかめが走ってきて「お咲さんが変な男に連れてかれてしまって…！」と言うのだった。

信祝の野望

お白洲（法廷のこと）では、大岡の手によって極蔵が裁きにかけられていた。そこに秋山が「お待ちください！」と入ってくる。「なぜこの尾張柳生の手練れ（極蔵のこと）が信祝と湯長谷に行かなかったのか。謎がとけました」と「鳩五川九岩八」と紙を見せる。「これは時と場所でございましょう。つまり、筋を通して考えればこの者どもがこのどこかで待ち伏せを企んだに相違ありませぬ」と秋山は言う。

水戸宿の本陣では、信祝と尾張柳生家当主の柳生厳儔（やぎゅうとしとも）が話をしていた。信祝は「明日はいよいよ湯長谷ですな。厳儔殿。今頃幻道が尾張柳生家本体の入城の準備を整えているはずでござる」と言って出発するのだった。

湯長谷城奪還

湯長谷城には「火急の書状がございます！」と使いが訪れていた。門番はその書状を読むと、慌てて城のなかに知らせに行く。その隙に使いの男は城の中に入り、内側から門を閉める。この使いの男は、実は段蔵が変装した姿だった。城の中では、残っていた柳生の者どもが「あれは罠だ、戻るぞ」と異変に気づく。

その後、政醇と段蔵は家臣たちと別れてお咲を探していた。ようやくある部屋で囚われていたお咲を見つけたが、そこに柳生の者たちが襲撃してくる。そこに鈴木が「遅れました！」と屋根の上から弓矢で参戦する。
政醇は相馬や荒木と共に、今村たちと合流した。さらに三太夫も政醇たちの前に立ちはだかる。
幻道は「この恥さらしが！」と三太夫を斬ろうとするが、政醇が気を引いている間に、後ろから三太夫に幻道が刺されてしまう。三太夫は倒れた幻道を見下ろし「信祝は湯長谷藩のみならず、上様のお命を奪い天下を獲るつもりでおります」と言う。政醇は驚いた。

対峙する政醇と信祝