リアル・スティール(Real Steel)のネタバレ解説まとめ

『リアル・スティール』とは、人間の代わりに高性能ロボットたちが激しい戦いを繰り広げる“ロボット格闘技”が人気を博す近未来を舞台にした痛快SFアクションムービー。落ちぶれた元プロボクサーの男と、彼の前に突然現れた11歳の息子が、スクラップ置き場で見つけた旧式ロボットATOMに希望を託し、親子の絆を深めながらロボット格闘技の王者を目指す姿を描く。アメリカ劇場初登場1位のヒットを放った。2011年制作。

『リアル・スティール』の概要

『リアル・スティール』とは、映画やテレビドラマの脚本を数多く手がけたアメリカの作家・リチャード・マシスンが1956年に発表した短編小説「四角い墓場(原題:Steel)」を原作とした、パワフルなロボット格闘技が繰り広げられる近未来SFアクション・ムービー。
製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグが参加し、監督は、「ナイトミュージアム」(06)のション・レヴィが担当。
レヴィは、単なるロボットアクションにはせず、近未来ながらノスタルジックな雰囲気が滲む世界の中で父と子の物語をメインにして描こうとした。それゆえ、親と子の絆を描いたボクシング映画の名作「チャンプ」(79年)を思わせるところがある。

主演は、「X-MEN」シリーズのウルヴァリン役で一躍スターダムを駆け上がったヒュー・ジャックマン。彼の息子役に「マイティ・ソー」(11年)でソーの若年期を演じたダコタ・ゴヨ。共演は、「アントマン」(15年)のエヴァンジェリー・リリー、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(14年)「アントマン」にスーパーヒーローのファルコン役で顔を出しているアンソニー・マッキー、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」(09年)でミュータントのブロブを演じ、テレビドラマ「LOST」での冷酷な傭兵班のリーダー役で日本でも名を知られるようになったケヴィン・デュランド、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(16年)でアイアンマンことトニー・スタークの母を演じたホープ・ディヴィス、「インディペンデンス・デイ」(96年)の国防長官役ジェームズ・レブホーン、他。
音楽は、ティム・バートン作品の多くを担当し、最近は「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(15年)「ジャスティス・リーグ」(17年)などアメコミ系作品も手掛けているダニー・エルフマン。

公開後、本作を題材にしたネット配信ゲーム「リアル・スティール・3Dロボット対戦」(オー・ジーエンターテイメント)、デジタルダウンロードゲーム「リアルスティール」(株・ユークス)が作られ、映画に登場したロボット達をユーザーが自分で戦わせることができ映画ファンやゲームファンを喜ばせた。

『リアル・スティール』のあらすじ・ストーリー

中古の格闘技ロボット・アンブッシュのトレーナーとして生計を立てている元プロボクサーのチャーリー。

2020年のアメリカ。
人間のボクシングに代わり、より暴力的な“ロボット格闘技”に人々は熱狂していた。
人間のボクシングが廃れてしまったことで、かっては将来有望と期待されていた元プロボクサーのチャーリー・ケントンは、夢も希望も失ってしまい、今では中古のロボットを使ってドサ回り専門のトレーナーに身をやつしていた。
カリフォルニア州の街、サン・デアンドロにやって来たチャーリーは、持参した格闘用ロボット“アンブシュ”と猛牛の真剣勝負を観客に見せることになっていたが、猛牛が最初に聞いていたより二倍も大きく、試合を取り仕切っていたリッキーに話が違うと食って掛かった。そして、2万ドルを賭けた勝負にするならやってやると言い出した。
リッキーはOKし猛牛との勝負が始まったが、最初は優勢だったアンブッシュが猛牛の角に激突されて片足をもぎ取られ胸を砕かれ、瞬く間にスクラップと化し、あえなく負けてしまった。
2万ドルの大金なんて持っているわけないチャーリーは、アンブッシュをトレーラーに積み込むと急いで立ち去ろうとしたが、見知らぬ二人の男が彼に近づいてきた。てっきり賭けた金を取りに来たと思ったチャーリーは相手に殴りかかったが、そうではなかった。
チャーリーの昔の恋人キャロラインが亡くなり、11歳になる息子マックス・ケントンの親権の話でやって来たのだ。
そして、リッキーが金を取りに来たときはトレーナーは立ち去った後で、彼は地団太を踏んだ。

チャーリーは、キャロラインの姉夫婦デブラとその夫マーヴィン・バーンズとマックスの親権を決めるために家庭裁判所にやって来た。
息子に全く興味のなかったチャーリーは、直ぐにでも親権を姉夫婦に譲るつもりだったが、デブラ達が裕福であることに気付くと、デブラが席を外した隙にマーヴィンに近寄り、親権を譲る代わりに大金をくれと要求した。
州法により、遺言がない場合は最も近い親族に親権があり、チャーリーはそれを利用したのだ。
アンブッシュがスクラップになり、彼は何としても別の格闘用ロボットが必要で、そのための金が欲しかった。
マーヴィンは要求を受け入れたが、夏の2カ月間は夫婦でイタリア旅行に行くので、その間はチャーリーがマックスを預かってくれないかと言った。
チャーリーは、10万ドルくれるなら親権を譲るだけでなく預かってやってもいいと答え、二人は合意した。

金の当てが付き、チャーリーは中古だがWRB(ワールド・ロボット・ボクシング)の創世記に活躍した格闘用ロボット“ノイジー・ボーイ”を購入することができた。
そしてロボットの届け先に、彼が以前に所属したボクシング練習所タレット・ジムを指定し、彼は居候を決め込んでやって来た。
ジムには、チャーリーが幼い頃から一緒に育ったオーナーの娘ベイリー・タレットがおり、金銭的に厳しいながら何とかジムを維持しようと頑張っていた。
マーヴィンは息子マックスを伴ってジムにやって来るとチャーリーに前金の5万ドルを渡し、デブラと共にイタリアへと旅立っていった。
残されたマックスは、父親であるチャーリーが金のためだけに自分を利用してマーヴィンと取引したこと、そしてチャーリーと暮らすハメになったことに腹を立てていた。
だが、届いたノイジー・ボーイを目にするや、ゲームやロボット好きのマックスの胸がときめいた。
ノイジー・ボーイには音声認識装置が搭載されており、リモコン操作だけではなく、入力された技のコンビネーションを言葉で伝えて戦わせることできた。マックスはそんなノイジー・ボーイに興味津々だった。

タレット・ジムに届いた格闘技ロボット“ノイジー・ボーイ”にときめくマックス。

チャーリーは、早速ノイジー・ボーイを戦わせるため、デイジーにマックスの世話を頼み、下町にある非公式のロボット闘技場クラッシュ・パレスに向かうことにした。
だが、マックスが無理矢理付いていくと言い出し、チャーリーが拒否したにも関わらず勝手にトレーラーに乗り込んできた。
クラッシュ・パレスに着くと、競技場を取り仕切っているフィンから前座で出してやってもいいと言われたが、チャーリーは自信たっぷりでメインイベントに出せと迫った。
フィンは承諾し、クラッシュ・パレスの王者“ミダス”と戦わせることにした。
試合が始まり、ノイジー・ボーイは最初は優勢だったが、非公式の試合ゆえにミダスが反則技を繰り出し、強烈なパンチを浴びまくった。
このままではノイジー・ボーイは壊されてしまう。リモコン操作じゃなく音声認識装置を使って指示を出してとマックスがチャーリーに叫んだが、時すでに遅く、ノイジー・ボーイは頭と腕をミダスのパンチによってもぎ取られ、全く動かなくなり完全敗北を喫した。
壊れてしまったノイジー・ボーイのボディで無事なのは音声認識装置だけだった。

またもロボットを失ったチャーリーは、次のロボットの購入費用もなく、帰りがけにスクラップ置き場に忍び込んで、使えそうなロボットのボディパーツを探すことにした。
マックスも付いてきたが、チャーリーがパーツを探している最中に雨が降り出し、マックスがスクラップ置き場端の崖から滑り落ちてしまった。
驚き慌ててチャーリーが駆け寄ると、マックスは崖の土中から突き出たロボットの腕に引っかかってた。
チャーリーは、マックスが崖下まで落ちなかったことにホッとし、手を伸ばしてなんとか彼を救うことが出来た。
ロボットの腕が気になったマックスが土をさらうとロボットの頭が現れた。
「このロボットが僕を助けてくれた。だから連れて行くよ」とマックスは言ったが、チャーリーは「そんなゴミを持っていく気か!」と言い捨てて先にトレーラーに戻ってしまった。
仕方なく、マックスは一人で土を掘り起こし、ロボットをトレーラーまで運んだ。
ジムに持ち帰ると、ベイリーがロボットを動かせるようにバッテリーを入れリモコン装置に繋いでくれた。
実際に動くかどうかは分からなかったが、電源を入れるとロボットは起き上がった。そして、ロボットはマックスの動きと同じ動作をした。
一世代前のスパーリング・パートナー用ロボットで、人の動きを真似て記憶するシャドー機能が付いていたのだ。
マックスが洗ってロボットに付いた泥を落とすと胸に“ATOM”の文字が出てきた。それがロボットの名前だった。

スパーリング・パートナー用ロボットATOMがマックス達の前で動き出す。

マックスは、チャーリーにATOMを試合に出したいと言ったが、返事はスパーリン・パートナー専用だからダメ、と断られた。
そして、新しいロボットを買う金を工面するために、チャーリーはマックスと共にジムを後にした。
アトランタにあるメジャーなワールド・ロボット・ボクシング(WRB)のメイン会場にいたフィンを見つけ、チャーリーはATOMを他のロボットのスパーリング用に使ってくれないかと持ちかけたが断られ、「そんなロボットなら“動物園”に連れていけば試合はできるんじゃないか」と冷たく言われた。
“動物園”とは、廃業し朽ち果てた動物園の広場で行われるロボット格闘技の闇試合のことで、チャーリーはあまり乗り気になれなかった。
だが、マックスがどうしてもATOMに試合をさせたいと言うので、それなら動物園で戦わせてやるが、ATOMが壊れて鉄クズにされても知らないぞ、と冷たく返した。
翌朝、マックスは初めての試合に向けてATOMのシャドー機能で動きをプログラミングし、やる気満々だった。
動物園の闇試合を取り仕切っているキングピンと賭け金の交渉をしたのはマックスだった。
キングピンが自分の格闘用ロボット“メトロ”と戦い1ラウンドで100ドルやると言ったが、マックスは強気に300ドルと返し、相手が子供と見くびった彼は、それなら1ラウンド持ったら1,000ドルくれてやると言い放った。そして、メトロが勝ったら、お前のロボットを俺がもらうとまで言った。
遅くはない、100ドルで手を打てとチャーリーはマックスをたしなめたが、彼は聞かなかった。
そしてゴングが鳴り、ATOMとメトロの試合が始まった。
リモコン操作器を初めて使うマックスは最初は苦戦したが、そばでチャーリーが的確な指示を出し、なんとか使いこなして1ラウンド持ちこたえた。
驚いたキングピンは、もう1ラウンド戦ってまだ持ったら2,000ドルやると言い出し、チャーリーが止めるのも聞かずマックスはオーケーした。
2ラウンド目が始まるや、マックスはATOMにメトロのアゴを目がけて痛烈な頭突きを喰らわせる作戦に出た。まんまと作戦が成功し、頭突きを喰らったメトロはシステム異常を起こして運動停止し、ATOMが勝利した。
大喜びのマックスとチャーリーは、試合を見ていたプロモーターから「うちの試合に出合いに出てくれたらファイトマネーは4,000ドル、勝てば7,000ドル」と持ちかけられ、二つ返事でOKした。

マックスは、一晩かけてATOMをリモコン装置を使わず、ノイジー・ボーイの音声認識装置を組み込んで動くように作り変えた。
翌朝、マックスはATOMとモーテルの庭にいた。音楽をかけてマックスが踊り出すと、ATOMも彼を真似て踊りだした。
マックス達のダンスを見ていたチャーリーが踊りを褒め、試合の前にお前とATOMでダンス・パフォーマンスすると面白いんじゃないかと提案した。
ダンスがウリになるし観客に絶対にウケるぞ、と。
マックスはその気になったが、交換条件としてチャーリーに人間のボクシングの技をATOMのシャドー機能を使って教えて欲しいと頼んだ。
チャーリーが昔は将来有望なプロボクサーだったことをベイリーから聞いていたマックスは、彼のファイティング・スタイルをATOMに応用できると考えたのだ。
最初は戸惑ったチャーリーだったが、引き受けることにした。そして、朝早く起きるとチャーリーはATOMに自分の持てる技を教えることに専念した。
チャーリーの言葉通り、マックスとATOMのダンス・パフォーマンスは観客に大受けし、またATOMの人間のようなテクニカルな戦い方も評判を呼んだ。試合も順調に勝ち進み、ATOMの名がロボット格闘技ファンの間に広がっていった。
そしてチャーリーとマックスは、同じ目的に突き進む同士として次第に打ち解けていった。

ATOMに人間のボクシング・テクニックを教えるチャーリー。

やがて、ワールド・ロボット・ボクシング(WRB)の興行主の目に留まり、今までと違って公式戦出場へのオファーが舞い込んだ。
公式戦と言っても前座の試合だったが、それでもチャーリーやマックスにとって一歩前進であり、ファイトマネーも今までと違い高額だった。
試合の前に控室でATOMに整備をしていると、富豪の娘ファラ・レンコヴァからの招待があった。ファラはWRBチャンピオンの格闘用ロボット“ゼウス”のオーナーだった。
チャーリー達がファラの部屋に行くと、ゼウスの設計者でもある天才プログラマーのタク・マシドがいた。
ファラの要件は、ATOMをゼウスのスパーリング用に20万ドルで買いたいという申し出だった。
チャーリーは乗り気になったが、マックスは「売らないよ、今もそうだしこれからも絶対に売らないよ」とファラの申し出を断り部屋から出て行った。
後を追いかけたチャーリーは、なんとかマックスを説得しようとしたが、頑固な彼は全く耳を貸さなかった。
マックスにとってATOMは今では自分と共に戦うロボットであり、スパーリング用に使われるなんて断じて承知できなかったのだ。
そして、前座試合が始まった。ATOMが戦う相手は双頭の暴君と呼ばれる二つの頭を持つ格闘用ロボット“ツィン・シティズ”だった。
チャーリーが音声認識装置でATOMに指示を出して戦いに挑んだが、公式戦の格闘用ロボットが相手だけにそれまでの戦いとは違いATOMはリング・コーナーにどんどん追い詰められ、激しい連続パンチを受け防御するのみで手も足も出なかった。
マックスがチャーリーに、「このままではやられてしまう、ツィン・シティズの弱点を見つけて!探して!」と叫び、チャーリーは相手の動きを必死に見つめ弱点を探した。やがて、ツィン・シティズの右の肩の動きが少しおかしいことに気付いたチャーリーは攻撃方法を変えた。
おかげで逆にツィン・シティズがATOMのパンチを何度も喰らうこととなり、クラッシュしてマットに倒れ起き上がることはなかった。
公式戦で強敵に勝利し喜び勇んだマックスは勝手にマットに上がり、「僕のロボットを、ゼウスと戦わせてくれ!」と王者決定戦への挑戦を宣言した。
観客もマックスの宣言に歓声を上げた。

その帰り道、多額の賞金が手に入り勝利に酔いしれていたチャーリーとマックスの前にリッキーが現れた。
サン・デアンドロで賭け金を払わずトンズラしたチャーリーを追ってきたのだ。チャーリーは半殺しにされ、賞金もリッキーに全部奪われてしまった。
傷ついたチャーリーを介抱しようとするマックスに、「すまない、本当にすまない、許してくれ」と彼は心から詫びた。
マックスに手こずりながらも彼と気持ちが通うようになっていたチャーリーは、息子の取り分の賞金まで奪われたことに、「自分はなんてダメな父親なんだ」と深く悔いたのだ。
数日後、チャーリーはマックスを連れてニューヨークに向かった。それはデブラ達がイタリア旅行から戻り、約束通り彼女にマックスを引き渡すためだった。
そのことを知ったマックスは、チャーリーと一緒にATOMの試合を続けたいと懇願したが、チャーリーはその願いを聞き入れようとはしなかった。
自分と居ると、いつまたマックスを危ない目にあわせるかもしれないし、デブラ達と暮らすのがマックスにとっては一番幸せなだと思ったからだ。
マーヴィンが約束の残りの半分の金5万ドルをチャーリーに渡そうとしたが、彼は受け取らなかった。
別れ際、マックスはチャーリーに向かって「ボクのために戦ってほしかった。ずっとそれだけだよ」と告げ、デブラ達と去っていった。

ゼウスとの王者決定戦に挑もうとチャーリーがマックスの住む家に運んできたATOM。

チャーリーはベイリーの元に戻ってきた。
マックスをデブラに引き渡したことを告げ、自分は父親失格なんだと自嘲気味に呟いた。
すると彼女が、「あの子があんたを見る目は、私が父を見てた目と同じだった。私は今でも父が恋しい」と言い、「今からでも遅くない、何をすればいいか分かってるでしょ」とチャーリーを励ました。
息子マックスのために父として自分が今できることに気付いたチャーリーは、デブラ達の屋敷を訪れた。
玄関に出てきたマックスにチャーリーは「時間がかかったが、お前の気持ちがやっと分かった。お前がその気なら俺は全力で戦う」と言って、トレーラーのそばに立つATOMを見せた。マックスが望んでいたATOMとゼウスの試合を実行することに決めたのだ。やっと自分の気持ちがチャーリーに通じたと思ったマックスは、笑顔で彼を見つめた。デブラに一晩だけマックスを預かりたいと頼み、チャーリーたちは試合場へ向かった。

WRBチャンピオンのゼウスと、ひと世代前のATOMの一戦は注目を浴び、試合場には多くの観客が詰めかけた。ベイリーやデブラとマーヴィンも駆けつけた。
ATOMがリングに上がる前、マックスはチャーリーに「勝てっこないよね」と弱音を吐いたが、「どうかな」とまんざらでもない顔をした。
そしてATOMとゼウスのロボット王者決定戦が開始された。
今回もチャーリーが音声認識装置で指示を出した。ATOMはゼウスの痛烈なパンチを浴び何度もマットに倒れたが、そのたびに立ち上がった。
ATOMも反撃に出て人間のような身のこなしでパンチを返し、ゼウスが後ずさった。それを見てファラとタクは驚き、不快感をあらわにした。
ゼウスがATOMに強烈な必殺パンチを喰らわそうとする寸前、ゴングが鳴り第1ラウンドは終わった。
第2、第3、第4ラウンドも互いにパンチの応酬が繰り返されたが、ATOMの動きが徐々に鈍くなってきた。
激しい戦いでATOMの音声認識装置がダメージを受け、チャーリーの指示が届かなくなったのだ。
このままではやられる一方で負けてしまうとチャーリーが諦めかけると、マックスが音声認識装置を切り、シャドー機能を使ってチャーリーが直接動かしてと言い出した。
「そんなの無理だ、俺には出来ない」とチャーリーは怯んだが、マックスは「絶対に出来る、ATOMと一緒に戦って」と真剣なまなざしで彼を見つめた。
マックスの熱意に負けてチャーリーは覚悟を決め、最終ラウンドが始まった。
リングの外側にいるチャーリーのシャドーボクシングに合わせてATOMがゼウスの猛攻をかわし、鋭いパンチを浴びせた。
チャーリーの忘れかけていたボクサー魂が蘇り、巧みな動きでゼウスをどんどん追い詰めていった。
このままでは王者ゼウスが負けてしまうと思ったのか、タクがゼウスの攻撃力をもっと強めるよう指示を出した。
だが、ゼウスのパワーはオーバーヒートしたのか次第に弱まっていき、最後はATOMの連続パンチを浴びてふらつき始めた。
そして、とうとうゼウスは倒れる寸前までいったが、その時ゴングが鳴り試合は終わった。
勝負は判定に持ち越され、わずかのポイント差で勝利はゼウスのものとなった。だが観客達はATOMの戦いぶりを称え、盛大な拍手を送り続けた。
チャーリーは、「父さん」と叫びながら走り寄ってきたマックスを、父と子の深い絆を確かめ合うようにしっかりと抱きしめた。

ゼウスとの試合でATOMは判定負けしたが、マックス達の健闘に観客から惜しみない拍手がおくられる。

『リアル・スティール』の登場人物・キャラクター

チャーリー・ケントン(演:ヒュー・ジャックマン、日本語吹替:山路和弘)

かっては将来有望なボクサーとして期待されていたが、人間のボクシングが廃れてしまい、今では中古の格闘用ロボットを使ってドサ回り専門のトレーナーとして生計を立てている中年男。夢も希望も失い、投げやりな日々を送っている。少々身勝手で向こう見ずな性格。
チャーリーが昔捨てた元恋人が亡くなり、彼女との間に生まれたマックスと初めて出会うが、最初は互いに他人のような関係だった。だが、マックスが見つけた旧型ロボットATOMを彼と一緒に試合させていくなかで、次第に息子への愛情が目覚めていく。
そして、ATOMが最強王者ゼウスと戦ったときに、初めてマックスと親子の深い絆で結ばれたことを実感し、忘れ去っていたボクサー魂をも蘇らせる。

マックス・ケントン(演:ダコタ・ゴヨ、日本語吹替:吉永拓斗)

チャーリーの一人息子。ゲームやロボットが好きで、負けん気が強く頑固。チャーリーに似て向こう見ずなところもある。
チャーリーがロボット購入資金を手に入れるために愛情の欠片も持てない自分を預かったことに腹を立てていた。
スクラップ置き場で見つけたATOMを見つけ、それをロボット格闘技に出すためにはチャーリーの手助けが必要で、一緒に試合に臨むこととなる。
心の内では、父であるチャーリーからの愛情を求めているようだが、なかなか上手く伝えられず、いつも彼に反発してしまう。
亡き母の姉に里親として引き渡されるとき、チャーリーに向かって「僕のために戦って。それだけだよ」と伝えた。それを聞いたチャーリーは初めて息子の願いを叶えようとし、そんな父を嬉しく思う。

ベイリー・タレット(演:エヴァンジェリン・リリー、日本語吹替:天海祐希)

チャーリーが以前ボクシング練習に励んでいたタレット・ジムを、亡くなった父の後を継いで一人で維持しようと頑張っている彼の幼なじみ。メカに強く、格闘用ロボットのメンテナンスもこなす。
チャーリーとは過去に恋愛関係があったようで、今でも彼への愛がくすぶっている。チャーリーががジムに居候するようになり、彼の息子マックスとも親しくなり、何かと二人を手助けしている。
チャーリーがデブラにマックスを引き渡し気落ちしていた時に、彼を励まし口づけをかわし、以前のような愛が再び二人の間に生じる。

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