ゲド戦記(Tales from Earthsea)のネタバレ解説まとめ

414023208356f91281aedcb7c4c8725f

2006年公開、スタジオジブリ作品であり、宮崎駿氏の息子である宮崎吾朗氏が初監督を務めた長編アニメーション映画。国を捨て旅に出た王子アレンと、その旅の途中で出会った顔にやけどを負った少女テルー。二人は旅をするにつれ、自身が抱える辛い過去と向き合いながらお互いの理解を深めていく。互いの心に歩み成長していく姿や、メッセージ性に様々な考え方をもたらす作品。

『ゲド戦記』の概要

61t3dd9q2il

『ゲド戦記』とは、宮崎吾朗によるスタジオジブリ作品。2006年に公開された。アーシュラ・K・ル=グウィンが1968年から2001年にかけて出版していた小説『ゲド戦記』の主に第3巻の「さいはての島へ」を原作とし、宮崎駿の絵物語『シュナの旅』を原案として制作された。世界観や設定、用語などは小説『ゲド戦記』を元に作られていますが、『シュナの旅』の影響も強く受けており、登場人物や所々のストーリーなど原作と異なる点も多い。また、宮崎吾朗氏の初監督作品でもある。海外の映画評論家からの評価は厳しく、国内からも、難解すぎるストーリー性から厳しい評価を受けている。しかし、興行収入は悪くなく、2006年の邦画興行収入で1位を獲得した。難解なストーリーであるが、そのぶん何度も見返してみると話の全体がわかり、作品の面白さに触れることができる作品である。

『ゲド戦記』のあらすじ・ストーリー

旅に出るアレン

自然災害やドラゴンの暴走、人々の生活が徐々に腐敗していくなど世界の均衡が失われつつあるなか、とある国の王子であるアレンは、その真面目過ぎる性格のために世の中の暗黒についてまで心を悩ませているうちに、彼の心の"光"が"影"の分身となって去っていく。それが原因となり心のバランスを崩してしまったアレンは衝動的に父王を殺害して国から失踪する。逃亡中、賢者ハイタカに命を助けられ、世界の均衡を崩している原因を探す旅に2人は出ることになる。

ホートタウンに立ち寄る

ハイタカと旅をする途中で、ホートタウンという街に到着する。街を探索していたアレンは人狩りにあっているテルーを見つけ救出する。その後、日が暮れてしまい港で眠ってしまったアレンのもとに、テルーを襲った人狩りが襲い掛かりアレンを奴隷にしてしまう。奴隷にされたアレンは売り飛ばされてしまうが、ハイタカがアレンを救出され、旅を続けることとなった。

テナーの家で生活

旅の途中でハイタカの友人のテナーの家に泊まったアレンは、顔にやけどの痕がある少女テルーと再開する。親から虐待を受けた辛い過去を持ち、自分自身を大切にできない人間を嫌うテルーは、悲観的で自暴自棄になるアレンを嫌っていた。しかし、アレンと行動を共にするうちに、彼もまた自分と同じ心に傷を負った者であることを理解し次第に歩み寄るようになる。

さらわれていく人々

テナーの家で生活をするアレン一行であったが、彼らに魔法使いクモの陰謀が襲い掛かる。ハイタカに深い恨みを持つクモは、ハイタカの周囲にいるアレンやテナーを誘拐し、ハイタカに自分の城まで来るように伝えた。その知らせを受けたハイタカは、彼らを救出するためにクモのもとへ行く。しかし、ハイタカはクモ自身と戦うのではなく洗脳されたアレンと戦闘を余儀なくされ、思うように力を出すことができなかった。アレンに意識が集中しているところをクモの部下によって捕らえられてします。捕まったハイタカは処刑される危機に迫られることになった。

テルーの戦い

ただ一人、テナーの家に取り残されたテルーは、ハイタカから託されたセリアドの剣を手にクモの城へ行くことを決意する。城内をさまようなか、アレンと再会する。アレンは、自分のせいでハイタカが捕らえられたことに絶望していたが、テルーに今自分がやるべきことを諭され、クモを倒すことを決心するのであった。

クモを打ち破り訪れる平和

アレンとテルーの2人でクモに立ち向かうことになる。ウサギの取り巻きは倒したものの、クモは「黄泉出しの術」を使いアレンの行動を封じ殺害しようとする。術により苦戦を強いられるアレンであったが、セリアドの剣を抜刀することに成功し、形勢逆転する。分が悪いと悟ったクモは逃亡を図るが、その際にテルーをさらってしまう。しかし、その行為がテルーの持つ自らの龍の血を覚醒させる原因となってしまう。覚醒したテルーは龍の姿になり、その業火によってクモを焼き払う。こうして元凶が消えうせたことで、世界の均衡を守ることができたのである。

『ゲド戦記』の登場人物・キャラクター

アレン (VC.岡田准一)

%e3%82%a2%e3%83%ac%e3%83%b3

物語の主人公で17歳のエンラッドの王子。レバンネンという真の名を持つ。真面目過ぎる性格で、世の中の暗黒についてまで心を悩ませるうち、本来は心の”光”であった彼の分身が”影”となって去ってしまう。それが原因で心の均衡を失ってしまい、精神不安定になってしまった彼は、衝動的に父王を刺殺する。国を捨てて逃走しているところをハイタカに救われ、ハイタカと共に世界の均衡を崩している根源を探す旅に出ることとなる。消極的でネガティブな思考をすることが多い人物だが、気持ちが高ぶると人が変わったかのように狂った行動をとる。また元王子であるため世間知らずなところがあり、他人の上手い話にのせられがち。

テルー (VC.手嶌葵)

%e3%83%86%e3%83%ab%e3%83%bc

物語のヒロインで顔にやけどの痕がある孤児の少女。実は人間ではなく龍族の血を受け継いだ龍。テハヌーという真の名を持つ。両親に虐待された末に捨てられてしまった悲しい過去がある。捨てられたのちテナーに保護され、彼女と共にと共に作物や羊を育てながら暮らしていた。自分の命を大切にしない人間に嫌悪感を抱くため、自暴自棄な態度をするアレンを嫌っていた。しかし、アレンと行動を共にする中で、彼もまた自分と同じように心に傷を負ったものであると知り段々と歩み寄っていく。一方で、ハイタカには清廉な心を持っていると感じたため出会ってからすぐに信用し、親しみを込めてタカと呼んでいる。正義感が強く、周りの人間がクモによってさらわれて一人になっても、皆を救うために剣をもって立ち向かう。

ハイタカ (VC.菅原文太)

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

コクリコ坂から(From Up on Poppy Hill)のネタバレ解説まとめ

『コクリコ坂から』とは、2011年に公開されたスタジオジブリのアニメーション映画。監督は宮崎吾朗で、キャッチコピーは『上を向いて歩こう。』。 港南学園高校2年生のメルこと松崎海は、毎朝庭で旗を揚げていた。それは戦争に行ったきり、帰ってこない父親へ向けた信号旗だった。ある日、学校新聞「週刊カルチェラタン」で、自分が旗を揚げる少女として取り上げられていることに気が付く。それは同じ高校の3年生、風間俊が書いた記事だった。メルはこの記事をきっかけに俊を気にするようになり、だんだんと彼に惹かれていく。

Read Article

天空の城ラピュタ(LAPUTA: Castle in the Sky)のネタバレ解説まとめ

1986年公開、スタジオジブリ作品。宮崎駿氏が監督、脚本、原作を手掛けた長編アニメです。飛行石という不思議な石を持つシータと、彼女を助けた少年パズー。空に浮かぶとされる島ラピュタ発見を夢見て、飛行機を作っていたパズーはシータと共にラピュタ探しを提案します。そこに空中海賊、政府軍などが飛行石、そしてラピュタを狙い介入。ただの冒険活劇でないところが、数十年経っても衰えない人気を誇っています。

Read Article

となりのトトロ(My Neighbor Totoro)のネタバレ解説まとめ

1988年公開。昭和30年代、緑豊かな農村に引っ越してきた草壁さつき、メイの姉妹は奇妙な生き物トトロと出会います。ネコバスも含め、子供の時にしか会えない彼らとの交流、そして少しの成長を描いたもの。爽やかな自然の描写と、それに相反する多くの暗い都市伝説を持つ作品でもあります。宮崎駿の原作、脚本、監督アニメ映画。

Read Article

おもひでぽろぽろ(Only Yesterday)のネタバレ解説まとめ

1991年公開のスタジオジブリ作品。監督・脚本は高畑勲。制作プロデューサーとして宮崎駿も参加している。ひとり旅に出た27歳の私が“小学5年生のワタシ”と一緒に、それまでの歩みを振り返るストーリー。 声優として今井美樹や柳葉敏郎が参加していることも上映当時には話題となった。 キャッチコピーは「私はワタシと旅に出る」。

Read Article

魔女の宅急便(Kiki's Delivery Service)のネタバレ解説まとめ

『魔女の宅急便』は、1989年に公開されたスタジオジブリ制作のアニメーション映画。キャッチコピーは「おちこんだりもしたけれど、私は元気です」。13歳の魔女キキは満月の夜に自分の住む街を出て、海の向こうの街コリコにたどり着く。そこで「魔女の宅急便」を開業し、挫折を味わい、成長していく。角野栄子の『魔女の宅急便』が原作で、映画では原作よりファンタジー性が抑えられているのが特徴。

Read Article

耳をすませば(耳すま、Whisper of the Heart)のネタバレ解説まとめ

「耳をすませば」は、1995年に公開されたジブリ映画。原作者は柊あおいである。この映画は、ジブリ作品を作画で支えていた近藤善文の最初で最後の監督作品で脚本・絵コンテは宮崎駿が担当している。ストーリーは、主人公「月島雫」を中心に恋や夢、悩みなどを描いている。誰もが一度は経験したことがある甘酸っぱい青春ストーリーで未だに人気の高い作品だ。

Read Article

風立ちぬ(The Wind Rises)のネタバレ解説まとめ

『風立ちぬ』とは、2013年にスタジオジブリが公開したアニメーション映画で、監督は宮崎駿。キャッチコピーは「生きねば。」。主人公の堀越二郎は、幼い頃から飛行機が大好きで飛行機乗りになりたかった。しかし近眼という決定的な欠陥から飛行機乗りの道を諦め、設計者を志すこととなる。そして大学生のころ関東大震災にあい、その時に出会った結核の少女、里見菜穂子と恋に落ちる。大正から昭和へと流れゆく時代に、生と死の間で苦悩する青年を描いた感動作となっている。

Read Article

紅の豚(Porco Rosso)のネタバレ解説まとめ

『紅の豚』は、スタジオジブリ制作・宮﨑駿監督による日本の長編アニメーション作品。 舞台は世界大恐慌に揺れるイタリア・アドリア海。自分自身に魔法をかけて豚の姿になったイタリア人・マルコが偽名「ポルコ・ロッソ」を使い、飛行艇を乗り回す空中海賊「空賊」たちを相手に、賞金稼ぎとして空中戦を繰り広げる。

Read Article

かぐや姫の物語(The Tale of the Princess Kaguya)のネタバレ解説まとめ

『かぐや姫の物語』とは、日本最古の物語と言われている『竹取物語』を題材に、高畑勲が14年ぶりに監督を務めたスタジオジブリ制作のアニメーション映画。2013年11月公開。キャッチコピーは「姫の犯した罪と罰」。竹から出てきた娘・かぐや姫が美しく成長し、男性たちからの求婚をかわし、やがて月に帰って行くという『竹取物語』の筋書きはそのままに、何のために地球に来てなぜ月に帰ることになったのか、誰も知ることのなかったかぐや姫の「心」と、物語に隠された真実を描き出す。

Read Article

もののけ姫(Princess Mononoke)のネタバレ解説まとめ

もののけ姫とは、宮崎駿、スタジオジブリ原作の長編アニメーション映画作品である。 1997年7月12日全国公開され、1998年の春先までロングラン上映を実施した映画館もあったことで、 興行収入193億円を記録し、20世紀日本映画歴代興行収入第1位となった。 アシタカという人間ともののけに育てられたサンが出会い、人間と自然の対立を描いた壮大な作品になっている。

Read Article

崖の上のポニョ(Ponyo)のネタバレ解説まとめ

「崖の上のポニョ」とは、宮崎駿監督によるスタジオジブリ製作の長編アニメーション映画作品。2008年に公開された。藤岡藤巻と大橋のぞみが歌うエンディング主題歌「崖の上のポニョ」は、オリコン週間3位になり話題になった。崖の上の一軒家に住んでいた5歳児の少年「宗介」は、海で魚の女の子「ポニョ」に出会う。ポニョは宗介に恋をし、人間になろうとするのであった。

Read Article

トップをねらえ!(Aim for the Top GunBuster)のネタバレ解説まとめ

『トップをねらえ!』とは、1988年にGAINAXによって制作された庵野秀明初監督のSFロボットアニメ作品。主人公タカヤ・ノリコが、努力と根性で苦難を乗り越え成長しながら未曾有の脅威「宇宙怪獣」と戦っていく。OVAの金字塔とまで言われ、いまだに多くのファンに愛され続けている。キャッチフレーズは「炎の熱血友情ハードSF宇宙科学勇気根性努力セクシー無敵ロボットスペクタクル大河ロマン!!!!!」。

Read Article

火垂るの墓(Grave of the Fireflies)のネタバレ解説まとめ

『火垂るの墓』とは、自身の戦争体験を題材にした野坂昭如の短編小説を元に、監督と脚本を高畑勲、新潮社とスタジオジブリが製作した劇場用長編アニメーション映画。1988年4月16日から東宝系で公開された。第二次大戦下の兵庫県神戸市と西宮市近郊を舞台に、父の出征中に母が亡くなってしまった14歳の兄・清太と4歳の妹・節子が、終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとする姿を描いた物語。

Read Article

ハウルの動く城(Howl's Moving Castle)のネタバレ解説まとめ

「ハウルの動く城」とは宮崎駿監督、スタジオジブリ製作の日本の長編アニメーション映画作品である。2004年11月20日に全国公開され、興行収入は196億円。スタジオジブリ製作アニメでは「もののけ姫」を抜き、「千と千尋の神隠し」に次ぐ第2位の記録を樹立した。 物語は魔法と機械が混在する架空の世界が舞台。呪いで老婆にされた少女ソフィーと魔法使いハウルの戦火の恋を描く。

Read Article

風の谷のナウシカ(Nausicaä of the Valley of the Wind)のネタバレ解説まとめ

1984年トップクラフト制作の日本アニメーション映画で、宮崎駿監督の長編アニメーション映画第2作である。原作は「アニメージュ」に連載していた宮崎の同名漫画『風の谷のナウシカ」。遥か遠い未来、近代文明が崩壊し「腐海(ふかい)」と呼ばれる菌類の森に世界は覆われていた。その辺境にある「風の谷」で生き抜く少女の生き様を描く。

Read Article

谷山浩子(Hiroko Taniyama)の徹底解説まとめ

谷山浩子とは、日本のシンガーソングライター。代表曲はNHK「みんなのうた」で流れた「まっくら森の歌」「しっぽのきもち」など。作風は小さな子でも聞ける童話的なものから歌謡曲チックなもの、シュール・ブラックメルヘン・感動系なものまで様々。物語が見えてくるようなファンタジーな歌詞が多く、谷山浩子ワールドを繰り広げている。2012年にデビュー40周年を迎えた。

Read Article

猫の恩返し(The Cat Returns)のネタバレ解説まとめ

『猫の恩返し』とは、2002年に上映されたスタジオジブリのアニメーション映画作品。監督は森田宏幸。本作は、同じくジブリ作品である「耳をすませば」の主人公「月島雫」が書いた物語という、ジブリでは珍しいスピンオフ作品。主人公「住吉ハル」は車に轢かれそうになった猫を助けた事が原因で、猫の国へ連れて行かれる事になってしまう。ハルが助けを求めたのは猫の事務所の主「バロン」であった。

Read Article

千と千尋の神隠し(Spirited Away)のネタバレ解説まとめ

2001年の夏に劇場公開されたジブリの長編アニメーション映画。この映画は千尋と言う10歳の少女が神々の世界に迷い込んでしまう物語である。興行収入は300億円を超える業績を生み出し、2003年にはアカデミー賞を受賞した。まさに大作中の大作である。その名作ぶりは2016年のイギリスBBCの投票で、「21世紀の偉大な映画ベスト100」の4位に選ばれたほど。

Read Article

もののけ姫のシシ神の謎についてネタバレ解説・考察まとめ

スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画「もののけ姫」。人間と森に住まう神々「もののけ」との対立を描く。劇中の神々の頂点としてシシ神という存在が登場する。シシ神は多くの謎を覗かせつつも最後までその存在がどういうものかを劇中で語りつくされることなく、物語は終了する。人にとって、また神々にとってどういう存在なのかについて掘り下げていく。

Read Article

アニメ・漫画に出てくる、見ているだけでよだれが出てくる美味しそうな食べ物たち

アニメ・漫画で度々登場するのが、食べ物のシーン。しかし食べ物は現実、色のグラデーションや光の吸収率や反射率などがまちまちで、絵として表現するのは至難の技なのです。けれども、そんな中でもその独特な食べ物たちを極めて美味しそうに書いたアニメや漫画があるのです。今回はそんなシーンにこだわって、たくさんの美味しそうな食べ物をまとめてみました。

Read Article

ジブリを「音」で支えた天才アーティスト・久石譲のジブリ名曲集

みなさん、「久石譲(ひさいし じょう)」という方をご存知だろうか?編曲家、指揮者、ピアニストでもあり作曲家でもある彼が世に生み出すのは、自然と心に染み渡ってくる美しい音楽である。中でも一際人々の心を掴んでやまないのが、ジブリの長編アニメーション音楽だ。今回は、宮崎駿監督の作品に29年間提供し続けてきた久石譲さんの「音楽」の世界について迫る。

Read Article

目次 - Contents