映画監督マイケル・ベイ、独特の撮影テクニックと作品に対する評価

「マイケル・ベイ」とは、映画『バッドボーイズ』『ザ・ロック』『アルマゲドン』『トランスフォーマー』シリーズなどの監督であり、いずれもメガヒットを記録している。
彼の撮影テクニックは特徴的であるが、映画評論家からは少なからず批判を受けてもいる。
監督のこだわり、作品の特徴、撮影テクニック、評論家からの評価が低い理由について解説。

独自の考えで、たびたびファンと衝突も

問題となった『ミュータント・タートルズ』

大御所であるスティーヴン・スピルバーグからの評価も高いマイケル・ベイ監督だが、設定やビジュアルの変更によって反感を買うこともしばしばである。
『トランスフォーマー』ではデザインの相違から脅迫めいたメールを送られ、製作総指揮を務める『ミュータント・タートルズ』制作の際に、元々突然変異で巨大化したというカメたちの原作の設定を、宇宙から来たエイリアンに変更したと発表した。このことに対し、作品の冒涜だと、ファンはもちろん、かつての役者の怒りまで買う事態を引き起こした。
この事態に監督は公式サイトで「ファンは深呼吸をして、冷静になるべきだ」と反論。「もっと豊かな世界にしようとしているだけだ」とのコメントも寄せている。
その後、制作は一時中断したものの、エイリアン的な要素は省かれ、元のタートルズに近い形で制作・公開された。

マイケル・ベイの各作品の特徴とこだわり

マイケル・ベイは多くの作品を作っていて、それぞれに対する監督のこだわりがある。
その中でもいくつかの作品を、監督の特徴も合わせて紹介する。

映画『バッドボーイズ』初監督作品にして、名作を作り上げる

マイケル・ベイの初監督作品となる『バッドボーイズ』シリーズは、この映画が映画界進出デビュー作の「ウィル・スミス」と、コメディ俳優としても人気の「マーティン・ローレンス」がW主演を務めたポリス・アクション映画である。
陽気な2人組刑事のドタバタ活躍劇が描かれているシリーズだが、よくある刑事もののアクション映画と見せかけて、カーチェイスや銃撃戦をいかにかっこよく迫力たっぷりに見せるかが追求されているなど、実はマイケル・ベイのこだわりや個性が初作品にして、存分に発揮されている。
クライマックスでは、札束が燃え上がり、宙を舞うシーンがあるが、全て監督の自腹である。
さらに、ミュージックビデオを数多く手がけてきた経験から、ポップミュージックをバランスよく取り込むなど、若者にフィットするエンタメ作品へと仕上げたのだ。

映画『ザ・ロック』ケーブルカーを吹き飛ばし、空爆を行う

『ザ・ロック』は主演に『ナショナル・トレジャー』シリーズの「ニコラス・ケイジ」、『007』シリーズで初代ジェームズボンドを演じた「ショーン・コネリー」、敵役の海兵隊員テロリストとして『アポロ13』のエド・ハリスと、豪華キャストの映画である。
舞台は難攻不落の要塞「アルカトラズ」で、占拠した生物兵器を持つテロリストたちに挑むという内容だ。
スタイリッシュな速いテンポの場面転換、迫力満点のアクション、大胆で奇想天外なストーリーなど、マイケル・ベイ作品の特色が満載の作品である。
その詳細は、序盤にサンフランシスコでカーチェイスを繰り広げて、名物のケーブルカーを吹き飛ばし、電車を大爆発させ、さらにはアルカトラズ島を戦場に変え、戦闘機による空爆を行うなどであり、特に戦闘機による空爆はマイケル・ベイの米軍に関するこだわりも詰まっている。

映画『アルマゲドン』予算が浮いて、パリを崩壊させる

映画『アルマゲドン』は、主演に『ダイ・ハード』シリーズで主役を務める「ブルース・ウィリス」を迎え、小惑星が地球に衝突するかもしれないという状況で、人々がどう立ち向かっていくかという内容の作品である。
大ヒットを記録したこの作品であるが、実は映画公開のころに同様のストーリー設定の『ディープ・インパクト』と競合していたため、完成を急がなくてはならない事情があったという。
しかし、そんな事情があったとしても、アルマゲドンは監督の爆破に対するこだわりがよく表れている。
そもそも、人類が小惑星を地球からそらすために選んだ選択が、小惑星の深部まで穴を掘り、内部で核爆弾を炸裂させて真っ二つにわり、軌道を変えさせるということである。映画内の最終局面で、最大級のものを(CGだとしても)爆破させてしまう監督である。
さらに、映画を作る際に予算が浮いたという理由だけで、映画開始直後、上海・パリに流星雨が降り注ぎ崩壊させるシーンにおいて、パリを大地ごと吹き飛ばしている。

映画『パール・ハーバー』恋愛要素を含めてヒットする

第二次世界大戦開戦前後から日本軍による真珠湾攻撃を経て、日本本土に対する空襲攻撃に至るまでの時代背景をモチーフとし、アメリカ陸軍航空隊に所属する主人公たちの恋愛と奮闘を描いた作品である。
主演に映画『アルマゲドン』で主人公ハリーの部下役を演じた「ベン・アフレック」、映画『パラサイト』で主人公と共に行動した「ジョシュ・ハートネット」、そして2人の相手役に映画『ヴァン・ヘルシング』でヒロインを演じた「ケイト・ベッキンセイル」が務めている。
戦闘シーンでは当時最先端のCGが多用され、迫力のある音響演出と相まってリアルさが話題になり、2001年のアカデミー賞では音響効果賞を受賞した。
監督の新たな撮影方法で、爆弾にカメラを付けて撮るという手法が用いられ、よりリアルに爆発シーンが描かれている。

映画『アイランド』近未来のシリアスな作品

「クローン人間」をテーマとした、近未来の世界の話を描いた作品で、主演に映画『スターウォーズ』シリーズでオビ=ワン・ケノービ役を演じた「ユアン・マクレガー」、ヒロインに映画『アベンジャーズ』シリーズでブラック・ウィドウ役を演じた「スカーレット・ヨハンソン」が務めている。
作品の中でクローン人間たちは、元となる人間のために臓器移植・代理出産をさせるために生み出されるが、それを知らずに生活している。しかし、主人公はそのことを知ってしまい、ヒロインと共に逃げ出すという内容である。
逃亡中、色々なものを破壊していくが、それに関してマイケル・ベイは「主人公たちがいかに『生きたい、生き残りたい』かを表現している」とコメントしている。
また、この作品も車やヘリを駆使したアクションが満載である。

映画『トランスフォーマー』最初はオファーを受けたくなかった?

昨年公開された『トランスフォーマー/最後の騎士王』

昨年公開されたことでも話題の映画『トランスフォーマー』シリーズは、第1~3部は主演を『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』でインディの相棒であり、息子役を演じた「シャイア・ラブーフ」、第4部からは映画『ディパーテッド』において、アカデミー助演男優賞を獲得した「マーク・ウォールバーグ」が務めている。
SFアクション長大作として、マイケル・ベイの名を広げた作品だが、スティーヴン・スピルバーグが彼にオファーをした際「あんなバカバカしいオモチャ映画を作るもんかと思った」と言っている。
しかしその後、トランスフォーマーの玩具発売元であるハズブロ―社に飾られていた日本アニメのスチール写真を見ているうちに考えが変わり「これは素晴らしいヒーロー映画ができるかもしれないと思った」と言っている。
監督の作品に対するこだわりは強く全編において米軍が登場し、さらに撮影車両を新たに作るなどして、全力を尽くしている。
カーチェイスシーンも大迫力で、毎回多くの車が戦いに巻き込まれて壊されていくのも見ものである。
さらに、監督得意の爆発シーンも回を重ねるごとに派手になっていき、本物の爆発の中を俳優に走らせるほどリアリティを追求している。

マイケル・ベイ監督独自の演出・展開・撮影方法とは?

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