BE BLUES!〜青になれ〜(ビーブルーズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『BE BLUES!〜青になれ〜』とは、田中モトユキ原作の本格サッカー漫画。サッカー少年の一条龍は、将来の日本代表を夢を見る。しかし、小学生6年生の時にアクシデントにより手足と腰椎の骨折という重傷を負い困難な状況となってしまう。それでも未来の日本代表の夢を目指し、サッカー選手として復活する姿が、幼馴染で双子の青梅優人、優希と共に描かれている。

『BE BLUES!〜青になれ〜』の概要

『BE BLUES!〜青になれ〜』とは、田中モトユキによる日本のサッカー漫画。『週刊少年サンデー』(小学館)にて、2011年9号より連載が開始された。
天才と呼ばれたサッカー少年、一条龍を主人公に、将来のSAMURAI BLUE(日本代表)を目指す少年の物語。小学6年生の時に幼馴染の青梅優人が交通事故にあいそうになったところを助け、階段から転落してしまう。手足と腰椎の骨折という重傷を負い、日常生活も不安視されるなかで、困難な状況を乗り越えて、サッカー選手として復活する姿を、幼馴染で双子の青梅優人、優希。元日本代表監督のイビチャ・オシムを彷彿させるミルコ・コヴァッチ。個性的なキャラクター、仲間、ライバル達がわきを固める。1対1の躍動感、ゴール前の緊迫感、絶妙の連携プレーを成功させたときの高揚感、サッカーの醍醐味がここにある。

『BE BLUES!〜青になれ〜』のあらすじ・ストーリー

小学生編

将来のサッカー日本代表入りを夢見る小学6年生の一条龍は、幼馴染で双子の青梅優人、優希、城 立彦 らとともに、全日本サッカー大会での優勝を目指しサッカーに熱中している。龍は大浦SCのエースとして埼玉県予選に出場する。
予選を突破した大浦SCは、1回戦で圧倒的なドリブルテクニックを持つ桜庭巧実擁するFC加賀谷と対戦する。前半は桜庭のドリブルテクニックやマリーシアに翻弄されたが、後半は龍が桜庭のマンマークにつき、エース対決となった試合を制した。
準々決勝でも龍のハットトリックで勝利し、龍はスカウトの目にとまり、天才サッカー少年と言われるようになる。
1週間後の準決勝では3人のマークにあいながらも、プラティニを彷彿させるボレーシュートを決め、決勝進出を決めた。
そして、決勝では天才GK渡辺健太(ナベケン)擁する麻倉キッカーズと対戦することになった。ナベケンの神がかったセーブで苦戦を強いられたが、最後はペレを彷彿させるプレーでゴール。見事優勝し全国大会出場を決めた。

しかし、その帰り道、交通事故に巻き込まれそうになった優人を庇おうとした勢いで道路脇の階段から転落し、選手として致命的な重傷を負ってしまう。サッカーを諦めなければならないかもしれなかった龍だが、医師からの「私が無理と言ったら、諦めるのかい」という言葉に励まされ、サッカーを続ける決意を固めた。

※プラティニ ーフランスの元代表選手。日本では通称「将軍」と言われている。フランスサッカー史に名を残す偉大な選手
※ペレー ブラジルの元代表選手。「サッカーの王様」、もしくは「20世紀最高の選手」といわれる伝説の選手

中学生編

それから2年後、リハビリを乗り越えた龍は、大浦東中学サッカー部に入部。小学生の頃はMF(ミッドフィルダー)だった龍だが、心機一転FW(フォワード)に挑戦する。

秋の新人選、志村二中戦でベンチ入りした龍は後半から出場し、2ゴールをあげて復帰戦を飾った。
しかし、強豪新田中との試合では、シュートを1本も打てずに終わってしまう。それでもひたむきに勝利を目指す龍の姿にチームは変わっていく。
そして中学3年生になり龍はCF(センターフォワード)としてレギュラーになり、新1年生・諸星美起也の加入でチーム力が上がっていく。
しかし、父親がインドネシアに転勤することになり、母親から同行するように求められ、サッカー後進国であるインドネシアに行くことになった龍は一人悩む。
そのことを知った優人、宮崎たちは「龍の存在をサッカー関係者が知れば、両親もインドネシア行きを考え直す」と考え、最後の大会である高円宮杯へ挑む。
大浦東イレブンは高円宮杯の予選にあたる県南大会で難敵の磐倉中、そして昨年敗れた新田中を退ける。
県南大会を優勝し県大会へ進んだ大浦東中は、1回戦で渡辺健太(ナベケン)擁する麻倉キッカーズと対戦する。
延長までもつれ込んだ熱戦となったが、PK戦の末に敗れてしまう。
その帰り道、竜は両親に「これから必要なことは日本でサッカーに打ち込むことであり、インドネシアに行くことではない」ということを伝える。
本気の気持ちが両親に通じ、日本に残ることを許された龍は、受験勉強の合間にフットサルで体を動かしていた。そこで龍は、リハビリ中に出会ったアンナの祖父、ミルコ・コヴァッチからサッカーの本質ともいえる強いパスを教わる。新たなサッカー感を身に着け、龍は武蒼高校へ入学する。

高校生編

龍は両親と離れ日本に残り青梅家に居候させてもらい、優人、優希と共に埼玉県の強豪校・武蒼高校へ通う。
小学生時代からのライバル、ナベケンや桜庭といった同級生や、U-17日本代表の橘怜音らとチームメイトとなり、高校サッカーの舞台へと挑戦する。
一般入学ながらAチームに抜擢された(武蒼高校はAチームからEチームまである)龍は、関東プリンスリーグ、赤城中央戦で早くもベンチ入りを果たす。
そして、後半途中、桜庭と途中交代で出場を果たした龍は鮮烈なロングシュートを決め、最高の高校デビューを飾った。
その一方で、桜庭は途中交代を不服とし、無断で帰宅してしまう。
翌日、龍と優人は桜庭に謝るようにうながすが、逆に口論となり乱闘騒ぎを起こしてしまい無期限謹慎になってしまう。
普通なら落ち込んでしまう状況だが、謹慎中も向上したい龍は、土手向こうのグラウンドでサッカーをしているFチームに混ざり練習をすることにした。Fチームのメンバーは自分たちのことを失敗のFAILだといい、覇気がない。それを変えるために龍は、中学時代のチームメイト、宮崎隼人に頼んで練習試合を組んでもらった。
旧友宮崎の所属する市立大浦との練習試合、序盤は練習不足を露呈したFチームであったが、たまたま通りがかったミルコ・コヴァッチのアドバイスもあり、引き分けに持ち込み試合を終えた。
Fチームのことを伝え聞いた武蒼高校監督の黒部は、龍達の復帰を認める。
夏合宿の厳しいトレーニングを乗り越えた龍らは、B~Dチームの選抜チームに選ばれ、怜音やナベケンらのAチームとの紅白戦に挑む。
試合は、1-1の引き分けに終わるが、選抜メンバーの多くはAチームへ昇格を果たす。
高校選手権に向けてチームはプリンスリーグで好成績を収めるなど順調に成長していたが、突如、監督の黒部が学校を去ることになった。
新監督として、元ユーゴスラビア代表監督の経験があるミルコ・コバッチが就任する。
部員たちは新たなサッカースタイルに困惑する。はじめは戸惑っていたが次第にチームはメンバー全員がポジションに縛られることなく自分たちで考え試合運びが出来るようになる。自信をつけた龍達はいいカタチで高校選手権に挑む。
予選を順調に勝ち上がり、武蒼イレブンは県大会決勝で、宿敵、聖和台高校との決戦を迎える。
激戦の末、聖和台高校に勝利し、武蒼は全国高校サッカー選手権大会に出場を決め、龍も得点王に選ばれる。
全国高校サッカー選手権では惜しくもPK戦の末、2回戦で敗退。次なる飛躍を誓う。
2年生になった龍は怜音と共に、ドイツに遠征する高校選抜メンバーに入る。国内合宿に招集され、全国の精鋭たちと切磋琢磨する日々を送る。

『BE BLUES!〜青になれ〜』の登場人物・キャラクター

主要人物

一条 龍(いちじょう りゅう)

ポジション FW(フォワード) MF(ミッドフィルダー)
所属:大浦SC - 大浦東中学校 ー 武蒼高等学校
サッカーノートに「少年サッカーで全国優勝、Jrユース、ユースを経てJリーガーになり、18歳で日本代表になる」と将来の夢を描く少年。
小学6年生時に大浦SCのエースとして埼玉県の大会で優勝し全国大会出場を決め、各クラブチームからスカウトされる。
しかし、全国大会を決めた後の帰り道で自動車に撥ねられそうになった優人を庇い階段から転落して重傷を負ってしまい、リハビリ生活に入ることとなる。
事故から2年が経ち選手として復帰を果たす。ブランクの影響もあり当初は思うようなプレーが出来なかったが、FWへのコンバート、メンバーの支えもあり、試合を重ねるごとに復調していく。両親のインドネシアへの転勤の際には、家族と自分の夢とのはざまで気持ちが揺れ動いたが、今必要なことは日本に残ることだということを両親に伝えた。日本に残ることを許された龍は、部活引退から高校進学までのブランク期間はフットサルチームに加わっていたが、その際にリハビリ中に知り合ったアンナの祖父、ミルコ・コヴァッチから指導を受けサッカーの本質を伝えられ、そのサッカー感に影響を受けるようになる。
高校編では一般入試で県内の武蒼高校へ進学し、入部早々にAチーム入りをした。一方、武蒼高校のスタイルである堅守速攻のサッカーではなく、ミルコ・コヴァッチから教わった「強く早いパス回しによるサッカー」を志向するあまりに周囲から身勝手と勘違いされるが、本人は「ユースも高校も関係ない。目指すのは最高のサッカー」「自分が王様になりたいのではなく王様の必要のないサッカーを目指したい」と発言している。サッカー以外のことに関しては全く無頓着で、極度の味オンチで料理をごちゃ混ぜ食いしたり、流行語に疎かったり、女性の気持ちに鈍感だったりする。また、事故の際のトラウマでで手摺のない階段を降りることができない。

青梅 優人(おうめ ゆうと)

ポジション DF(デイフェンダー) MF(ミッドフィルダー)
所属:大浦SC - 大浦東中学校 ー 武蒼高等学校
龍の幼馴染で優希の双子の兄。大人しい性格。龍からは「見た目より根性がある」と評されている。小学生時代に龍が交通事故に会いそうになった自分を庇い重傷を負ったことからショックを受けるが、重傷を負った龍から励まされ立ち直る。中学生時代は右サイドバック。オーバーラップからの右サイドからのアーリークロス、朝晩10㎞のランニングで鍛えた豊富な運動量が特徴。高校生編では、主にボランチでプレーしている。また、冬の選手権埼玉県予選決勝では、センターバックとして出場もしている。全国大会ではPK合戦でシュートを外し、敗退の原因を作ってしまったことから、精神的に落ち込んでしまったが、中学生時代の同級生、宮崎隼人の励ましで立ち直った。クラスメイトの江藤藍子のことを気にかけている。

青梅 優希(おうめ ゆき)

龍の幼馴染で、優人の双子の妹。優人とは正反対に気が強い性格。小学生時代は、龍や優人と共に大浦SCでサッカーをしていて、優人と入れ替わり試合に出場し、大騒動を起こしたこともある。中学生時代は、部活には所属せず龍のリハビリに付き添っている。高校生編ではサッカー部のマネージャーを務めている。龍のリハビリ中に担当医師から怪我の予防、応急処置のためのテーピングの技術を習っていて、アンナからは「メディカル向き」と評されている。アンナが海で溺れた時も見事な応急処置をしている。その一方で桜庭とは小学校時代から犬猿の仲だが、夏合宿のB〜Dチームによる紅白戦で監督を務めた際にはミルコ・コヴァッチの提案もあり彼を起用している。

桜庭 巧実(さくらば たくみ)

ポジション FW(フォワード)
所属クラブ : FC加賀谷 - 浦和レッズJrユース - 武蒼高等学校
ドリブルテクニックへの絶対的自信から常に単独突破を試みるタイプの選手で、パスを出すことはほとんどない。
一方で、ボールを保持していない時の動き(オフザボール)は極端に少ない。性格は自己中心的で「オレ様を尊敬しろ」と公言している。
小学生時代には龍、ナベケンと同様にトレセンに選ばれており、当時から龍のことをライバル視していた。
FC加賀谷のエースとして埼玉県予選で活躍し、Jリーグクラブの下部組織からスカウトを受け、浦和レッズのJrユースに入団したが、浦和ユースへの昇格はならず武蒼高校へ進学する。入学当初は、部内での信頼を得るために生来の性格を抑えて振る舞っていたが、プリンスリーグの赤城中央戦で途中交代を不服として帰宅してしまい、生来の性格が変わっていないことが周囲にばれてしまった。Fチームに加入していた際にミルコ・コヴァッチと関わりを持つことになったが、彼の言葉は素直に聞き入れている。スタミナ不足が弱点。

※トレセンとは、将来有望な選手に質の高い指導を行い、将来活躍する可能性を持った選手を発掘するための日本サッカー協会の制度「トレーニングセンター制度」の略。

滝沢 アンナ(たきざわ アンナ)

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