RCサクセション(RC Succession)とは【徹底解説まとめ】

RCサクセション(RC Succession)とは、1970年にデビューした日本のロック・バンド。ヴォーカリストの忌野清志郎とギタリストの仲井戸麗市を中心に、数々の名曲・名盤を残してきた。現在でも多くのミュージシャンが影響を受けたバンドとして名前を挙げている。1991年に活動休止状態に入り事実上の解散。2009年5月2日、忌野清志郎の死去により、RCサクセション復活の夢は永遠に絶たれた。

1. 陽炎(アナザー・テイク)
2. 坂道(初収録)
3. 春が来たら(リハーサル・テイク)
4. サーカス少年の街(リミックス・ヴァージョン)
5. あの歌が想い出せない(リハーサル・テイク)
6. 風の音を聞きたい(スタジオ・ライヴ)

2015年12月16日に紙ジャケットで再発された日暮しの「ありふれた出来事」と「記憶の果実」の2枚を同時に購入したらもらえた特典CD。6曲目の「あの歌が想い出せない(リハーサル・テイク)」はRCと武田清一の4人によるリハーサルをカセットに録音したもの。
武田清一は、1968年7月に結成された「The Remainders of The Clover」のメンバー。同年11月には解散してしまうが、RCサクセションの直前のバンド(というか音楽好きの3人の集まりになるか)になる。

武田清一はこう語っている。
「これ(「あの歌が想い出せない(リハーサル・テイク)」)が入っていたカセットを見つけたとき、もう音は出ないだろうと思った。分解したらテープが外れていて、直したらなんとかなりまして。録音していたことはもちろん覚えてます。ケンちゃん(破廉ケンチ)と話したときも、覚えているって言ってた。ほとんど遊び感覚でやったようなものなんですよ。コンテストに名前を変えて応募してみようってことで提案したら、キヨシ(忌野清志郎)もすごく乗り気だったんで、数日後に僕が曲を作って彼のところに持って行き、キヨシがその曲に詞を付けて歌うことになったんです」
「これは『The Remainders of The Clover』を辞めたあとですね。それでケンちゃんが入ってRCサクセションと名乗りはじめたときですね。4人で活動していた時期はないです。そのとき僕はストロベリー・クリームをやってましたから。」
「(この曲をかぐや姫が歌うことになった経緯を問われて)あ~これはねぇ、ストロベリー・クリームをやっていた頃に(かぐや姫の)山田パンダと知り合いになって、当時ストロベリー・クリームで僕が歌っているのを聴いた彼が〈歌わせてくれないか?〉と言ってきたんですよ。RCもライヴで歌っていたと、ケンちゃんも言っていた。インターネットで、キヨシが売り込みに行ったっていうひどいデマが出てるでしょ。まったくの嘘。キヨシがそんなことするわけないじゃない(笑)。そのときキヨシのところに行って、〈歌いたいって言ってるけどどうする?〉と訊いたら、〈清ちゃんがいいならいいよ〉みたいな感じで、彼らがカヴァーすることになったんですよ」

実は私(筆者)はこのCDを残念ながら所有していなので、楽曲の概要は割愛します。

2016年

2月5日:アルバム「PLEASE ROCK ME OUT at 日比谷野外音楽堂 1981.5.30 - 5.31」

Disc 1 (1981.5.30)
01. よォーこそ
02. ダーリン・ミシン
03. 君が僕を知っている
04. ボスしけてるぜ
05. よそ者
06. あの娘のレター
07. ステップ!
08. チャンスは今夜
09. あきれて物も言えない
10. ロックン・ロール・ショー
11. ぼくはぼくの為に

Disc 2 (1981.5.30)
01. イントロダクション
02. .エンジェル
03. DDはCCライダー
04. Sweet Soul Music
05. ブン・ブン・ブン
06. 指輪をはめたい
07. トランジスタ・ラジオ
08. 雨あがりの夜空に

Disc 3 (1981.5.31)
01. よォーこそ
02. ダーリン・ミシン
03. ガ・ガ・ガ・ガ・ガ
04. いい事ばかりはありゃしない
05. あの娘のレター
06. ステップ!
07. チャンスは今夜
08. あきれて物も言えない
09 イントロダクション
10. エンジェル

Disc 4 (1981.5.31)
01. ロックン・ロール・ショー
02. ぼくはぼくの為に
03. DDはCCライダー
04. Sweet Soul Music
05. ブン・ブン・ブン
06. 指輪をはめたい
07. トランジスタ・ラジオ
08. ボスしけてるぜ

RCが以前所属していた事務所の倉庫(「りぼん」のことだろう)から発見されたといわれている、1981年5月30日、31日の日比谷野外音楽堂でのライヴ。
「アマゾン限定発売」ということで、当初はネット通販サイト「アマゾン」でのみ購入できたのだが、いつの間にか全国のCDショップや、タワー・レコード、ディスク・ユニオンなどのネット通販でも入手可能になった。

音は悪い。海賊版でも今はもっといい音質のライヴがある。収録されていない楽曲もあり、中には途中からフェィドインしてくる曲もある。
「多くのRCファンは『音質は悪いけど内容はサイコーだぜ!』と言ってくれるはず」と思っている発売元のにやけた顔がなんとなく浮かんでくる。
それにしても何でいきなりこんな作品が登場したのだろう。同時期に発売された「SUMMER TOUR’83 渋谷公会堂 ~KING OF LIVE COMPLETE~」も以前RCが所属していた事務所、つまり「りぼん」の倉庫から見つかった、という本アルバムと同じ発掘経過なのに、何故発売方法が異なるのだろう。「SUMMER TOUR’83 渋谷公会堂 ~KING OF LIVE COMPLETE~」にはきちんと、「りぼん」の社長、奥田氏へのSpecial Thanks がクレジットされている。本アルバム「PLEASE ROCK ME OUT at 日比谷野外音楽堂 1981.5.30 - 5.31」にはそれがない。そればかりか解説も何もついてはいない。清志郎のオフィシャル・サイトにもリリースされた記録は一切掲載されていない。なんとなく以前Newsレコードからアーティスト無許可でリリースされた一連の作品を思い出す。
同じ出所から発売されるはずだった「初期のシングル・マン」はリリースの正式なアナウンスがあったにも関わらず、いまだに日の目を見ていない。どうにも胡散臭い。

本アルバムのレビューの多くは予想通り「音質なんか気にするな! 内容はサイコーだぜ!」といったものが殆どだが、そんなことで浮かれていてもいいのだろうか、というのが私(著者)の正直なところである。そういう私も胡散臭いとは感じながらも「内容には文句ない」と思っているので、同じ穴のムジナなのだろうけれど、清志郎はこの作品のリリースを空の上からどう思っているんだろう……。

3月30日:アルバム「SUMMER TOUR’83 渋谷公会堂 ~KING OF LIVE COMPLETE~」

Disc 1
01. ドカドカうるさいR&Rバンド
02. サマーツアー
03. 雨あがりの夜空に
04. Drive My Car
05. お墓
06. ねむれないTonight
07. ダンスパーティー
08. NEW SONG
09. たとえばこんなラヴ・ソング
10. Oh! Baby

Disc 2
01. 誰かがBedで眠ってる
02. ブルドッグ
03. ブン・ブン・ブン
04. Sweet Soul Music~I've Been Loving You Too Long
05. 指輪をはめたい
06. うんざり
07. つ・き・あ・い・た・い
08. スローバラード
09. キモちE

1983年12月5日リリースのアルバム「The KING of LIVE」の「完全盤」としてリリースされたライヴ・アルバム。
ライヴが行われたのは1983年6月25日、26日の2日間。当時の事務所「りぼん」の倉庫からこの2日間のライヴを収録したテープが発掘されたため、リリースされることになった。
2枚組CDプラスDVD、2枚組CDのみ、DVDのみの3形態でリリースされたが、「DVDにつきましては、制作上の問題により“Sweet Soul Music~I've Been Loving You Too Long”が収録できませんでした。」となっている。どうやら著作権からみで収録できなかった(あるいは収録しなかった)ようだ。「ダンスパーティ」の間奏で清志郎が歌う「Fa-Fa-Fa-Fa-Fa」の一節もDVDからはカットされており、オーティス・レディング絡みの著作権だろうと推測される。CDには収録されているので、映像と音では著作権の発生に差異があるのかも知れない。

本アルバムで初出したライヴ演奏は「サマーツアー」「ブルドッグ」「ブン・ブン・ブン」「うんざり」「 つ・き・あ・い・た・い」「スローバラード」「キモちE」の7曲。また明らかに既発の「The KING of LIVE」とは別テイクの楽曲も含まれている。「ダンスパーティ」のメンバー紹介では、既発「The KING of LIVE」ではドラムスの新井田耕造を「FROM 浅草」と紹介しているが、本アルバムでは「FROM 千葉」と紹介している。

「完全盤」であれば、1983年6月25日、26日の両日の録音がソフト化されてもいいように思えるのだが、それだと商品としてヴォリュームが大きすぎるとの判断があったのだろうか。出来れば2日間の全容を知りたかったという希望はある。ただ、ほぼ同時期に発売されたアルバム「PLEASE ROCK ME OUT at 日比谷野外音楽堂 1981.5.30 - 5.31」が「なんだかなぁ」な作品だったことを考えると、これが正解だったのかも知れない。
確かに本来の意味での「完全盤」ではないが、やはり本アルバムのリリースは大歓迎である。既発「The KING of LIVE」では「指輪をはめたい」で終了していたが、本アルバムではその後の3回に及ぶアンコールも最後まで収録されている(「うんざり」「 つ・き・あ・い・た・い」「スローバラード」「キモちE」)。それだけでもリリースされた意義はあると思う。

RCサクセションの代表曲

宝くじは買わない

1970年3月5日にリリースされたRCサクセションのデビュー曲。
悲しいかな、清志郎のヴォーカルと他のメンバーのバック・ヴォーカル以外はRCサクセションの演奏は収録されていない。
歌詞は、ザ・ビートルズの「Can't Buy Me Love」をモチーフにしたと言われている。
清志郎はここで「愛はお金では買えない」と大上段に正論を述べるのではなく「宝くじは買わない」という庶民レベルまで引き落として表現している。
ホーンが入っているのだが、少し耳障りに聴こえてしまう。

ぼくの好きな先生

1972年2月5日リリースのRC初のヒット・シングル。
清志郎が通っていた都立日野高等学校の美術部顧問の「小林先生」がモデルになっている。
高校卒業後、清志郎は「ぼくの好きな先生」が収録されているデビュー・アルバムを持って母校の「小林先生」の元を訪ねている。
「先生のことを歌にしたんだ。迷惑でしたか?」
「小林先生」はその時のことをこう回想している。
「照れくさかったけど、やっぱりうれしかったです。」

冷たくした訳は

1976年4月21日リリースのアルバム「シングル・マン」に収録されていた曲。
アルバム・リリース以前からのレパートリーの一つで、初期のRCはこの映像のような編成だった。
向かって左側のサウスポーでギターを弾いているのが、破廉ケンチ。
中央のウッド・ベースを弾いているのが小林和生。
そして向かって右側でギターを弾きながら歌っているのが忌野清志郎である。
清志郎のヴォーカルにはすでに「ガッタガッタガッタ!」というオーティスを模した歌い方が観られる。

スローバラード

1976年1月21日、実に約3年ぶりにリリースされたシングルがこの不朽の名曲だった。
素晴らしい楽曲であるにも関わらず、発売当初には全く売れず、わずか数か月で廃盤になってしまう。素晴らしい楽曲が必ずしもヒットするとは限らない、という好例の一つだろう。
共作者として「みかん」という名前がクレジットされているが、みかんさんというのは、清志郎の当時のガール・フレンド。
この「スローバラード」は、車が故障してしまったために、八王子市民球場の駐車場で二人で夜を明かすことになった時の実体験が元になってできた歌。車内で寝ていると見回りの警察官がやってきて無理やりに起こされた。最初はその時の怒りがこもった歌詞だったのだが、思った以上に素晴らしい内容だった。そこでみかんさんは警察官のパートを削除すればもっと良くなるとアドヴァイス。そういう経緯で歌詞が完成したため、みかんさんの名前もクレジットされることになった。
奥田民生、UA、Superfly、ゴスペラーズ、槇原敬之、和田アキ子、世良公則、ほか数多くのアーティストがカヴァーしている。

雨あがりの夜空に

1980年1月21日リリースのシングルで、RCのみならず、日本のロックの代表曲のひとつ。
仲井戸がギター・リフとコード進行を生み出し、それに清志郎が歌詞とメロディをのせて完成させた。
歌詞は当時清志郎が乗っていた中古の日産・サニークーペが雨により故障してしまったという実話と、女の子との情事の様をダブルミーニングにしてある。
ライヴで披露する際はシングル・リリース時とは若干違う歌詞で歌われることが多い。

yamada3desu
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@yamada3desu

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