岸辺露伴は動かない(荒木飛呂彦)のネタバレ解説・考察まとめ

『岸辺露伴は動かない』とは、荒木飛呂彦による漫画、及びそれを原作とするアニメ、ドラマ作品であり、荒木の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』に登場する岸部露伴のスピンオフである。リアリティを追求する漫画家の岸辺露伴が、作品の取材で奇妙な現象に巻き込まれ、持ち前の知識、機転、スタンドと呼ばれる超能力で危機を回避する。日常に潜む恐怖や、意外な真実との遭遇を奇抜なアイディアで描く。派生作品『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の他、短編小説集もある。

露伴と付き合いのある古物商。露伴曰く「食えない性格」で「友達づきあいはしたくないタイプ」。取引の際は言葉巧みに露伴を出し抜いて大金をむしり取ろうとする。対策として、ヘブンズ・ドーアで「岸辺露伴の質問には必ず答える」と書き込まれるほど信用されていないが、目利きとしての腕や仕事にかけるプライドは本物であり、安物や贋作を掴ませない点は高評価されている。
かなりの愛妻家であり、妻の千波のことを深く愛し、露伴にものろけていたが、彼女の愛情についていけないとも感じており、「このままでは二人とも駄目になってしまう」と憂えてもいた。
露伴を自宅に呼び出して「幸福の箱」なる品を風呂敷に包んだ状態で露伴に見せて退室。バラバラの破片の状態の幸福の箱を、露伴に組み立てさせる。露伴の茶に遅効性の睡眠薬を入れており、ある程度組み立てたところで自分が完成させ、箱の中にあるという幸福を手に入れようとした。
それは千波の策略であり、完成した箱に閉じ込められてしまうが、元々千波との結婚生活の悩みから解放されて新婚当初のような幸福を取り戻したかった為、結果としては箱の中で妻との幸福な生活を見続けることになった。

五山千波(ござん ちなみ)

一京の妻。夫を唆し、露伴に箱を組み立てさせた。
夫とは相思相愛で、露伴の前では落ち着いた妻を演じていたが、本性は夫への愛情が強すぎるあまり彼を束縛し、仕事での外出はおろか、母親の見舞いに行くことにすらヒステリーを起こす異常な性格の主。
幸福の箱を露伴に組み立てさせたのは、一京を閉じ込め、自分の手元に置いておくためだった。しかし、露伴から箱の中にいる一京の様子を聞き、夫が幻覚の自分に愛情を寄せていると知り半狂乱になった。

『夕柳台』

ケンちゃん

公園で露伴が出会った少年。勝手に露伴のスケッチブックを覗き見ていた為詰め寄られたが、そばにいた母親が「以前住んでいた夕柳台で、ケンちゃんがニタニタ笑う黒い猿に襲われてから口がきけなくなった」と説明。露伴に頼まれて、黒い猿の絵をスケッチブックに描いた。本名不明。

夕柳台の老人たち

夕柳台に住む老人たち。額に無数の痣があるリーダー格の老人は、露伴から「世界地図の爺様」とあだ名をつけられた。
夕柳台の環境の良さに心酔し、よその土地に住む人間を「下側の人間」と呼んで見下している。昔は、公園で遊ぶ子供の出す騒音に悩まされていたが、神仏の他、誰かの墓にすら祈ったことで何の騒音もない静かで「理想的な」暮らしが手に入った。騒音の原因となるものが勝手に壊れたり、よその土地に移った者も出たりしたが、自分本位な老人たちは気にしておらず、「この静けさが夕柳台の良さ」とまで言った。
彼らの自分勝手さに不快感を覚えた露伴により、ヘブンズ・ドアーで「大声でしゃべる」と書かれた為、騒音の元を排除する黒い老人に襲われる。露伴に「救急車を呼んでほしい」と頼むが、彼らが蔑む「下側」の土地に救急車が来るようにされた上、「自分たちでそこまで歩いて行け」と言われた。

黒く干からびた老人

夕柳台で騒音を出したものを攻撃し、街の静寂を守る存在。かつてケンちゃんを襲った「ニタニタ笑う黒い猿」の正体。手足が異様に長く、皮膚は黒く変色してところどころ腐り落ちており、耳、鼻、眼球がなくでたらめな方向に生えた歯でニタニタと笑う。
普段は姿が見えず、夕柳台で騒音が出ると現れる。見えるのは、騒音の元となった者だけで、スタンドとは違い生身で触れることもできる。夕柳台に住む老人たちの静寂を望む祈りによって生まれた存在だが、騒音を出すものを機械的に襲うだけで老人たちに従っているわけではない。その為、露伴のスタンドで大声を出した老人たちのことも容赦なく攻撃した。

『シンメトリー・ルーム』

唐沢徹(からさわ とおる)

最近露伴の担当編集者となった。最初の内は、経験不足から空気を読まない発言をして露伴を苛立たせたが、仕事の飲み込みは早く、何度か打ち合わせをする内にスムーズにやり取りができるようになった。

土山章平(つちやま しょうへい)

杜王情報通信大学の新校舎を設計した天才建築家。数年前、ギリシャのとある神殿の完璧なシンメトリーを見たことがきっかけでシンメトリーを絶対的な美と認識するようになり、その神殿の美を再現したシンメトリー建築法で地位と名声を得た。
建築物だけではなく、自分の持ち物や体まで手術でシンメトリーにしており、筋肉量や疲労、ダメージまで左右均等にするなど異常ともいえるこだわりで露伴を驚愕させた。
露伴の才能を見抜き、シンメトリーの美や、仕事に対する考えを語るが、理解はされず、露伴にシンメトリーのすばらしさを理解させるべく、自身の最高傑作たる新校舎5階の多目的ホールに閉じ込めた。「夜になったら迎えに来る」と言い宣言通り夜に訪れるが、自力で部屋を脱出した露伴に自分の考えを否定された上、ヘブンズ・ドアーで「シンメトリーを美しいと思えなくなる」と書かれた。
唐沢からの報告によると、「スランプに陥り、自分の建築物に放火をして逮捕された」という。

『楽園の落穂』

移季年野(うつろぎ としや)

料理専門雑誌の編集部に勤める。31歳バツイチ。丸々と太った巨漢。露伴は彼を「牛が人間の扮装をしているみたい」だと評した。
露伴にグルメ漫画の執筆を依頼し、伝説の小麦「楽園の落穂」の栽培地への取材を取り付け、娘や露伴と共に親友の夜宜沼のもとを訪れるが、振る舞われた楽園の落穂でできた製品を食べた結果、労働力として牛そっくりの姿に変えられてしまう。
楽園の落穂の意思で、村人と共に娘の羊にも楽園の落穂を食べさせようとするが、羊の言葉により楽園の落穂の支配から抜け出し、体内に残った楽園の落穂を吐き出した後、露伴、羊と共に村を脱出を果たす。
事件後は露伴の家に匿われ、楽園の落穂が体から完全に排出されると元の姿に戻った。打ち合わせで訪れたレストランで、楽園の落穂で作ったとされるパンが出た際「何か食べない方がいい気がする」と無意識に拒絶した。

移季羊(うつろぎ よう)

移季の娘。小麦アレルギーがある。父が毒見をし、安全だと判断したものしか口にしない。
アレルギーが治る可能性があるとして父、露伴と共に楽園の落穂の栽培地を訪れるが、不安から食べることを拒否。牛にされた父の言葉に従い食べようとしたが、自分の意思を取り戻した移季が食べないように言った為結局は口にしなかった。
事件後はアレルゲン免疫療法で、アレルギーを克服しようとしている。

夜宜沼猩造(やぎぬま しょうぞう)

楽園の落穂の栽培を行う人物。移季とは、大学時代からの親友。かつては、農業系の先端企業で遺伝子組み換え作物の研究をしていたが、ある日突然、全てのキャリアを捨てて山奥の土地を開墾。有志と共に楽園の落穂が自生していた時代と同じ生活をしながら、小麦を栽培している。
元々は移季の娘・羊がアレルギーを発症し、その世話に疲れた妻が彼と離婚したとの話を聞いて親友と娘を助けるべく遺伝子改良でアレルギーが出ない小麦を作ろうとした。その過程で、現代によみがえらせた超古代種の小麦に楽園の落穂と命名し、アレルギー改善の可能性を見い出すが、その小麦に「食べた者を支配し、繁殖の為に奴隷にする」という特性があることに気付いた時は、既にその支配から逃れられなくなっていた。
村では、楽園の落穂により家畜化した人間の統率が彼の役割となっている。移季親子を家畜にし、露伴を宣伝材料にしようと企てるが、牛にされた移季が正気に戻り、露伴がヘブンズ・ドアーで村人に畑に火をつけさせたことから「三人を捕らえる」「火を消して小麦を守る」との命令の板挟みとなり、身動きが取れなくなっている間に三人を逃がす。
畑や種子がすべて焼き尽くされたことで楽園の落穂から解放され正気に戻り、救助された。

『岸辺露伴は動かない』の用語

妖怪六壁坂(ようかい むつかべざか)

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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