ふしぎ遊戯(玄武開伝)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ふしぎ遊戯 玄武開伝』とは、渡瀬悠宇による漫画、及びそれを原作とするメディアミックス作品で、前作『ふしぎ遊戯』で語られた玄武の巫女と七星士の活躍を紡ぐ物語である。大正時代の女学生・奥田多喜子は、嫌っていた父が訳した書物・四神天地書に吸い込まれる。本の中に広がる異世界で玄武の巫女となった多喜子は、巫女を守る七星士と共に玄武の召喚を目指す。玄武を祀りながら巫女と七星士を不吉と見なす北甲国皇帝一族、北甲国を狙う倶東国の軍勢との戦いの中、多喜子は巫女としての使命に目覚めていく。

CV:山川琴美

紅南国の遊郭に勤める北甲国出身の遊女。北甲国からやってきた多喜子たちに郷愁の念を抱き、そこを怨魔(怨念)に付け入られて遊郭に放火をした。
髪の毛を自在に伸ばす尋常ならざる力を使ったことから、当初玄武七星士・牛宿であると目されていた。

シュヌ

紅南国の遊郭の女将であり、牛宿の命の恩人でもある。
3年ほど前から、怨魔により病に伏せていた。症状が悪化し、遊女たちに憎まれているとの思いから自身が魔物化して牛宿と多喜子を取り込みかけるが、多喜子の説得で自我を取り戻す。牛宿を押し出し、炎上する遊郭の柱の下敷きとなって焼死した。

現実世界

奥田永之介(おくだ えいのすけ)

CV:大川透

多喜子の父で小説家。妻の美江を愛するあまり、彼女の結核を受け入れられず、支那(中国)にある四神天地之書に望みを賭け渡航する。本に魅せられ日本語訳の作業に没頭するが、その最中に美江は息を引き取り、多喜子からは憎しみの目を向けられる。
完成した四神天地書に浮かぶ文字を読み、多喜子が玄武の巫女になったこと、結核に感染したことを知る。娘との間に溝を作ってしまったことを悔い、多喜子が帰還した後は天地書を処分しようとした。しかし、火に入れても燃えず、破ろうとしても弾き返す力を持った天地書を処分することはできなかった。
再び天地書に渡った多喜子を玄武の生け贄にはすまいと、自分の血が多喜子の媒介になっていることを知り自決する。これに伴い多喜子も死亡した。

『ふしぎ遊戯』の時代では「永之介は、娘の多喜子を殺して自殺した」と伝わっていたが、実際には父子は天地書越しに言葉を交わし、和解していた。多喜子は人生を与えられたことを父に感謝して、命を落としたのである。

奥田美江(おくだ よしえ)

多喜子の母。結核を患い、多喜子、使用人と共に盛岡へと療養に来た。
夫の気質を理解しており、看病をせず書斎にこもって仕事を続けることに恨み言を言うことなく亡くなる。

大杉高雄(おおすぎ たかお)

CV:千葉進歩

永之介の友人で、多喜子の初恋の相手。物語開始時点では既に結婚しており、娘の鈴乃も8歳になっていた。
多喜子に10年来の想いを告白されるが、妻子を持つ身ゆえに彼女の気持ちに答えることができず、多喜子が四神天地書に吸い込まれるきっかけになったとも言える。帰国した永之介や、父に対する多喜子の態度を見てしばらく奥田親子の近くにいることを決め、行方不明になった多喜子を探すなど人のいい性格である。
永之介から、四神天地書の真実を書いた手紙を託され、天地書や奥田親子の死の真実を知る。

『白虎仙記』では天地書に触れてはいけないと鈴乃に忠告している。関東大震災の折、柱に挟まれて死亡したが、息がある内に鈴乃だけでも救う為に天地書を開かせ、本の中へと逃がした。『ふしぎ遊戯』でもわずかながらその存在が語られている。

大杉鈴乃(おおすぎ すずの)

大杉の娘。後に白虎の巫女となり、白虎七星士の婁宿(たたら)と恋に落ちる運命にある。
『玄武開伝』の時点では8歳の少女で、写真でのみ登場している。多喜子は鈴乃の写真を見て「お父様に大事にされていて、鈴乃ちゃんは幸せ者」と言った。

鈴乃が主人公の『白虎仙記』では、幼い頃から天地書越しに白虎の気配を感じる描写がある。関東大震災の折、家の下敷きになったが父の高雄に「本を開け」と言われて天地書内部へと逃がされた。
『ふしぎ遊戯』でもわずかながらに登場し、精神力が強ければ神獣に食われることはないと語っている。『ふしぎ遊戯』のアニメ版では天地書の中で婁宿の死と同時に息を引き取り、共に昇天する描写がある。

及川(おいかわ)

帝大出身の医者。東京在住時、美江の主治医であった。その頃見初めた多喜子を忘れられず盛岡に求婚に来た。
四神天地書から帰還し、女宿たちのことを忘れようと努める多喜子に縁談を受け入れられるが、その矢先多喜子に結核の症状が出る。共に彼女の結核の治療をすると宣言するが、多喜子は女宿への想いや巫女としての使命を果たすことを決意する。秘密を明かされないながらも、多喜子の強い決意を読み取り、婚約破棄の申し出を受け入れた。
おっとりとした人の良さそうな青年だが、一途で誠実な性分であり芯は強い。

ゲームのオリジナルキャラクター

Play Station2(PS2)、Play Station Portable(PSP)用のゲームソフト『ふしぎ遊戯 玄武開伝 外伝 鏡の巫女』に登場するキャラクターを挙げる。原作キャラクターの声は、ドラマCD版と同じ声優が担当している。室宿、壁宿、ハーガス、緋鉛は登場しない。ジャンルは恋愛シミュレーションゲームである。

えどまち
えどまち
@edono78

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