聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-(FF外伝)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『聖剣伝説』シリーズの第1作。当初は『ファイナルファンタジー(FF)シリーズ』の派生作品としてリリースされたアクションRPG。FFシリーズでおなじみのチョコボや飛空艇、魔法なども登場する。生と死、出会いと別れをテーマに描かれる重いストーリーの中にもコミカルな要素がありパズル的な謎解きも楽しめる。リメイク作品『新約 聖剣伝説』が作られ更に3Dでもフルリメイクされた。

『新約 聖剣伝説』は、2003年8月29日にスクウェア・エニックスより発売されたアクションRPG。
『FFシリーズ』のスクウェアと『ドラクエシリーズ』のエニックスが合併して現在のスクウェア・エニックスになって以降、初めて発売されたGBアドバンス用ソフト。
開発は、『聖剣伝説2』以降の開発メンバーらが退職後所属したゲーム開発会社ブラウニーブラウン(現1-UPスタジオ)が担当した。
GB版の『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』のリメイク版という位置づけではあるが、グラフィックをはじめ、大幅にリニューアルされている。
こちらのリメイク版が『新約 聖剣伝説』なので、元のGB版を『旧約 聖剣伝説』と呼ばれることもある。

『新約聖剣伝説』の相違点

『新約聖剣伝説』の最大の特徴は、ヒロインを主人公として選択できる「ヒロイン編」が追加されたことである。
「ヒロイン編」ではヒロインの視点でストーリーが描かれており、かなり快活な性格のヒロインとなっているが、結末はGB版と同じである。

また主人公のヒーローの設定も、奴隷剣士という設定はGB版と同じだが、主人公の身分がグランス公国の大臣の息子という設定が追加されている。
今作ではヒーローの両親が邪教徒のマナの一族であるヒロインを庇ったことから異端とされ、シャドウナイトによって殺されてしまう。ヒーロー自身は捕らわれて、奴隷剣士に身分を落とされて生きながらえていたという設定になっている。
また他にもGB版では序盤に死亡してしまうサブキャラクターのウィリーが生き残り、PTメンバーに加わるなど、キャラクターにまつわるストーリーなどの変更がなされている。

システム面では、『聖剣伝説2』のシステム「リングコマンド」を採用している。(リングコマンドとは、アイテムや魔法・装備などがリング状に配置されているコマンドメニューのこと。リングを回転させて使用するアイテムなどを選択する。スクウェア・エニックスが特許を持っている独自のシステム)
ステータスに熟練度のレベルが加わり、例えば武器の熟練度レベルが上昇すると必殺技ゲージのたまりやすさがアップするなど、キャラクターの強さに直結するようになった。
GB版ではパーティメンバーになるNPCは操作不可能だったが、今作ではプレイヤーが操作できるようになった。

『新約聖剣伝説』の新たな要素として、武器や防具を作成・強化ができる工房と種を植えて果実を作る果樹園が追加されている。
果樹園で作られた果実は武器や防具に強化に必要となる。
『聖剣伝説3』や『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』などのキャラクターがゲスト出演もしている。
また、GBA専用の通信ケーブルを使用し、他のカートリッジと通信することが可能となった。

携帯電話アプリ版

携帯電話アプリ版の概要

2006年8月16日に、携帯電話のSoftBank 3G端末用S!アプリ向けとしてリメイクされ、配信された。
2006年8月30日には、SoftBank 3G 905SH用S!アプリが、2006年11月6日にはFOMA903i向けメガiアプリが配信された。
また2007年2月5日にはWIN BREW対応端末のEZアプリとしても配信が開始された。
これらの携帯電話アプリは2011年3月より一時期配信停止していたが、その後『スクエニMOBILE』として2011年5月にiアプリ版とS!アプリ版およびEZアプリ版を配信再開した。
スマートフォンの普及により、これ以降の携帯電話対応機種の更新は停止している。

内容はGB版のイメージをそのまま移植したが、グラフィック面はフルカラーで作り直された。

携帯電話アプリ版の相違点

内容はほぼGB版と同じだが、ゲーム画面はフルカラーで作り直された。
それに伴い、イラストレーターのHACCANを起用し、新たにキャラクターデザインを書き起こした。
HACCANは後述の3Dリメイク版でもキャラクターデザインを担当している。

メニュー画面の改善により、アイテムなどの整頓が可能になったり、ゲームシステムの調整が可能となるコンフィグ項目が追加されたりと使い勝手が良くなった。
アイテムや装備などの説明文が追加されたり、バグの修正の他、アクションの攻撃判定が広くなったりとプレイヤーに親切な設計となっている。

3Dフルリメイク版

3Dフルリメイク版の概要

2016年2月4日にPlayStation Vita、スマートフォン(iOS、Android)向けに3Dでリメイクされたバージョンが発売・配信された。
これらのハードに移植される際、操作系を見直すことになり、タッチパネルに対応しやすい3DCGでグラフィックを全面的に書き換え、フルリメイクされることになった。
ストーリーなどの内容はGB版と変わらないが、ひらがなを漢字表記にしたり、現在の倫理基準に合わせた語句にするなどの変更がある。
またGB版ではゲーム機の容量の問題などからカットされた演出などを取り入れている。

3Dフルリメイク版の相違点

GB版と内容はほぼ同じであるが、システム面では『聖剣伝説2』のリングコマンドをアレンジした「ハーフリングコマンド」を新たに採用した他、BGMも新たに作り直された。
この新たに作り直されたBGMは、元のGB版のものに変更することも可能となっている。
また、武器屋や道具屋などで秘密の言葉を入力すると、新規追加されたアイテムを入手することができる。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』の音楽・サウンドトラック

『聖剣伝説〜ファイナルファンタジー外伝〜』の音楽を担当したのは、『Sa・Ga2』や『ロマンシングサ・ガ』シリーズの作曲を手掛けた伊藤賢治。
スクウェアに入社して初の単独作品となった今作は今なお高い評価を得ている。
リメイク版『新約 聖剣伝説』でも全曲を伊藤自身がセルフアレンジしている他、新曲も追加されている。
ゲームオリジナル音源のサウンドトラックとアレンジバージョンがCD化されている。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

サブタイトルが付けられた理由

当初、GB向けに発売するタイトルとしては既に『魔界塔士Sa・Ga』というGB初のRPGがヒットしていた。
RPGタイトルを得意とするスクウェア(現スクウェア・エニックス)が作るGB向けの初のアクションRPGという新規タイトルは、もともと別のゲームタイトルとして商標を取っていた『聖剣伝説』というタイトルを使用することが決まっていたが、売れ行きを心配した上層部がFFシリーズの冠を付け足し、ファイナルファンタジー外伝、というサブタイトルが付けられた。
生みの親でもある石井浩一をはじめとする聖剣伝説チームは当初難色を示したが、結果として『聖剣伝説』というタイトルの認知度につながり、その後の続編ではFFの冠は必要なくなった。

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