聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-(FF外伝)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『聖剣伝説』シリーズの第1作。当初は『ファイナルファンタジー(FF)シリーズ』の派生作品としてリリースされたアクションRPG。FFシリーズでおなじみのチョコボや飛空艇、魔法なども登場する。生と死、出会いと別れをテーマに描かれる重いストーリーの中にもコミカルな要素がありパズル的な謎解きも楽しめる。リメイク作品『新約 聖剣伝説』が作られ更に3Dでもフルリメイクされた。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』の概要

『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』は、1991年6月28日にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)よりゲームボーイ用ソフトとして発売されたアクションロールプレイングゲーム(RPG)。

『聖剣伝説』シリーズの第1作目となる今作はファイナルファンタジー(FF)シリーズ作品の外伝としてリリースされた。
FFシリーズではおなじみのチョコボや飛空艇等が登場し、FFシリーズと同じ回復魔法のケアルや攻撃魔法のファイア、ブリザドなどの魔法が使用できる。
今作は続編がシリーズ化された後に「聖剣伝説1」「FF外伝」などと呼ばれるようになった。また後述のリメイク作品『新約 聖剣伝説』に対し、「旧約聖剣伝説」などとも呼ばれる。
この第1作目には、『聖剣伝説2』以降のシリーズに共通するマナの樹をはじめ、ラビやマイコニドのようなシリーズおなじみのモンスターや、ワッツやボンボヤジといったキャラクターなども登場している。

ゲームシステム面では見下ろし型画面で、キャラクターの移動にあわせた画面の移動やパズル的要素などがあり、任天堂のアクションRPGの名作『ゼルダの伝説』を意識したものとなっている。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』の用語

マナの樹

はるか高くそびえるイルージア山の頂上にあるマナの神殿の中に奉られているマナの樹 。
マナの樹は世界を支える大樹である。
マナの神殿への道を開くには、マナの一族が持つペンダントが必要である。

マナとは自然の力のことで、その源であるマナの樹は、宇宙を含む全ての自然の力をエネルギーにして成長する。
その樹に触れた者は永遠の力を得ることが出来ると言われている。
人の心の影響をうけやすく、濁った心で触れるとマナの樹もまた邪悪にそまってしまう。
そしてそのマナの樹から流れ出る水を飲んだ者もまた邪悪となってしまうと言われている。
かつて、バンドール帝国の王が永遠の力を得ようと触れたためマナの樹は邪悪に染まってしまった。
ジェマの騎士ボガードが聖剣を手にバンドール王を倒して邪悪に染まったマナの樹も消滅した。
その後、ヒロインの母が新たなマナの樹になった。

その後のシリーズでもマナの樹は聖剣伝説の世界を構成する上で重要な役割を果たしている。

マナの一族

マナの一族とは、マナの樹を守る使命を帯びた一族であり、その正体はマナの樹から生まれた種である。
マナの樹が枯れたり失われたりした際には、マナの一族が自らがマナの種となり、やがてマナの樹へと育っていく。
今作ではヒロインの母が現在のマナの樹であり、そしてヒロイン自身もやがてマナの樹となる運命にあった。

ジェマの騎士

「ジェマ」とは新しいマナの芽を意味する言葉で、マナの芽、つまりマナの種であるマナ一族を守る役目を負っている者をジェマの騎士と言う。
マナの樹が消失した後、新たなマナの樹が、再び邪悪に染まることがないように育つのを見守ることがジェマの騎士の使命である。
新たなマナの樹となるべきマナの一族によって認められた者だけがジェマの騎士となり、聖剣エクスカリバーを持つことができる。
聖剣エクスカリバーを携えたジェマの騎士は、邪悪に染まったマナの樹の力を手にした者に対抗できる唯一の存在と言われている。

バンドール帝国

かつてこの世界を支配しようとした悪の帝国。
バンドール帝国の王は、マナの樹の力に触れ、その力を手にした。
マナの強大な力を手にした王は、世界を支配しようと企んだが、ヒロインの母であるマナの一族の女性が立ち上がり、人々を導いてバンドール帝国に対抗した。
ヒロインの母を守るジェマの騎士・ボガードは、聖剣エクスカリバーを手にしてバンドール王を討った。
王を失ったバンドール帝国は滅び、帝国の最後の生き残りである赤ん坊は、グランス公国近くの滝壺の裏に置き去りにされた。
その赤ん坊こそが今作のラスボスとなるジュリアスであった。

『聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-』のあらすじ・ストーリー

グランス城からの脱出

グランス公国の王・シャドウナイトは剣闘士の奴隷をモンスターと戦わせ、それを見て楽しむという悪趣味を持っていた。
主人公のヒーローは、そんな剣闘士奴隷としてグランス城に囚われていた。
剣闘士奴隷たちは毎日牢屋から出されてはモンスターと必死に戦い、勝つと与えられるわずかな食料だけでその日を生き延びていた。
だが、毎日のように戦わされ、ケガと疲労が蓄積していき、奴隷たちは次々と倒れていくのだった。

ある時、奴隷仲間で親友のウィリーが亡くなったことをきっかけに、ヒーローは脱走を決意する。
脱走には成功したヒーローだったが、逃げる途中、グランス城近くの滝壺で、シャドウナイトとその側近の魔道士ジュリアスが、滝の上にあるというマナの樹について密談しているのを偶然聞いてしまう。
密談を聞いていたことがバレて、シャドウナイトによりヒーローは滝壺に突き落とされてしまう。

滝の下流で目覚めたヒーローは、そこで偶然モンスターに襲われているヒロインを助ける。
ヒロインには護衛がいたが、モンスターに襲われたケガがもとで死んでしまう。
死の間際、護衛はヒロインにボガードという老剣士を訪ねるよう遺言を残す。
ヒロインは記憶を一部失っているようだった。
ヒーローとヒロインはボガードの家へと向かう。

ボガードは不愛想な老人だったが、ヒロインのペンダントを見た途端、態度が豹変する。
ペンダントはヒロインの母親の形見であり、ボガードはどうやらヒロインの母親とは知り合いのようだった。
ボガードは2人に語りだす。

かつて、世界を支配しようとした悪の帝国があった。
それはマナの樹の力を手にした王の治めるバンドール帝国であった。
帝国の王はその力で世界を支配し人々を苦しめた。
ヒロインのペンダントは、そのバンドール帝国に立ち向かった1人の女性が身に付けていたものだったという。
その女性こそがヒロインの母親だった。
ヒロインの母にはジェマの騎士という守護者がついていた。
バンドール帝国の王は聖剣を手にしたジェマの騎士により倒され、帝国は滅びたという。
そのジェマの騎士こそがボガードだった。

ボガードは記憶を失っているヒロインに、聖都ウェンデルの大賢者シーバに会うよう助言する。
ヒーローはウェンデルまでヒロインを護衛することになった。

その道中、ヒーローとヒロインは親切な貴族の館で一泊するが、ヒロインが行方不明になってしまう。
館の主はシラを切るが、ヒーローは館の主が怪しいと疑う。
館の他の宿泊者によれば、真実の姿を映し出すという「月の鏡」というものが、沼の洞窟にあるという。
ヒロインを探すため、「月の鏡」を手に入れようとヒーローは沼の洞窟へ向かう。
ヒーローは、洞窟にいた謎の旅人の協力により、洞窟の奥で「月の鏡」を手に入れる。
洞窟から出たところで謎の旅人と別れ、ヒーローは貴族の館に戻り、館の使用人に「月の鏡」を向ける。
すると館の使用人は魔物の本性を現した。
館は魔物の巣窟だったのだ。
館の奥で棺桶に閉じ込められていたヒロインを救出し、館から脱出しようとしたヒーローは、玄関ホールで館の主と出くわす。
主の正体は、処女の生き血を狙うバンパイアであり、ヒロインの生き血を狙っていたのだった。
ヒーローはバンパイアを倒してヒロインと共に館を脱出する。

囚われたヒロイン

ヒーローとヒロインはウェンデルに到着し、大聖堂で大賢者シーバに会う。
シーバに促され、ヒロインが大聖堂の床に描かれた魔法陣の上に立つと、彼女のペンダントから光があふれ、ヒロインの母の幻影が現れた。

母はヒロインに語る。
ヒロインと自分は、マナの樹を守る使命を持ったマナの一族であり、マナの種だという。
かつてバンドール帝国との戦いの後、ヒロインの母はペンダントを使って、マナの樹に誰も近づけないよう封印を施した。
しかし、今また、グランス公国のシャドウナイトがマナの樹を狙っているという。
ジェマの騎士の助けを借り、マナの樹を守りなさい、そう言って母の姿は消えた。

そのとき、大聖堂がグランス公国の飛空艇の襲撃にあい、沼の洞窟で出会ったあの謎の旅人が突然大聖堂に駆け込んできて、危機を知らせる。そして旅人はヒロインを安全な場所へ連れて行くと言って連れ出した。
2人の後を追ったヒーローは、謎の旅人が、ヒロインの前で正体を明らかにする場面を目撃する。旅人の正体は、グランス公国の魔道士ジュリアスだったのだ。
ジュリアスは、ヒロインがマナの一族であるという確信が得られるまで、正体を隠して彼女を監視していたのだった。
ヒーローはヒロインを守ろうとするが、ジュリアスの術により、なすすべもなく倒され、ヒロインと彼女が身に着けていたペンダントを奪われてしまう。
シーバに助けられたヒーローは、ジュリアスに攫われたヒロインが連れ込まれた飛空艇を追う。
途中、ワッツというドワーフと出会って廃坑を探索したりしながら、なおも1人で飛空艇を追跡し続けるヒーローだったが、やがて後を追ってきたボガードと合流し、一緒に飛空艇を追う。

飛空艇は補給のため、湖に停泊していた。
その隙に飛空艇に忍び込むヒーローとボガード。
飛空艇内では、ジュリアスが子供の頃に、滝壺の洞窟でシャドウナイトに拾われたということがわかる。
ヒーローは囚われているヒロインを見つけるが、扉にはカギがかかっていて開かない。
飛空艇の外からまわって窓へ行こうと試みるも、なんと飛空艇は既に離陸していた。
必死に窓にたどりつくとヒロインは開いた窓の隙間からペンダントをヒーローに託した。
そして、ヒロインを助けようと窓をこじ開けようとしたところ、運悪くジュリアスに見つかってしまう。
ヒーローはジュリアスの術によって、飛空艇から空に放り出されてしまう。

アマンダの悲劇

飛空艇から放り出されたヒーローは、メノス村の民家の屋根の上に落ち、屋根がクッションとなって一命はとりとめたが、昏睡状態に陥ってしまう。
ヒーローが村人の家で介抱され、意識を取り戻した時、ヒロインから預かったペンダントが無くなっていることに気付く。
ヒーローは昏睡していた時、うっすらとグランス城の奴隷仲間だったアマンダが盗んでいったことを覚えていた。
村人の話では、アマンダは砂漠の町ジャドに向かったという。
元気になったヒーローはペンダントを取り返すため、アマンダを追ってジャドへ向かう。

ジャドへ向かう前にヒーローはメノスの村人から、チョコボという生き物の話を聞いており、北東の森を探索すると、大きなタマゴを発見する。
ヒーローが近付くと、タマゴが孵り、チョコボのヒナが誕生した。
ヒナはヒーローを親だと思っているらしく、ヒーローの後をちょこちょこと付いてくるので、連れて行くことにした。

砂漠の町ジャドは町の実力者デビアスによって恐怖で支配され、人々は怯えながら生活していた。
それを知らないヒーローがデビアスの屋敷に行くと、デビアスはアマンダの行方を教えてくれた。
アマンダは砂の迷宮に行ったという。
ヒーローはアマンダを追って砂の迷宮に行く。

アマンダは迷宮の入り口にいた。
ヒーローが、ペンダントを盗んだことを問い詰めると、アマンダはデビアスの命令でペンダントを盗んだと話してくれた。
彼女は弟のレスターを人質に取られており、仕方なく命令に従ったのだという。
しかし、アマンダがペンダントを渡してもレスターは解放されるどころかデビアスによって魔法でオウムに変えられてしまったのだ。
レスターを元の姿に戻すためには、メデューサの血が必要だという。
アマンダはメデューサの血を手に入れるため、砂の迷宮にやってきたのだった。
事情を知り、ヒーローは、砂の迷宮の奥に棲むというメデューサを退治し、血を入手するためにアマンダに協力することにした。

ヒーローたちは迷宮の奥でメデューサを倒すが、メデューサは自分を倒しに来たヒーローへの嫌がらせのために血を一滴も残さなかった。
ヒーローがどうしようかと思っているところ、急にアマンダが苦しみだし、メデューサに変わり始める。
アマンダは先程のメデューサとの戦いでメデューサに噛まれていて、その毒が彼女の体中にたまり、新たなメデューサへと変わってしまったのだった。
アマンダはヒーローに自分を殺してくれと頼む。
新たなメデューサとなったアマンダを殺せば、メデューサの血が手に入るはずだ。
葛藤するヒーローだったが、弟を助けたいと願う彼女の望み通りメデューサとなったアマンダを倒し、その血を手に入れることができた。

デビアスの屋敷に戻り、屋敷内にいたオウムにメデューサの血を使うと、オウムは若い男に姿を変えた。
彼がアマンダの弟、レスターであった。
ヒーローはレスターにアマンダの死のことを話すと、一緒にデビアスを倒すという。
屋敷の中を探し、デビアスの元へたどり着いたヒーローたちは、デビアスと戦い倒す。
だが既にペンダントはグランス城へと送られた後だった。
デビアスはシャドウナイトの部下だったのだ。
レスターと別れ、ヒーローはグランス城へ乗り込む。

グランス城内でついにヒーローはヒロインと再会するものの、ペンダントはシャドウナイトが持っているという。
ヒロインを伴い、城の最上階に行くとそこにはシャドウナイトが待ちうけていた。
ヒーローは、シャドウナイトと一騎打ちをし、見事シャドウナイトを倒す。
そしてペンダントを奪うが、なんとそれはニセモノだった。
気付くといつのまにかヒロインの姿もなくなっていた。

ヒロインを探して城門までやってきたヒーローは、そこでヒロインを発見するが、彼女はヒーローの呼びかけにも答えず、何かに操られているかのように無言で城を出て行ってしまう。
ヒロインの後を追うと、ヒーローがグランス城から脱出した際にシャドウナイトに落とされた滝壺近くにたどり着く。
そこにジュリアスが現れ、彼が本物のペンダントを持っていた。
どうやらヒロインはジュリアスの術によって操られているようだ。

ジュリアスはヒーローに自らの素性を明かす。
彼はバンドール帝国の生き残りであり、マナの樹の力を得てバンドール帝国を復活させることを望んでいた。

ジュリアスの術で操られたヒロインは、ジュリアスの持っていた本物のペンダントを使って、秘密の呪文を唱える。
すると突如滝が逆流し、山頂にあるマナの神殿への道が開かれたのであった。
ジュリアスはヒロインとともに滝を登って神殿へと向かう。
ヒーローはそれを阻止しようとしたが、ジュリアスの術ではるか遠くに飛ばされてしまう。

失意のヒーロー

ジュリアスの術によってふき飛ばされたヒーローは、ガラスの砂漠と呼ばれる場所に瀕死の状態で横たわっていた。
ガラスの砂漠は至る所にガラスの結晶が生えており、そのせいで砂漠自体が高熱になり、ここを通る者を苦しめる。
ヒーローを助けたのはあのチョコボのヒナだった。しかしチョコボもガラスの砂漠の高熱で疲弊してしまう。
チョコボは瀕死の状態でありながらも、ヒーローをイシュの町へと運んでくれた。
イシュの町の人に介抱され、ヒーローが目覚めると、そこにはボガードがいた。
ボガードもまた飛空艇から放り出され、この町の人に助けられたのだという。
ヒーローに対し、ボガードは再び世界を救えと叱咤するが、何度もジュリアスにやられ、アマンダやヒロインを救えなかったことで、ヒーローは自信を失ってしまっていた。
失意のヒーローにボガードは怒りをあらわにするが、ボガード自身もケガをしていて思うように動けなくなっており、彼の苛立ちはそんな自分に対してでもあったのだ。

ヒーローは、ボガードの世話をしているサラという女性からチョコボが自分の身を犠牲にして、ヒーローをここまで運んできたことを知らされる。

ヒーローは 瀕死のチョコボに会うため、チョコボが保護されているという発明家ボンボヤジの家に向かう。
ボンボヤジの家には、なんと半分メカになったチョコボがいた。
ボンボヤジは熱砂の砂漠を歩いたためにダメになったチョコボの下半身をメカと交換したことで、チョコボの命をつないでくれたのだ。
おまけにチョコボのメカになった下半身にはホバー機能まで付いて、水上移動も可能になっており、この時からチョコボットと呼ばれるようになった。
チョコボットになってもチョコボは以前と変わらず、ヒーローを希望のまなざしで見つめる。
そんな健気なチョコボットを見て、ヒーローはやる気を取り戻すのだった。

聖剣を求めて

ヒーローはこれまでのやる気のない自分の態度をボガードに謝り、これからどうすればいいのかと尋ねる。
今頃ジュリアスはマナの樹の力を手に入れているだろう。
マナの樹の力を手にしたジュリアスを倒すためには、聖剣エクスカリバーの力が必要だという。
かつてボガードは、聖剣エクスカリバーを手にしてバンドール帝国と戦ったジェマの騎士だったが、その後、聖剣エクスカリバーは失われてしまって、今どこにあるのかボガードも知らないと言う。
だが、大賢者シーバなら知っているだろうというので、ボガードを村に残し、ヒーローはチョコボットに乗って海を越え、シーバのいるウェンデルへと向かう。

ウェンデルに行くと、シーバは不在であった。
シーバは異常気象に見舞われたロリマー王国を救いに行ったという。
ヒーローはシーバを追ってロリマー王国へ行く。
ロリマー王国は異常な寒さに襲われており、人々はみな凍り付いていた。シーバがいる部屋の扉も、凍り付いていて開かなかった。
この極寒の原因は、北のカーラ山脈に住むマリリスという魔物のせいだという。
封印されていたはずのマリリスは、ジュリアスの力で目覚めたのだった。
ヒーローはカーラ山脈へ向かい、マリリスを倒す。
ロリマー王国に戻ると、異常な寒さは消え、人々は元に戻っていた。
無事シーバに会うことができ、聖剣エクスカリバーの行方を聞く。
聖剣エクスカリバーは、海底火山にいるイフリートが持っているという。
ヒーローは海底火山に行き、イフリートを倒すと、錆びた剣を手に入れた。
とても聖剣とは思えないほど錆びた剣で、ヒーローは半信半疑のままその錆びた剣を携え、再びロリマー王国に戻り、シーバと話す。
マナの神殿に行くには、ジュリアスが登って行ったあの滝を登る必要があるが、その滝へたどり着く手段がジュリアスに邪魔されて今はない。
だがシーバは他にただ一つ方法があると言う。
その方法とは、昔、ガラスの砂漠に沈んだという滅んだバンドール帝国の遺跡である「ダイムの塔」を浮上させることだった。

イシュの町へ戻ってボンボヤジから遺跡の場所を聞く。
「ダイムの塔」を浮上させるための仕掛けがある遺跡の洞窟は、ガラスの砂漠に生えたクリスタルによってふさがれているらしい。
クリスタルを破壊するための黒魔法フレアを手に入れる必要があるとの情報を得て、ヒーローは、熱さも平気になったチョコボットに乗って、ガラスの砂漠を探索する。
やがて黒魔法フレアを封印の洞窟で手に入れ、それを使ってクリスタルを破壊する。
クリスタルを破壊して遺跡の洞窟に入り、その最深部にあるスイッチの前で、ヒーローが錆びた剣をかざすと聖剣の力が発動し、なにかが動く音がした。

遺跡の洞窟から外に出てみるとヒーローの目の前で突然、巨大な塔が砂漠の地面から出現した。それがダイムの塔だった。
塔の中に入るとロボットが仲間になる。ロボットの名前はマミーシーカーで、マーシーと呼んでくれと言う。
マーシーはボンボヤジの作った遺跡用の探索ロボットだった。だがボンボヤジに忘れられて50年もずっとここにいるのだという。
塔の中にはいたるところにバンドールの石板があり、マーシーに解読してもらえた。
石板には、以下のことが書かれていた。

「マナの樹は宇宙のパワーを吸収し育つ。
その為、人々の心が腐り始めればマナの樹も邪悪に染まる。
邪悪に染まったマナの樹の根からは濁った水が湧き出て滝に流れる。
濁った水を飲んだ人間はさらに心が腐る悪循環を引き起こす。
マナの樹に触れた者はその巨大な力を得ることが出来る。
永遠の力を手に入れたバンドール王が唯一恐れるもの…それはエクスカリバーを持ったジェマの騎士。
さびた剣を持つ者がジェマとしてふさわしいかどうかはマナの神殿で試される。
我がバンドール帝国ももうすぐ滅びるだろう…しかしその高度な文明を持った種族を絶やしてはならない。
我々は後の復活を望み最後の希望を滝つぼの洞窟に隠す。
我が子孫とバンドールに栄光あれ…」

このバンドールの最後の希望とは、ジュリアスのことだった。

塔の頂上にたどりつくと、目の前にはグランス城が見えた。だが滝壺まで、あと一歩のところで道が途切れ塔が崩壊を始める。
塔が崩れる前にマーシーが、ヒーローを滝壺に向かって投げて、そのあと自分もジャンプして後を追う、と提案し、ヒーローは頷く。
マーシーに投げられて、ヒーローは塔から脱出できたが、後ろを見てもマーシーはジャンプしてこない。
マーシーは自分もジャンプして後を追うと言ったが、マーシーにはジャンプする機能など最初からついていなかったのだ。
マーシーはロボットでありながら、ヒーローの足手まといにならないために嘘をついたのだった。
そしてヒーローに世界を救う希望を託して、崩壊する塔の中で別れを告げる。
遺跡探索ロボットであるマーシーは遺跡とともに眠ることが本望だと言い、ダイムの塔とともに砂漠へと沈んでいった。

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