3月のライオン 第33話(第2シリーズ第11話)のあらすじと感想・考察まとめ

新人王となった桐山は神宮寺から祝いの言葉をもらうと、宗谷との記念対局を盛大に行いたいと聞かされる。学校でも将科部の部員たちから祝福される。一方、柳原との棋匠戦を行うために、島田と櫻井とが対局する。
今回は「3月のライオン」第33話(第2シリーズ第11話)『Chapter.66 陽のあたる場所 / Chapter.67 小さな世界』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「3月のライオン」第33話(第2シリーズ第11話)『Chapter.66 陽のあたる場所 / Chapter.67 小さな世界』のあらすじ・ストーリー

将棋会館にて、桐山は日本将棋連盟会長の神宮寺に呼ばれていた。そこには柳原もいて、新人王となった桐山にお祝いの言葉をかけて、宗谷との記念対局をしないかと話を持ちかけた。

桐山は宗谷の名を口にしただけで、全身が泡立つような感覚になった。将棋をする自分たちにとって、宗谷は「神様の子供」と呼ばれている人だったからだ。

神宮寺会長の話によると、いつもは将棋会館で記念対局をするのだが、今年は人も呼び、取材陣も入れて、タイトル戦並に大きく派手にやるつもりでいるのだという。何故今回だけそんなに盛大にやるつもりなのか、桐山は神宮寺会長に尋ねた。会長が言うには、新人王になった棋士はその後名人になるケースがほとんどで、自分や柳原も名人になっていると話す。そして、桐山も宗谷に続く史上5人目の中学生プロ棋士になっているため、皆が桐山も名人になれることを期待しているのだという。そのため、現名人と未来の名人とのスター対決である記念対局を盛大に行おうというのだ。でも、神宮寺会長や柳原がいうには「自分たちの頃と違って今は宗谷がいるから桐山達は気の毒だ」という。初タイトルを取った頃は可愛かったが、島田と同い年でもある宗谷は、今はおじさんになったと柳原は話すのだった。

島田の名で思い出した柳原が、今年行われる棋匠戦はどうなるのだろうかと言い始めた。柳原の予定ではタイトル戦に挑戦し、取材陣も大判解説も大々的に行うはずだったのだという。それを島田は、1回負けたにも関わらず敗者復活で這い上がってきたのだ。柳原は棋匠戦のポスターなどの出来を想像すると、自分と島田とでは地味なおじさん2人のアップでは、若々しさも華々しさもないと言って落ち込む。さらに、話題がないとスポンサーがいなくなって、棋匠戦が開催できなくなってしまうと心配するのだった。

現実とはシビアなため、神宮寺会長は宗谷と桐山との記念対局は派手に行いたいと考えているのだ。会長は桐山に「助かる」「頼りにしている」と声をかける。桐山は、嬉しさと恥ずかしさで緊張してしまった。

桐山はその日、いろんなことが頭の中で行ったり来たりしていて、足元がフワフワして困って、どうやって家に帰って行ったのか覚えていなかった。夜布団に入っても、いつまでも川面の光が目の中でチラチラと揺れていた。

そして翌日、桐山は放課後に将科部の活動に出席するため部室に訪れると、将科部の面々が新人王のお祝いの用意をしてくれていた。野口部長が、桐山をよく頑張ったと褒め称え、顧問の林田はネット中継を見て大興奮していたということだった。林田や部員たちが自分を褒め称える中、桐山はトイレに行くと言ってその場を立ち去った。
トイレで桐山は声を出しながら泣き始めてしまう。自分はいつの間に明るいところに出ていたのか、何故涙が止まらないのか、桐山は自分でも分からないでいた。神宮寺会長や部員、ひなたたちから、新人王優勝の祝福の言葉やお礼をたくさんもらった桐山は、こんなに急に手に入ったものは、やっぱりまた急に消えてしまうのかと思っていた。でも、今はただ嬉しくて、もしいつか消えてしまうにしても、嬉しかった日は確かにあったのだと忘れないでいようと思うのだった。そして桐山は学校からの帰り道、いつでも取り出して思い出せるようにと日記帳を購入した。

棋匠戦を賭け、将棋界では集客率No.1と言われている櫻井と島田の対局が始まった。松本は、以前登山をした際に櫻井から「大切なのは諦めない心だ」ということを教えられた。そのため、今回棋匠戦で選ばれるのは櫻井に違いないと記者に話していた。
横溝先輩が、松本は素直だから、櫻井7段の山セラピーに完全に洗脳されていると三角に話す。櫻井は自分が気に入った人間やライバルを山に誘って、ピンチに合わせ優しく包み込むことで、いつも相手から信頼を得ている。しかもこれが天然で悪意皆無なのだから、櫻井は怖い人物だというのだ。これで、洗脳されてしまっている松本は、櫻井には簡単に勝てないだろうと横溝はいう。そして、横溝が言うには、櫻井は島田も登山に誘ったことがあるらしいというのだ。だが島田は、子どもの頃にタケノコや山菜などかごいっぱいになるまで帰ってくるなと親に言われて、日常のように山には散々入って登っていたのでという理由で断ったらしい。

櫻井と島田の対局が動き出したのを観戦していると、「浮石トラップ」や「落石スペシャル」などという、山好きの櫻井らしい、独自に付けた技名での駒の動かし方をしながら指していくが、島田は淡々と先を予想しながら攻めていく。
島田が勝つと棋匠戦の集客が悪くなってしまうことを心配する柳原と神宮司は、対局の中継を見に皆が観戦している部屋に訪れた。現在の駒の配置を見ていた柳原は、この対局は島田の勝ちであることを確信し、棋匠戦の挑戦者は島田に決まりだといって落ち込むのだった。
柳原と神宮寺は、落胆した面持ちで将棋会館を後にし2人で飲みに出かける。棋匠戦は、柳原にとっては通算10棋がかかっていた。そのため、櫻井が勝てばまだ華があるし若いため、自分にとってはいい見せ場ができると思っていたが、挑戦者が華のない島田であったため落胆していたのだ。以前後藤が「島田なんて、ほかっておいてもどうせそのうち勝手に勝ちだすさ」と言っていたのを柳原は思い出していた。そして、島田は華はないが以前よりもまた一枚分厚くなって戻ってきたと感じた柳原は、棋匠戦通算10棋を文字通りに死守しなければと思うのだった。
その頃、棋匠戦を賭けた櫻井との対局に勝った島田は、1人自販機の缶ビールで祝杯を上げていた。

桐山は野口部長から将科部では桐山以外の部員は全て3年生で、夏休み明けには受験に専念するため引退しなければいけないと聞かされる。引退の話を聞いた桐山は、どうして忘れていられたんだろうと思うのだった。
あっけなくまた桐山は1人になってしまい、学校での居場所を無くしてしまった。最近明るくなってきていた桐山を心配する顧問の林田だが、野口部長に「心配し過ぎ」だと言われてしまう。得たり失ったりは、すべての人間に避けようもなく訪れるもので、喜んだりがっかりしたりを繰り返して、人は自分の心の取り扱い方を学んでいくのだと部長は話す。失望や寂しさも人間には必要な感情で、勇気を出して新しい世界に手伸ばすのは、淋しさゆえの行動であるという。「そうやって人は、自分の小さな世界を赤子のように手を伸ばして広げていくのではないでしょうか」と、部長は自分の持論を林田に話して聞かせるのだった。

将科部で1人でいた桐山は、部室で棋譜を山のように積んで見ていた。林田は心配するが、1人でも棋譜を並べ、過去のデータを検討し、次の対局の対策を練って、詰将棋を解くなどしているから大丈夫だと桐山はいう。また1人ぼっちになってしまったことで、悲しさのあまりに校内で引きこもって、考えることを放棄してしまっているのだった。
桐山のことを心配した林田は、将科部への新入部員を獲得するために、チラシを作って生徒会室へとハンコをもらいに2人で向かう。生徒会でも将科部の存在は知らなくて、夏休み明けからの部員獲得は厳しいだろうが「健闘を祈る」と言われてしまった。

しかし問題はあっけなく解決を見るのだった。

野口部長から、部員募集の張り紙を見て部室を訪れてくれたのはこの2人だと、校長と教頭の2人を桐山は紹介された。校長は、桐山が編入してくれた時から、将棋を教えてもらいたいと決めていたらしい。教頭の方はというと、顧問の林田に以前から入部希望の話をしていたらしい。だが、林田が「今はちょっと」とかいうため、業を煮やしていたのだという。それから、学年主任の中村もぜひ入部したいと言っていたというのだ。これで顧問の林田も入れれば5人になるから、将棋部だけで存続ができるだけではなく、大物な人物ばかりだと部長は喜ぶ。しかし、部活というのは生徒がいての活動ではないかという桐山に、部長は校長がいればなんとでもなるというのだ。校長と教頭の2人は、最高の指導者である自分の元で将棋の腕を磨いていきたいと思っているということを知った桐山は、将棋部というより将棋教室ではないのだろうかと思うのだった。

参入部員が決定し、桐山零とゆかいな仲間たちの新しい冒険が始まる。科学部門が無くなったため「将科部」改め「将棋部」となって、平均年齢が24歳上がったのだった。

「3月のライオン」第33話(第2シリーズ第11話)『Chapter.66 陽のあたる場所 / Chapter.67 小さな世界』の感想・考察

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