【深夜廻】二人の少女ユイとハルを巡るストーリーのネタバレ解説・考察まとめ

田舎町で共に過ごす二人の少女、ユイとハル。夏のある日を境に、彼女達は怪物達がはびこる異形の街へと迷い込み、離れ離れになってしまう。深夜の街を廻り、互いを探す少女達。その中で見えてくる二人の「過去」と「真実」についての解説と考察。

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ユイ、ハルの前に幾度となく姿を現す「コトワリさま」

街を進む中で襲い来る、多種多様な怪物達。
その中でも特に執念深く、二人の前に幾度も姿を現すのが「コトワリさま」と呼ばれる特別な存在である。
巨大な赤いハサミを持った怪物で、二人を追い回し、そのハサミで切断しようと襲い掛かってくる。
戦う術を持たない二人にとっては逃げることしかできないが、一つだけ、このコトワリさまを退ける方法が存在する。
それは「人の形をした何かを差し出す」こと。
コトワリさまは人の形をしたものを切断すると、しばらく姿を現さないため、行く先々で人型の何かを探し、これを差し出すことで二人はコトワリさまから逃げていく。
しかし、何度も何度も出現し、その度に二人を追い詰めるコトワリさま。
まるで、何か特別な意味があるように、コトワリさまはハサミを二人に向ける。

意味を持って、姿を現す幽霊

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ハルに襲い掛かる雨女。だが、彼女にも幽霊になった悲しい経緯があった

怪物を恐れ、怯えながらも逃げ惑うハル。
だが、その中で徐々にではあるが、幽霊や怪物にも、ただ怖いだけでなく「意味」があって姿を現す存在もいる、という事を知る。
ハルに襲い掛かった「雨女」と呼ばれる幽霊は、赤い血の雨を降らせながら、叫び声と共にハルに迫ってくる。
彼女からなんとか逃げ切るハルだが、去り際に彼女から伝えられた言葉に、思わず足を止める。

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雨女から告げられた「いかないで」というメッセージ。その真意は…

ハルの去り際に、雨女は彼女に血で描かれた「いかないで」というメッセージを投げかける。
これに対し、自分の力ではどうしようもない、と泣く泣くその場を後にするハル。
元々、雨女は線路に立っており、電車が通過することでその姿を消していた。
また、ハルに襲い掛かってくる際の姿は、頭が割れ、全身から血を流した姿をしている。加えて、彼女に近付くと「電車の踏切音」が聞こえる、という奇妙な現象も確認できる。
劇中では言及されないが、これらの要素から彼女は「線路に飛び込み、自殺した女性の霊」ではないか、と考察できる。
ハルに襲い掛かったのも、霊になり、一人さまよい続けることに対する寂しさからの行動だったのではないだろうか。
彼女を救うことはできなかったが、それでもハルは「幽霊も何か理由や思いがあって姿を現すのだ」と、少しだけではあるが、怪物達に対する見方を改めていく。

ようやく巡り合えた、二人の少女

再会した二人。明らかになる悲しい事実

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ついに出会えた二人。だが、悲しい事実に気付いてしまう

チャコの導きもあり、ついにハルはユイの元へとたどり着く。
ハル、そしてチャコの登場に声を上げ、驚くユイ。感動の再会に見えたが、ユイはあるおかしな点に気付く。
それは、ハルが自分の姿をまるで認識できていない、ということであった。
目の前にいるのにハルはユイの姿が見えておらず、チャコがユイに向かって必死に吠えて訴えかけるも、まるで気付いてくれない。
その瞬間、ユイはここに至るまでの全てを思い出す。
それは冒頭、あの首を吊った瞬間、ユイは「死んでいた」という事実だった。
自身の手で命を絶ったユイは、ハルとずっと「幽霊」として接してきた。そのため再会したハルは、死者となってしまったユイを認識することはできなかった。
思い出した事実に失望し、うなだれるユイ。しかし、一つだけある疑問が彼女には残っていた。
それは「なぜ自分は自殺したのか」ということだった。
ユイは自身の死に関する「真実」を確かめるべく、再びあのクロを埋めた山へと赴く決意を固める。

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草陰からハルを見つめる「ヨマワリさん」

去り際に、ハルに対して手紙を残したユイ。
ハルもまた、ユイが幽霊だったという事実ついて気付くが、それでもなおユイに再び会うため、チャコと共に進むことを決意する。
だがそんな中、また新たな怪異が彼女に襲い掛かり、ユイの向かった山から遠く離れた隣町へと連れ去ってしまった。
前作「夜廻」にも登場し、プレイヤーをさらい続けた存在「ヨマワリさん」である。
意味も分からず廃工場へと連れてこられたハルに、再び、新たな怪異達が襲い掛かる。
だがユイに会うため、ハルは襲い来る魔の手を必死に振りほどき、かつてユイと花火を見た、あの山を目指す。

再び足を踏み入れる、思い出の場所

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やはり追いかけてくる「コトワリさま」。だが、ハルは成長した心で立ち向かう

「オバケでもいい、ユイに会いたい」という決意した、山へとたどり着いたハル。
様々な怪物が行く手を阻む中、今まで散々、ハルに襲い掛かってきた「コトワリさま」がまたもや姿を現す。
ユイとコトワリさまの間に立ち、立ち向かうチャコ。
チャコが切り刻まれそうになったところを、間一髪、ユイが救う。
今まで守られてきてばかりだった彼女は、ついにここで、コトワリさまに真っ向から対峙する。
「あなたなんか、こわくない。私はユイに、あいにいく」
そんな強い言葉が、しっかりと、コトワリさまに叩きつけられる。
怪物におびえるだけだったハルは、それでも深夜の街を巡る中で強くなり、遂には怪物に真正面から立ち向かえるまでに成長していた。

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コトワリさまが祀られている神社に辿り着くハル

やがてハルは山を登る最中で、古びれた神社に辿り着く。
そこで再度、姿を現す「コトワリさま」。ハルは神社の石畳に散乱したごみを排除することで、神社が持つ「結界」の力を再び発動させることに成功する。
これによって、コトワリさまはハルを無闇に襲う事はなくなった。
周囲を散策してみると、神社に飾られた絵馬を発見するハル。
そこには様々な人間の、誰かに対する恨み辛みが描かれていた。
また、道中にあった神社の説明文から、コトワリさまは幽霊ではなく本来は「神様」であることを知る。
コトワリさまは誰かの「もういやだ」という言葉に応え、その人間が望まない人間との「悪縁」を断ち切る神様だった。
今までユイやハルの目の前に現れたのも、実は知らず知らずのうちに「もういやだ」と呟いており、これに反応し、姿を現していたということであった。

怪物となった親友との再会

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再会したユイ。しかし、彼女は向こう側の住人へと変貌していた

ようやく、かつて二人で花火を見た山頂へとたどり着くハル。
そこにはユイの姿があり、ハルは彼女に駆け寄り、名前を呼んだ。
だが、長い時間がユイの身体にも変化をもたらし、彼女は今までハルに襲い掛かってきていた者達と同様、怪物の姿へと変貌してしまっていた。
襲い掛かるユイに、何とかそれでも声をかけ続けるハル。
ハルの呼びかけに、最後の最後、ユイは「チャコをよろしくね」とだけ告げ、姿を消す。
あとに残されたのは、彼女がつけていた、形見のリボンだった。

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真実を知ったハルの絵日記。そこには後悔の文字しか、記されていない

親友を失い、がっくりとうなだれるハル。
彼女は形見のリボンを手に、物語冒頭、ユイが愛犬であるクロを埋めた山頂へと辿り着く。
そこにはユイの手紙が置かれており、ようやく、ハルはユイの身に何が起こったかを知る。
実はユイの父親は突如、ユイ達の前から姿を消しており、それ以降彼女の母親はおかしくなってしまっていた。
これに加えて愛犬・クロが死んでしまい、心の拠り所にしていたハルとも離れ離れになるという事が、彼女の精神を追い詰めていく。
ユイが記した遺言の最後の言葉は「もうなにもほしくない」という、悲しいものだった。
ユイが自殺した理由を知り、絶望するハル。
ハルの絵日記は自身を責める言葉で、埋め尽くされていた。親友の死の理由は、少女にとってはあまりにも重く、痛々しいものだった。

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絶望したハルは、冒頭のユイと同じ結末を辿る

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