最高の人生の見つけ方(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『最高の人生の見つけ方』とは2007年にアメリカで公開されたハートウォーミングストーリー。全く違った人生を歩んできた2人の男が、ガンで余命宣告されたことをきっかけに、人生でやり残したことにチャレンジしていくという冒険物語。最後の旅を通して2人の間にはかけがえのない友情が芽生え、人生で一番大事なことは何かということに気付いていく。誰しも避けては通れない死というテーマを扱いながら、友情、冒険、家族愛など、人生で一番大事なエッセンスがギュッとつまった心温まる感動的なヒューマンドラマとなっている。

『最高の人生の見つけ方』の概要

『最高の人生の見つけ方』とは2007年にアメリカで公開されたハートウォーミングストーリー。余命半年と診断された2人の男が、死ぬまでにやりたいことリストを作り、その実現のために世界中を旅して歩く冒険と友情が描かれた映画だ。今作は、公開後米国で1位を獲得し、全世界で1億7,000万ドルの以上の興行収入を上げた大ヒット作となる。2019年に日本でも同名タイトルでリメイクされているが、こちらは設定が女性となっており、吉永小百合と天海祐希が主演を務めている。

今作の監督は恋愛映画の名手ロブ・ライナーだ。『恋人たちの予感』(1989)といった恋愛映画の他にも『スタンド・バイミー』(1986)などの人々の記憶に残る作品を多く手掛けている。カーター役を演じたモーガン・フリーマンは、数々の映画に脇役として出演し、その確かな演技力で高い評価を得ている黒人俳優だ。『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)ではアカデミー助演男優賞を受賞している。エドワード役のジャック・ニコルソンはアカデミー賞やゴールデングローブ賞の常連といわれるほどの大物スター。映画『シャイニング』(1980)で見せた狂気的な演技は、今もって人々の間で語り継がれている。

自動車整備工として働くカーターと大病院の経営者エドワードは、共にガンと診断され、病院で運命的な出会いを果たす。同時期に余命半年と宣告を受けた彼らは死ぬまでにやりたいことを書きだした「棺おけリスト」を作り、人生最後の旅という冒険にでかける。世界各地で次々とやりたいことを成し遂げ、お互いの人生を語り合った2人はかけがえのない親友となる。しかしあることがきっかけでケンカ別れをしてしまう。その後カーターの病状が悪化し、ついに死の淵に立った彼は、まだ実現途中の「棺おけリスト」をエドワードに託す。エドワードはカーターの望みを体現していくうちに、人生で一番大事なことに気付いていくのだった。死、友情、冒険、家族愛、人生で大事なテーマがすべてつまった心を打つハートフルな感動物語だ。

『最高の人生の見つけ方』のあらすじ・ストーリー

2人の男の運命的な出会い

病院で治療を受けるエドワード(左)とカーター(右)

自動車整備工として働くカーター・チェンバーズは職場の同僚からも一目置かれるほどの物知りな男だ。穏やかで平凡な日々を送っていた彼だったが、ある日病院の検査でガンであることが判明する。
一方、傲慢な男エドワード・コールは病院を経営する大富豪だ。彼は部下のリチャードと共に病院の理事会に出席していたが、突然血を吐き、自分が経営する病院に担ぎ込まれる。エドワードもガンであり、既に全身に転移していた。
こうして入院先の病院で同室となったカーターとエドワードは、運命的な出会いを果たす。

余命宣告

病室でカードに興じるエドワード(左)とカーター(右)

穏やかなカーターには、妻のバージニア・チェンバーズや長男ロジャーが頻繁にお見舞いに訪れてくる。カーターとバージニアの間には他にもリーとレイチェルという子どもがおり、家族に恵まれた人生を送ってきた。しかし嫌われ者のエドワードの元には秘書のトマス以外誰一人訪れることはなかった。そんな対極的な二人だったが、同じガンを患った者同士、手術や化学療法で辛い思いをしていた。そんな折、エドワードのお気に入りのコーヒー「コピ・ルアク」の話題をきっかけに、2人は交流を深めていく。そしてお互いの人生を語り合いながら、ガンと闘うお互いを見守り合った。ホリンズ医師やシン看護師の治療を受けて懸命に闘病をした彼らだったが、2人とも半年という余命宣告を受けてしまう。己の死が現実的となった2人は、共に絶望感に打ちのめされた。

棺おけリスト

棺おけリストについて話すエドワード(左)とカーター(右)

次の日、2人は「棺おけリスト」を作った。「棺おけリスト」とは人生でやりたいことを全部書き出したリストのことだ。カーターが「見ず知らずの人に親切にする」「泣くほど笑う」「荘厳な景色を見る」「ムスタングに乗る」と記入した。するとエドワードは「スカイダイビング」「世界一の美女にキスする」などを追加する。そして金を腐るほど持っている自分と病院を飛び出してやりたいことをやろうとカーターを誘う。そこで2人で最後の旅に出ることになった。妻のバージニアは治療を放棄した夫に激怒したが、カーターの決意は全く揺るぐことはない。旅行にはトマスが付き添い、旅の手配から彼らの面倒まですべてをみることとなった。

冒険への旅立ち

ダイビングに挑戦するエドワード(左)とカーター(右)

2人がまずチャレンジしたのは「スカイダイビング」だ。怖気づいてキレまくるカーターはインストラクターのカイルに助けてもらいながら、なんとか飛ぶことができた。その一方エドワードはやる気満々で、悠々と空中散歩を楽しんだ。次にタトゥーを入れたいというエドワードに付き合って2人はタトゥーショップに行く。真面目なカーターは遠慮したが、ここでエドワードは痛がりながらもタトゥーアーティストに刺青を入れて貰った。それから2人はサーキットを借り切ってカーレースにチャレンジする。憧れのスポーツカー・マスタングに乗れたカーターの顔には満面の笑みが浮かんでいた。2人は軽口をたたきながら、お互いの車をぶつけ合い、激走しながらレースを心の底から楽しんだ。次に自家用ジェットに乗って、フランスに飛んだ。そして眺めのいいレストランでキャビアを堪能する。カーターがチョウザメについての知識を披露すると、エドワードは冗談を飛ばして笑い合う。2人はすっかり仲良くなっていた。そこでエドワードは突然娘がいると告げる。寂しそうに今は会ってないとつぶやいた。そこでカーターは「娘に再会」とリストに書き加えた。するとエドワードはいきなり怒り出し、その文章を消してしまう。その夜、バージニアからエドワードに夫をかえしてほしいと電話がかかってくる。懇願する彼女のために、エドワードは帰宅を勧めるがカーターはそれをきっぱりと断った。

娘との確執

ピラミッドの上で語り合うカーター(左)とエドワード(右)

2人は野獣たちが悠然と歩く広大なアフリカのサバンナを車で疾走し、そしてエジプトの壮大なピラミッドの上で語り合った。するとエドワードは会ってない娘エミリーとの確執を語りだした。エミリーの母親とは離婚してしまったが、それ以後もエミリーとは交流が続いていた。やがて成人してエミリーが結婚すると、相手の男は彼女に暴力を振るい始める。そこでエドワードはその筋の人を雇って、無理やり2人を別れさせたのだ。するとエミリーからは「二度と会わない」と絶交され、それ以来娘と会っていないとカーターに告白した。

人生で一番大切なものとは

王の妃の墓の前で冗談を飛ばし合う2人

次にインドに飛んだ2人は有名な王の妃の墓を見学しながら、自分は火葬か土葬かについて議論し合った。そしてお互いを「我が良き友」と呼んで、また冗談を飛ばし笑い合う。それからも2人の旅は続いた。中国の万里の長城をバイクで疾走し、チベットのエベレスト登山を目指す。あいにくの天候不良で登山中止となってしまったが「また春にこよう」と約束して、次は香港に向かった。その香港のバーで一杯引っかけていたカーターに、アンジェリカという若く美しい女性が話しかけてくる。アンジェリカはエベレストに登ったことがあり、しばしその話題で盛り上がった後、彼女に自分の部屋にこないかと誘われる。そこでカーターはバージニアを心から愛していることに改めて気付く。実はアンジェリカはエドワードの差し金であったのだが、本心に気付いたカーターは帰宅の途につくことにした。

カーターの死

病室で涙を流しながら笑う2人

帰り道、カーターとトマスは共謀して、エミリーの元へエドワードを連れて行く。するとエドワードは烈火のごとく怒りだし、「棺おけリスト」をビリビリに破り、立ち去ってしまう。エドワードとはケンカ別れとなってしまったが、カーターは愛するバージニアの待つ自宅に戻った。そして子ども達や孫のカイと賑やかな食事を楽しみ、妻とダンスを踊った。エドワードは誰もいない豪邸に帰り、美女たちを呼び寄せたが、なぜか涙が止まらなかった。

自宅で幸せな時間を過ごしたカーターだったが、その直後に倒れてしまう。病院で検査すると、ガンが脳に転移していることがわかった。お見舞いに訪れたエドワードに、カーターはコピ・ルアクの由来を伝える。コピ・ルアクは実はジャコウ猫のフンに混ざったコーヒー豆を原料として作ったものだった。フンでできたコーヒーを有難がるエドワードを皮肉った最高のジョークに、2人は涙を流しながら大笑いする。カーターは笑いしながら「棺おけリスト」の中の「泣くほど笑う」という項目を消した。ビリビリになったリストをカーターは貼り直して、後生大事に持っていたのだ。そして「あとは頼むよ」とエドワードにリストを託した。その後、カーターは静かに人生の幕を閉じた。

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