ソレミテ〜それでも霊が見てみたい〜(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ソレミテ〜それでも霊が見てみたい〜』とは、漫画家小野寺浩二と総合プロデューサー石黒正数が「実際に心霊体験をしたい」という目的の下、様々な心霊スポットを巡る「心霊スポット探訪ガチレポート漫画」である。
『月刊ヤングキングアワーズ』で2012年9月~2015年2月まで連載。
メジャーからマイナーまであらゆる心霊スポットへ赴き心霊体験とその証拠を掴むため東奔西走する、ホラーを取り上げつつも全くホラー要素を感じさせない新感覚な心霊漫画。

第6夜 幽霊挑発作戦

‘‘このまま何も起こらないのはマズイ‘‘という危機感から生まれた作戦。内容は幽霊を挑発するという危険をあえて冒し、心霊写真を撮ろうというもの。
今まで心霊体験に対して受け身であったソレミテメンバーが初めて能動的に霊へアプローチをかけた記念すべき瞬間であった。
初回は石黒Pの挑発から始まるが、ノープランでキャラ設定が定まっておらずぐだぐだしたものまねが続き失敗に終わる。

第7夜 幽霊挑発作戦 第2弾

第6夜に引き続き、無理にでも幽霊に出てもらおうとい作戦、その第2弾。今回は心霊スポットの目の前で突然安達のサプライズバースデーを開催し、その罰当たりな行動で幽霊をおびき出そうというもの。
今までの結果に対する焦りからアグレッシブに成果を残そうとした努力が垣間見えるが、やるほど幽霊に出会える要素から離れていく様子が作風をリアルに強調している。当然幽霊は現れず不発に終わる。

第15夜外伝 ソルトガン

海外で害虫駆除に使用されるソルトガンというものがある。石黒Pの弟が「悪霊退治にも使えるのでは」と購入してくれた物。

しかし、本編で出番は無くぬるすぎるエピソードという事でカットされたナメクジ退治にのみ使用される。

ぬいぐるみヨタロウ

第22夜の横須賀勝手にコラボで星野が新メンバー深澤に渡した大きなぬいぐるみ。
「ぬいぐるみには魂が宿る」という事で深澤に持たされる。作中ぬいぐるみがしゃべったらいいねと語られるが、案の定ただのぬいぐるみだった。

水上お手製ダウジングロッド

第24夜で水上が「こっくりさん」のリベンジの為自作したもの。
弱点は風・歩く振動で揺れる事、暗い所だと両手がふさがる為見えない事。

ロケでは役に立つことなく、その後は水上が紛失してしまう。

小野寺と石黒「いつの間にか人として大切な何かを 失いつつあるのかもしれない…」

「八甲田山」にてある怪現象があった「別荘」へ向かう途中、道に迷い墓場に出てしまう。
「これは何かあるのでは」と期待し小野寺と石黒Pが探索するが、今まで沢山の心霊スポットを巡りもう墓場くらいでは全く怖くなくなっていた。

恐怖の感覚がバカになっていることを自覚した2人が星空を見上げて放った一言が「いつの間にか人として大切な何かを 失いつつあるのかもしれない…」である。
霊に出会うために巡った心霊スポットを通して逆に感性が遠ざかってしまった印象を与えている。『ソレミテ』らしさがおもしろく伝わってくるようなセリフ。

小野寺と石黒「ここはたくさんの想いを受け入れるための巨大な無の空間なのだ」

第28夜「恐山」にて「極楽浜」での小野寺と石黒Pの総括、のようなもの。
心霊スポットして恐山をまわるがここは心霊スポットとか小さいものではない別の何かだと悟り、「ここはたくさんの想いを受け入れるための巨大な無の空間なのだ」と締めくくった。

霊は見えなかったが小野寺と石黒Pの人生観を変えた恐山。その後星野に「お化けみなさいよ!!なにキレイにシメてんの!」と怒られる。

『ソレミテ〜それでも霊が見てみたい〜』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

第1夜 「プロデューサー石黒正数からのありがたいお言葉」より

今作では総合プロデューサーとして登場する石黒正数。幽霊は見た事が無いと公言しているが、実は「急に首の後ろを掴まれたような感覚に見舞われる」「金縛りに一度だけ会ったことがある」と語っている。
しかし、本人は筋肉の疲労による痙攣や、金縛りのメカニズムが解明されている事から上記の体験は心霊体験と認めていない。同時に幽霊に対して都合のいい時だけ信じているフワーっとした状態を解消し「死後の世界」の存在を明確にしたいと語った後、死後霊体となり「女子更衣室や女風呂」を覗きたいとほのめかしている。

第2夜 旅の思ひ出より 「千駄ヶ谷トンネル」「青山霊園」での出来事を語る星野

担当・星野が当時の事を語っている。第2夜で紹介された「千駄ヶ谷トンネル」は心霊スポットとしてかなり有名との事。ただし車やバイクでの目撃談が多く徒歩での目撃情報はないらしい、ちなみに石黒Pいわく「俺が幽霊なら…ここには出ねぇ」と失意と悲哀を込めてつぶやいていたとの事。
急遽追加された「青山霊園」は、お散歩マップ等のサイトにも出ている有名なスポットで偉人のお墓や立派な墓石が沢山あると語る。散歩として普通に楽しかったと勧めている。

第3夜 旅の思ひ出より 「八王子城跡」の不気味さを語る安達

この回は販売部・安達が八王子城跡について語っている。本作では特に怖い要素はみられなかったが、安達自身は今までで一番怖かったと語る。その後に行った心霊スポットでもパニック状態に陥ったらしいが、それでも「何が起きた場所か知らなかったのにあんなに嫌だと思った場所は生まれて初めてだった」とのこと。その夜安達は「超怖い夢」を見たらしく、その事を小野寺に話したところ小野寺も怖い夢を見たらしい。余談だが何だかんだ怖がる小野寺に反して怖がらない石黒Pの事を逆に怖いと思っているらしい。

第4夜 旅の思ひ出より 道了堂の雰囲気と石黒Pの鈍感さについて語る星野

「本当にヤバい気配がありました!」と星野は語る。道了堂の階段を登った途端、急に寒気がしたと。当時は「ようやく…!」と心の中でガッツポーズをしていたらしい。星野も途中で安達とリタイヤした為、男性たちから「移動するような草むらの音」の話を後から聞いたが、どうやら道了堂の心霊関係の書物を読んだ際に全く同じ現象が載っていたらしく内心ゾッとしていたと語る。

全員がその場の雰囲気にのまれている中、唯一空気を読めない石黒Pについて「霊的不感症」と責め立てている中「俺…人間として何か欠けているのかもしれない…!」と一言。
この瞬間から『ソレミテ~それでも霊が見てみたい~』は心霊体験の他に「恐怖心という石黒Pの欠けたピースを探す旅」にもなったと記されている。

第5夜 旅の思ひ出より 東京タワーでの失敗について心境を語る星野

8xmikosi321
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@8xmikosi321

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