フルメタル・パニック!(フルメタ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『フルメタル・パニック!』とは、賀東招二の小説およびそれを基にしたアニメーション作品。幼少期から戦場で育った傭兵を生業とする少年を題材とした、SFミリタリーアクションである。ウィスパードと呼ばれるブラックテクノロジーを有した特殊な存在により、現実世界とは異なった歴史を歩んだ世界が舞台。対テロ軍事武装組織ミスリルに所属する少年・相良宗介はウィスパードを有した女子高生・千鳥かなめの護衛任務につき、都立陣代高校に生徒として編入。敵組織アマルガムの攻撃から普通の学園生活を取り戻すために行動する。

知っているはずの無い、この世の誰にも知りえないはずのことを知っている人間を指す。
1981年12月24日11時50分(グリニッジ標準時)にソ連の実験施設ヤムスク11で行われていたオムニ・スフィアの実験中に発生した事故の影響によりこれらの人間が生まれた。
事故の発生の瞬間(11時50分)から約3分間の間に生まれた新生児が、その対象となっており全世界で能力に覚醒している人間は数人、潜在的には数十人程度と推測されている。
能力が発現するタイミングやどのようなブラックテクノロジーを持っているかはそれぞれ異なる。
そのため、各個体がどのような情報を持っているかを調べる必要があり、アマルガムのような組織や各国の諜報機関が血眼になって探している。
ウィスパードは成長と精神の成熟するにつれて、次第にささやき声が聞こえてくるようになり、知性が急激に高まっていき、これまで理解できなかった問題を軽々とこなし、独創的なアイディアを生み出し、天才に近づいていく。
また、ウィスパード同士は条件がそろうと「共振」という現象を発生させることができ、精神の深い部分で思考を共有することができる。
しかし、思考を共有すると、互いの人格が溶け合ってしまうため、共振は可能な限り避けなければならない。

『フルメタル・パニック!』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

メリッサ・マオ「これから先、どうするの?少しは考えたりしないの?あんた、任務とか命令とか、そういう方便に逃げてない?」

宗介の上司にあたるメリッサ・マオが負担の大きい仕事をいくつも担っている宗介の状況を心配して発した一言が、「これから先、どうするの?少しは考えたりしないの?あんた、任務とか命令とか、そういう方便に逃げてない?」である。
学業と傭兵業をこなし続ける宗介が、学業を疎かにして自分たちの救援任務に参加したことに対し、マオの力を信頼しておらず、なんでも自分で引き受けて解決しようとしているという誤解と苛立ちから放った言葉だった。
しかし、、最終決戦の前には宗介という人物を本当に理解し、戦いが終わったら銃を捨てて普通の生活を送ってほしいと本気で願い、優しく宗介を激励する。

ガウルン「本音を言ってみろ。弱い奴らと群れるのは楽しいか?」

敵として戦い続けてきたガウルンが、宗介に対して放った一言が、「本音を言ってみろ。弱い奴らと群れるのは楽しいか?」である。
宗介はミスリル上層部からの命令で千鳥かなめ護衛の任務を解任され、自暴自棄になりかけていた。
そんな時に参加していた香港での任務でかなめの事を考えるあまり不注意で交通事故を起こす。
任務継続に限界を感じた宗介は任務を放棄して香港市内を歩き回る。
そこで死んだと思っていたガウルンと再会し、ミスリルに所属し戦う事に迷いが生じていることを見抜かれる。
敵だった人物だけが自分の心理を理解したことへのショックを受け、ガウルンを殺した後もその言葉の一つ一つが呪いのように宗介を苦しめた。

テッサ「反逆を企てる者は、わたしがこの場で射殺します」

アマルガムがミスリルに対して総攻撃を開始し、各地の基地が壊滅し組織の中枢が崩壊するなか、テッサたちが駐屯しているメリダ島にも敵の戦力が猛攻を仕掛ける。
その際に戦闘のエキスパートたちが揃う特別対応班”SRT”からもテッサと強力な潜水艦であるトゥアハー・デ・ダナンを売って助かろうという意見が出始める。
それを聞いたテッサが初めて部下たちに対し厳しく叱責した際の一言が、「反逆を企てる者は、わたしがこの場で射殺します」である。
歴戦の戦士たちでさえ絶望するような厳しい状況だったが、この言葉をきっかけに17歳の司令官だけが諦めず部隊を生き延びさせようと考えていることに気づき、再び1つに団結して困難を打破しようと動き出す。

千鳥かなめ「あたしを助けに来て。どんな犠牲を払ったって構わない。何人死んだって─ ─何百、何万、何億人死んだって構わないから」

宗介が連れ去られたかなめを助けにメキシコの邸宅を奇襲し、ギリギリのところで間に合わず離れ離れになってしまった際にヘリコプターの無線を使ってかなめが宗介に言った一言が、「あたしを助けに来て。どんな犠牲を払ったって構わない。何人死んだって─ ─何百、何万、何億人死んだって構わないから」である。
かなめは自分の住んでいた街やクラスメイトたちに危険が及んだ際に、これ以上犠牲を出させないために連れ去られることを決め、ギリギリまで宗介に対しても自分を諦めてほしいと言っていた。
しかし、自分の気持ちに嘘をつき続けることができなくなり、犠牲を払ってでも助けに来てほしいと宗介に打ち明ける。
そして2人は始めて自分たちの気持ちを告白し、次に再会ができたらキスをしようと約束をする。
紆余曲折を経て、最終決戦が終わり2人が陣代高校に戻った際にこの約束は果たされた。

相楽宗介「俺が言いたいのは、『君はもっとガッツのある女だと思っていた』ってことだ」

最終決戦において宗介がメリダ島へ到着した際にかなめに対して放った言葉が、「俺が言いたいのは、『君はもっとガッツのある女だと思っていた』ってことだ」である。
ソフィアに意識を乗っ取られたかなめに対し、これまでの恨みつらみを混ぜた挑発的な言葉を投げかけ、かなめが怒りでソフィアの支配から逃れるよう促した。
それまで宗介は学校生活で問題を起こす度にかなめに一方的に鉄拳制裁を受けており、それについて怒りや不快感を現すことはなかったが、内心ずっと耐えてきたことがわかると同時に、かなめ本人にそれをぶちまけた唯一のシーン。
結果的にこの言葉を受けてかなめの意識は覚醒し、敵の作戦を中止させることに成功した。

レナード・テスタロッサ「わかるか?まともになりたかったんだよ」

最終決戦で宗介が一瞬の隙を衝いてレナードの機体を吹き飛ばし、白兵戦に突入した後に武器を失ったレナードが宗介に言った言葉が「わかるか?まともになりたかったんだよ」である。
2人は性格や考え方の違いからも分かり合えずに戦い続けてきた。
全く共通点がないように見えた2人が最後に「まともになりたい」という共通の願いを持っていることがわかる一言。

カリーニン「…… イキナサイ」

メリダ島での最終決戦の際に宗介と対峙したカリーニンが死の間際に宗介に伝えた一言が、「…… イキナサイ」である。
まだ幼かった宗介の乗る飛行機が墜落事故を起こした際に、偶然カリーニンが救助へ駆けつけ、宗介と母親らしき女性の救出を試みる。
しかし、飛行機の不時着した北極の氷床が割れ、機体が北極の大地に沈む中、カリーニンは宗介を救出するが母親らしき女性は割れた北極の大地に落ちてしまう。
その女性が宗介との別れの直前に放った言葉も「イキナサイ」だった。
状況から「行きなさい」と「生きなさい」のどちらの意味としても解釈ができるが真意はわからないままだった。
それからカリーニンは宗介の養父となるが、求める理想の違いから敵対し戦う事になってまう。
そして死を前にしたカリーニンは最後に母親と思しき女性が宗介に送った言葉と同じ言葉を残して息を引き取る。

アル「ひとつ試す前に聞いておきたい。私は人間ですか、機械ですか?」

最終決戦のレナードとの戦いでレーバテインが中破し、カリーニンとの戦いによって脱出手段を失い、核ミサイルが着弾するのを待つばかりとなった宗介が学校のクラスメイトたちからのメッセージで生きて帰りたいと願った際にアル(レーバテインのAI)が宗介に聞いた一言が、「ひとつ試す前に聞いておきたい。私は人間ですか、機械ですか?」である。
アルは通常のAIとは違い、呼んでもいないのに勝手に話し始めたり、通常のAIの真似事をしたり、自身を設計したバニや整備士のサックスらの死を悲しむような素振りを見せるなど機械とは思えない行動を取っていた。
通常はアルがアーバレストやレーバテインに搭乗した宗介の意識パターンをトレースすることで、搭乗者のイメージを現実化するラムダ・ドライバを発動させるが、この質問に宗介が自分で決めることだと答えたことで、アルが一人でラムダ・ドライバの発動を試み、結果核ミサイルの衝撃と放射能から宗介を守った。

相良宗介「君さえいれば、武器などいらない」

最終決戦を終え、陣代高校で宗介がかなめと再会し、約束のキスを果たした後の言葉が「君さえいれば、武器などいらない」である。
相良宗介は幼い頃から戦場で育ち、傭兵として武器を手放せずに生きてきたため、陣代高校に編入した当初は些細な事で武器を持ち出し問題を起こしていた。
その後も普通になりたいと願いながらも長い習慣から武器を手放す事に不安を感じ、またかなめをという愛する女性を守りたいという思いからも武器を手放せずにいた。
しかし、辛い戦いの果に最大の脅威は排除し、かなめとも結ばれたことで普通の人間としての一歩を踏み出し始めたことを現す一言。

『フルメタル・パニック!』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

アーバレストのデザインは3種類

主人公である宗介が搭乗する機体アーバレストは3種類のメカデザインが存在する。
最初は原作小説のデザインのみであったが、アニメ版1期が放映される際に小説版を元にリメイクされ、肩部のデザインなどが変更されている。
アニメ版3期でもさらにデザインが変更され、主に色が白と青を貴重とした色合いになり、後に小説版でもこちらのデザインが採用されている。
アニメの1期と3期ではラムダ・ドライバ発動時に背中部分から放熱用の羽のような部品が展開される点は同じだが、1期では肩部パーツも展開し常時放熱をしているのに対し、3期では発動中は肩部パーツは展開せず、発動終了後の放熱時に展開されるようになっている。

2体のARX-8の開発経緯

miharu_cafet9
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@miharu_cafet9

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