東京ゴッドファーザーズ(Tokyo Godfathers)のネタバレ解説まとめ

『東京ゴッドファーザーズ』とは、今敏監督によるオリジナルアニメーション作品で、2003年11月8日に公開された。
ホームレス生活をしていたギンちゃん、ハナちゃん、ミユキの3人はクリスマスの日のゴミ捨て場に捨てられていた赤ちゃん「清子」を見つける。3人は清子の親を探しに出るが、様々な騒動に巻き込まれることになる。

『東京ゴッドファーザーズ』概要

『東京ゴッドファーザーズ』は2003年11月8日に劇場公開されたオリジナルアニメーション映画。上映時間は92分。
監督は『パプリカ』や『千年女優』で知られる今敏。音楽は同監督の他作品でも主題歌・挿入歌を担当した平沢進が携わっている。制作会社は『パーフェクトブルー』『千年女優』と今敏監督作品をプロデュースしてきたマッドハウスが引き続き担当している。
今作の題材は「ホームレス」。魔法や異世界などフィクション作品が多いアニメーション作品の中で日常的なホームレスを題材にした作品は指で数えることが出来るほどに少ない。アニメ向きではないこの題材を「幸運」という非日常の要素と今敏監督の幻想的に魅せる技術によって、日常の世界を描きつつも展開に飽きの来ない作品になっている。

『東京ゴッドファーザーズ』のあらすじ・ストーリー

ホームレスのギン、ハナ、ミユキはクリスマスの夜も変わらず公園でのホームレス生活を送っていた。クリスマスプレゼントを求めてゴミ捨て場を漁りにいくが、3人が見つけたのは捨てられていた赤ん坊だった。
ギンとミユキは警察へ連れて行こうとするがハナの願いで一晩だけ赤ん坊のお守りをすることに。この時、ハナは赤ん坊の名前を「きよしこの夜」とかけて清子と名付ける。
一晩明けて警察署の前まで行くが、ハナの「子供を捨てる母親に聞きたいことがある」と言う強引な理由で3人は母親探しに出ることに。唯一の手がかりは清子が入れられていたカゴにあったコインロッカーの鍵。コインロッカーのある駅まで行き、中にあったカバンを調べると清子の両親と思われる男女の写真とスナックの名刺が入っていた。

手がかりとなるスナックを探している途中、車の下敷きになりかけている男性・太田を発見し、3人は慌てて救出する。太田はヤクザの組長でなんと探しているスナックの経営者だった。清子の両親とみられる男女の行方はわからなかったが、太田は助けてくれたお礼にと娘の結婚式に3人を招待した。招待されて食事をする3人だったが、ギンは新郎の姿を見ると急変する。なんと新郎はギンがホームレスになる前に借金の取り立てに来ていた輩であった。ハナに宥められ、家族が離れ離れになった元凶への怒りを抑えるギン。一方、ミユキはトイレで清子のおしめを替えに向かった。
その時、突如式場に発砲音が響いた。ウェイトレスが太田を狙って銃を撃ったのだ。太田は新郎に庇われて無傷だったが、新郎は代わりに打たれて重症となった。ミッションが失敗したウェイトレスはトイレから帰ってきたミユキを人質にタクシーで逃走、ギンとハナはそれを追うのであった。
ミユキはそのままウェイトレスの自宅に連れて行かれた。自宅にはウェイトレスの妻らしき女性がおり、優しい対応をしてくれる女性に対し、ミユキは自身が家出をしたことや、父親を包丁で刺してしまったことなどを相談する。一方、ギンとハナはウェイトレスを見失ってしまい、ギンは早々に諦めようと言う。ハナはそんなギンに呆れて一人で捜索を続ける。ウェイトレスが乗ったタクシーを見つけ、ウェイトレスの自宅までたどり着いたハナはミユキとの再会を果たす。その後、お金が底をつきてしまった2人はハナが昔お世話になっていたオカマバーへと向かい、先に来ていたギンと合流する。
オカマバーの面々に別れを告げ、再び清子の親を探しに出かけるが、ここでハナの体調が急変し病院へ向かうことに。お金のないハナの代わりにギンが治療費を支払うが、保険が効かないためいつか娘に渡そうと思って貯めていたお金を使うことになる。会計を済ませようとしたところ、なんと会計を担当した看護師がギンの娘であるキヨコであった。思いがけない再会で会話に花が咲くギンとキヨコ。ハナとミユキはその邪魔をしまいと病院を後にし、両親探しを諦めて清子を警察に預けるため警察署へと向かう。

警察署へ向かう途中、橋に差し掛かったところでちょうど自殺を図っていた女性・幸子と出会う。自殺を引き止められた幸子は清子を見ると突然号泣し始める。幸子が清子の母親であると察したハナは、清子を捨てたことに対して激怒するも、幸子が清子を捨てたわけではないことや、清子への愛がどれほど大きいかを聞き、清子を引き渡す。その頃、ギンは病院でテレビを視聴していたが、ニュース番組を見て驚愕する。清子が行方不明の子として捜索願が出されていたのだ。病院を飛び出してハナとミユキのもとへとたどり着いたギンはこの事実を伝えるも、辺りに幸子の姿はなかった。幸子が誘拐のことを何も話さなかったため、幸子が誘拐犯なのではないかと考えた3人は急いで幸子の行方を探すことに。公園で清子に無理やり母乳を飲ませようとする幸子の姿を見つけた3人は逃げる幸子をそのまま追う。トラックを強引に奪って逃走を図る幸子に驚くも、偶然ウェイトレスを乗せた時のタクシーが通りかかり乗せてもらうことに。壮絶なカーチェイスを繰り広げ、ビルの屋上で幸子を追い詰めることに成功する。
子供ができない故の苦しみから清子を誘拐したと語る幸子は、下から説得をする夫の康男の声を聞くも清子とともに飛び降り自殺を図ろうとする。幸子の服を掴むことで自殺の阻止には成功するが、幸子の手から清子だけが落ちてしまう。咄嗟に飛び降りて清子を抱きかかえて落下するハナ。誰もがダメだと思ったがその瞬間、強風が吹く。風によって垂れ幕がクッションとなり、ハナと清子は助かった。この奇跡によって誰も大きな怪我することなく、事件は解決した。
ホームレス3人は念のために病室で検査を受けていた。清子は無事本当の両親の元へと帰り、3人はこれからどうするのかと悩んでいた。そこに清子の本当の両親が病室に来て、清子の名付け親になって欲しいと頼むのであった。

『東京ゴッドファーザーズ』の登場人物・キャラクター

ギン

CVは江守徹。自称・元競輪選手であるが、実際は自転車屋を営んでいた。3人の中では一番長くホームレス生活を送っている。ギャンブルによって借金が膨らんだため、家族を残してホームレスとなった。
娘のキヨコのためにホームレス生活中もコツコツを貯金していた。本編の最後には宝くじを当てた描写がある。

ハナ

CVは梅垣義明。元ドラァグクイーンのオカマ。彼氏と死に別れたことが原因でホームレスとなる。家族との仲が悪かったため、ゴミ捨て場に捨てられていた清子の境遇に同情して親を探すことを決意する。清子の名付け親でもある。
ホームレス生活によって体が弱くなっており、物語の中盤で吐血し病院に運ばれている。

ミユキ

CVは岡本綾。愛猫を父親に捨てられたと勘違いして口論となり、警察官である父親を刺してからそのまま家出をした。家出前はぽっちゃりした体型だったが、ホームレス生活によって全体的に痩せた。
物語の最後には清子の捜索を担当していた父親と再会を果たす。

清子

CVはこおろぎさとみ。ゴミ捨て場に捨てられていた赤ん坊。クリスマスに捨てられていたため、ハナが「きよしこの夜」に因んで清子と名付けた。
彼女を見つけてから奇跡的な出来事が何度も起こるため、ハナは清子のことを神の子と呼んでいた。

太田

CVは飯塚昭三。自分の車の下敷きになりかけていたところを偶然通りかかったホームレス3人に助けてもらったヤクザの親分。
助けてくれたお礼に3人を娘の披露宴に招待する。

幸子

CVは寺瀬今日子。清子の母親を名乗る女性。実際は清子を病院から盗み出しており、夫である泰男に清子を捨てられてしまう。ショックで川に飛び降りて自殺しようとしていたところを偶然通りかかったハナとミユキに止められ、清子との再会を果たす。
その後、本当の母親でないことがバレてしまいホームレス3人から逃げる。最終的にはマンションの屋上から飛び降りようとするも未遂に終わる。

泰男

CVは石丸博也。幸子の夫であり、清子をゴミ捨て場に捨てた張本人。ギャンブル漬けで自堕落な生活を送っており、過去に同じような状況となっていたギンに叱られてマンションの屋上から飛び降りようとしていた幸子を引き止める。

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