マッドマックス2(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

監督のジョージ・ミラーと主演のメル・ギブソン、2人の出世作となった『マッドマックス』の続編。前作のヒットを受け、約10倍の費用をかけて製作されたバイオレンス・アクション映画。1981年公開のオーストラリア作品。貴重な資源となったガソリンを求め、愛車の「V8インターセプター」を駆り放浪する元警官のマックスは、凶暴な暴走族から石油精製所を守る人々と遭遇。彼らを脱出させるべく暴走族との死闘を開始する。

『マッドマックス2』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

“Two days ago, I saw a vehicle that would haul that tanker. You want to get out of here? You talk to me.” (2日前、俺はそいつを引っ張れるトレーラーを見かけた。脱出したいんだろ?相談に乗るぜ。)

暴走族から暴行を受け重傷を負った男と燃料を貰う取引をしたマックスは、男を担いで石油精製所に搬送するがパッパガーロの信用を得られず監禁される。ヒューマンガスから「精製所を手放して立ち退けば命は保証する」という妥協案を突き付けられた石油精製所の者たちは、徹底抗戦か脱出かで意見が対立する。そんな中、パッパガーロが石油を持ち出すためのトレーラーを探していることを知ったマックスは、以前、路上に放置されていたタンクトレーラーの存在を思い出し、トレーラーの調達とインターセプター用の燃料との取引を申し出る。

人助けの為ではなく、あくまでも自分が生き残る為、自分の車のガソリンと引き換えに危険な任務を自ら提案する、マックスらしいセリフである。

“I'm just here for the gasoline.”( 俺はただガソリンのためにここへ来た。)

本作ではマックスのセリフはたった16行しかないという。そのうち、2行を占めるのがこの台詞。
マックスが最初に石油精製所に入った時に、パッパガーロらに暴行現場の状況を説明した後に言ったセリフ。
そして、トレーラーを持ち帰り、その運転能力と度胸を買われ、仲間にならないか?と引き留めようとする製油所の面々に向かって、冷たく断る一言。

このセリフも、あくまでも自分が生き残る為にガソリンが必要だという、マックスらしいセリフである。

“Come on,cut the crap. I'm the best chance you've got.” (ぐすぐず言うな。やれるのは俺しかいない。)

石油精製所を後にした途端、ウェズら暴走族の闇討ちに遭い、愛車と愛犬を失い瀕死の重傷を負ったマックスは、ジャイロ・キャプテンに助けられ精製所へ運ばれた。パッパガーロたちが出発の準備をしているところへ、トレーラーの運転をさせてくれとパッパガーロに願い出る。

パッパガーロから一緒に行くことの誘いを断っているマックスに対して、精製所の面々は「今更お前なんかに何が出来るんだ?」と吐き捨てた。だが今度は何の見返りも求めず、マックスは命を賭ける覚悟を以って言い放ったのだった。

『マッドマックス2』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ロケ地に降った雨はなんと4年振りだった

本作のロケーションが行われた場所は、ブロークンヒルというシドニーの西1,300キロにある小さな町。
オーストラリアの中でも珍しい荒れた赤土だらけの土地で、壁も電柱もない、地平線に延びる1本の長い道がある、絶好のロケ地だった。
当初、撮影期間の5月から7月に掛けて、雨が降らないという予報が出ていた。ところがその予報は見事にはずれてしまい、なんと1週間も降り続いたのだ。スタッフはがっかりして只々降る雨を見つめていたのだが、なぜかその町の人々は大喜びしていた。
それはなんとこの町に降った雨が4年ぶりだったのだ。

マックスの”犬”にまつわるエピソード

マックスは、本作では犬を連れて旅をしている。
名前は付いていないが、種類はオーストラリアン・キャトル・ドッグで、オーストラリア原産の牧牛犬種である。
最初は動物の担当者が100匹ほどの中から選び、ジョージ・ミラー監督に会わせたところ、石を口で加えて監督の足元に落とすという芸当が気に入りOKしたという。
約3か月間の訓練を経て撮影に臨んだが、車に乗せたカーチェイスシーンで突然狂ったように騒ぎ出したらしい。その原因がエンジンの爆音だとわかり、犬の耳に綿を詰めて撮影したところ調子が良くなったという。
撮影終了後には映画界から足を洗いスタントマンに引き取られ、広い草原で暮らしたと言われている。

漫画『北斗の拳』は本作からイメージされた

本作は多くの作品に影響を与えているが、日本のSF漫画『北斗の拳』もそのうちの一つ。
世界設定や登場人物の衣装など、多くの部分で『マッドマックス2』を参考にしており、主人公ケンシロウの性格もメル・ギブソンが演じたマックスを下敷きにしている。
例えば、上下レザーのジャケットや肩当て、愛用の銃、そして、セリフの少ないマックスの無口な点もよく似ている。
さらに他の登場人物でも、ジャイロ・キャプテン、フェラル・キッド、ヒューマンガスやウェズなどの悪役や乗り物に至るまでかなりの範囲で参考にしていることは明らかである。

「シェーン」と「用心棒」が役作りの手本

配役も決まった撮影開始前、マックス役のメル・ギブソンとジャイロ・キャプテン役のブルース・スペンスはジョージ・ミラー監督から「シェーン」と「用心棒」の名作映画2作品の鑑賞を指示され、役を練り込んで撮影に望んだそうだ。
本作は黒澤明監督の『用心棒』をベースにしており、「実は当時『マッドマックス』を世界で最初に認めてくれた国は日本だった。自分にとって最初の映画が受け入れられるか心配していたが、日本の映画ファンが、車が登場する侍映画のように捉えてくれた。」とミラー監督は語った。
この物語は様々な形で世界中に伝わっている普遍的な物語の原型のような物だという。

『マッドマックス2』の用語

石油精製所(Oil Refinery)

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