トニオ・トラサルディー(ジョジョの奇妙な冒険)の徹底解説・考察まとめ

トニオ・トラサルディーとは、『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』に登場する料理人で、スタンド使いである。イタリア出身のトニオはあらゆる国の料理を学び、修行の果てに食べられることで体の悪い所を内側から治すスタンド「パール・ジャム」を開花させた。料理人としての高い能力と強い信念を持ち、治療効果も相まって彼の料理を食べたがるファンは多い。本編での登場回数は数える程度だが、温厚で紳士的な態度から人気は高く、『岸辺露伴は動かない』を始めとするスピンオフ作品に多数登場している。

トニオ・トラサルディーのプロフィール・人物像

CV:川島得愛(TVアニメ版) / 松原大典(ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』)

トニオ・トラサルディーとは、荒木飛呂彦の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』に登場する料理人で、スタンド使いである。S市杜王町にてイタリアンレストラン「トラサルディー」を構え、接客、料理を一人でこなす。その為、店内にはテーブルが2つしかない。
「自分の作った料理でお客様に快適になってもらうこと」を望んでいる。料理の腕前は超一流で、彼の料理を食べた虹村億泰(にじむら おくやす)は涙ながらに感動し、「天使のような料理人」と評した。掌を見ただけで相手の体調、抱えている疾患などがすべて分かる特殊能力があり、その客の体調に合わせた料理を出す為、店に決まったメニューはない。
衛生環境には非常に気を使っており、手を洗わずに厨房に入った東方仗助(ひがしかた じょうすけ)に対し激怒して包丁を投げつける過激な一面もある。基本的には善人で、温厚かつ物腰柔らかな態度で人に接する。
Part4に登場する漫画家岸辺露伴(きしべ ろはん)のスピンオフ漫画『岸辺露伴は動かない』にトニオがメインのエピソードがあるが、この作品は一種のパラレルワールド扱いのようで、料理人になった理由が「恋人のヴェルジーナの脳腫瘍を治す為」に変更されていた。
2011年刊行の小説『恥知らずのパープルヘイズ』(著:上遠野浩平)によれば、本名はアントーニオ・ヴォルペといい、父に勘当されて家を出たという設定になっている。家を出てからは母方の姓である「トラサルディー」を名乗ってきた。『恥知らずのパープルヘイズ』に登場するのはトニオの弟であるマッシモ・ヴォルペで、トニオは話に上るのみである。

トニオ・トラサルディーの来歴・活躍

料理人を志し修業を始める

トニオに目覚めたスタンド「パール・ジャム」。

トニオ・トラサルディーは、イタリアの没落貴族ヴォルペ家の長男アントーニオ・ヴォルペとして生まれた。父は金持ちにこびへつらう一方、陰で彼らの悪口を言っていた。そんな父に失望した若き日のトニオは、料理人を目指すようになる。しかし、父は長男が料理人になることには賛同しなかった。トニオは勘当され、母方の姓であるトラサルディーを名乗るようになる。
自らの理想とする料理を求め、世界中を旅する中でトニオに「料理の中に混ぜることで、食べた者の体の悪い所を治す」能力「パール・ジャム」が目覚める。それは元々彼の中に眠っていた潜在的なものだが、「料理で人を快適にしたい」との気持ちと修行により発現したものであった。パール・ジャムは、精神エネルギーが具現化された一種の超能力である「スタンド」と呼ばれる能力だったが、トニオが似た能力を持つ者に会うことはなく、自身の能力以外に詳しいことも知らなかった。
故郷イタリアに帰ったトニオだが、「若造が店を出す」ことを許さないイタリアの料理業界で腕を振るうことはなかった。トニオは、あらゆる国の料理が集まり競争が激しい分自由に店を出すチャンスのある日本を訪れる。新鮮な野菜、素晴らしい海の幸と食材に恵まれた土地を見つけ、トニオはレストラン「トラサルディー」を開いた。その場所は、M県S市杜王町と呼ばれていた。

杜王町のイタリアンレストラン「トラサルディー」

店を訪れた二人の客・仗助(左から2人目)と億泰(左端)がスタンド使いと知り、トニオは喜ぶ。

ある日、「トラサルディー」に二人の客が訪れる。地元の高校生である東方仗助(ひがしかた じょうすけ)と虹村億泰(にじむら おくやす)であった。掌を見ると、億泰は肩こり、睡眠不足、虫歯、水虫を患っていることが分かった。「店にメニューがない」と聞いて一度は文句を言った億泰だが、トニオから体調を言い当てられて驚愕する。仗助は「腹はすいてない」とカプチーノだけを注文した。初めに出された水の美味しさに、二人は驚き、億泰に至っては感激して目から大量の涙を流す。しかし、その量が尋常ではなく、億泰の眼球がしぼんでフニャフニャになった。
トニオが言うには、今の水は「アフリカ・キリマンジャロの5万年前の雪解け水で、眼球内を汚れと共に洗い流し、睡眠不足を解消してくれる」とのことで、億泰は「10時間熟睡して目覚めたみてー」に爽快な気分になっていた。仗助には何も起こらなかったが、それは彼が十分睡眠をとったからだとトニオは説明する。
次いで、億泰にはアンティパスト(前菜)が出される。「モッツァレラチーズとトマトのサラダ」で、「トマトと一緒に口に入れる」ことを勧められた億泰は、またも感涙にむせんだ。おいしそうに食べ勧める億泰を見て仗助も一皿注文しようとしたが、トニオは「肩こりが治るのはそちらのお客様だけですので」と言った。
億泰が「汗ばんできた」と言い、肩の辺りをこすり始める。すると、尋常ではない量の垢が出た。アンティパストのカルシウムとビタミン栄養素が喉の所にある新陳代謝を盛んにする分泌液を出す甲状腺を特別に活発にした為、億泰の肩回りの新陳代謝が良くなり、血行が進んでいるのだった。垢の塊がソフトボール大になるのを見た仗助は、何か異様なことが起きていると戦慄して「こするのをやめろ!」と叫ぶが、億泰は「肩が軽くなった」「肩こりが治った」とのんきに喜ぶばかりだった。
次いでトニオはプリモ・ピアット(第一の皿)として「娼婦風スパゲッティ」を持ってきた。パスタに赤唐辛子が使われていると知り、億泰は「辛いのが苦手」と言うが、いざ食べ始めるや「癖になる辛さ」だとすすり始める。今度は億泰の虫歯が抜けた。
トニオは、厨房の奥でメインディッシュの「子羊のリンゴソース掛け」の一部を子犬に食べさせていた。子犬から内臓が飛び出した。何者かに見られていると察したトニオは包丁を投げる。厨房にいたのは仗助だった。この時、仗助は自身のスタンドで億泰に出された料理を一撃し、そこに未知のスタンドが混入されているのを見て"トニオは自分たちを攻撃する敵である"と誤認して厨房に忍び込んだのだ。
「タダじゃおきません!」と怒るトニオに、仗助は「俺のセリフだ!てめぇその料理で何をしようってんだ!」と返す。いつの間にか億泰も厨房に入り、メインディッシュを貪っていた。その美味に感動する億泰の腹も、子犬と同じく弾け飛ぶ。
トニオは仗助に「タダじゃあおきマセンッ!」と言い、石鹸を差し出した。トニオが怒っていたのは、手も洗わずに仗助が厨房に入った為であった。億泰、犬は内臓が弾けたのが嘘のように健康になり、下痢も治っていた。
トニオに目覚めた能力とは、料理に自らのスタンドを混ぜ、食べた者の体調不良や傷病を治し健康にすることだった。仗助と億泰は「あんた、スタンド使いだろ?」と言い、自らの精神エネルギーが具現化した超能力であるスタンドを見せる。トニオは自分と同じような能力を持つ者が他にもいることに驚き、初めて見る「仲間」に喜んだ。
とはいえ、不衛生な状態で厨房に入ってきた仗助のことはまだ怒っており、彼に掃除を言いつける。

その後、杜王町内に誰にも知られず15年間人を殺し続けてきた者がいることが発覚する。仗助った意の友人であるスタンド使いの重ちーこと矢安宮重清(やんぐう しげきよ)がその殺人鬼に殺されてしまう。「重ちーのスタンドに勝てる奴なんか考えられねーぜ」という仗助の証言から、殺人鬼がスタンド使いであることが推測された。
街中のスタンド使いが集められ殺人鬼の話を聞かされる。トニオは「店にくるお客様を注意しましょう」と言った。
その殺人鬼・吉良吉影(きら よしかげ)は仗助たちの戦いで倒され街に平穏が戻った。トニオは戦闘には参加しなかったが、平和になった杜王町で料理を振る舞い続ける。

クロアワビの密漁(『岸辺露伴は動かない』より)

トニオ(右)と露伴(左)は、クロアワビが「酔う」時間を見計らってクロアワビの密漁をする。

杜王町在住の人気漫画家・岸辺露伴(きしべ ろはん)が来店した。「アワビのリゾット」を食べ、一瞬目がドロドロになるが露伴は「疲れ目がスッキリした」と喜ぶ。トニオは、露伴に「地元のヒョウガラ列岩でとれるクロアワビの密漁を手伝ってほしい」と言う。ヒョウガラ列岩のクロアワビは世界中どこにもない特別なもので、それさえあれば生涯で最高の料理が作れる。トニオはそう踏んでいた。
あまりに貴重である為地元の漁師も売ってはくれない。そこで、歴史書を調べて知った芸術ともいえる密漁法を試すことにした。荒らされたことも、アワビが盗まれたことさえも分からない日が歴史上にあった。それは、真夏の天気の良い日で水温が25℃、お盆の前後、満月の夜の数時間だけだった。その時間帯だけ、岩にくっついているクロアワビたちが上下感覚を失い、酔ったようになって岩からはがれて海に落ちてくるという。
違法な密漁を、色々な条件下がそろわないとできないにもかかわらず実行するのには理由があった。トニオには、故郷イタリアにヴェルジーナという恋人がいた。ヴェルジーナの脳には、グレープフルーツ台にまで肥大した腫瘍があり、彼女はもはや歩くことさえままならなくなっていた。トニオのスタンド「パール・ジャム」でもその腫瘍を治すことはできなかった。アワビは神事にも使われ「神の食材」とも称される。それならヴェルジーナを救えるとトニオは睨んでいた。
露伴と共に密漁を決行する。海に落ちてきたクロアワビを取り始めるが、トニオはクロアワビに取りつかれて海中に沈んだ。歴史書に記されていた密漁法は、密猟者を嵌める為の罠だった。露伴は、人やある程度知能を持った動物に命令を書き込む自身のスタンド「ヘブンズ・ドアー」でタコに「アワビを攻撃しろ」と書き込み、トニオを救出する。
後日、日本に呼ばれたヴェルジーナはクロアワビの料理を食し、立ち上がれるまでに回復した。

トニオ・トラサルディーのスタンド能力:パール・ジャム

スタンドとは

スタンドとは、『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する一種の超能力である。生まれつき、或いは特殊な矢の鏃で傷を負うことで発動する。後者の場合、スタンドの適性がないと死ぬ。個々に異なる能力を持ち、精神のエネルギーが「パワーあるビジョン」として現れる。スタンドを持つ者「スタンド使い」以外には、スタンドを見ることも触ることもできない。

ステータス

破壊力-E / スピード-C / 射程距離-B / 持続力-A / 精密動作性-E / 成長性-C

(A-スゴイ、B-スゴイ、C-人間と同じ、D-ニガテ、E-超ニガテ)

能力:食べられることで体の悪い所を内側から治す

パール・ジャムの能力は、料理の中に混在し、食べられることで体の悪い所を内側から治すというものである。作中の例を挙げれば、「眼精疲労を治す為に眼球がしぼむほど涙を出す」、「肩こりを治す為に肩の肉が抉れるほど垢を出す」、「虫歯が弾け飛んで新しい歯が生える」、「下痢で荒れた内臓を治癒するために腹部が破裂し、内臓が外に出る」といった現象が起きる。治療に至る見た目にはグロテスクだが効果は抜群で、億泰は上述の現象の後体調が良くなったと喜んでいた。
同じ料理を食べれば誰にでも同じことが起きるわけではなく、体調が良い場合は何も起こらない。また、パール・ジャムの能力も万能ではないようで、場合によっては希少な食材を必要とすることもある模様。『岸辺露伴は動かない』の『密漁海岸』のエピソードでは、グレープフルーツ大の脳腫瘍を治す為に神の食べ物とも称されるクロアワビの密漁に行かざるを得なかった。
パール・ジャムの能力は傷病や体調不良を治すことのみで、作中で語られる美味はトニオ自身の料理の腕によるものである。

トニオ・トラサルディーの関連人物・キャラクター

東方仗助(ひがしかた じょうすけ)

えどのゆうき
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@edono78

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