頭文字D(イニシャルD・イニD)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『頭文字D』とは1995年~2013年まで、しげの秀一が『週刊ヤングマガジン』で連載していた漫画およびそれらを原作としたアニメ作品である。実在する日本の峠を舞台にし、自動車を高速で走行させて峠を攻める事を目的とする「走り屋」達の物語を描いた作品である。トヨタスプリンタートレノ(ハチロク)のドライバー藤原拓海が卓越したドライビングテクニックを駆使して数多くの走り屋とのバトルを繰り広げる様を描く。

藤原豆腐店

藤原 拓海(ふじわら たくみ/声 - 三木眞一郎 ) / 搭乗車種:AE86 スプリンタートレノ GT-APEX 3door(前期型)

本作の主人公。高校時代編ではガソリンスタンドでアルバイトをしており、高校卒業後は運送会社に勤めている。当初は車の知識も乏しく車へのあこがれも持たない冷めた感覚を持っていたが、これには父親である藤原文太の指示で13歳の頃から無免許で豆腐の配達を命じられており秋名山を走り込んでいたためである。故に拓海にとって車の運転は、所謂は家の仕事の手伝いでしかないつまらないものであった。
性格は、やや天然ボケであるがルックスが良いために女子からの人気は高く、基本的に温厚な性格である。しかし、一度キレてしまうと何をするか解らないタイプであり、また親しい者を馬鹿にする人間には容赦がない友人思いの一面を持つ。
父である藤原文太の愛車であるハチロクを操り手ごわいライバル達とのバトルを繰り返し、その強さと負け知らずから「秋名のハチロク」と呼ばれるようになる。そんなドライビングスキルは全て中学校時代から続けていた豆腐の配達の際に培われた物であり、豆腐の配達の際に豆腐を崩さないようにするために紙コップに入れた水をこぼさないようにして走るように文太から言われ、これを守り続けたことで車の荷重移動を駆使する技術を身に着けた。
また、自分なりに少しでも家に速く帰れるように一人で遊び半分で始めたタイムアタックが最終的に秋名をどのように走れば一番速く下ることが出来るのかという結論をもたらし、優れたブレーキング技術や溝落とし等の秋名特有の技を身に着けている。
豆腐の配達は天候に関係なく行っていたために、雨でも雪でもコンディションにそのドライビングが左右されるという事はない。
本人は最初の頃は乗り慣れているハチロク以外を運転することは出来ないと言っていたが、武内樹のAE85(ハチゴー)や池谷のS13(イチサン)に乗って所有者以上のスペックで走らせることが出来ることからも、基本的にどのような車でもコツさえつかめば乗りこなしてしまうという天性のドライビングテクニックを持っている。

藤原 文太(ふじわら ぶんた/声 - 石塚運昇) / 搭乗車種:GC8 インプレッサ WRX type R STi Version V(頭文字D Fourth Stage~)

本作主人公の藤原拓海の父親で、まぶたを閉じているように見えるほどの細い目が特徴な「藤原とうふ店」の店主。かつては伝説の走り屋とも言われたほどの人物で、拓海に英才教育を兼ねて13歳からハチロクで豆腐の配達をさせていた。これはれっきとした犯罪行為であるが、拓海が既に免許を習得したので時効であると話している。
拓海がバイトしているガソリンスタンドの店長である立花祐一(たちばなゆういち)やハチロクの整備やセッティングを任せている自動車整備工の鈴木 政志(すずきまさし)はかつての走り屋仲間である。
エンジンブローからハチロクのエンジンを乗せ換える時には、どのような経緯で入手したかは不明であるがレース用のエンジンを調達してくるという謎の人脈を持っている。
いつも煙草を吸っているシーンが多い愛煙家で、無口で無表情であるが拓海の父親だけあって負けず嫌いな性格である。自分の事を「秋名の下りならシューマッハより速い」「ポルシェが来ても勝てる」と言っている。また拓海が数多くのバトル相手に勝利している事を聞いても、「あいつはまだまだだ、俺の方がまだ速い」と話している。自分の愛車であるAE86をこの上なく愛する。嫌いな物は豆腐と大きな車で、ドリフトしながら居眠りしたり、煙草を取り出したりすることが出来る。正しく天性の車両コントロール技術を持つと言える。拓海には時としてバトルで勝つための方法を伝授したりキーワードを伝えることも多く、その適切な助言のお蔭で窮地に陥った拓海が幾度も無く勝利の突破口を開く要因を作っている。

ボディカラー
ハイテックツートン(ホワイト/ブラック) 作中ではパンダトレノと呼ばれている。

主な外装パーツ
CIBIE製フォグランプ、RSワタナベ製ホイール、FUJITSUBO製マフラー、純正ドアバイザー。
プロジェクトD加入後、舘智幸戦からカーボンボンネット(メーカー不明)、チーム246戦からアクリルウインドウ付きリアゲート(メーカー不明)。

主な内装パーツ
イタルボランテ製ステアリング。
→秋山渉戦以降はTRD製グループA用レースエンジン搭載による12000回転スケールのsmith製タコメーター、油圧計、水温計、バケットシート(メーカー不明)。
→プロジェクトD加入後デジタルタコメーター・ロールバー・ステアリング(メーカー不明)。

ナンバー
群馬 55 お 13-954

トヨタ自動車が製造販売していたAE86は、4AGE型1.6L直4DOHCエンジンが搭載され、FR(後輪駆動)として軽快な走りで当時の若者の人気を博したスポーツモデルである。本作のハチロクは3ドアの最上級グレード「GT-APEX」で本モデルからエンジン出力が向上した。ハチロクと言えば頭文字Dと言えるほどに有名になった車であり、頭文字Dで有名になり中古車の需要が殺到して価格高騰した。
レーシングドライバーである土屋圭市さんもハチロク愛好家として知られている。
作中では文太によって熟成された足回りをもつスペシャルな仕様となっている。また、その運転席側には「藤原とうふ店(自家用)」と書かれているのが特徴である。
後に須藤京一とのバトル中にエンジンブローのために新しいレース用のエンジンに乗せ換えられるも、その際に車を修理するのに拓海の金を半分使ったことからも、文太は車の権利を半分拓海に渡す。これによってレース用の水温計やタコメーター等の追加メーターが加えられハチロクは熟成されていく。
プロジェクトD編では、高橋涼介とプロジェクトDの優秀なメカニックによって数多くの改造やチューニングが行われ、文太自身もそのチューニングの出来の良さに驚いている。
本作のラスボスに当たる、乾信司(いぬいしんじ)とのバトルの際に本来1万1千回転までしか回せないエンジンであるにもかかわらず、回るはずがない所までエンジン回転数が回ってしまった結果、再度エンジンブローを起こすもバトル慣れした拓海の機転によってバトルには勝利する。
最終的にハチロクは廃車となる話が濃厚であったのだが、拓海が「どうしても残したい少しづつでも直してこの車と一緒にいたい」と言い残しハチロクは藤原豆腐店の所定の駐車場に残されることとなった。

全長×全幅×全高(mm):4215 ×1625×1335
ホイールベース(mm):2400
車両重量(kg):935 - 940 kg
エンジン型式:4A-GEU型:1.587 L 直4
総排気量(cc):1600
最高出力:130ps/6600rpm
最大トルク:16.0kgm/7300rpm
トランスミッション:5MT
駆動方式:FR

ボディカラー ソニックブルー・マイカ
主な外装パーツ STI製WRカータイプフロントバンパー STI製マフラー。
主な内装パーツ 三連メーター(油圧計、油温計、水温計) ブーストメーター。
ナンバー 群馬 52 が 13-600
スバルが製造販売していたインプレッサWRX STI 水平対向エンジンEJ20を搭載したターボユニットは最高出力で280ps/6500rpm最大トルク36.0kg・m/4000rpmを発生させる。

日本ではインプという愛称で親しまれている。本モデルはベース車両であるインプレッサにSTI(スバルテクニカルインターナショナル)が専用チューニングを施した車両である。
FR好きの文太が本来好むはずがないと最初は誰もが思っていたのだが、試乗した文太がベタ褒めしたことで購入を決定した。拓海には「実用的で楽な車」を購入したと言っているが、拓海は「この車のどこが実用的で楽なんだよ!」と突っ込んでいる。一度秋名の下りで拓海のハチロクとインプレッサによる成り行き上のバトルが起こるが、いとも簡単に抜き去っていくインプレッサに衝撃を受けた拓海はスランプに陥ってしまうのだった。しかし後日、秋名で自分を追い越したインプのドライバーが文太であったことを知る。
拓海も幾度となくインプに乗るが、そのバランスのよさとハチロクを軽く凌駕する運動性能に驚き、ハチロクでインプのラインを踏襲するために走り始めるも、中々上手く走ることはできない。しかしそんな一人での孤独な訓練を繰り返した結果として、拓海のドライビングスキルはさらに上達するものとなっていく。

全長×全幅×全高(mm):4350×1690×1405
ホイールベース(mm): 2520
車両重量(kg):1260
エンジン型式:EJ20
総排気量(cc):1994
最高出力:280ps/6500rpm
最大トルク:36.0kgm/4000rpm
トランスミッション:5MT
駆動方式:4WD

秋名スピードスターズ(AKINA SPEED STARS)

池谷浩一郎が作り出した秋名山の走り屋チーム。楽しく集まってワイワイと騒ぐ感じのメンバーが多く、車好きが集まった同好会的なチームである。
自ら「秋名最速」を豪語しているが、実力は高いとは言えない。

池谷 浩一郎(いけたに こういちろう/声 - 矢尾一樹) / 搭乗車種:S13シルビア K's(1800cc 前期型)

主人公の藤原拓海のバイト先であるガソリンスタンドの先輩。後輩の面倒見も良く、困っている人を見逃すことが出来ないほどのお人好しである。面倒見がよく優しい人柄で、見ず知らずの人でも困っている時は助けてしまうほどである。拓海達からも慕われているが、女性に対してかなりの奥手で、碓氷のインパクトブルーの佐藤真子(さとうまこ)とは電撃的な出会い方から、それなりの友好な関係となったもののお人好しな性格が災いし関係は消滅してしまった。
秋名スピードスターズというチームを立ち上げた張本人でリーダー。愛車はS13シルビアである。
ドラテクはお世辞にも上手いとは言えないが、藤原拓海が公道バトルの世界へと突き進んでいくきっかけを作った人物である。

ボディカラー ライムグリーンツートン
主な外装パーツ NISSAN製パーツ SPEED STAR WHEEL製ホイール nismo製ホイール 純正ドアバイザー。
ナンバー 群馬 58 え 51-745

1988年5月に発売されたS13シルビアは、若者を中心に約30万台を販売した。また、その近未来的なデザインでグッドデザイン大賞を受賞している。健二(けんじ)の乗る180SX(ワンエイティSX)とは姉妹車であり、共通に利用できるパーツが数多くある。シルビアS13 S14 S15 と販売されているが、その呼称及び区別をするために、S13の場合は「イチサン」S14「イチヨン」S15「イチゴー」と数字を呼び名としている。
当時の若者が求めてやまなかった、1.6~1.8リッタークラスのFR(後輪駆動)スポーティーカー として、当時のFFが主流になっていく車業界では、待ちに待ったともいわれる救世主的な存在の車であった。走りにも優れ、女性ウケも抜群な一台であった。

レッドサンズ交流戦前にチームのメンツを守るためにも、池谷は激しい走り込みを行っていた際に対向車に気を取られてガードレールへの衝突事故を起こしてしまう。自分の車が整備工場から戻ってくる間に色々とドリフトの事等を本で学習し、以前はドリフトでのアンダーステアを恥ずかしいもの、下手くその象徴であると言ってたがこれを見直して正しいドリフト知識を取り入れることに成功した。結果的に、サイドブレーキをきっかけに利用するドリフトは出来るようになっている。
「東京から来た二人」の乗るS15シルビアとのバトルでは対等のバトルを繰り広げるも最終的には車のスペックの差によって抜かれてしまうも、確実にそのドライビングテクニックは向上していった。

全長×全幅×全高(mm):4470×1690×1290
ホイールベース(mm):2475
車両重量(kg):1120
エンジン型式:SR
総排気量(cc):1998
最高出力:175ps/6400rpm
最大トルク:23.0kgm/4000rpm
トランスミッション:5MT
駆動方式:FR

武内 樹(たけうち いつき/声 - 岩田光央) / 搭乗車種:AE85 カローラレビン SR(前期型)

主人公の藤原拓海のクラスメイトであり親友。感極まると拓海に抱き着くことも多いお調子者であり、時々それが原因となりトラブルに巻き込まれることもあるが互いに親友であり本音を語り合える中である。拓海がどのような相手からバトルを挑まれようと拓海なら絶対に勝てると心から信じている。
立花祐一(たちばな ゆういち)が店長を務めるガソリンスタンドで高校時代は拓海と一緒にアルバイトをしていたが高校卒業後には正社員となった。自ら高校時代に車を購入し、その車が外見上は同じであるためにハチロクとハチゴーを間違って買ってしまい絶望するも、拓海が運転したハチゴーでもこんなすごい走りが出来るという事を知り、さらにハチゴーが好きになっていく。大のハチロク好きでありハチロクの悪口を言われると激怒する。運転に関するスキルはまだまだであり、よそ見をしたりぶつかりそうになったり蛇行したりとかなり危ない運転をしてしまう事も多い。

LK168g9
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