頭文字D(イニシャルD・イニD)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『頭文字D』とは1995年~2013年まで、しげの秀一が『週刊ヤングマガジン』で連載していた漫画およびそれらを原作としたアニメ作品である。実在する日本の峠を舞台にし、自動車を高速で走行させて峠を攻める事を目的とする「走り屋」達の物語を描いた作品である。トヨタスプリンタートレノ(ハチロク)のドライバー藤原拓海が卓越したドライビングテクニックを駆使して数多くの走り屋とのバトルを繰り広げる様を描く。

エンジンを乗せ換えたハチロクであったが、拓海は今までよりも遅くなった、乗りにくくなったという印象を持つのだった。エンジンの出所を知っているガソリンスタンドの店長である立花祐一は、どう考えてもエンジンの出力が落ちているとは思えないと判断し、文太にエンジンの事を聞いてみるのだった。それに対して文太は祐一に対して、故意にとある理由からそれを隠しているという曖昧な答えを言われる。文太はエンジンを乗せ換えたことで拓海から何らかのアプローチが欲しかったのだった。

そんな中で拓海は、樹が最近親身にしている秋山和美の兄であるハチロクターボ乗りの秋山渉との出会いがあった。渉自身もハチロクをこよなく愛しており同じハチロク乗りという事で話も弾むのであったが、拓海の乗せ換えたエンジンを見て驚愕し、遅くなったエンジンという言葉に激昂するのだった。このエンジンは本格的なレース用のエンジンであり、どう考えても気軽に手に入る代物ではない。そんなエンジンに乗せ換えられていて遅いというわけが解らない。拓海にからかわれていると思った渉は、人を馬鹿にするのもたいがいにしろと激怒する。

その後、再び秋名で出会った拓海は渉に自分のハチロクに乗って確かめてほしいと言い、渉を乗せて秋名の下りを走るのだった。助手席で拓海のドライビングテクニックとエンジン回転数を見た渉は「タコメーターの回転数が全く足りていない。純正の回転数レッドゾーン8000回転までのタコメーターでは全く足りない、それ以上の高回転用のエンジンなんだ」と拓海に語るのだった。
拓海の驚くべきドライビングテクニックを助手席で見せつけられた渉は走り屋としての血が騒ぎ、タコメーターを交換しそのエンジンで走れるようになることを条件として拓海にバトルを申し込むのだった。

秋山渉とのバトルが決まり、ハチロクを仕上げるためにタコメーターや追加メーターの取り付けを拓海はバイト先の先輩である池谷に頼み、追加メーターを取り付ける作業を行うのだった。

取り付けは池谷らの協力によって完了となるのだが、池谷は「どこまで回せばよいのかがわからなければ最悪の場合エンジンを壊すことになる。それを知ってるのは、オヤジさん(文太)だけだ」と拓海に言うのだった。

それを聞いた拓海は「自分で追加メーターやタコメータを取り付けた。そして今夜バトルをすることになった。いったいどこまで回せばよいのか教えてほしい」と文太に尋ねるのだった。拓海の問いかけに対して文太は「1万1千回転まできっちり回せ、勝って来いよ。」そういって拓海を送り出すのだった。
こうしてバトルは正丸峠にてハチロク同士のバトルが開始される。

タコメーターを付け替えたことで封印が解けたハチロクは、ターボのレビンにものぼりでついていけるほどの馬力性能を誇る車へと変貌したのだった。
1万1千回転まで回すことで本当の封印を解いた拓海とハチロクは、走りにくい廃道のような正丸峠で秋山渉と互角のバトルを繰り広げる。
そして、一瞬のスキを突いた拓海は、土砂崩れ地帯にある少しのスペースに車をねじ込むことでレビンを追い抜こうとする。
「バカやってんじゃねえ!ここは追い抜きとかそういうのは無いんだよ!」と驚く渉であったのだが、渉の前に出ることに成功した拓海はエンジンを乗せ換えたハチロクでバトルに勝利するのだった。

須藤京一 ランエボⅢ VS 藤原拓海 AE86(改)

多くのバトルで勝ってきた拓海に高橋涼介から自分の作る遠征チームへの参加を要請される。
最初は涼介からの要請に戸惑う拓海であったが、とりあえず自分にはやり残したバトルがあることからエンペラーの須藤京一のホームコースを涼介に尋ね、日光いろは坂へと向かうのであった。
日光いろは坂は一方通行であり対向車が来ないジムカーナ仕込みの京一が好む低速コーナーが続くコースであった。
いろは坂でのバトルは京一の思惑通りに進むはずだった。しかし最後の橋の上で普通のハチロクでは曲がるはずがないと思われるようなツッコミを拓海が行い、それを見せつけられた京一はアクセルを踏むことが出来ずに失速してしまい、京一との戦いに勝利する。
バトルの終わりに京一は「あの橋の上であの速度で普通のハチロクは曲がれない。何故曲がれると思ったのか?」と拓海に尋ねると、拓海は「自分が走る先が見えると曲がっていけると思った。」と曖昧ながらも後々高橋涼介が命名する藤原ゾーンという普通の車なら曲がれない状況であっても拓海とハチロクであれば曲がることが出来るという現象を垣間見せるような事を言うのだった。
それに対して京一は、かつてはハチロクと言う車を古い車であると言ってたのを訂正し、良い車だと拓海とハチロクを称賛するのだった。

小柏カイ MR2 VS 藤原拓海 AE86(改)

お互いにライバル関係であった父親の子供である拓海とカイ。地元スペシャルのラインという、いろは坂独自のラインを使い小柏カイは宙を描くラインであるインのそのまたそのインをついてハチロクを追い越す。それが可能となったのは、いろは坂の特有の高低差のあるヘアピン構造にある空中に描くラインである車を一段下の道路にジャンプして落下させるという正しく掟破りの地元走りであった。
カイに前に出られた拓海であったが、一か八かでカイと同じく宙に描くラインをトレースするのだった。一歩間違えば着地の衝撃で走行不能になるようなジャンプを一発で決めて来た拓海の走りに、カイは峠センスの塊のような奴だと驚愕する。

道幅の狭い、いろは坂では追い越すというのは難しく、このままカイの勝利に終わるかと思われたのだが、負けると思い始めた拓海がバトル前に文太に言われた言葉を思い出す。
文太「仕掛けるポイントはラストの橋の区間だ、相手は絶対に前にいる。この時期のいろは坂は道路わきの茂みが枯れ始める。それがお前のチャンスだ。」
そして拓海は道路わきの茂みが枯れてアスファルトの段差を見つけ文太の言葉の意味を理解するのだった。
拓海「ここしかないラストチャンス!。」
アスファルトの段差にタイヤを引っ掛ける溝走りでカイと並ぶことに成功する。そしてバトルは最後の3つ目の橋に飛び込んだ先には、カイのところにだけ吹き溜まりによって落ち葉が溜まっており、この落ち葉を踏んでしまったカイはスピンしてしまい拓海が勝利するのだった。

御木先輩 セリカGT4 VS 藤原拓海 AE86(改)

うやむやになっていた茂木なつきと再び話し合う事となった拓海は、ようやくお互いの気持ちをぶつけあう事が出来た。なつきからの「好きだからに決まってるでしょ」という告白を受けて、お互いの気持ちはだんだんと氷塊し始めるのだった。
しかしそんな中で、再びなつきの前に現れた御木(かつて、なつきと付き合っており下品な会話によって拓海に殴られた過去がある)に無理矢理誘われドライブすることになるのだが、身の危険を感じて拓海に助けを求める。
拓海はなつきからの電話にて「助けて拓海君!湖!」という言葉を聞き、彼女の危機を感じて冬道をハチロクで駆け抜けるのだった。そして雪の中で御木のセリカに追いつきそのままダウンヒルへ突入する両者。冬道での4WDの性能を信じていた御木であったのだが、ついにバランスを崩してガードレールに衝突してしまい、拓海はなつきを助け出すことに成功する。

末次 トオル ロードスター VS 藤原拓海 AE86(改)

カミカゼダウンヒラ―と呼ばれるトオルとのバトルであったが、車の荷重移動を利用した拓海のドラテクにより、フタの無い側溝の上を浮いている状態(溝カット)を利用して、トオルを追い越すことに成功する。ハチロクに出来るのなら自分にもできるはずだと思い、同じようにロードスターでの溝カットを行おうとするも、荷重移動に失敗し前輪を溝に落としてしまう。そのままバランスを崩して横転、バトルはトオルの事故によって終了する。この勝負がきっかけとなり、また奈保との此の先の事を考えて走り屋としての引退を決意することとなった。

川井 淳郎 ER34 スカイライン クーペ 25GT-TURBO VS 高橋啓介 FD3S RX7

セブンスターリーフの下りのエース、400PSの愛車のスカイラインでそのパワーを生かした走りを前半戦は繰り広げる。いくらコーナーでFDに寄られたとしても立ち上がりのパワーで前に出ることが出来ると考えてバトルを行っていた。

コーナーからの立ち上がり加速テクニックを高橋啓介からドラテクとして習得していた啓介によって、いとも簡単にコーナーからの立ち上がり加速でスカイラインに並び、これを追い越してしまう。

二宮 大輝 EK9 シビック TYPE R VS 藤原拓海 AE86(改)

ブレーキセンスに優れた東堂塾の中でもかなりの実力を持つ存在、拓海との勝負では涼介からの指示であるバックミラーを見るな、回転数のレブしばり。という相手に手の内を隠すことで、タイヤに思った以上の負担をかけた走りをしてしまう。結果的に熱ダレを起こしてグリップ性能が落ちたところを拓海に追い越されてしまった。

東堂塾という自分たちの実力を過信して相手を侮ったことからの敗北であったが、涼介の的確な指示がなければ拓海も負けていたかもしれないほどの実力の持ち主であった。

LK168g9
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