フルーツバスケット(フルバ、Fruits Basket)のネタバレ解説まとめ

『フルーツバスケット』とは高屋奈月による漫画作品、そこから派生したアニメである。
『花とゆめ』(白泉社)で、1998年16号から2006年24号まで連載された(全23巻)。
略称は「フルバ」・「フルバス」。
アニメ作品としては、2001年にテレビ東京系で放送された(全26話)。
また、2009年には劇団スタジオライフにより舞台化された。

草摩家の当主。草摩先代当主・晶とその世話掛かりだった楝との間に生まれる。神であり、十二支憑きの者は誰も逆らえない存在。楝は、晶が自分以外を女性として見るのを許せないとの思いから、慊人に男性として過ごすように強いてきたが、実はれっきとした女性である。これは草摩家の中でもトップシークレットとされており、十二支の中でそれを知っているのは紫呉・はとり・綾女・紅野だけ。晶に神はみんなに祝福されて生まれてきたと言われたことを頼りに今も過ごしているが、そんな晶は今際に、自分と楝が特別だったから特別な存在である慊人が生まれたのだと涙し息を引き取る。その言葉は、晶が一番愛していたのは自分ではなく楝だったと言われたのと同じだった。幼い頃から母の愛を受けられなかったこと、目の前で紅野の呪いが解けたこと、暗く陰湿な草摩家の世界しか知らずに育ったことなど、様々な悪因が重なったことで、十二支達との絆に異様に固執し、彼らが離れていかないよう時には暴力を振るい、時には永遠と暗い言葉を投げかけるなど、癇癪持ちで歪んだ性格となった。透が紫呉の家で同居することを許したのは、楝の言葉に反発し、必ずみんな自分の元へ帰ってくるという祈るような気持ちからだった。しかし、実際は透があまりにも純粋であったことから、紫呉の思惑通り彼らを救う役割を果たし、逆に慊人が現実を受け入れる結果となった。

透と初めて会ったのは、はとりに呼ばれて草摩家を訪れた時であるが、その際にはチラリと顔を見ただけに留まる。紅葉と潑春の入学式に訪れ、そこで初めて言葉を交わす。優し気な雰囲気で透に接していたが、由希が心配して声をかけると一変、冷たい目つきで正月に会いに来なかった由希を静かに責め始める。二人の会話は聞き取れなかったものの、あからさまに怯える由希を見て透は思わず二人を引き離した。透達がいる避暑地の別荘に赴いた際は、透が一人きりになるように来ていた十二支のメンバーを自分の別荘へ呼び、それぞれの心に傷を負わせる言葉を吐いた。本家の事情に急遽帰らなければいけなくなると、夜中に透達の別荘を訪れて、十二支にとって不変であることが幸せ、いつかはみんな自分の元へと帰ってくるのだ、と告げるのだった。

楝とのいざこいの後、紅野にこのままでは草摩に食い潰されるだけだ、変わろうと促されるが素直に受け入れられず、持っていた包丁で紅野を刺して透の元へ向かう。もう一度やり直しましょうと手を差し伸べ、微笑む透の手を取ろうとしたその瞬間、透の足元が崩れ崖下へ転落。紅野共々入院となった。一人で紅野のところへ見舞いに来た慊人は、自分を責めずに微笑む紅野に、長い間彼を殺し続けていたのは自分だと悟り茫然とベンチに座っていた。そこへ透の見舞いに来た紅葉が現れ、だったらこれからは大事にすれば良いと助言する。紅葉の言葉に背中を押され、今度は透の病室へ向かうのだった。

自分の中で少しずつ現状に整理をつけ、十二支との決別や草摩の歪みを正すために、猫憑きを幽閉する離れを壊すと約束したり、透やその友人達と自分から話をしに行ったりと積極的に外へ出向く姿が描かれた。

草摩 楝(そうま れん)

慊人の母親。心身を患い、部屋にこもっていることが多い。十二支の絆を否定しているため、それに縋り付いている慊人とは衝突が絶えない。先代当主だった晶を盲目的に愛しており、娘の慊人にさえ嫉妬して、男性として生きていくように強制した。慊人が晶にまつわる箱を隠し持っていると紫呉に教えてもらった時は、依鈴を唆して取りに行かせようとしたが失敗に終わる。今度は慊人の部屋に包丁を持って押しかけ箱を差し出すように脅す。晶の魂が入っているのだと言われて大事にしていた箱だったが、本当はそんなものないのだと、とうの昔に気付いていた慊人が投げてよこしたその中身は空っぽであった。

草摩 晶(そうま あきら)

慊人の父であり、草摩先代当主。短命であると医師より宣告されていた。結婚相手を決めるため周りの者が躍起になる中、世話掛かりだった楝を選ぶ。理由は自分の寂しさに気付いてくれたから。慊人が生まれてからは、彼女をとても可愛がっていた。楝にも慊人を抱いてあげるよう進言するが、その声は楝に届くことはなかった。

草摩 籍真(そうま かずま)

由希、夾、潑春、楽羅の武術の師匠。母親を亡くした幼い夾を引き取って育てた。始めは猫憑きだった祖父が差し伸べた手を、冷たくあしらった過去への贖いのためであったが、夾と暮らしていくうち愛しさが増し、本当の子供のように感じられるようになった。猫憑きとしての運命を呪い、子(ね)の由希を恨むことで自分を保っている夾を憐れんでいる。夾の本当の姿も含めて受け入れてもらえるかを見極めるため、わざと数珠を外し、透の目の前で本来の猫憑きの姿を晒す。その後、自分のエゴを無理やり押し付けたからと、何も告げずに去ろうとした籍真を追いかけてきた夾は、いつか重荷にならない存在になって師匠を親父だと胸を張って言えるようになると宣言する。傍でその様子を微笑ましく見ていた透と、夾の掛け合いを眺めながら、この先も透がいれば夾は前へ進んでいけるだろうと安堵の表情を浮かべた。
料理が下手で、透を自宅に呼んでおもてなしの料理を作っている最中に紫呉の本を熟読した結果、焼き魚と鍋を盛大に焦がす。できるような気がしたのだがと話すが、気だけではどうにもならないと夾に突っ込まれる。そんな折、夾の父に電話で呼び出され暫し自宅を離れる。要件は、猫憑きの夾が高校を卒業した暁には、一生離れで幽閉し結婚も許さないから協力してくれというものだったが、籍真はもしも草摩が敵に回るのならばこの身一つで守るまでと言い捨てる。十二支の呪いが解け、夾と透も結ばれて、もう思い残すことはないと言う籍真だったが、門下生兼秘書である邦光に、この先孫が生まれればおじいちゃんと呼んでもらえますよと吹き込まれ、まだまだ頑張ると言い切った。

魚谷 ありさ(うおたに ありさ)

中一からの透の親友。小五で族デビューを果たしたバリバリのヤンキー。当時憧れだった赤い蝶が結婚して苗字が本田になったこと、同じ中学にその娘がいるのではということを先輩から聞く。さぞかしヤンキーな娘なのだろうと想像していたが、教科書を運んでいて床にばらまいてしまった透を助けるついでに名前を尋ね、苗字が本田であることを知る。更に追い打ちをかけるように、いかにも真面目で良い子の透は、赤い蝶は自分の母のことだと言うのだった。ぜひ母に会ってあげてくださいと自宅へ招いた透の雰囲気はあまりにも温かく、赤い蝶へ抱いていたイメージとのギャップにモヤモヤするありさ。そこに仕事帰りの透の母・今日子が現れ、とぼけた振る舞いをしたため、遂にその憧れは崩れ去ったのだった。赤い蝶は落ちぶれてしまったのだと苛立っていたありさだったが、ある日、因縁をつけられ追いかけられていたところで透とぶつかる。追手の声を聞いた透は咄嗟にありさの手を引き家の中へ。落ちつたところで、透は夕飯の準備を始め、優しい風がカーテンを揺らす。夕餉の香り、温かい場所。そこでありさは、本当はこの雰囲気が羨ましかったのだと気づく。
それからは透や今日子と過ごす時間が心地よくなっていき、族抜けを決意する。族抜けのしきたりとして暴力を振るわれ意識を失いそうになる直前、今日子が姿を現す。ありさを目にかけていた先輩が密かに呼んだのだった。ありさが気が付くと、今日子の背におぶわれていた。透の親友になりたい、自分を変えたいんだと泣くありさに今日子は優しく頷くのだった。紅野が退院した後は一緒に田舎へ転居し、就職した様子。

花島 咲(はなじま さき)

中二からの透の親友。小学校の頃は、人の色々な思念が聞こえてくるため、街中をまともに歩くことが難しかった。両親や祖母自体はとても温かく、咲の能力と真剣に向き合い、対処しようしてくれていたため、これ以上迷惑をかけたくないと、他人には能力を知られないよう距離をとって過ごしてきた。ある日、いじめの延長で給食にイモリを入れて無理やり食べさせようとされたことで、いじめっ子へ強い憎悪の念(毒電波)を送ってしまう。その途端、いじめっ子は倒れ一時は意識不明状態となった。そのことを悔いた咲は、贖罪として黒い衣服を身にまとうようになった。いじめはなくならず、中学に上がるとより一層陰湿になっていくが、それでも再び誰かを傷つけたくない一心でひたすら耐えていた。そんな娘の様子に、とうとう両親の方から転校を切り出し、透とありさが通う中学校へ通うこととなった。制服が黒くないからと、爪を黒いマニュキュアで染め上げて。新しいクラスでも浮いた存在の咲であったが、透とありさだけは臆さずに話しかけ、一緒に給食を食べようと誘ってきた。他人とは関わらないようという信念は二人のペースに巻き込まれる形で綻んでいき、温かな毎日を過ごす咲だったが、以前の騒動を噂で聞いたクラスメートが咲に真偽のほどを問いかけてきた。咲は無意識的に、そのクラスメートに毒電波を放ってしまう。もうこれ以上自分と一緒にいたら駄目だと二人を突き放す咲だったが、それでも透とありさは一緒にいたい、大好きだと歩み寄ってきた。咲も本当は一人が寂しかったため、一緒にいてくれる存在に涙を流す。心に余裕が出たためか、それから暫くして人の思念を聞こえなくするコツを得て、毒電波もコントロールすることができるようになった。籍真とは何やら親しげな様子で、卒業後は道場のまかないに就く。

花島 恵(はなじま めぐみ)

花島咲の弟。特技は人を呪うこと。呪詛返しを更に返せることが自慢。人を呪うためには、その人の名前が必要。咲の傍に常に寄り添い、黒い衣服も付き合って着るようになったが、今では黒じゃないと落ち着かないからと、そのまま黒い服を着続けている。

本田 今日子(ほんだ きょうこ)

透の母親。透が高校生になってすぐ事故死する。元はレディースの特攻隊長。バイクを転がすと赤のテールランプが舞う蝶のようだったことから、赤い蝶と呼ばれていた。透の父・勝也とは中学の生徒と教育実習生という立場で出会う。家庭事情に恵まれず不良だった今日子は、毎日苛ついていた。勝也は、本当は認めてほしいのでしょうと静かに諭し、どうしてこうなってしまったのかと泣く今日子を学校から連れ出した。勝也にふさわしい女の子になりたいと、週末には勉強を勝也に見てもらう日々を送る。しかし族抜けの際に大怪我を負い、高校受験は叶わなかった。その上、退院して自宅へ帰ったところ親に勘当を言い渡される。そこへ勝也が現れて、結婚を望んでいると宣言され、信じられないと疑う今日子に勝也は、素直に寂しいと泣いた君がとても好きだと思ったからと告白するのだった。旧姓は勝沼。籍真に引き取られて間もない頃の夾に出会っており、勝也との馴れ初めや透のことを話していた。

本田 勝也(ほんだ かつや)

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愛おしくて涙溢れる物語『フルーツバスケット』十二支、神まとめ

『フルーツバスケット』とは高屋奈月による漫画及びそれを原作とするアニメ作品です。母を失くして一人テント暮らしをする女子高生、本田透。透はひょんなことから十二支の物の怪に取り憑かれた一族、草摩家と関わることになります。可愛い絵柄とタイトルに惹かれて買ってみたら結構ドロドロ?しかし救済もあれば爽やかな部分もある。色々と人生について考えさせてくれる名作です。この作品のキモである「神」と「十二支」についてまとめました。

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