エースをねらえ!(山本鈴美香)のネタバレ解説・考察まとめ

「エースをねらえ!」は山本鈴美香による日本の少女漫画。集英社「週刊マーガレット」に連載された。少年少女を中心にテニスブームを巻き起こしたスポ根漫画として知られている。アニメ化、映画化の他に、上戸彩主演でテレビドラマ化もされている。テニスの才能を見出されたひろみが厳しい練習に耐えながら一流選手目指して練習に励む、恋と青春の物語。

「おまえたちのことはおまえたちの自覚にまかせる」

長くひろみと藤堂の交際を禁じていた宗方だったが、ひろみが世界の強豪ジュニアと戦えるほどの実力を付け、また藤堂がひろみを支え続けている様を見て、宗方は二人の交際を許した。
ひろみや周囲へは隠していたが、宗方の寿命は尽きかけていたため、これからのひろみを支えられる相手は藤堂しかいないと考えた結果だった。
お互いに想い続けて2年、思いを伝え合うこともせず、お互いに高め合ってきた2人を信頼した宗方の一言。
「おまえたちのことはおまえたちの自覚にまかせる」

ひろみにしてみれば待ちに待った言葉であった。

引用:エースをねらえ! 10巻

「これほど愛せるあいてにめぐりあえるとは思わなかった、生きてきてよかった!」

アメリカが将来有望なジュニア選手(高校生)を自国に招待してトーナメントを行うことになった。代表選手に選ばれたひろみは練習に励んでいる。しかし、専属コーチの宗方が入院することになり、一緒に渡米できなくなったことが不安でたまらない。宗方はすぐに行くと言っているのでその言葉を信じ、ひろみはアメリカで待っていた。
少し前に、ひろみとの交際を認められた藤堂は、宗方の行動を不思議に思っていた。あれほど打ち込んでいるひろみを自分に任せ、ひろみと距離を置こうとしているように感じる宗方の行動。疑問を持った藤堂を宗方は入院先の病院に呼んだ。
宗方は自分の生い立ちを藤堂に話した。自分と母を捨て蘭子の母のもとへ走った父を憎んだこと。母が父を思いながら死んだこと。22歳の若さでプレイヤーとしての自分を失ったこと。父を呪い我が身を呪い母の死に顔が頭から離れず、そんな生き地獄を味わっていたこと。そしてその生き地獄からひろみが救ってくれたこと。母が父を思い身を引いたことを不思議に感じていたが、いつしか自分も母と同じようにひろみを愛したから、母の気持ちが理解できたこと。
宗方は自分の寿命が残されていないことを藤堂に打ち明け、「岡を頼む」と藤堂に言った。

師として男としてひろみを深く愛しながら、ひろみをおいて宗方は旅立たねばならない。しかし残されたひろみのために全てを整え宗方は死へ向かう。
藤堂は宗方の思いを受け止め、宗方がひろみの心の中で永遠に生きるのなら、自分はそんなひろみを命ある限り包み込むと約束した。

死を目前にした宗方の壮絶な生き様、全てを超越したひろみへの大きな愛がよく伝わる名言。

引用:エースをねらえ! 10巻

「岡、エースをねらえ!」

アメリカから全世界の有望なジュニアを集めて開かれるトーナメントに出場するためアメリカに渡ることになったひろみ。全幅の信頼を寄せる宗方が一緒に渡米しないためひろみは心細くてたまらないが、宗方が後から来るという言葉を信じ飛行機に乗り込もうとした。その時不意に宗方の声が聞こえた気がして振り向くが宗方はいない。藤堂にコーチはいつもそばにいると言われ飛行機に乗り込んだ。
その時宗方は急変し病院で眠るように生きを引き取っていた。「岡、エースをねらえ!」これが宗方の絶筆だった。ひろみへの思いが短い一言でも充分に伝わる名セリフ。

引用:エースをねらえ!10巻

宗方の死を乗り越えひろみが復活した名シーン

宗方の死に絶望し、抜け殻のようになってしまったひろみ。宗方の親友・桂大悟は宗方の意思を引き継ぎひろみを育てようとしていた。しかし、今は悲しみが深すぎてひろみは糸の切れた操り人形のようになっていた。宗方が命をかけてここまで育て上げたひろみの腕をこのまま鈍らせてはいけないと桂はひろみを自分のお寺に預かり、再起をさせるべくお寺で修行僧のような生活を送らせる。
ある日、障害児の施設にひろみを連れて行った桂は、そこで児童たちが不自由な体でありながら懸命にリハビリしたり生きる姿を見せた。
幼い子供たちがこんなに懸命に頑張っているのに、自分は何をしているのだろうと不甲斐ない自分にショックを受けるひろみ。子供の「どうしてテニスをしないの?」という問い掛けに何も言うことができない。
そんな時、桂は宗方のラケットをひろみに渡し、「宗方仁を忘れるな!何もしなくとも時は過ぎてゆく、あれほどの男とかかわりそれほどの思いを味わってもこれからのお前の心ひとつですべてはただの軽い“思い出”になってしまう。そんなことはこのおれがゆるさん!!仁の人生から逃げるな!あいつの教えを無にするな!周囲の期待を裏切るな!すべてをしょってコートを走れ!」と言う。
ひろみは桂の言葉に震えながらもコートに立ちサーブを打ち始めた。夢中でバケツ5杯ものボールをサーブするひろみに桂は安堵し、藤堂やお蝶もひろみの復活に心底安堵した。

再起不能と思われたひろみの復活に皆が涙した名シーン。

引用:エースをねらえ! 12巻

ひろみが完全に立ち直ったと桂は認め、断酒を解いたシーン

もともと酒豪だった桂大悟は、親友・宗方の死によって絶望の淵に落ちるひろみが完全に立ち直るまで断酒をしようと心に決めた。
復活してからのひろみは、弱音を吐かずひたすらにひたむきに練習に取り組んでいる。宗方を失った悲しみに囚われそうになる時もあるのだが、厳しい練習に毎日取り組んでいる。日々を過ごすうちに、少しずつひろみの笑顔も見え始め、以前のような明るさを取り戻しつつあるようだ。
テニスでは、国際大会に出場するなどの活躍を見せるようになっていた。宗方から教わった技の全てを後輩・神谷裕介に伝えようと指導にも熱が入っている。
ある時、ひろみが立ち直るまで桂が断酒していると知ってしまったひろみは、桂の覚悟、思いの深さを知った。桂や宗方の友人である太田の子供の1歳の誕生日、一緒に祝ってほしいと言われた桂は快く応じ、ぐい呑を飲み干した。自分が立ち直ったと認めてもらえたと嬉しくなり、記念にそのぐい呑を譲ってもらおうとするひろみだが、ぐい呑の中身は酒ではなく水だということが分かった。
何が足りないのだろうと考えるひろみ。
また国際大会が開かれひろみは出場選手に選ばれた。ひろみのもうひとりのコーチであるレイノルズ氏からいつものように相手選手のデータが息子のエディによって届けられた。オーストラリア代表のアンジーの兄でもあるエディは、ひろみと練習試合をしてひろみの弱点を探り、ひろみのデータをオーストラリアに持ち帰った。
桂が目指しているものは研究されていても尚勝ち続けられる強さだった。
その大会でもひろみは死力を尽くし、念願の初優勝を飾った。

日本庭球協会は、有望な若手選手を海外武者修行に行かせることにし、選手をバックアップすることになった。藤堂と尾崎は、コーチの人手不足解消、ひろみや神谷など世界に通用する選手を育てるためのコーチになることに決めたため、選出される選手は女子のみ。竜崎・緑川・岡の総当り戦を行い、選手を決める。
お蝶や蘭子は国際大会で結果を残し始めているひろみと差がつき始めていることは自覚していたので、桂の指導を受け、ひろみを楽に勝たせないようにしようと練習を続けていた。練習の最中、お蝶が肉離れを起こし入院することになった。ひろみと対戦するのは蘭子のみ。
先輩と戦いたくなかったひろみだったが、蘭子から宗方が見ていると思ってベストを尽くそうと激を飛ばされ対戦し、ひろみの勝利に終わった。
自分の目の前にはまだ素晴らしい先輩たちがいる、と考えていたひろみだったが、藤堂や尾崎は選手を辞めコーチになる。今、蘭子にも勝利し、これから自分が後の世代を引っ張っていかなければいけない。その重圧に押しつぶされそうになるひろみだが、藤堂がコーチになるのはひろみの側にいるため、その重圧を少しでも和らげるためにコーチになったのだとお蝶から聞かされた。
皆からの期待と支えを受け、ひろみは武者修行に出ることになった。

武者修行前の宴会で、ひろみは桂にこれまでの感謝を伝えたいと考えていた。どうやって伝えたらよいかと思っていると、桂に呼ばれ盃を差し出された。ひろみは震える手で盃に酒を注ぎ、桂はそれを美味しそうに飲み干した。

ひろみの復活を認め、ようやく断酒を解いた桂にひろみは号泣しながら感謝を伝えた。心に染み入る名シーン。

引用:エースをねらえ! 18巻

テレビアニメ版第1作『エースをねらえ!』の主題歌

OP:大杉久美子「エースをねらえ!」

ED:大杉久美子「白いテニスコートで」

挿入歌:森るみ子「ひとりぼっちのコート」

テレビアニメ版第2作『エースをねらえ!』の主題歌

OP:VIP「青春にかけろ!」

ED:VIP「明日に向って」

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@kirigamineyatsugatakeh6

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