【デッドマンズQ】ジョジョ第4部から続く吉良吉影の奇妙な人生【ジョジョリオン】

『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』に登場するスタンド使い・吉良吉影。杜王町に潜み、長年にわたって人の「手」を求めて殺人を繰り返していた。シリアルキラーでありながらも、人として「平穏」な人生を好む。『デッドマンズQ』や『ジョジョリオン』でも引き続き描かれ続ける吉良吉影の奇妙な人生について解説する。

平穏な暮らしを送りながら人を殺し、奪い取った美人の「手」と共に過ごす吉良。
そんな彼にとって、幽霊・杉本鈴美の存在は予想外の事態を引き起こすこととなる。
吉良の存在を知った主人公・東方仗助をはじめ、その仲間達が吉良に続く手がかりを探り、ついに彼の元へとたどり着く。
数十年の殺人を暴かれること、そして何より「殺人」と「日常」を両立した「平穏な人生」を脅かす大敵として、吉良は仗助達を自身の能力で迎え撃つ。
「触れたものを爆弾に変える」というシンプルだが強力、凶悪な能力によって、最初に正体に気付いた高校生、「重ちー」こと矢安宮重清を殺害。
さらに吉良の痕跡にたどり着いた仗助の友人・広瀬康一や、第3部の主人公である空条承太郎までも、一時は退けた。

仲間達の連携によって追い詰められる吉良。それでも彼の「執念」が敗北を許さない

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彼は「平穏」を手に入れるため、ついに自身の顔を変え、生き延びる

仲間である広瀬康一や空条承太郎。そして駆け付けた主人公・東方仗助の活躍によって、追い詰められる吉良吉影。
万事休すかと思われたが、彼は「執念」ともいえる強靭な精神力、そして思いもよらぬ方法で、この窮地を乗り切る。
逃走する最中、町で背丈が同様の男「川尻浩作」を捕まえ、殺害。そして、町でエステシャンを営むスタンド使いの女性、仗助達の知り合いでもある辻彩の「スタンド能力」を利用したのである。
辻彩という女性の能力、それは「人間の肉体のパーツを入れ替える」という能力であった。
彼女を脅し、無理矢理に「川尻浩作」の顔のパーツだけでなく、指紋までをも「入れ替えさせる」ことに成功する吉良。
かくして彼は姿形を変え、仗助達の追撃からまんまと逃げおおせる。結局、利用した辻彩をも「キラー・クイーン」の能力で爆破。
わずかな手掛かりから吉良へとたどり着けた仗助達ではあったが、吉良の咄嗟の機転によって、手掛かりはゼロとなってしまった。
殺人鬼・吉良吉影は、この日から「川尻浩作」として、再び町の中に溶け込むことに成功したのである。

「川尻浩作」になりきるための日々

奪いとった川尻浩作の、複雑な家庭環境

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隠れて「川尻浩作」の筆跡を練習する吉良。一人の人間になり替わるということは、容易なことではなかった

「吉良吉影」という過去を捨て去り、「川尻浩作」になりきることで逃げおおせた吉良。
だが、人一人になり替わるということは、そう容易なことではなかった。
いかに見た目が同じだったとしても、それだけでは人間というものはすり替わることができない。
とっさに出る癖や、食べ物の好き嫌い。普段の生活で行っていた習慣、筆跡など、妻と息子の目を盗み、隠れて「川尻浩作」の全てを調べ上げ、身に着ける必要があった。
これも全て、吉良にとっては再び、殺人という欲を安心して満たし続けることのできる「平穏な人生」を送るためなのである。

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川尻浩作の妻・しのぶ。一人の子供を授かってはいても、彼女と旦那である浩作の仲は、順調ではなかった

川尻浩作は元々、妻である川尻しのぶと、息子である川尻早人の三人で暮らしていた。
だが、妻・しのぶと浩作の仲はけっして良いというわけではなく、むしろその逆。しのぶは面白みのない川尻浩作に飽き飽きしており、息子・早人ができてしまったせいで容易に離婚もできず、辟易していた。
夫婦としての熱は冷めきっており、息子・早人も根暗な性格でコミニュケーションもほぼ取らない日々が続くなど、一家には暗い影が落ちていた。

川尻浩作(吉良)の行動が揺れ動かす、妻・川尻しのぶの心。そして息子・川尻早人からの疑い

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あくまで「素性を隠すため」に必死に行動する吉良。しかし、偶然にもその行動が、冷え切っていた妻・しのぶの心を動かしていく

己が本物の「川尻浩作」ではないことを隠すため、静かに、そして時には大胆に行動してピンチを切り抜ける吉良。
大家から家賃の滞納を迫られた際、金庫の暗証番号が分からないことを悟られないため「スタンド」の力で大家の金を盗み、ごまかしたり、ある時は庭に出現したスタンド使い「猫」と「草」が融合した「猫草」という奇妙な生物を始末する過程で、偶然目撃した妻・しのぶを守ったり。
あくまで「誰にもばれずに静かに暮らす」ため、奮闘する吉良。
しかし、そんな彼の行動力を、妻・しのぶは当初は意外がるも、今までの夫にはなかった一面として魅力に感じていく。
夫婦仲はどんどんと良好になっていき、一瞬ではあるが、吉良も彼女に対して「守らなければ」という気持ちすら芽生えかける。

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一人息子である川尻早人。いち早く、父親の「妙な点」に気付く

一見、うまく川尻家に溶け込めていたかのように見えた吉良だったが、川尻浩作の一人息子である川尻早人に、日々の生活の中で「妙な点」を勘づかれる。
嫌いな椎茸を急に食べるようになったり、靴のサイズが合わないため靴ベラを使いだしたりと、吉良が「川尻浩作」を演じる上で見える、些細な違和感に彼は気づいていた。
さらに、早人には盗聴、盗撮の趣味があり、筆跡の練習風景などを目撃されてしまっていたのだ。
これらの不可解な点から、息子・早人は「最近のパパは変だ」と、探りを入れていくこととなる。

川尻早人に正体を気づかれ、ついに壊れる第2の「平穏な日々」

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ついに正体に気付く早人。戸惑い、それでも彼は「母」を守るために殺人鬼と対峙する

川尻浩作としての生活に慣れ、己の性癖を満たすために殺人を行う吉良。
そんな中、兼ねてから彼に疑惑を抱き、あとをつけていた早人についに殺人現場を録画される。
これに気付いた吉良は、正体がばれる前に早人を事故に見せかけ、殺害することを決意する。
相手は「スタンド能力」も持たない無力な子供。そう高をくくっていた吉良だったが、早人は殺人鬼から「母」や大切な街を守るため、毅然と彼に立ち向かって行く。
家の様々な場所にあらかじめビデオカメラを設置していた早人。自身を殺せばその証拠が残ると、真っ向から吉良を脅しにかかる。
予想外の事態に動揺し、逆上したことから反射的に彼を殺害する吉良吉影。
だが、仗助の仲間である漫画家・岸部露伴が川尻早人について調べていた最中の出来事であったため、疑いを深める要因となる。
無力な相手のはずが、思わぬ事態に追い込まれ、吉良は心の底から絶望する。

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絶望し、それでも「逃げる」ことだけは許さない吉良。そんな吉良に、思いがけない「幸運」が舞い込む

どうすればいいか分からず、窮地に立たされる吉良。
正体がばれたわけではなくても、その先にある数々の「不安」を思うだけで絶望し、血が出るほどに爪を噛む。
父親・吉良吉廣から「今はとにかく、逃げるべきだ」と指摘されるが、この一言に彼は激昂。
どんな状況であろうとも「逃げる」ということだけは、プライドが許さなかったのだ。
そんな中、吉良にとって「奇跡」とも呼べる不測の事態が巻き起こる。
兼ねてから父・吉廣が「スタンド使い」を増やすために用いていた特殊な「矢」。その「矢」がひとりでに動き、突如として吉良を貫いたのだ。
貫かれたものに「適正」があれば「スタンド能力」を与える「矢」は、吉良の激しい感情に反応したかのように、自らの意志で動く。
結果、殺人鬼はこの逆境を乗り越えるための、新たな「力」に目覚めることとなる。

殺人鬼の正体を隠し続ける能力「バイツァ・ダスト」

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「矢」の力で目覚めた新たな能力。それは、彼の「殺人鬼」としての過去を隠蔽し続ける、無敵の能力だった

風呂場で吉良に殺害されたはずの早人。だが、目が覚めると、彼は再び朝を迎え、何ら変わらない日常を過ごしていた。
早人に正体を知られたはずの吉良も、何食わぬ顔で過ごしていた。むしろいつもより上機嫌でもあった。
吉良吉影が目覚めた新たな力。それは「バイツァ・ダスト」という名をつけられた、究極の能力であった。
簡単に言えばそれは「吉良の正体に気付いた者を爆破し、時間を巻き戻す」というとんでもないものである。
彼のスタンド「キラー・クイーン」は早人に取り付き、早人を通して川尻浩作の正体を知った時点で能力が発動。正体を知った者を爆破して殺害し、時間を朝まで巻き戻す。
しかも、一度爆破した相手は再び同じ時を迎えると問答無用で爆破、殺害される。
すなわち、吉良の正体に唯一気付いている早人が、絶対に正体をばらすことができず、仮にばれたとしても気付いた人間を次々に自動で抹消していく「凶悪な爆弾」だったのである。
この力を使って、吉良は岸部露伴をはじめ、仗助の仲間達を何人も殺害。
唯一、早人のみがすべての真実を理解したまま、何度も同じ朝を繰り返し続けることとなる。
まさに、素性を隠し、邪魔者を消し去りたい彼の精神を反映した、とんでもない力だったのである。

束の間の絶頂。それを砕く、早人の奮闘

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