有頂天家族2(The Eccentric Family 2)のネタバレ解説まとめ

「有頂天家族2」とは、「森見登美彦」による小説作品「有頂天家族」シリーズ2作目をアニメ化した作品。2007年に小説「有頂天家族」が発売、2013年に第一期がアニメ化。2015年に小説「有頂天家族 二代目の帰朝」が発売、2017年に「有頂天家族2」としてアニメ化。主人公で狸の「下鴨矢三郎」は、天狗の息子「二代目」と出会う。二代目はヒロイン「弁天」と険悪な仲になり、矢三郎たち狸も巻き込まれていく。

『有頂天家族2』の概要

「有頂天家族2」とは、小説家「森見登美彦」の「有頂天家族」シリーズ2作目をアニメ化した作品。
2007年に幻冬舎から1作目「有頂天家族」が発売、2013年にアニメ化。
2015年に2作目(第2部)「有頂天家族 二代目の帰朝」が発売し、2017年に第2期「有頂天家族2」としてアニメ化。
有頂天家族はたぬきシリーズと呼ばれ、全三部構成予定。
「有頂天家族 二代目の帰朝」の巻末に、第三部が告知がされている。
アニメのキャラクター原案は、「絶望先生」などで有名な漫画家「久米田康治」が勤める。

古都・京都を舞台に、人間に化けて生きる狸と天狗たちを描いた作品。
「面白きことは良きことなり」というモットーを持つ主人公の狸「下鴨矢三郎」を中心に、それぞれのキャラ達が各々に考えて動き複雑に絡まりあい、一つの結末へ向かう群像劇。
矢三郎の周りには、下鴨家の狸たちや、下鴨家のライバルの夷川家、天狗の「如意ヶ嶽薬師坊(にょいがたけやくしぼう)」(通称:赤玉先生)、そして狸を食べる金曜倶楽部に属し天狗の力を操る「弁天」、赤玉先生の息子「二代目」などがおり、交流や衝突が描かれる。
狸たちの常識やルールは人間とは少し違い、特に下鴨家の狸たちは面白く生きることや笑っていること、そしてそれらは下鴨家の代々続く阿呆の血がそうさせるというのが特徴。

『有頂天家族2』のあらすじ・ストーリー

二代目の登場

四男・矢四郎(左)、三男・矢三郎(真ん中)、母・桃仙(右)

物語の舞台は京都。
主人公「下鴨矢三郎」の家である下鴨家は、下鴨神社・糺の森に住む狸の名門で、父「総一郎」と母「桃仙」の子供が、長男「矢一郎」次男「矢二郎」三男「矢三郎」四男「矢四郎」である。
総一郎は京都の狸のを束ねる頭領「偽右衛門」に就任し名を馳せた狸であったが、秘密結社「金曜倶楽部」に掴まり、狸鍋にされ食べられてしまう。
金曜倶楽部はメンバーが7人固定で、それぞれに七福神のニックネームが付き、月に一度集まって宴をする集会であるが、忘年会では必ず狸鍋を食べるという習慣があるのである。
その後、残された母子は協力し合い暮らしていた。
矢一郎は父と同じ偽右衛門を目指し、矢二郎はとある理由でカエルに変身したまま元に戻れず井戸に引き篭もり、矢三郎は天狗の「赤玉先生(如意ヶ嶽薬師坊)」の弟子となって世話をし、まだ小さい矢四郎は兄や母と一緒に居る。
赤玉先生は金曜倶楽部に属する女性、「弁天」に恋をし、人間である彼女に天狗の技を教えた。
弁天は矢三郎にとっても初恋の相手であり、同時に父を鍋にして食べた人間の一人でもあるのであった。
矢三郎は父を食べた人間だと知ってもなお弁天に惹かれてしまい、弁天も矢三郎を気に入っており、ほかの狸たちよりは弁天と距離が近かった。
確執のある夷川家といざこざを起こしたり、天敵である金曜倶楽部に狸鍋にされそうになるも兄弟で協力し合い、「面白き事は良きことなり」を信条に矢三郎は気ままに生きる。

ある日、弁天は日本に退屈し、世界一周クルーズへ出かけ日本を離れる。
矢一郎は偽右衛門を決める選挙に出ることを決意し、矢三郎と矢四郎はツチノコ探索隊を結成し山へツチノコを探しに行く。
矢三郎と矢四郎は山の中で赤玉先生の息子「二代目」に出会う。
二代目は赤玉先生との間に確執があり過去に三日三晩戦ったという過去を持ち、その後海外に移住していたが何故か再び再日した。
矢三郎は二代目に何故帰ってきたのかと問うと、二代目は赤玉先生を倒すという。
不穏な雰囲気を感じた矢三郎は赤玉先生の住居へ先回りして赤玉先生に変身し、尋ねてきた二代目に和解を申し入れるが、直ぐに正体はバレてしまう。
赤玉先生は二代目が帰ってきたことを知ると怒り、二代目への果たし上を送る。
そして夜、京都の華々しい街の上空では赤玉先生と二代目による天狗同士(正格には二代目はまだ天狗では無い)の勝負が始まると思われたが、赤玉先生は屋根の上で足を踏み外し矢三郎に助けられる。
二代目は狸ごときに助けられるなど恥を知れと言い、その場を去って行った。
現役の頃の赤玉先生は二代目が敵わないほど強かったが、やはり老いが来ているのであった。

日本へ戻ってきた二代目と赤玉先生は険悪ムードに。

天満屋の登場

矢三郎には、既に破談となっているが許婚がいる。
それは下鴨家と確執のある夷川家の娘「海星」である。
縁談が破談になったのは、夷川の頭領「夷川早雲」が下鴨家を嫌っていたからであったが、現在早雲は行方不明になっている。
桃仙は海星をとても気に入っており、海星も桃仙を好いていて、もはや早雲に気を使う必要も無い今、矢四郎から見たら何故二人が結婚しないのか不思議であった
。海星はいつも何か物の中などに隠れて矢三郎の前に現れ、矢三郎には姿を見せない。
矢四郎の目からは矢三郎と海星はお似合いに見えるようである。

矢三郎は、迷惑な場所に屋台を出している人がいるからどうにかして欲しいと依頼を受け、ラーメンの屋台「天満屋」へ行く。
矢三郎が屋台の店主「天満屋」と話してみると思いのほか馬が合うが、矢三郎のこんな所に店を出してはいけないという注意を天満屋は受け入れない。
それならばと、矢三郎はヒグマに化けて天満屋を脅かそうとするが、天満屋は不思議な術を使い、逆に矢三郎の方が化かされてしまう。
化かされた矢三郎はヒグマの姿のまま商店街に出て行ってしまい、危うくも銃殺されるところであったが、矢三郎を影で見守っていた海星が矢三郎を救出した。
狸が化かし合いで人間に負けてしまい、矢三郎は悔しい思いをするのであった。

ビルの上に勝手に屋台を建ててしまう天満屋。

狸を食べる金曜倶楽部に対抗し、狸を食べる事に反対する木曜倶楽部がある。
創立者はかつて金曜倶楽部に属していた「布袋(金曜倶楽部でのニックネーム)」こと「淀川 長太郎」で、淀川は元々狸を愛するゆえに食べていたが、過去に自分が助けた狸が鍋にされそうになったことでショックを受け、以降、金曜倶楽部が狸を食べる事に反対している。
淀川と面識のあった矢三郎は木曜倶楽部の集まりに呼ばれ、そこで天満屋に再会する。
またも天満屋に化かされてしまう矢三郎。
しかも天満屋は金曜倶楽部との繋がりも持っているようであった。
天満屋に警戒心を持った矢三郎は、木曜倶楽部で一緒に食事をした「菖蒲池画伯」から、天満屋が画伯の描いた地獄絵図の中から出てきた地獄で鬼から責苦を受ける服役者であると聞く。
天満屋は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のように、仏の垂らした蜘蛛の糸を登りこちらの世界に出てきたのであるという。
矢三郎は天満屋が地獄を苦手としているのだと分かり、鬼に化けて天満屋を脅かそうとする。
しかし作戦は失敗し、天満屋に銃を突きつけられてしまう。
どうやら天満屋が地獄に落ちた原因は、弁天が金曜倶楽部の最年長である「寿老人」に天満屋の事を何か告げ口し、その結果地獄へ落とされたのであった。
そして菖蒲池画伯が地獄絵図に仏を加筆したことで、そこからこちらの世界に戻ってきたのである。
矢三郎が弁天の話をすると、天満屋は弁天の事を思い出して怒り出し、矢三郎はいよいよピンチになる。
すると天満屋の顔面目掛けてスーツケースが落下してくる。
スーツケースの持ち主は弁天で、世界一周クルーズから帰ってきたのである。
弁天は天満屋を空の彼方へ投げ飛ばし、矢三郎を助けたのであった。

弁天が帰国する。

二代目と弁天の戦い

桃仙と矢三郎は、カエルに変身したまま戻れなくなってしまった次男・矢二郎を元の狸に戻す方法を聞きに、祖母の元を訪れる。
矢二郎がカエルになり井戸に引き篭もるようになってしまったのにはわけがあった。
矢二郎は矢三郎の許婚である海星に恋をし思い悩み、その事を父・総一郎に告げ、家を去ろうとする。
総一郎は矢二郎を励まし、兄弟揃っていることが大事だと矢二郎に語る。
二人はその晩飲み明かし、総一郎は酔いから隙が出来て金曜倶楽部に捕まり、鍋にされてしまったのである。
その事がきっかけで矢二郎は覇気を失い、カエルになり井戸に引き篭もるようになった。
しかしカエルで長く居続けた結果、井戸から出歩くようになった後も狸に戻れなくなってしまったのである。
カエル以外のものに変身することもできなかったが、唯一電車にだけは変身できた。
だが矢二郎も家族たちもそのままでいいとは思わず、矢二郎を狸に戻す方法を探していた。
すると祖母はよく効く薬があると言う。
矢三郎は薬を持って、矢二郎の居る井戸へ向かい、矢二郎に薬を渡す。
そこで矢三郎は二代目が泊まっていたホテルを引き払った事を知らされる。
矢三郎は矢四郎と共に二代目の新しい住居である何処かの建物の屋上へ行く。
屋上には豪邸が建っており、二代目は自分のワイシャツを洗い綺麗にアイロンがけしていた。
二代目は二人を家に招きお茶を出し、矢四郎は二代目からゴーグルを貰うなど和やかなお茶会となった。
二人には何か因縁があるようだった。
二代目はお気に入りの椅子で昼寝をするのが日課であり、二人は帰宅する事にする。
しかしそこに弁天が現れ、二代目のお気に入りの椅子に腰をかけ傲慢な態度を取る。
二代目は表情を変えずに床にテーブルクロスを敷き、弁天が座っていた椅子を傾け弁天をクロスの上に転がり落とした。
そして何事も無かったかのように昼寝を始めるのであった。
弁天は表情を変えず、口数も少なかったが、それこそが弁天の本気の怒りを現していた。
弁天は二代目のクローゼットをあけ、二代目が綺麗にアイロンをかけたワイシャツをピンヒールの踵で踏みつけ出て行った。

プライドの高い弁天を床に転がすという、矢三郎たちも視聴者も肝の冷えるシーン。

狸の南禅寺家の娘「南禅寺 玉瀾」は、将棋の上手い女性で、矢一郎とは将棋を介して幼い頃から付き合いがあった。
しかし矢一郎はあることから将棋を指さなくなっていた。
南禅寺家が開く「南禅寺将棋大会」の日、決勝戦は玉瀾と矢二郎の戦いとなった。
狸の将棋は狸たちが将棋のコマに化け、棋士に指示されたとおり動くという方法で行われ、コマの中には矢三郎や矢一郎もいた。
夷川早雲の息子で何かと下鴨家に因縁をつけてくる「金閣」「銀閣」は、やはりこの場でも矢三郎を挑発し、矢三郎もそれに応戦する。
金閣と銀閣の悪ふざけは矢一郎に飛び火し、矢一郎と玉瀾はお互いに好き合っている仲ではないかと皆の前でからかった。
騒ぎを起こせば主催者である南禅寺家の恥になると反撃に出ない矢一郎に対し、当の南禅寺家の狸である玉瀾は激怒し虎に化けて暴れ二人をこらしめる。
それにより将棋大会はめちゃくちゃになってしまうのであった。
矢一郎は矢三郎に対し金閣と銀閣の挑発に乗った事を怒る。
矢三郎は自分だけが叱られるのに納得が行かず矢一郎と喧嘩してしまう。一人でブラブラ歩いていると矢一郎の隠し穴(大事な物を置いておく穴)を見つけ、その中には総一郎の将棋盤があった。
将棋盤には大きな傷があり、それを見て矢三郎は矢一郎が将棋を指さなくなった理由を思い出す。
矢一郎と玉瀾は小さい頃将棋で戦っていたが、玉瀾は将棋の才能を持っているにもかかわらず、矢一郎に気を使ってわざと負けてしまう。
矢一郎はそれに気づいて怒り、虎の姿になって暴れ、その時についたのが将棋盤の傷なのであった。
その行動を恥じた矢一郎は以降将棋を指さなくなった。
矢一郎は玉瀾の事が好きであったが不器用過ぎて自分ではどうにもできないでいたため、桃仙は矢三郎に矢一郎と玉瀾の恋のキューピッドをするように頼む。
断りきれなかった矢三郎は玉瀾の元を尋ね、玉瀾もまた矢一郎が好きであることを聞く。
矢三郎の計らいで矢一郎と玉瀾は再び将棋を指すことになり、あの日のやり直しが出来た二人は良い雰囲気になる。
しかし突如、玉瀾は将棋盤に吸い込まれて行ってしまう。
慌てた矢一郎と矢三郎は将棋盤を調べると二人もまた吸い込まれ、三人は総一郎の使っていた何処にあるのか不明だった将棋部屋に辿り着いた。
しかしこの将棋部屋は赤玉先生の部屋に繋がっているのであった。
矢一郎は五山の送り火に玉瀾を誘い、玉瀾は二つ返事でそれに応えた。

五山の送り火は狸界隈でも大きな行事で、空飛ぶ納涼船で空から送り火を見るのが慣わしであった。
金閣銀閣の邪魔によって納涼船を手に入れる事が出来なかった下鴨家は、電車に変身した矢二郎に赤玉先生の持つ酒で空が飛べる「茶釜エンジン」を搭載し、納涼船の代わりにした。
毎年送り火では金閣銀閣たちと下鴨家の戦いがお決まりになっており、今年も戦いに発展し、ドンチャン騒ぎとなる。
矢二郎(電車)の上には弁天も来ており、二代目のお気に入りの椅子を勝手に持ち出して座っていた。
そこに椅子を取り返しに二代目が現れ、二人は一触即発になる。
狸たちには介入できない天狗の戦いになるのかと思われたが、意外にも弁天が二代目に一瞬で負け、川へ落下してしまう。
矢三郎は弁天の落ちた川へ行く。
全身ずぶ濡れになり無気力に座っている弁天の元に赤玉先生が歩み寄り、弁天は普段のような軽口を言わず素直に悔しいと口にし、赤玉先生は弁天に強くなるように言う。
狸である矢三郎の入る隙は無く、矢三郎は遠目に二人を見つめていた。

着飾った浴衣はびしょ濡れになり川の中に座り込む弁天と、一緒に水に浸かり座り込む赤玉先生。

金曜倶楽部の動き

淀川が金曜倶楽部の嫌がらせを受けているという話を矢三郎は聞く。
金曜倶楽部は有馬温泉へ行ったと知り、何か陰謀めいた物を感じ矢三郎は有馬温泉へ行く。
矢三郎が折角温泉地に来たのだからと呑気に温泉に入り休憩していると、海星が現れた。
海星は金閣・銀閣たちと一緒に有馬温泉に来ているという。
すると矢三郎は弁天を見かけ、海星と共に弁天の後を付ける。
弁天は怪しい建物に入り、矢三郎も続くとそこには亡き父・総一郎がいたが、矢三郎の知っている総一郎の匂いとは違う。
それは総一郎ではなく、総一郎の弟で現在行方不明になっていた夷川家の頭首「夷川早雲」であった。
早雲は兄である総一郎に対抗心を持っており、金曜倶楽部に総一郎の情報をリークし、総一郎を襲わせた張本人である。
早雲は矢三郎に金曜倶楽部に出来た空きメンバー枠に自分が入るのだと言う。
狸を食う金曜倶楽部に入るということは共食いするということだと矢三郎が言うが、早雲は聞く耳を持たない。
そして矢三郎は早雲によって地獄絵図の中に突き落とされてしまう。
矢三郎が目を覚ますと、そこは地獄であった。
地獄には無人になったラーメンの屋台天満屋があり、天満屋がかつて落ちた地獄がまさにここであった。
矢三郎は鬼に化け、屋台の店主をしている鬼という身分で、ほかの鬼と上手い事コミュニケーションを取り、鬼の相撲大会に連れて行かれる。
相撲大会は天女が相撲を取っていると噂になっており、そこには弁天が居た。
弁天は楽しそうに屈強な鬼達を投げ飛ばし、遊んでいた。
矢三郎はこれはチャンスと自分も弁天と相撲を取った。弁天は鬼が矢三郎であることに気づくとさらに楽しそうにはしゃいだ。
矢三郎は弁天によって空高く放り投げられ、上空で狸の姿に戻り、弁天は飛翔しながら矢三郎をキャッチし、そのまま矢三郎を連れ元の世界へと帰った。

鬼たちは同じ鬼だと思っていた矢三郎が狸だった事を知り、驚いた顔で二人を見送った。

弁天と共に現世へ帰った矢三郎は、弁天に連れられ丘に置いてあった偽の叡山電車の中に入る。
中には寿老人がいて、矢三郎は金曜倶楽部と木曜倶楽部の和解の宴に招待される。
しかし淀川は和解などするつもりは毛頭無いようであった。
宴の支給係は天満屋で、宴の席には早雲の姿もあった。
金曜倶楽部に入りたい早雲は鴨川の水源地で取れた貴重な石を寿老人にプレゼントするが、寿老人はそれをそのままその場で弁天にあげてしまう。
また、淀川は宴の場で狸を食べてはいけないと抗議をはじめたことで寿老人と揉め、寿老人は淀川を銃で撃とうとする。
矢三郎は淀川を庇うためにあえて淀川を糾弾し場を治めようとするが、ついノリで金曜倶楽部に入りたいと嘯いてしまう。
すると弁天がそれに賛成し寿老人に口添えした事で、矢三郎は早雲が狙っていた金曜倶楽部の飽きメンバー枠に入る事になってしまう。
早雲は我を忘れたように怒り、鬼に変身して暴れ出したことで部屋の電気が消え、天満屋は早雲を銃で撃った。
電気が付くと早雲は居なくなっており、矢三郎は早雲を探しに行く。
森の中で早雲を発見するが、早雲は変身する力も無くなり狸の状態で倒れており、もはや施しようのない程の重傷であった。
矢三郎は早雲を「叔父さん」と呼び涙するが、早雲はそのまま亡くなってしまう。
そこへ海星が来て、父はどうなったのかと矢三郎に尋ね、矢三郎は銃で撃たれて亡くなったと海星に説明する。
海星は早雲と二人っきりになりたいと言い、矢三郎はその場を去った。

早雲亡き後

狸たちの間で早雲の葬儀が行われる。
桃仙は、矢三郎たちの祖父が仲の悪かった下鴨家と夷川家の仲を取り持つために海星を矢三郎の許婚にしたのだと矢三郎に話す。
しかし早雲の横暴で許婚は取り消しになり、和解は叶わなくなってしまう。
元々は実の兄弟であった早雲と総一郎の間にあった深い溝は、早雲が桃仙を好いていたことが原因であったのである。
早雲は総一郎への対抗心から夷川家へ婿入りし、両家の確執を強める事になった。
早雲の長男「呉一郎」は金閣・銀閣を連れ下鴨家の狸達の前にやってきた。
呉一郎は下鴨家と夷川家の和解を申し入れ、矢一郎は了承し、両家はこれまでの事を水に流す事にした。
矢一郎は矢三郎を呼び出し、もう一度海星と許婚にならないかと提案する。
何故今更と言う矢三郎であるが、矢一郎にこの話を提案したのは矢二郎であった。
矢二郎は祖母に薬を貰った事で狸に戻れて人間の姿にもなれるようになっており、自分探しの旅に出るために単身で京都を出たいと思っているという。
海星と再び許婚になることで、矢二郎の気持ちを振り切り、両家の溝を解消したいという祖父の願いも成就できる。
しかし矢三郎は自分や海星の気持ちも聞かずに勝手に海星と再び許婚になることも、矢二郎が家を出て行くことにも反対で、矢一郎と喧嘩になってしまう。
矢一郎は総一郎が亡くなった後、長男として家を支えようといつも必死で、矢三郎にも兄ではなく父のような態度を取ることがあった。
矢三郎はそれが気に入らず、矢一郎では父の代わりにはなれないと言ってしまう。

矢三郎は抗議のために山に篭る事にした。
そこに現れたのは海星で、やはり木の陰に隠れ矢三郎に姿を見せない。
海星は許婚の件は断ると言い、矢三郎もいつも姿を見せないお前と結婚するくらいなら漬物石と結婚した方がマシと言ってしまう。
すると普段気の強い海星は泣き始めてしまい、矢三郎はオロオロする。
海星はなら姿を見せてやると言い、矢三郎の前に姿を現す。
矢三郎は海星の姿を見た途端人間の姿を保てず狸の姿に戻ってしまう。
矢三郎は自分では気づいていなかったが、海星の姿を見ると術が解けて狸に戻ってしまうようである。
海星がもし人里で矢三郎の前に出たら矢三郎の変身が解けてしまい大事になってしまう。
矢三郎に対し好意を持っているようであった海星が、今まで矢三郎に頑なに姿を見せなかったのはこのためであったのである。
そして海星にはそれは辛い物でもあった。

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色づく世界の明日から(第13話『色づく世界の明日から』)のあらすじと感想・考察まとめ

時間魔法の儀式の準備が整い、魔法写真美術部は1人1人瞳美にお別れの挨拶をした。最後に葵の順番になり、葵は自分の想いを告げることなく瞳美を未来へ送り出そうとする。その時、琥珀の時間魔法とは違う魔法が発動し、葵と瞳美は2人だけの空間に閉じ込められ、お互いの想いを告げた。すると、瞳美が見る景色に色が戻り、瞳美は無事に未来への帰還を果たした。 今回は「色づく世界の明日から」第13話『色づく世界の明日から』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

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色づく世界の明日から(第6話『金色のサカナ』)のあらすじと感想・考察まとめ

瞳美は初めて作った星砂を葵にプレゼントとして贈り、葵が星砂を使ってみたところ、金色の魚が飛び出して周りを泳ぎ始めた。それは葵が小学生の時に賞を受賞した絵に描いた魚だったのだ。なぜ金色の魚が現れたのかが分からない中、瞳美と葵はグラバー園での撮影会に行くことになる。そこで瞳美は無意識に魔法を使ってしまい、葵の絵の中に入ってしまった。 今回は「色づく世界の明日から」第6話『金色のサカナ』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

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色づく世界の明日から(第10話『モノクロのクレヨン』)のあらすじと感想・考察まとめ

あさぎは将に告白された瞳美を避けてしまっていたが、瞳美が勇気を出して話しかけたことで仲直りをする。一方、魔法写真美術部は文化祭に向けてイベントの準備を進めており、琥珀は魔法で人を絵の中に送り込む企画を提案した。試しに、瞳美と琥珀は協力して葵が描いた絵の中に部員たちを送り込んだ。その絵の中で、葵は瞳美の辛い過去の光景を見てしまう。 今回は「色づく世界の明日から」第10話『モノクロのクレヨン』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

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色づく世界の明日から(第3話『No Rain, No Rainbow』)のあらすじと感想・考察まとめ

新入生が体験入部する部活を決めるための「クラブ活動紹介」の日、瞳美は葵の絵が忘れられずに写真美術部を訪れる。色が見えないことを隠したまま、瞳美は絵を書き、カメラを手にした。しかし、突然のハプニングで瞳美が写真撮影会のモデルを務めることになってしまった。戸惑いながらもモデルを引き受けた瞳美だが、思わぬトラブルに見舞われる。 今回は「色づく世界の明日から」第3話『No Rain, No Rainbow』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

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Angel Beats!(エンジェル ビーツ)の名言・名セリフまとめ

「Angel Beats!」は、P.A.WORKS制作によるテレビアニメ作品。 主人公「音無結弦」が目覚めると、そこは死後の世界だった。そこで出会った「仲村ゆり」に理不尽な人生を強いた神への復讐を目的とする「死んだ世界戦線」へと誘われる。音無は戦線の一員として、「天使」と呼ばれる少女と戦いを繰り広げる日々が始まる。 青春コメディ要素もありながら、人生に言及する重みのある名言を多く残す。

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