ウィッチャー3 ワイルドハント(The Witcher 3: Wild Hunt)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィッチャー3 ワイルドハントとは、ウィッチャーと呼ばれる怪物退治の専門家の男、ゲラルトを主人公としたアクションRPGのシリーズ3作目だ。今作はオープンワールドとなっており、その広い世界で起こる重厚なストーリーと世界観の作り込みが高く評価されている。かつての恋人、女魔術師イェネファーを探すことからゲラルトの最後の伝説は幕を開ける。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』の概要

「ウィッチャー3 ワイルドハント」は2015年にポーランドのCD Projekt REDというゲーム開発会社によって発売された。ソフトはPC版、PS4版、X-Box One版の3種類がある。日本版のローカライズはスパイク・チュンソフトが行った。通常版の他に、全ダウンロードコンテンツが収録されたゲーム・オブ・ザ・イヤーエディション(GOTY版)が発売された。原作はポーランドの作家、アンドレイ・サプコフスキの小説『魔法剣士ゲラルト』という作品。
世界観や設定は中世ヨーロッパや北欧神話をベースとしたファンタジーだが、戦争や魔女狩りといったダークな部分もリアルに描かれている。主人公のゲラルトは、かつての恋人イェネファーと、養女のシリを探すため世界を旅する。旅の中では、常人では感知できないものを見ることができる『ウィッチャーの感覚』や、『印』と呼ばれる魔術を使って謎や事件を解き明かしていく。ストーリーやサイドクエストは分岐していたりマルチエンディングとなっているものが多く、結末はプレイヤーの手に委ねられている。
道中に散りばめられたクエストに、探索とトレジャーハント、ミニゲームや育成などやりこみ要素は多岐に渡る。CEROはZとなっていて、18歳以上のみプレイ可能。日本版では過激なシーンの一部に規制が入っている。ダウンロードコンテンツの第一弾では『無情なる心』、第二弾では『血塗られた美酒』が配信された。どちらも大型の拡張で、ボリュームのあるストーリーや地域、育成要素などが追加されている。
シリーズ累計販売本数は2500万本。ウィッチャー3単体での販売本数は1000万本を突破しているほか、世界で800以上の賞を受賞するなど、ウィッチャー3は「全てのRPGを凌駕する」というキャッチフレーズを裏切ることなく実現した。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』のあらすじ・ストーリー

ホワイト・オーチャード

冒頭でゲラルトは不吉な夢を見る。これはその一場面。幼少のシリを見守るゲラルトとヴェセミル。

恋人だったイェネファーからの手紙を頼りに待ち合わせ場所の村を探すゲラルトだったが、その村は戦争によって滅んでいた。彼女の足取りを掴むためにホワイト・オーチャードに立ち寄ると、ニルフガード帝国駐屯地の司令官から取引を持ちかけられる。グリフィンを退治する報酬として、軍の機密事項であるイェネファーの居場所を教えると言うのだ。旅に同行している同じウィッチャー、ヴェセミルの協力を得てグリフィンを討伐すると、彼女はホワイト・オーチャードの近く、ヴィジマにいるという情報を得る。
ヴィジマに向かおうとした矢先、兵を従えたイェネファーが迎えに来た。そしてニルフガード帝国の皇帝エムヒルから、ゲラルトへ直々の依頼があると告げる。ヴェセミルと別れ、ゲラルトはイェネファーと共にホワイト・オーチャードを発つ。道中で『吹雪と共に現れる幽鬼』そして『破滅の先触れ』と呼ばれるワイルドハントの追跡に遭うが、イェネファーが魔法でそれを退けた。ワイルドハント達がゲラルトを襲った理由は、ヴィジマ王城で明らかとなる。

出典: oyagamer.com

大人の色香漂う魔術師イェネファー。思いもよらない再会に、ゲラルトは驚いた。

ヴィジマ王城

ニルフガードの占領下にあるヴィジマで、ゲラルトは皇帝エムヒルと謁見する。直々の依頼というのは、皇帝の娘にしてゲラルトの養女、そして『古き血脈』と呼ばれ時空を超える力を持つ、シリを見つけることだった。道中でワイルドハントに襲われたのは、イェネファーがシリの捜索のために魔法を用いていたのを察知されたからだった。そのことから、シリがワイルドハントに狙われていることは明白となる。シリがなぜワイルドハントに狙われているかはまだ謎であったが、少しでも情報を得るためにイェネファーはスケリッジ諸島の調査へ、ゲラルトは帝国の諜報員と接触するためにヴェレンへと旅立つ。

ヴェレン

『血まみれ男爵』という男が統治するヴェレンは、戦争によって荒廃していた。諜報員が潜伏している村へ向かうが、そこは既にワイルドハントに襲撃されていた。諜報員の命も事切れていたが、シリがスケリッジとノヴィグラドを訪れていたこと、男爵と接触していたこと、そして魔女と争ったことが判明する。(ここから、メインクエストが複数追加される。基本的にどの順序で進めても問題ない。)

魔女についての調査の中で、ゲラルトは魔術師キーラ・メッツと出会う。彼女はシリの行方を知らなかった。しかし、エルフの魔術師がシリについて尋ねて来たことと、その魔術師の隠れ場所を知っていた。ゲラルトとキーラは魔術師の隠れ場所である、エルフの遺跡に向かう。
遺跡には既にワイルドハントがいて、彼らも何かを探しているようだった。二人は、遺跡の最奥でエルフの魔術師の痕跡を見つけた。シリと魔術師は途中まで共に旅をしていたようだ。シリへのメッセージが残されおり、その内容は、「クルックバック湿原の魔女に気をつけるように」と、「最後に別れた場所で会おう」というものだった。シリが争ったのはクルックバック湿原の魔女、通称『森の貴婦人』ではないかというキーラの言葉から、ゲラルトはそこに向かうことにする。

出典: 2.bp.blogspot.com

華やかさを好むキーラがこの地にいることは意外だった。サブクエストでは彼女に関する話もある。

血まみれ男爵のいるクロウパーチでは、男爵の頼みと引き換えにシリの情報が語られる。(このメインクエスト以降、要所要所でシリを操作するパートがある。)
シリは何かから逃げている最中、森に迷い込んでいた。そこで捨てられた少女と出会い、二人で脱出を目指した。道中で人狼に襲われている男を助け、その男がシリと少女を男爵に引き合わせたのだった。

血まみれ男爵は二人を歓迎した。そしてシリを仲間のように扱った。

クルックバック湿原には小さな孤児院があった。孤児の世話をしている老女を説得して、ゲラルトは森の貴婦人たちと話すことができた。貴婦人たちは姿を見せず、タペストリーに描かれた女性の絵を通じて取引を持ち掛けてくる。それは、とある怪物を倒してダウンウォレンという村から報酬を持ち帰れば、シリのことを教えるというものだった。しかし対象の怪物は、貴婦人たちこそが邪悪であり、孤児達の安全を確保するから自分を解放するようにと言うのだ。ゲラルトは、怪物を解放するか倒すかの選択を迫られる。この選択は、血まみれ男爵に深く影響することとなった。どちらを選択しても報酬は貰うことができる。
ゲラルトはダウンウォレンの村長に怪物退治が終わったことを告げる。そして報酬の正体を目の当たりにする。村長はゲラルトの目の前で片耳を切り落とし、手渡してきたのだ。森の貴婦人たちは村人の困り事を解決するために、このような捧げ物を要求していたのだった。

報酬を受け取ったゲラルトが貴婦人たちの元に戻った時、彼女たちは姿を現した。醜悪な怪物のような姿をした者が3人、ゲラルトと対面したのだった。シリに関する情報は、約束通り入手することができた。貴婦人たちはシリの力を取り込むべく食べようとしたが、逃げられたということだった。ゲラルトは激怒し闘おうとしたが、貴婦人たちは「シリを見つけることができた時は、彼女が死ぬ時だ」という言葉を残して去っていった。
その後、ゲラルトは男爵邸で『ウーマ』という奇妙な生物に出会う。男爵がカードゲームの景品として手に入れたらしいこの醜い生物の謎は、後々解き明かされることになる。

大都市ノヴィグラド

ノヴィグラドでは『永遠の炎』という教団によって魔術師狩りが盛んに行われていた。教団の衛兵達が魔術師を見つけるべく徘徊するこの大都市で、ゲラルトは元恋人の魔術師トリス・メリゴールドと再会する。トリスからシリの手掛かりは得られなかったが、この街に夢から過去や未来を読み解く力を持つ、夢見術師が住んでいることを教えてもらう。

夢見術師の力で、シリがノヴィグラドを訪れた理由が判明する。ゲラルトの友人であるダンディリオンに会いに行ったのだ。そして情報収集から、二つの事柄が浮かび上がる。ダンディリオンはシギ・ルーヴェンという男の宝を狙い、そしてノヴィグラドを影で支配者する者の一人、ホアソン・ジュニアと揉め事を起こしたようなのだ。
シギとトリスの協力を得て更に調査を進めると、ダンディリオンの行方が分かった。彼は誰かと共謀して金を盗んだが、その宝を『永遠の炎』のを守る聖堂衛兵団に奪われ、囚われていたのだ。レダニア(ニルフガードと互角に戦っている国)の狂王ラドヴィッドや、ノヴィグラドのギャングなどとの出会いを経てホアソンの居場所を突き止め、ゲラルトたちはダンディリオンを救出する。そしてノヴィグラドでの、シリの目的が明るみになっていく。

元恋人のトリスは、過去作にも登場している。

シリは呪いを解く魔法の道具を修理するために、ホアソンと接触した。その報酬のためにダンディリオン達とシギの金を盗む計画を立てた。しかし、それはホアソンの手には渡らず、そのことに激怒したホアソンは仲間を捕まえてしまう。シリとダンディリオンは救出に向かい、仲間を助けることはできた。だが、ダンディリオンは聖堂衛兵団に囚われ、シリは矢が刺さる寸前に、光と共に姿を消してしまったのだ。
ここでシリの足取りは途絶えてしまったので、ゲラルトはイェネファーと合流するためにスケリッジ諸島へ向かう。

友人のダンディリオン。自称世界中の女性たちの比類なき恋人。

スケリッジ

ノヴィグラドから船に乗り、ゲラルトはスケリッジを目指した。途中で嵐に襲われ海に投げ出されてしまうが、幸運なことに打ち上げられたのはスケリッジで、イェネファーのいる場所の近くだった。スケリッジを束ねるブラン王が死去して間もない中、二人は王位継承争いに巻き込まれながらシリの手掛かりを探す。

出典: files.alloyape.com

スケリッジでは、イェネファーと行動することが多い。

イェネファーがスケリッジで調査していたのは、魔法によって半壊した森だった。そこには、やはりシリが関係していた。シリはエルフの魔術師と共に、ワイルドハントから逃げており、ワイルドハントに追い詰められたその時、魔術師が魔法を使い森で爆発を起こしたのだった。負傷したシリはヴェレンへと瞬間移動し、魔術師も別の場所へ移動したようだ。それからしばらく後に、ヒンダースファルという島にワイルドハントが現れた。その話を聞いたゲラルトとイェネファーは、島を調査する。
ヒンダースファルには、『臆病者』と呼ばれて一族から爪弾きにされているスヒャールという男がおり、シリがその男と一緒にいるのを見た者がいた。スヒャールは既に亡骸となっていたが、イェネファーの降霊術によって、その口からシリのことが語られた。
傷を負って気絶したシリは、スヒャールに保護されていた。そしてスヒャールと共にエルフの魔術師との待ち合わせ場所に向かおうとしたところで、ワイルドハントが村を襲った。スヒャールは決して『臆病者』などではなかった。襲撃から逃げ出すことはせず、シリを送り届けてくれたのだ。
シリと魔術師は無事に合流したが、スヒャールはワイルドハントに襲われてしまう。しばらく後に意識を取り戻した彼が見たのは、奇妙な生物が歩く姿だった。ゲラルトはその生物に覚えがあった。それはクロウパーチの男爵邸で遭遇した『ウーマ』だったのだ。
『ウーマ』の姿は呪いによるもので、もしかするとシリかもしれない。解呪する価値は大いにあった。

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