GUILTY GEAR(ギルティギア)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

アークシステムワークス制作の対戦格闘ゲームシリーズのひとつ。「ギア」と呼ばれる生体兵器と人間の戦い、そしてギアを巡る主人公のソルとライバルのカイたちの物語を描いている。後に開発された対戦格闘ゲーム「ブレイブルー」と並ぶ同社の象徴となった。さらに2D開発ゲームの金字塔として有名にもなり、今なおその人気を不動のものとし続けている。

CV:五十嵐亨

メイや梅喧と同じく世界で希少種となったジャパニーズの青年。小さな鼻眼鏡と頭に巻いた白い布、大きくはだけた上半身の着物と下半身が袴が特徴的。
大きさを自在に変えることができる能力を持った鉄扇「絶扇」を武器とし、日本に古来から伝わる舞をベースにしたしなやかで力強い格闘戦を展開する。

飄々とした性格の好青年で、自由を求め、知的好奇心の赴くがままに生きることを主として束縛を嫌って一人気ままに旅をしている。そんな中、ギアの成り立ちを確かめるという目的を見出し、ギアの生みの親である「あの男」の行方を追い始める。
また、同じジャパニーズである梅喧のことを一目見て気に入っており、彼女を「姐さん」と呼んで慣れ親しんでいる一方、ギアへの復讐に我を失いがちな彼女を助けたいと真剣に考えている。

ヴェノム

CV:八重田幹雄(GGX〜GGXX)/諏訪部順一(Xrd)

ザトー=ONEの配下であり、アサシンの現リーダー。
黒い肌に独特な衣装、前が見えないほどに伸び、目の模様が描かれた白髪が特徴的な美形で、チェスと読書を趣味にしている冷静沈着な持ち主。暗殺者ではあるが、無益な殺生は好まないという人情味を感じさせる一面を持っている。
ビリヤードを武器にしているという一風変わった暗殺術を得意とし、キューによる打撃や突き、そしてボールを弾いて様々な方向へ飛ばして相手を翻弄し、急所を狙い撃つ戦法を得意としている。

自らの命を救うと共に暗殺者としての新たな道を見出してくれたザトーに心酔し、彼のためならば自らの命を省みないという、妄執に等しい忠誠心を抱いている。そして、ザトーがミリアの裏切りで生死不明になった時も、その彼への一念で支えてきており、スレイヤーからは「自分を見失っている」、ミリアからは「ザトーに固執しすぎている」と、それぞれ忠告されている。

第二次聖騎士団員選考武道大会の後に行方知れずとなったザトーを探しに「悪魔の棲む地」と呼ばれる森へ向かったが、そこで見つけたのは既に死体となったザトーとそれを貪り冒涜するエディの姿だった。
そんな変わり果てた主に呆然としかける中、指導者の死亡と上層部の権力争いで崩壊しつつある組織の現状を見かねたスレイヤーによる解散宣言を目の当たりにし、「老害が勝手なことを」と憤り、ザトーの遺した組織を守ることを決意して立ち上がる。その後、自ら指導者の座に上り詰めて事態を急速に収拾し、後にアサシンを世界経済に多大な影響を及ぼすほどのシンジケート的な組織へと生まれ変わらせた。

ディズィー

CV:藤田佳寿惠

本シリーズの看板娘ともいえるキャラクターで、ギアであるジャスティスと人間の間に生まれたハーフの少女。「GGX」の最終ボスキャラクター。
見た目も精神年齢も20歳ほどだが、ギアの血が流れているため成長が早く、実年齢は「GGX時点」では3歳で、「GGXrd」では8~9歳と幼い子供である。背中に死神がローブを羽織ったような緑色の男性のような姿をした「ネクロ」と、水色の女神のような姿をした「ウンディーネ」の2体の防衛システムのギアを背中に宿している。

人間を蔑視していたジャスティスとは真逆に純粋で心優しく、争いを極度に嫌う性格だが、戦闘ができるのは本人にも制御しきれないギアとしての防衛本能と、ネクロとウンディーネによる所が大きい。
戦闘では2回できる空中ダッシュに加え、多種多様でいくつも生成できる飛び道具を持っており、徹底した遠距離戦を挑むことができるという特徴から「砲台」と例えられている。そのため、飛び道具を利用した固め・起き攻め・連続技が強力だが、喰らい判定が大きい、防御力が低い、気絶しやすいなど防御性能が低く、接近戦に持ち込まれると脆いところがある。

また、元々は捨て子でとある村の老夫婦に引き取られて実の娘同然に育てられたが、異常なほど早く成長した上にギアとしての翼と尻尾が生えたことから村人にギアだとばれて殺されかけた。老父婦の必死の助けで人が寄り付かないとされる「悪魔の棲む地」と呼ばれる辺境の森へと逃がされた。しかしそれでもギアとして危険視されて多額の賞金をかけられ、賞金稼ぎやカイなどに命を狙われ続け、やむなく彼らを撃退し続けていた。
最終的にソルとも戦うようになり、彼に敗れたがとどめは刺されることなく見逃され、後に彼女の内情を知るカイに託され、最終的にはジョニーの手招きからジェリーフィッシュ快賊団に引き取られた。
その上でカイとガブリエル大統領が色々と根回しをしたことで、公的には「紗夢がディズィーを原型を留めない程に粉砕した」ということになっている。

後にカイと恋に落ち結ばれ、「GG2」では「木陰の君」として呼ばれるようになる。1年余りの幸せな結婚生活の後に息子であるシンを授かり、愛し合う夫婦として当然の結果として普通に喜んだ。しかし、普通の人間とは違って硬質な殻に包まれた胎児を卵生出産しており、さらにその産まれた息子シンもディズィーと同じように成長が非常に早く、ソルに預ける事を余儀なくされるなど、ギアと人間の違いを改めて実感させられている。

スレイヤー

CV:家弓家正(GGXX)/土師孝也(Xrd)

悠久の時を生きるとされる種族「吸血鬼」の末裔で、アサシンの創設者であり元リーダー。
己の肉体を武器にひたすら接近戦を挑むインファイターで、吸血鬼の身体能力を最大限に利用し、瞬間移動に見えるダッシュや高威力の連続攻撃で相手を圧倒する。

常にダンディな振る舞いを崩さない老紳士で、殺し合いよりも純粋な戦いを好み、俳句も趣味としている一風変わった一面も持っている。
また、すでに数百年以上の長い月日を生きており、実際の年齢は不明で、さらに本名を忘れてしまっているため、「スレイヤー」とは仮名に過ぎない。

本来は自身のエネルギー源である血液を合法的に獲得するための手段としてアサシンを創り上げたが、ある時、不死身の生命を持つ謎の女性シャロンと出会い、彼女と結ばれたことでその目的を見出せなくなり、ザトーに後を任せる形であっさりと引退した。
その後はシャロンと静かな隠居生活を送っていたが、ミリアの叛乱とそれによるザトーの死亡で混乱するアサシンの現状を知り、自ら落とし前をつけるため、再び表舞台へと舞い戻る。その一方で、ソルやカイなどの戦士たちの前に突然現れ、彼らに情報提供などの協力をするという酔狂な事もしている。

イノ

CV:井上喜久子

「あの男」に付き従う配下のひとりで、赤で統一した魔女のような帽子に、エナメル状のジャケットとミニスカートに厚底のロングブーツを装う妖艶な美女。「XX」の最終ボスキャラクター。
「マレーネ」と呼ばれるエレキギターを常に持ち歩いており、戦闘ではこのギターを使った打撃などの格闘と、ギターを使った音波や音楽で相手を撹乱、攻撃したりすることができる。さらに身体能力も非常に高く、「Xrd」の公式サイトのプロフィールではソルを上回ると紹介されている。

普段は気まぐれで移り気な美女を演じており、扇情的な言葉と振る舞いで人を挑発・誘惑し、自分の掌の上で弄んで楽しむ蠱惑的かつサディスティックな一面を持っている。
しかし一方でその本性は非常に粗野かつ凶暴で、自分の思い通りに物事が進まなかったり、それ以外で感情が昂ぶると口調が汚く激しく凶悪なものへと変貌し、攻撃・破壊的な行動もためらいなしに行う。「GGXX」にて最終ボスとして登場するイノはボイスパターンがこの激しい口調となっており、さらに対戦においてソル、アクセル、ジャスティスの3人が相手だと同じく激しい口調になることがある。ちなみにこうした本性は精神的な「渇き」からくるものらしく、あの男の配下となったのはその「渇き」を満たすための経験を得るためにあり、本心から忠誠を誓っているわけではない。
こうした性格設定から担当声優を務めた井上喜久子も「今まで演じてきたキャラで一番コワい女」と評するほどである。

「あの男」が推し進めている計画に興味を持ち、その邪魔になりそうなソルやカイなどの戦士たちを潰し合う「祭り」を実行する。表向きは「あの男」の邪魔者を消すという名目で、「あの男」の為には手間を惜しまないふりをしているが、本心は自分の「渇き」を癒し、そして楽しむためである。一方で「あの男」にはその本心を見透かされており、あまり良い顔をされてはいない。

ザッパ

CV:うえだゆうじ

恋人との悲恋によって自殺してしまった女性の怨霊「S子」に、恋人と容姿が似ているという理由だけで取り憑かれてしまった霊感・不幸体質持ちの大学生。
幽霊に取り憑かれた故の異様な動きと独り言が特徴的で、全体的に個性が強いキャラ揃いの本シリーズの中でもギャグキャラとしての地位を確立していることで有名となっている。

戦闘スタイルはS子による悪霊憑依をメインとしており、三つ子の霊が憑依する強力な飛び道具タイプの「幽霊」、カミソリ型の剣の霊が憑依するスタンダードタイプの「剣」、分身として操作して同時攻撃を行える犬の霊が憑依するテクニカルタイプの「犬」、全キャラクターの屈指中の攻撃力を誇る雷を操る武将の霊「ラオウ」の4種類となっている。
こうした憑依システムによる多彩な攻めは相手を戸惑わせ、一気に攻め立てることができるが、その憑依によって立ち回りが変化し、逆に相手に隙を与えてしまうという弱点にもなっている。

全ての幸せな人々を嫉ましく思うS子は、ザッパの体を借りて怪しい姿勢で夜な夜な街を徘徊し、その人々を襲うという悪行を働いていて、その間ザッパには「意識が無くなり、気が付いた時には怪我をしていた」といった状態が続いていた。それを彼は病気だと勘違いし、どんな病気や怪我でも治すことができる闇医者ファウストの噂を聞きつけてから、S子に体を奪われ操られながらも彼を探す旅に出る。
そして「Xrd」では、ようやくファウストに出会うことができたが、ザッパの体質は病気ではなく憑依であり、現代医学では治せないものだと宣告されて衝撃を受け、茫然自失となる。しかしその後、この霊感体質を解消するために自ら霊障とそれにまつわる様々な事柄を調べ、「霊障オタク」と呼ばれるまでに心霊関係の世界に入り込む形で精神的に大きく成長し、フィンランドで公務員として働くようになるが、S子についてはどうなったかは描写されていない。

ブリジット

CV:小西寛子→加藤有希子(GGXX)

見かけはシスターのような帽子に、白を基調としたミニスカートのワンピースを着用した愛くるしい少女のようだが、性別はれっきとした男性でいわゆる「男の娘」。
「ロジャー」と呼ばれる、喋る熊のぬいぐるみをいつも一緒に連れている。ヨーヨーを主な武器として愛用しており、戦闘では画面内にヨーヨーを設置し、そこから様々な攻撃や必殺技を繰り出すことができる。

一人称は「ウチ」で、性格は明るく楽しいことが大好きでやや天然ボケなところもある。戦闘となっても明るさは崩さないが、登場シーンでいきなり後ろからヨーヨーで相手に不意打ちを仕掛けてきたり、倒した相手にヨーヨーを投げつけるなど容赦のない行動をとっている。
元はとある村の富豪で双子の兄がいたが、村の迷信で「男の双子は不吉なもの」といわれており、そのため両親に女の子として育てられる。さらに顔つきが少女みたいなものだったことから、少女然とした振る舞いをするようになり、男性だと区別しにくくなったが、本人はこの女装をむしろ楽しんで、女として生きることを前向きに受け入れている様子がある。
しかし、逆に女として生きることに両親が心を痛め続けていることに気づいて男として生きようと考えを改め、村の迷信を覆すために高額の懸賞金がかかったディズィーを捕獲しようと旅立つことになる。

ロボカイ

CV:草尾毅(X)/井上巧(GGXX)/千葉繁(Xrd)

聖戦を裏で掌握していたとされる謎の組織「終戦管理局」に所属する科学者・クロウが、カイのデータをサンプルに彼を模して作り出した人型ロボット。
自身の身体の各部と、所持している封雷剣のレプリカにビームやミサイルやハンマーなどの様々な武器や兵器を搭載しており、通常攻撃や必殺技にはそれを用いたものが多く、まさに人外を強調したその戦闘スタイルはオリジナルのカイとは全然似ていない。

そして性格もカイとは正反対で、非常に自尊心が高く我儘で相手を小馬鹿にしたような言動を取っているが、ミリアやディズィーのような好みのタイプの女性を見つけるとすぐに口説く女好きな一面もあることから、どこか人間臭く憎めないキャラクターとなっている。また、カイと同列視されることを非常に嫌っており、いつかはカイに勝ちたいと思っているが実力は遠く及ばず、彼に勝てた試しは一度たりともない。
一方のカイ本人は他キャラクターからしょっちゅうロボカイと見間違えられることがあり、ロボカイの蛮行による濡れ衣をかけられることがあり、これが原因で「不愉快な機械人形」と大いに嫌悪している。
一人称は各タイトルによって異なり、GGXでは「我ガ輩」、GGXXでは「吾輩」、Xrdからは「ワシ」となっている。

アバ

tsuru-no-ongaeshi9
tsuru-no-ongaeshi9
@tsuru-no-ongaeshi9

Related Articles関連記事

ギルティギア ゼクス 白銀の迅雷(GUILTY GEAR X)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ギルティギア ゼクス 白銀の迅雷(GUILTY GEAR X)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ギルティギア ゼクス 白銀の迅雷』とは、格闘ゲーム『GUILTY GEAR X』をノベライズ化した、海法紀光によるライトノベル作品。挿絵は『GUILTY GEAR』シリーズの生みの親である石渡太輔が担当している。原作の世界観を見事に小説化しており、海法が『GUILTY GEAR』シリーズのシナリオに携わるきっかけともなった。 国際警察機構長官カイ=キスクは、生体兵器ギアを追ってロンドン近郊に赴く。そこには万能の薬を完成させたと豪語するブラッカード社と、行き場の無い不法移民たちの姿があった。

Read Article

ギルティギア ゼクス 胡蝶と疾風(GUILTY GEAR X)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ギルティギア ゼクス 胡蝶と疾風(GUILTY GEAR X)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ギルティギア ゼクス 胡蝶と疾風』とは、格闘ゲーム『GUILTY GEAR X』をノベライズ化した、海法紀光によるライトノベル作品。挿絵は同シリーズの生みの親である石渡太輔が担当している。小説として再解釈された原作の魅力が存分に描かれており、ノベライズ作品の傑作にして成功例と高く評価されている。 大統領を目指す忍者チップ=ザナフは、ひょんなことから17歳の大統領エリカ=バーソロミューの護衛となる。彼女を狙う犯罪組織を相手に、己の夢と師の仇討ちのため、チップは得意の忍術を駆使して大暴れする。

Read Article

GUILTY GEAR XX(GGXX)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

GUILTY GEAR XX(GGXX)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『GUILTY GEAR XX』とは、アークシステムワークスが2002年に制作しサミーが販売した2D対戦格闘のアーケードゲーム。同年12月にPlayStation 2でも発売された。前作『GUILTY GEAR X』の続編である。ディズィー騒動の数週間ほど後、「終戦管理局」が「ロボカイ」を使い、各地の戦士たちの調査、捕獲、抹殺に動く。その動きに気づいた「スレイヤー」はこのことを戦士たちに伝えるべく各地を移動する。「あの男」に仕える「イノ」は彼の計画を邪魔する存在の排除に動きだす。

Read Article

目次 - Contents