セントールの悩み(A Centaur's Life)のネタバレ解説まとめ

「セントールの悩み」とは、「村山慶」による漫画作品。2011年から「月刊COMICリュウ」で連載を開始し、2017年に絵梦製作でアニメ化。六本肢の生き物が人類に進化した世界観で、上半身が人間で下半身が馬の「人馬」の主人公「君原 姫乃」を中心とした日常を描く。日常物をメインに描き癒し要素や萌え要素も多い作品であるが、差別や戦争などのテーマも含み、ディストピアな印象を残す作風でもある。

『セントールの悩み』の概要

「セントールの悩み」とは、「村山慶」による漫画作品。
第8回龍神賞(銀龍賞)を受賞し、2011年から「月刊COMICリュウ」で連載を開始。
2017年に中国のアニメ会社「絵梦(HAOLINERS STUDIO)」製作でアニメ化した。
第一話放送の前週には、放送直前特番「セントールの悩み 大解剖スペシャル」が放送された。

タイトルの「セントール」とはケンタウロスの英語読みで、ケンタウロスとは上半身が人間で下半身が馬というギリシャ神話に出てくる種族である。
本作の主人公「君原 姫乃」はそんな人馬(ケンタウロス)の女子高校生である。
四本肢の動物ではなく六本肢の動物が人類に進化したという世界観で、現代日本のようで少し違うファンタジーな日常作品。
少し性的な描写や同性愛などの表現も含まれる。
そして所々からディストピアな描写があり、所謂癒し系の日常物とは言い難い作風となっている。

『セントールの悩み』のあらすじ・ストーリー

人類は魚類だった頃の段階で胸ビレ・前腹ビレ・後腹ビレが足へと進化し、体重を支えるのにより優位な六本肢の生態が生き残る。
古代には四本肢の生態もいたが、魚類から両生類に進化した段階で子孫を残さず絶滅した。
そして、竜人・翼人、牧神人・長耳人・角人、人馬・人虎、人魚、南極人、両棲類人などに分類されるようになった。
竜人と翼人は中肢が翼に変わった形態で、翼人は翼に羽毛が生え頭には輪状の毛が生え、竜人の翼は皮膜型で耳は尖り尻尾が生えている。
牧神人・長耳人・角人は、頭から耳が生えている形態で、長耳人には尻尾、角人には角が生え、牧神人は角と尻尾が生え足には蹄がついている。
人馬・人虎は、人馬が上半身は人・下半身が馬で耳は頭から生え、人虎は上半身は人・下半身が虎で頭から耳が生え、人虎は既に絶滅されたとされている。
人魚は中肢と後肢がヒレになった形態で、水中で生活をしている。
南極人は南極に住む、頭が蛇のような人種。
両棲類人は両棲類のような見た目の人種で、四本の腕と一本の尻尾を持っている。

そんな様々な形態を持つ世界で、人馬の主人公「君原 姫乃」は「陽立県立新彼方高等学校」に通っていた。
授業は監視の付いた物々しいもので、姫乃たち学生は人類の進化の歴史を教えられ、形態の違いによる差別をしてはいけないと学ぶ。
時には生命や人権よりも平等が優先されるのである。

姫乃は授業のマラソンで、クラスメイトの友人で竜人の「獄楽 希」、角人の「名楽 羌子」と共に最後尾を走っていた。
人馬である姫乃と運動神経の良い希は疲れていなかったが、運動不足で体力の無い羌子はヘロヘロになってしまっていた。
羌子のペースで進む三人であるが羌子は疲れきってしまい、見かねた姫乃は自分の背(馬の部分)に乗るかと聞くが、羌子はそれはまずいと答える。
人馬は昔、騎獣奴隷にされていたことがあり、現在は人馬に跨る行為は形態差別として捕まってしまうのである。
三人がのろのろと進んでいると、見回りの先生が自転車でやってきて早くゴールしないと昼休みが無くなると注意される。
希の先導で学校までのマラソンコースを外れ近道をして帰るが、そんなズルも空しく学校に到着するのと同時に昼休みの終わるチャイムが鳴るのであった。

姫乃のクラスの学級委員長で翼人の「御魂 真奈美」は、4人の妹と父と暮らし、家の家事を任されていた。
真奈美と真奈美の妹の三つ子「千草」「千奈美」「千穂」と、姫乃と姫乃の従妹「紫乃」は、ある日道でばったりと出会う。
千草たちと紫乃は同い年で友人になった。
真奈美にはさらにもう1人末っ子の「未摘」という妹もいて、未摘は生まれつき体が弱く、寝こみ気味である。
三つ子は真奈美が学校で留守の間は未摘の世話を担当し、家族で協力し合って生活している。
真奈美は真面目で完璧主義者であるが、委員長としての仕事よりも家族を大事にし、女子高生でありながら母親のような風格を持っている。

ある日、姫乃のクラスに南極人の「ケツァルコアトル・サスサススール」が転校してくる。
南極人は哺乳類と交流を始めたのは歴史から見たら最近のことで、日本に来る事はとても珍しく、サスサススールの周りは公安が警備に付いていた。
姫乃は南極人を題材にしたホラー映画の影響で、南極人に苦手意識を持っていたが、サスサススールと友達になったことで克服する。

真奈美やサスサススールも姫乃たちと行動することが多くなり、姫乃たちはそんなごく普通の、何気ない日常を過ごすのであった。

竜人の希(左)、人馬の姫乃(真ん中)、角人の羌子(右)

『セントールの悩み』の世界観

六本肢の生き物が進化した世界であるため、犬も足が六つある。

本作では現実の人間とは少し違う、独自の進化を辿った人類達が存在する。
しかしユダヤ人がいたりナチス軍と思われる軍隊があったり日本があるなど、大まかには同じ所が多数存在する。
だが南極は南極と言う国であり、ブラジルも実際のブラジルとは少し異なる国であり、日本も帝国で授業終わりや映画上映前に国歌斉唱するなど軍隊的な雰囲気があるなど、現実の世界の国と同じ名前であるが文化や歴史が異なる国もある。
過去には人馬が奴隷として乗り物にされていたり、両棲類人が駆除対象になっていたなどの体の違いから起こる形態差別、さらに国と国・国とテロ組織の間で戦争をしてきた歴史がある。
そのため生態差別に極端な積極的格差是正政策(弱者の不利な状況を、歴史や社会環境を鑑みた上で行う改善措置)が行われており、人権や生命よりも平等が優先される。
学校では監視の付いた授業が行われており、生徒達はどのような形態の人類がいるかを学び、形態差別が如何に悪い事かという所を重点に教えられる。
人魚の住む地域には軍隊が護衛に付き、ゴミの不法投棄をすると警告無しで射殺される。
形態差別罪を行うと、実質死刑と同じである「思想矯正所」に送られる。
思想矯正所とは更生施設で、「平等と人道に対する罪」で収容される。しかしこの施設に送られる人は強い差別意識や差別の伴う宗教を持っていることから、一度入ると二度と出てこられないといわれている。
作中でも、マラソン中に疲れた羌子を見かねて姫乃が自分の背中に乗るかと聞くが、人馬に跨る行為は差別にあたり、思想矯正所行きだという話が出た。
一般女子高校生の会話の中でもその様な話が出る程、これらの歴史や文化は彼女達の日常に根付いた物なのである。
日常作品であるが、こういった要素が本作がディストピア的と言われる要因である。

翼人/竜人型

翼人(左)、竜人(右)

中肢が翼になった形態。
翼人は羽毛の生えた翼を持ち、頭には天使の輪のような髪が生えている。
この輪になった髪を切り落としてしまうと形態差別になり、捕まってしまう。
竜人は羽毛のない羽を持ち、細長い尻尾と尖った耳が生えている。
一見、天使と悪魔のような形態。

長耳人/角人/牧神人型

長耳人(一番左)、角人(右から二人目)、牧神人(右から三人目)

中肢が退化して痕跡のみとなり、頭から耳が生えた生態。
角人は角があり、長耳人は尻尾があり、牧神人は尻尾と角と蹄の付いた足がある。
ちなみに牧神というのはギリシャ神話の牧神パーンから来ていて、パーンは上半身が人で下半身は二本足であるが蹄のついた馬のような形になっている半人半獣。

人馬/人虎型

人馬

上半身が人、下半身が馬・虎で、頭から耳が生えた形態。
人虎は絶滅されたとされているが、コミックでは南極人が復活させた人虎が存在する。
人馬は高い身体能力を持ち、日本では武家であったが、西欧ではフランス革命まで騎獣の代わりの奴隷になっていた。
そのため現在は人馬に騎乗する行為は生態差別となり、固く禁じられている。

人魚型

人魚

中肢と下肢がヒレになり、水中での生活に特化した形態。
男女共に人魚たちだけの時は上半身を隠さない生活をしており、男性人魚は同属の女性の上半身を見ても特になんとも思わない。
しかし陸で生活する人々の前に現れる時はちゃんと服を着る。
人魚たちは自分達以外の陸で生活する生態を「山人」と呼ぶ。
目が大きくグラマラスな女性が多い。
女性キャラの上半身が露になっている時は、謎の白い光によって規制が入る。

南極人

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