ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

往年の人気TVシリーズを、トム・クルーズ製作・主演、「Mr.インクレディブル」のブラッド・バード監督で映画化した大ヒット・アクションシリーズ第4弾。前作から5年後の2011年、日米同時公開。爆弾テロ犯の濡れ衣を着せられたイーサン・ハントとそのチームが、組織の後ろ盾を失いながらも事件の黒幕を突き止めるべく世界を股に過酷なミッションに挑む姿を圧倒的なスケールで描き出す。

発射コードの情報を持っている女殺し屋モローとヘンドリクスの部下が取引をする場所はドバイにある世界一高いビル、ブルジュ・ハリーファ。モローから発射コードを手に入れ、偽のコードをヘンドリクスに掴ませるという作戦を計画し、ドバイに先回りしたイーサンチームは計画の準備を始める。だがブルジュ・ハリーファは最新鋭のセキュリティで守られており、セキュリティを破らなければ作戦を始めることが出来ない。結局イーサンが特殊な吸盤装置が付いたグローブを使ってビルの窓外からよじ登り、130階にあるサーバールームへ外から侵入することになるのだった。

映画でも最大の見所となるこのシーンは、実際に世界一の高層ビル、ブルジュ・ハリーファで行われている。
ヘリコプターや部屋から伸びるクレーンカメラを使用し、トム・クルーズは命綱こそ付けているが、ビルの側面を走って移動したり、部屋からダイブしたりと、通常では考えられないようなスタントをこなした。
ブラッド・バード監督はこの撮影について、「大きなアクシデントが起こらなくてホッとした。撮影用のヘリコプターがなかなか来なくて、トムがビルの角で宙吊りになりながら待っている時、ブルジュ・ハリーファの観光客がトムに気がついて自分のビデオで撮ってしまった。でも、このビデオのお陰で、CGだという噂を否定する証拠になった」と自信を持って語っている。

猛烈な砂嵐の中で視界ゼロの追跡アクション

ブルジュ・ハリーファでの計画に失敗したイーサンは、エレベーターで早々に退散したヘンドリクスの部下をビルの外へと追い掛ける。外では猛烈な砂嵐が近付いて来て、走るイーサンをアッという間に飲み込んでしまう。視界ゼロの中を発信器を頼りに必死のデッドヒートを繰り広げるイーサンだったが、結局逃げられてしまうのだった。

このシーンでは、中東にある奇跡の町の知られざる一面を見せてくれる。サウジアラビア、バーレーン、カタールなど砂漠の多いこの地域でその砂が風によって猛烈な砂嵐となるのは日常の事なのだが、実際の砂嵐の中では視界が悪すぎてとても撮影することは不可能である。そのため、シーン毎に実際の色と同じ砂を大量に使用し、大型扇風機で飛ばしながら撮影している。

パーキングタワーでの壮絶な一騎打ち

ヘンドリクスの持っているミサイル発射制御装置の操作でミサイルの核弾頭を無効にしなければならない。ミサイル発射制御装置が内蔵されたブリーフケースを持って逃げるヘンドリクスを追うイーサン。そして、大きな円型のパーキングタワーに逃げ込んだヘンドリクスに追い着くと2人は、昇降するパーキングの中で、殴り合いながら激しくブリーフケースを奪い合う。

イーサンとヘンドリックスのクライマックスでの攻防は、アクションを計算しながら実写とCGを合成し、パレットに載った車が上下左右に移動する立体駐車場を縦横無尽のカメラワークによって見事に作り出している。

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

本作のイーサンは銃を使用しない

シリーズを通して必ずベレッタの拳銃を携行して愛用していたイーサン・ハント。本作では一度も使用しておらず、麻酔弾以外の銃器を一度も発砲していない。
因みにブラントがボディガードの拳銃を一瞬で分解してしまうシーンがあるが、その銃がベレッタの拳銃である。

「47」という数字

プロデューサーであるJ・J・エイブラムスの作品には「47」という数字が頻繁に登場するらしい。
本作でも、イーサンとブラントが乗る緑の列車の番号、ラストに出てくる店の名前で使用されている。こういう小ネタもシリーズの楽しみの一つである。

登場する車へのこだわり

BMWがメイン・オートモーティブ・パートナーであり、本編中のイーサン・ハントが運転する車3台は全てBMWである。また、BMWの新型である6シリーズやi8などが登場している。
また、クライマックスのインドのシーンでは、光岡・ビュート、日産・エスカルゴ、マツダ・キャロルといった、日本でしか販売されていなかった車も登場している。

007張りのガジェットアイテムの数々

ブラッド・バード監督は、CGアニメーション監督の経験からか、過去3作と比べてCGが多用されているが、007シリーズを彷彿とさせるような様々なガジェットも登場。高性能スマートフォン、CG背景偽造装置、カメラ機能付きコンタクトレンズ、壁面吸着グローブなど、インターネット全盛の時代となった今、実現可能な魅力的なガジェットが次々登場するのも楽しめる。

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の関連映像

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