マンガで読む第二次世界大戦

8月15日―この国に住む人々にとって忘れられない出来事であったはずの長い夏の一日は、歴史という文字の中に消えようとしています。しかし、様々なメディアで語り伝えて残そうとする試みは今も続いています。戦後70年の今、あの日あの時の記憶をマンガで辿ってみませんか?

夕凪の街 桜の国

この作品を読んだときの衝撃は、今も忘れられません。
原爆の恐ろしい記憶を胸の奥深くに押し込め、懸命に
生きていた1人の女性。悲劇を乗り越えささやかな
幸福を見いだそうとしていた矢先、その小さな幸せ
すらもぎ取られてしまいます。

2004年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、
2005年手塚治虫文化賞新生賞受賞。

虹色のトロツキー

幼い頃に両親と自らの記憶を失った日蒙ハーフの青年ウムボルト。
憲兵に捕まり拷問を受けますが、関東軍の辻政信に助けられ
日本統治下の満州に立てられた建国大学に入学します。
第二次大戦下の旧満州を舞台に、日本軍の政治的策略に
巻き込まれる青年の運命を描きます。

cocoon

憧れも、初恋も、爆撃も、死も。

シマいちばんの女学校に通う主人公・サンらは、
クラスメイトとともに学徒隊として戦地に赴く。
戦況の悪化とともに、ひとり、またひとりと仲間を喪っていく中、
世界の凄惨さと自己の少女性との狭間でサンは……。

酸鼻を極めた沖縄戦が舞台になっています。
ふんわりと優しい絵柄なのに、描かれる世界はどれもみな残酷で
哀しい。

総員玉砕せよ!

「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な、水木しげるの従軍記です。

昭和20年3月3日、南太平洋・ニューブリテン島の
バイエンを死守する、日本軍将兵に残された道は何か。
アメリカ軍の上陸を迎えて、500人の運命は玉砕しかないのか
。聖ジョージ岬の悲劇を、自らの戦争体験に重ねて活写する。
戦争の無意味さ、悲惨さを迫真のタッチで、
生々しく訴える感動の長篇コミック。

南京路に花吹雪

舞台は1930年代半ばの上海。日本人の青年・本郷と
日中ハーフの少年・黄子満との運命的な出会いとその後の
二人に訪れる葛藤の物語。80年代の少女雑誌「LaLa」の
黄金期に連載された戦争アクションの最高傑作です。
中国を侵略した日本と、利権を狙う諸外国。
描かれるのは単純な勧善懲悪ではありません。
「本当の敵」とは何なのか?何のために人は
戦うのか?続編の「Shang‐hai l945」と併せて
今こそ読んで欲しい名作です。

凍りの掌

著者の実父のシベリア抑留体験と、同じ経験をした人々の取材記録を
元にして同人誌として出版されたマンガです。口コミで評判を呼び、
1冊に纏められたのが本書。2015年に、新装版も発行予定です。

小澤昌一は東洋大学予科生。東京・本郷の下宿先で銃後の
暮らしの中にいた。戦況が悪化する昭和20年1月末、
突然名古屋から父が上京し、直接手渡された臨時召集令状。
北満州へ送られた後、上官から停戦命令の通達、
すなわち終戦を知らされる。
実弾を撃つことなく終わった戦争だったが、
その後ソ連領の大地を北に向かわされ、ついにシベリアの荒野へ。
待っていたのは粗末な収容所と、地獄のような重労働だった。

とんとん
とんとん
@tonton

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