モンスターVSエイリアン(Monsters vs. Aliens)のネタバレ解説まとめ

「モンスターVSエイリアン(Monsters vs. Aliens)」とは、謎の隕石に直撃され突然巨大化した人間のヒロインが、ゼラチン質モンスター、半猿半魚生物、遺伝子組み換え実験で半分ゴキブリとなった天才科学者等と共に、地球を襲ってきたエイリアンとバトルを繰り広げる、50年代モンスター映画へのオマージュとヒットSF映画のパロディ満載の痛快アニメーション映画。09年・ドリームワークス製作。

ボブの元ネタとなったのが「マックィーンの絶対の危機」。
アメリカの田舎町のはずれに隕石が落下し、そこに付着していたアメーバ状の生物が人間を次々と吸収し巨大化していくカルトSFホラーで、後に大スターとなったスティーブ・マックィーンの映画初主演作。
スライム状のモンスターが映画館いっぱいに膨張し、建物の隙間から溢れ出すファンの間では有名な場面が、「モンスターVSエイリアン」にもちらりと登場する。
73年に続編「悪魔のエイリアン」(テレビ放映タイトル「SF/人喰いアメーバの恐怖NO2」)、88年にSFXを駆使したリメイク作「ブロブ/宇宙からの不明物体」が作られている。

『蠅男の恐怖(The Fly)』(58年)

コックローチ博士の元ネタが「蠅男の恐怖」。日本劇場未公開でテレビ放映された(放映時タイトル「ハエ男の恐怖」)。
電送装置を開発した科学者が、自ら人体実験を行ったが、そのとき装置の中に一匹の蠅が紛れ込んだことから科学者は頭部が蠅のおぞましい姿になってしまうSFホラーの古典。
科学者の兄を演じたヴィンセント・プライスを主演に「蠅男の逆襲」(59年)、「蠅男の呪い」(65年)が作られたがいずれも日本劇場未公開。86年にはデヴィッド・クローネンバーグ監督によるリメイク作「ザ・フライ」が作られヒットした。

「蠅男の恐怖」スチール

『大アマゾンの半魚人』(54年)

ミッシング・リンクの元ネタが「大アマゾンの半魚人」。
アマゾン川で水掻きの付いた手形の化石が見つかり、現地に赴いた調査隊が半魚人に遭遇するSFホラー映画。青赤のアナグリフ方式の3D映画として作られたが日本では普通版で公開された。
半魚人のモンスター・スーツが人気を呼んでアメリカではヒットし、続編「半魚人の逆襲」が同じ年に作られ、日本では短縮版で公開された。シリーズ3作目「THE CREATURE WALKS AMONG US」は日本未公開。

『モスラ』(61年)

ムシザウルスの元ネタの「モスラ」。
「モスラ」では、南太平洋にあるインファント島の守護神の巨大蛾だったが、「モンスターVSエイリアン」では放射能を浴びて巨大化しており、東京で暴れるなど、ゴジラなどの設定も加味している。

『モンスターVSエイリアン』の見どころ

「スタートレック/宇宙大作戦」のスポックよろしく、バルカン式挨拶をするハザウェイ大統領

ドリームワークス・アニメーションのCEOだったジェフリー・カッツェンバーグは、「ディズニーは子供と、大人の中にある子供心に向けて映画を作るが、ドリームワークスは大人と、子供の中にある大人心に向けて映画を作る」と語っているが、この「モンスターVSエイリアン」も、その意向通り、子供が楽しめるのはもちろんだが、むしろ大人を対象にした映画作りに徹しているような印象がある。
50年代のカルトなモンスター達が主人公ってことで、一昔前のB級SF&ホラーに親しんだ映画ファンをニンマリとさせるし、SF系のヒット映画のパロディがたっぷりと詰め込まれていて、子供に分かるんだろうかと思ってしまうくらいだ。
ハザウェイ大統領が、エイリアンの巨大探査ロボットと接触を試みようとする場面では、「スタートレック/宇宙大作戦」のスポックもどきのバルカン式挨拶をするし、「未知との遭遇」でエイリアンとの出会いの時に奏でたメロディーをキーボードで弾くし、「E.T.」チックに指先同士を触れあわせようとまでする。ついでに大統領は、調子に乗って「ビバリーヒルズ・コップ」のテーマ曲も演奏してしまう。
映画オープニングのDREAMWORKS ANITION SKGの少年が三日月に釣竿を垂らしているロゴタイトルじゃ、突如クラシックな形のUFO(空飛ぶ円盤)が少年の頭上に現れ、彼を吸い上げてしまうが、円盤の形が、レイ・ハリーハウゼンが特撮を担当した「世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す」(56)に似ている。ティム・バートンの「マーズ・アタック!」(96)にも似たような円盤が登場した。
他にも、アメリカ人なら分かる映画ネタを含め、様々なパロディが散りばめられているようだ。
とにかく、そんな50年代のモンスター映画へのオマージュやヒット映画のパロディが、この作品の見どころというか楽しみどころと言える。

ところで、「モンスターVSエイリアン」の監督の1人、ロブ・レターマンが「ポケット・モンスター」の実写映画版の監督になることが2016年12月に発表されたそうで、任天堂が2016年にニンテンドー3DSシリーズ向けにリリースしたゲーム「名探偵ピカチュウ~新コンビ誕生」をベースにした物語になるらしい。詳細はまだ不明だが、ひょっとしたら、レターマン監督だけに今度は様々なヒット・ゲームのパロディが登場するかもしれない。

ドリームワークス・ロゴの三日月に乗った少年がUFOにさらわれるオープニング

『モンスターVSエイリアン』の名シーン・名場面

ゴールデン・ゲート・ブリッジでのモンスターとエイリアン巨大ロボットのバトル

巨大ロボットに立ち向かうムシザウルス

地球に襲来したエイリアンの巨大ロボットとモンスター達のゴールデンブリッジでのバトルが、アニメならでは手法でスピーディーかつダイナミックに描かれ、スケール感たっぷりの名アクション・シーンとなっている。
スーザン、ムシザウルス、コックローチ博士、ボブそれぞれの特質や戦闘能力も上手く描きこまれ、アクションに弾みをつけてるところも見逃せない。
最後に、巨大ロボットが折れた橋柱に真っ二つに破壊されるところも痛快だ。

エイリアンの巨大ロボットの攻撃を必死にかわそうとするジャイノミカことスーザン

宇宙船内でのモンスターとエイリアン軍団とのバトル

スーザン救助のために宇宙船に侵入し、クローン・エイリアンに化けたボブ、ミッシング・リンク、コックローチ博士

エイリアンにさらわれたスーザンを取り戻すために宇宙船に侵入したコックローチ博士やボブ達と、エイリアンのクローン軍団とのバトルは、軍団との遭遇からスーザンと共に脱出するまでが、ユーモアとアクションを巧みにミックスしてハイテンポで描かれ、ワクワク感いっぱいだ。
一度は普通の大きさに戻ったスーザンが、仲間のために再び巨大女となる心意気にもグッとくるし、爆発寸前の宇宙船から真っ逆さまに落ちたところを、W.R.モンガー将軍を乗せた羽根が生えたムシザウルスがナイス・タイミングでキャッチするところは、思わず拍手したくなってくる。

仲間のモンスター達の助けるため、せっかく普通サイズに戻れたのに、意を決して再び巨大女となったスーザン

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