モンスターVSエイリアン(アニメ映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「モンスターVSエイリアン(Monsters vs. Aliens)」とは、謎の隕石に直撃され突然巨大化した人間のヒロインが、ゼラチン質モンスター、半猿半魚生物、遺伝子組み換え実験で半分ゴキブリとなった天才科学者等と共に、地球を襲ってきたエイリアンとバトルを繰り広げる、50年代モンスター映画へのオマージュとヒットSF映画のパロディ満載の痛快アニメーション映画。09年・ドリームワークス製作。

W.R.モンガー将軍(声:キーファー・サザーランド、日本語吹替:山路和弘)

スーザンやコックローチ博士達を収容している軍の秘密基地の責任者。
エイリアンの巨大ロボットが地球に現れたとき、この時を待ってましたとばかり、大統領にモンスターの出動を進言する。
根っからの軍人気質で、さらわれたスーザン救出にモンスターたちが向かうときは、彼らに敬意を表して敬礼するなど律義なところがある。

ギャラクサー(声:レイン・ウィルソン、日本語吹替:青山穣)

スーザンの体内に取り込まれた宇宙最強のパワーを持つクアントニウムを狙い、ついでに地球侵略を目論むエイリアン。
クローン製造マシーンで自分の分身による軍隊をつくり、着々と地球侵略に取りかかるが、コックローチ博士やモンスター達の活躍で、目的を果たせぬまま宇宙船と共に大空に散っていく。

デレク・ディートル(声:ポール・ラッド、日本語吹替:小川輝晃)

スーザンの婚約者のテレビ・キャスター。
スーザンが巨大化したとたん、そんな君と一緒になれないと態度をころりと変え、彼女を見放してしまう身勝手な男。でもって、スーザンやモンスター達がエイリアンから地球を救い英雄となったら、出世のために彼女とヨリを戻そうとする態度にスーザンもうんざりし、指で弾き飛ばされてしまう。

ハザウェイ大統領(声:スティーブン・コルバート、日本語吹替:森川智之)

いい加減で頼りないアメリカ大統領。
政府の作戦会議室に、核ミサイル発射のボタンと全く同じ形のカフェラテを注ぐボタンを並べて作り、間違って核ミサイルのボタンを押しかけることもあり、そのたびに議員たちに注意される。
どうも慎重さに欠けており、エイリアンを倒した後始末の会議で、ほんとに核ミサイルのボタンを押してしまうオマヌケぶり(エンドクレジットの途中に登場)。

『モンスターVSエイリアン』に登場するモンスター達の元ネタ映画

『妖怪巨大女(ATTACK OF THE 50 FT. WOMAN)』(58年)

ジャイノミカことスーザンの元ネタが「妖怪巨大女」。日本では劇場未公開で、テレビ放映されたのみ。
宇宙船に乗って地球にやって来た巨大宇宙人に巨大化させられた人妻が、浮気な夫と彼の愛人を殺し、自分も高圧電線の変圧器の爆発で死んでしまうというストーリー。
監督は、レイ・ハリーハウゼンが特撮を手掛けた「地球へ2000万マイル」のネイザン・ジュランがネイザン・ハーツの別称で担当している。
映画の出来はひどいらしいが、ビキニ姿で動く巨大女というキャラクターがカルト的人気となり、後にリメイク作「ダリル・ハンナのジャイアント・ウーマン」(93年)が作られた。

『マックィーンの絶対の危機(BLOB)』(58年)

ボブの元ネタとなったのが「マックィーンの絶対の危機」。
アメリカの田舎町のはずれに隕石が落下し、そこに付着していたアメーバ状の生物が人間を次々と吸収し巨大化していくカルトSFホラーで、後に大スターとなったスティーブ・マックィーンの映画初主演作。
スライム状のモンスターが映画館いっぱいに膨張し、建物の隙間から溢れ出すファンの間では有名な場面が、「モンスターVSエイリアン」にもちらりと登場する。
73年に続編「悪魔のエイリアン」(テレビ放映タイトル「SF/人喰いアメーバの恐怖NO2」)、88年にSFXを駆使したリメイク作「ブロブ/宇宙からの不明物体」が作られている。

『蠅男の恐怖(The Fly)』(58年)

コックローチ博士の元ネタが「蠅男の恐怖」。日本劇場未公開でテレビ放映された(放映時タイトル「ハエ男の恐怖」)。
電送装置を開発した科学者が、自ら人体実験を行ったが、そのとき装置の中に一匹の蠅が紛れ込んだことから科学者は頭部が蠅のおぞましい姿になってしまうSFホラーの古典。
科学者の兄を演じたヴィンセント・プライスを主演に「蠅男の逆襲」(59年)、「蠅男の呪い」(65年)が作られたがいずれも日本劇場未公開。86年にはデヴィッド・クローネンバーグ監督によるリメイク作「ザ・フライ」が作られヒットした。

「蠅男の恐怖」スチール

『大アマゾンの半魚人』(54年)

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