うそカノ(Uso Kano)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『うそカノ』とは、林みかせによる少女漫画作品。2013年2月号より白泉社「LaLa」に連載中。
片想い中の入谷くんが「彼女のふりをしてくれる人=うそカノ」を探していると知り、すばるが思わず立候補する。いつかはホントの彼女になりたいと願うすばるの恋の行方を描く。

すばるは和久井にうそカノを頼まれた。妹トモの中学時代の同級生・栗山楓がトモを和久井の彼女と勘違いし、和久井にトモを非難するメールを送ってくるらしい。困った和久井は楓に自分の彼女はトモではなく姉のすばると言ってしまった。トモにも危害が及ぶかも知れないと危惧したすばるは和久井のうそカノとして楓と会うことになった。トモは無関係だと証明するために、必死に和久井といちゃつこうと頑張るが、すばるの嘘くさい演技に楓は騙されない。和久井の好きなとこを聞いても薄っぺらい回答しか出せないすばるを疑い、すばるより自分の方が良いと言い出す始末。和久井にはっきりと断られ逆上した楓は目の前でキスしてくれたら2人は付き合っていると認めると言う。
人前ではしない、とすばるは断るが和久井はすばるの頭を引き寄せた。もう少しで唇が重なる瞬間、2人の間に入谷が現れた。
入谷はBL設定を作り渾身の演技で「和久井の彼氏は自分」と言うが、入谷の思惑に気づかないすばるは和久井に入谷を取られると勘違いし、自分の演技を続ける。場がめちゃくちゃになったところで、トモが和久井の彼女ではないと納得し、楓は帰っていった。

入谷は、和久井のために短いスカートを履き、逐一連絡すると言いながら一つも寄越さない事、和久井にキスされそうになったことなどすばるに怒りをぶつけ、「いい加減にしてよ、…本番は俺とするんでしょ?」と、すばるの唇や頬を確認し「さっき、触れられてないよね、よかった」と独占欲を顕にした。キュンとするセリフがたまらない名言。

引用:うそカノ 3巻

「好きだよ すばる」 和久井がすばるに告白するシーン

普通科のスポーツ対抗クラスマッチの日、すばるはバドミントン、和久井はバスケに出場する。すばるは入谷相手に練習してみたものの、初戦敗退。和久井はバスケで大活躍し決勝まで進むことになった。
昼休み、階段でふざける男子が足を踏み外し落ちてきた。向かう先はすばる。咄嗟に和久井は手を伸ばし、男子生徒を受け止めた。その事で和久井は手首を負傷するが、クラスの皆の期待に応えるため、怪我を隠して試合に出場した。すばるはそれに気づき、試合後和久井を保健室に連れて行き、手当をした。和久井が隠していた怪我を見抜き、皆のために無理をするのではなく、ちゃんと自分も大事にしろと言い、庇ったことに対する礼を言うすばる。不器用ながらも一生懸命に和久井を手当するすばるの姿に和久井は想いが溢れ、「好きだよ すばる お前のことが好きだ」と真剣に告白した。

幼い頃から自分が守ってきた、誰よりも近くにいて大切にしていたすばる。自分はすばるにとって特別だと思っていたからこそ、行動が遅くなってしまった。知らないうちに入谷に奪われ諦めきれずにちょっかいを出してみた。すばるの気持ちは解っているけれど言わずにはいられなかった。今まで和久井の告白をただのからかいと受け止めていたすばるも、今回の告白は本気だと受け止めた。
長い付き合いだからこそ、告白で関係が変わることに不安はある。それを乗り越え一歩進みたいと踏み出した和久井の告白。切なくなる名シーン。

引用:うそカノ 5巻

すばるが和久井に返事をするシーン

クラスマッチの日、和久井に告白された。今までのようにからかい半分ではなく、真剣に言われ、考えてくれと言われた。すばるの気持ちは入谷一筋。それは変わらないけれど、今まで自分が和久井の優しさにどれだけ甘えていたのか、鈍感で無神経だったかすばるは痛感した。だから中途半端にせず、きちんと和久井に返事をした。この街でできた大切な一番の友達を失くす覚悟で、「今までずっと優しくしてくれてありがとう」と告げた。

すばるの泣き出す直前のような強ばった表情と、何もかもわかっていたかのような和久井の切ない笑顔が印象的な名シーン。

引用:うそカノ 5巻

着ぐるみバイト中、酔っぱらいに絡まれたすばるを入谷が助けるシーン。

入谷にクリスマスプレゼントを渡したくて、バイトを始めたすばる。入谷は25日から年明け6日までパリに行くらしい。旅行準備で入谷は忙しいだろうとすばるは遠慮して24日もバイトに頑張っていた。着ぐるみバイトは子供たちに大人気。手を掴まれたり抱きつかれたり子供たちに絡まれてしまう。キャラクターの「バタ郎」は、基本「バター」しか言えないし、膝上から足を出しているので冬にはなかなか辛い仕事だ。
もう少しでバイトが終わる、という頃、酔っぱらいがすばるの足を見て「女の子の足だー」と触ってきた。引っ張られて倒れてしまったすばるの前に、酔っぱらいを蹴り飛ばした入谷が現れた。入谷は着ぐるみの中身がすばると気づいて、すばるがバイト中、ずっと見守っていたのだ。
すばるのむき出しの足に長い靴下を履かせ足をカバーすると、「かわいいのに無防備すぎ」とすばるを叱った。

すばるの頑張りを影から見守り、男性の視線を奪うすばるの足にカバーする。入谷の優しさや独占欲が伝わる名シーン。

引用:うそカノ 7巻

入谷がすばるに初めて好きだと告白したシーン。

3泊4日の北海道への修学旅行。入谷に一度も好きと言われていないすばるは本物の彼女なのか、いまいち自信がもてない。入谷の家にホームステイしているジェシカに相談すると色気が足りないといろいろアドバイスをもらった。入谷の前で実践してみても効果は無し。むしろ「ボタン留め忘れてる」と注意されてしまった。入谷に好きと言ってもらえたら本物の彼女になれたんだと思える。そう考えたすばるは言われるのを待っていても仕方がないと、自分から告白し、入谷から返事をもらおうと考えた。
入谷に告白し、どう思っているかを言葉にして欲しいと頼むと、入谷は少し時間が欲しいと答えた。
そんなに難しい質問だったかと落ち込むすばる。自由時間、王様ゲームで遊んでいたら入谷がすばるに会いにやってきた。ゲームの途中だから入谷もゲームに参加しろと無理やり王様ゲームに参加させられた入谷は、「王様だーれだ」の言葉に「俺」と言い、王様の言うことは絶対だとすばるを無理やり外に連れ出してしまった。本当の王様は和久井。入谷の強引なやり方に和久井は苦笑するしかなかった。
すばるを外に連れ出した入谷は「好きだよ、俺も神宮寺さんのことちゃんと好きだよ」と自分の気持ちを言葉にしてすばるに伝えた。

傍から見ていれば入谷の態度はわかりやすく、すばるを大切にしていることも好きなこともきちんと分かるのだが、当事者のすばるは言葉にしてもらえないことで不安を持ってしまっていた。入谷の言葉をもらい、泣き出してしまったすばる。気持が伝わっていなかったことに驚く入谷は言葉の大切さを痛感した。ともかく、2人の気持ちは通じ合い、すばる曰く本物の彼女になった。

クールで照れ屋な入谷が、すばるに分かる言葉ですばるに思いを伝えた名シーン。

引用:うそカノ 8巻

時田が頑なだったトモの気持ちを吐き出させるシーン

すばるの妹・トモはシスコンで、ちょっとおっとりしている姉・すばるをいつも案じていた。転校してきた時、クラスに馴染めないすばるをクラスの輪の中に入れてくれたのは和久井だった。いつだってすばるを一番近くで見守っていた優しくてかっこいい大好きな先輩。大好きな姉と大好きな先輩がくっついてくれると信じていた。
しかし、すばるが選んだ相手は入谷。うそカノなんてものを頼む入谷が信用できず、信頼できる和久井にすばるを奪えとけしかけた。しかし、時が経ち、すばると入谷は完全な両思い。今では入谷がすばるを大切にしているとちゃんと理解できているし、和久井が簡単にすばるを諦めたわけではないということも判っている。頭ではどうしていいのか判っているのに、気持ちに折り合いがつかないで落ち込んでしまう。
そんなトモを心配したトモに想いを寄せている時田は、誰もいない場所でトモの気持ちを吐き出させようと歩道橋の上に呼び出した。「トモさんが本心を言えるのは僕しかいないよ、頭ではもうどうすべきかちゃんと判ってるんでしょ、それでも気持ちに折り合いをつけられないなら手を貸すから」と時田は言った。やっぱりすばるの相手には和久井がいいと泣くトモに時田は、皆痛みをこらえながら前に進んでいるのだから、トモも前に進めと励ました。

何度トモに好きだといってもトモからは嫌われる一方だったが、それでも諦めず好きな子は自分で幸せにしたいとトモに関わり続けた時田。意地っ張りで頑なで不器用で、そんなところがとても可愛いトモが前に進めるように優しく手を貸した時田のおかげでトモも気持ちがすっきりし前に進もうと考えることができた。

時田のトモに対する優しさが伝わる名シーン。

引用:うそカノ 9巻

3esugi-07
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