魔法陣グルグル(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『魔法陣グルグル』とは1992年から2003年まで月間ガンガン(エニックス出版、現在のスクエア・エニックス出版)に掲載された衛藤ヒロユキによるギャグファンタジー漫画。本作を原作としたアニメ、ゲーム、スピンオフ作品が多数存在する。
舞台はドラゴンクエスト風ファンタジー世界。なりゆきで勇者となった少年ニケ、伝説の魔法「グルグル」を使う少女ククリが、さまざまな試練を「ギャグ」で乗り越えて行く姿を描く。

『魔法陣グルグル』の名作回

「キタの町1、2」 1巻 5章6章

スピンオフの主人公にまでなった、キタキタおやじ初登場の回。
勇者ニケ、魔法使いククリの旅で最初に到着した町がキタの町。その町はモンスターに呪いをかけられており、霧がかかり、草が茂り、荒れていた。
そんな中、突如現れたのがキタキタおやじ。
襲撃してきたモンスターに「わしが勇者だ!」と踊りで立ち向かうも全く役に立たなかった。
しかも人質として(ククリら女の子のついでに)さらわれる。
1巻の時点で濃いギャグキャラクターとして登場し、最後の魔王ギリとの決戦まで踊り続けた、キタキタおやじの衝撃的な登場回。

「100話記念オマケマンガ」 11巻

全16巻、アニメ化もされ1200万部以上も売れた大人気作『魔法陣グルグル』、その制作秘話がこの『記念オマケマンガ』。
作者の衛藤ヒロユキ自らがキャラクターで登場し、『魔法陣グルグル』の制作現場からプロットまで公開している。
制作現場は「紙、イス、筆記用具」のみ。プロットは「RPG風ギャグ 内容=なんかこう グルグルなかんじ」だけ。

しかし、そこから生まれたのが『魔法陣グルグル』だ。

衛藤ヒロユキ自身が「データ化できないもの。よくわからないもの。そういうものを書きたい!」と熱く語っており、『魔法陣グルグル』の根本的な部分が見えてくる。そんな贅沢なオマケ回。

「天界へのパスポート2」 16巻 157章

勇者ニケ、魔法使いククリと魔王ギリとの最終決戦。そこで魔王ギリを打ち倒し、ククリはついにニケに告白。1章から続いた二人の旅がここで終わる。
こののち、世界は再び平和になる。二人は天界へ行き、ククリは死別したパパ、ママに会える。
ギャグ漫画の最後の最後はククリの真剣な告白だった。

『魔法陣グルグル』は文句なしの大円団で幕を閉じる。

だが、平和で安全な天界は退屈で、ニケとククリにはものたりない。
二人はミグミグ族の生き残りと下界に戻り、かつての仲間たちと合流し学生になる。
そして魔王ギリはたった2週間で復活し、『魔法陣グルグル2』へと物語は繋がって行く。

『魔法陣グルグル』の名言・名セリフ

「ハァ~さっぱり、さっぱり!」

本作では「さっぱり」な場面ではメタ的に「さっぱり妖精」なるキャラが登場し、「ハァ~さっぱり、さっぱり!」とツッコミを入れる。
しかしこの姿は作中の人物には見えず、さっぱりである。
ただしグルグル使いだけは別で、「さっぱり妖精召喚」で任意に呼び出し、相手の頭上でさっぱり妖精を踊らせることにより、何をやってもさっぱりダメな意識にし、相手を無力化できる。

「勇者様」

ヒロインのククリは会ったこともない勇者ニケに、最初からベタ惚れをしていた。これはジミナ村で魔法オババとほぼ軟禁状態で暮らしており、ククリが魔法オババの家を出られるのは勇者が迎えに来た時だけ、と言われていたことが一因。
ただし実際にニケに出会ってからは、より強く慕い、「勇者様」と呼び始める。『魔法陣グルグル』は全巻を通し、ニケとククリの恋愛物語でもある。
ククリのかなり一方的な恋心がギャグとして、また終盤には魔王ギリ打倒の鍵として描かれている。

「意味のない行動」

「ただし魔法は尻から出る」「ザムディン!!」「ギャップリャ!」など名言・珍言が多い本作。
しかし全て「意味のない行動」だ。
センス抜群のギャグで笑えるのだが「意味はない」。

『魔法陣グルグル』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ドラゴンクエスト四コマ漫画劇場

作者の衛藤ヒロユキは大ヒットRPGゲーム『ドラゴンクエスト』のパロディ漫画『ドラゴンクエスト四コマ漫画劇場』出身作家。
本作『魔法陣グルグル』の随所に(ナレーター・ウィンドウで、ドラゴンクエスト風の「魔物が現れた!」「アイテムを手に入れた」等を出す)などRPGの影響が見られる。
そもそもプロットの「勇者が魔王を倒す旅」はドラゴンクエスト。

四コマ漫画劇場出身作家には、『南国少年パプワくん』の柴田亜美や、『まもって守護月天!』の桜野みねね、『ロトの紋章』の藤原カムイがいる。

スピンオフ漫画と続編

『魔法陣グルグル』の連載開始は1992年。完結は2003年で1200万部を売り上げている。
その人気は根強く、のちにキタキタおやじを主人公としたスピンオフ漫画『舞勇伝キタキタ』が2008年から連載開始。
さらに2012年には『魔法陣グルグル2』が連載開始された。
稀に見る長寿漫画である。

TVアニメ化は3回、劇場アニメ化も

Yamamoto
Yamamoto
@Yamamoto

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