ゴルゴ13(Golgo 13)のネタバレ解説まとめ

小学館『ビッグコミック』で連載している最長寿の部類に入る漫画及びそれを原作としたアニメ作品。基本的に主要キャラはゴルゴ13(デューク・東郷)のみで1話完結。世界中を舞台に、不可能に近い依頼を請け負い、必ず達成させる超A級スナイパー「ゴルゴ13(デューク・東郷)」。如何にして“不可能”を可能にするのか?予測のつかない鮮やかな狙撃と一弾が世界を動かす。

『ゴルゴ13』概要

さいとう・たかを(さいとう・プロ)による1968年から小学館「ビッグコミック」にて連載されている作品で、連載は今までで一度も休載されたことは無い(現時点2017年)。超A級スナイパー、ゴルゴ13(デューク・東郷)が世界中を舞台に依頼を請け負うわけだが、その舞台は非常に幅広く、国家機関の裏側・国際情勢・政治・戦争地帯・ゲリラ活動・テロリズム・犯罪組織・最新テクノロジー・企業活動・スポーツ・芸術・文化など多岐に渡り、中には実際に起きた歴史的事件や政治問題も取り上げられていて読者達の感想として「非常に勉強になる」と言われている。これらの題材を取り上げる為に脚本協力者が多数いる。1973年に高倉健主演、1977年に千葉真一主演でそれぞれ実写映画化。1983年に劇場アニメ『ゴルゴ13』1998年にOVA『ゴルゴ13〜QUEEN BEE〜』が製作され、2008年には全50話のテレビアニメ化がされた。テレビアニメ化において、キャッチフレーズやナレーションなどに「用件を聞こう」「俺の後ろに立つな。命が惜しければ」といったゴルゴ13の特質を表す台詞が使用され、エピソードも視聴者に分かりやすい内容や時代(2008年以降)に見合うものが50作品選抜された。

『ゴルゴ13』のあらすじ・ストーリー

どんな依頼でも必ず達成する“狙撃手”通称「ゴルゴ13」彼の狙撃の腕を求めて、あらゆる者達が依頼をするが、その内容は不可能とも言える支離滅裂な場合が多く、それでも引受けるのが「ゴルゴ13」。経歴は一切不明で誰一人と知る者はおらず、何も知らない方が身の為とも言われている。彼が依頼を受けたその先には、成し遂げる為の究極の駆け引きと、ターゲットへ向けた不可能な“狙撃”が待っている。

ゴルゴ13(デューク・東郷)解説

プロフィール

依頼遂行率はほぼ100%。生年月日・年齢・国籍・住居・経歴・一切不明で感情を表に出すことの無い、寡黙な超一流のスナイパー。愛用している銃は「アーマライトM16」。“殺し屋”ではなく、主に遠距離からの“狙撃”による依頼を生業としていて、ターゲットは人に限らず物も含まれている。血液型はA型。「ゴルゴ13」はコードネームであり、自身は「デューク・東郷」と名乗っている。外見は東洋系で身長180cm強、全身に無数の傷跡があり、「カミソリの刃」と言われる程の鋭い目つきと極太な眉毛をしている。依頼料は平均20万ドル(日本円約2000万)また、テレビアニメ版では300万ドル(日本円約3億)におよび、時には命と引き換えで受けることもある。依頼内容を聞く際、依頼主の個人的な意見や自慢話は一切聞かず、依頼主が重要な情報を隠していても直ぐ見破って説明をし直させる。更に、依頼主が裏切った場合は依頼達成後でも必ず制裁を下し、遂行中ゴルゴ13の命を狙った者は必ず殺す。知識も博学多才で、銃火器をはじめとし、科学・歴史・政治・医学と、幅広く持っており、技術的な面においても、あらゆる分野のエキスパートを驚愕させている。また、学習能力も優れていて、遂行中に得た新しい知識や技術はすぐ習得し、必要であればそのまま遂行手段にする。性格は冷静沈着で、時間厳守。喜怒哀楽の表情は極めて少なく、他人との交流や無駄な言動は好まない上、依頼の際も必要最低限な質問や主張のみであり、挨拶さえしない。相手を人種・性別・身分などで差別することはない。遂行に当たって忠実に協力してくれた者や危険なところを助けてくれた者へは、叱咤激励を言うことがある。とにかく「己のルールを厳守」「依頼を完遂」この2つの為に生きているかのような男。

行動と主義

ゴルゴ13は確固たる信条と様々なルールを自らに課しており、それらを基調として日々の生活及び仕事を遂行している。まずゴルゴ13の絶対的信条で取りあげられるのが「客観性」である。どの回を見てもそうだが、とにかく「客観的」である。ゴルゴ13は主観的に物事を判断はせず、自分以外の者からしたらどう思うか?常に第三者の観点を基準にしている。それは第134話「鬼畜の宴」(アニメ版では第40話)での同業者「スパルタカス」との対戦の場面で「客観的のみが唯一信用できる情報」と主張されている。その為、依頼人やターゲットの関係者の話を聞きはするが、少しでも個人差や感情があれば受けいれずに聞き流す様にしている。ルールにおいてはいくつかあるが、1つずつ紹介する。
1,握手はしない
「利き腕を他人に預けるほど俺は自身家ではない。」という考えから、握手は基本的にしない。ゴルゴ13が握手をする回ではいずれも、それなりの理由があり、情報を得る為に潜入をした時に、社交辞令で「握手」をしなければ怪しまれる場合や、相手の筋力を測る為というのが主な理由である。
2,出された物は疑う
依頼人や遂行中に人と対面する時、飲食物を出されてもゴルゴ13は、誰かが毒味をしない限り口にはしない。ただし、レストランでは普通に食事をしている。
3,時間厳守
依頼人との待ち合わせ時間は必ず守る様にしている。とにかくその時間ピッタリに対面する様に心がけており、数分前からゴルゴ13らしき人物が依頼人の前に現れるという様なことはほとんど無い。その為、「本当にゴルゴ13は来るのか?」と依頼人が不安を零すことも少なくない。依頼人が海上で待ち合わせをした際は、ピッタリの時間に突然海中から現れている。
4,他人に背を見せない
ゴルゴ13は、強い警戒心のせいもあって、自分の背に他人が手を出したら無意識に、自己防衛で殴ったりするところがある。これは時として自分を不利にする「癖」であることから、公共の場では常に抑制を意識し、壁に背を向けられる環境であれば壁にくっつく様にしており、依頼人と対面の際は常に壁を背に立っている。
5,仕事前に娼婦を呼ぶ
いかなる道理あってのルールかは不明である。作中では遂行中、狙撃や死活的な行動の前日には、娼婦を相手にしている。
6,第三者への不介入
ゴルゴ13は仕事での相手以外には一切関わることを避けている。また、それは人間だけでなく「鳥」といった生き物も対象らしく、道中で鳥の卵があった際に無理な姿勢で避けている。
7,報復
ゴルゴ13の命を狙ったり嘘の情報を与えたりして裏切った者へは、それ相応の報復を行っている。作中ではゴルゴ13の命を狙う者のケースが多く、皆ゴルゴ13に殺害されている。報復をする際、命を狙った黒幕の情報が極めて少ない状況下でも、諦めることなく、必ず突き止めて報復をしている。
8,恩返し
報復とは逆に、ゴルゴ13の危機を救ったり重要な役割を担って協力してくれた者へは、お金を渡したり、その者が切望している物事へ無償で協力をして恩返しをしている。
9,安全ルートの確保
ゴルゴ13は遂行時、完遂するまでの居住先としてホテルを借りることが多い。その際に欠かさないのが安全ルートの確保で、部屋を決める際には非常口や非常階段の位置を把握して、その位置に最も近い部屋を指定している。更に、部屋へ入ったら不審物はないか部屋中を隈なくチェックしている。また、時間稼ぎの為に最上階を選ぶ様にしている。

依頼のルール

ゴルゴ13が依頼を引き受けるに当たって、依頼が成立する前と後でルールがいくつかある。
1,依頼の連絡ルート
依頼は基本的にゴルゴ13が用意した連絡ルートで行う。
2,依頼主の嘘・裏切りは許さない
依頼人がゴルゴ13の命を狙ったり、嘘の情報を与えた場合は必ず報復をする。
3,以来は直接面談
ゴルゴ13が依頼の話を聞く際は面談形式のみであり、メールや電話では一切引き受けない。
4,秘密厳守
依頼の詳細はすべて、ゴルゴ13と依頼人だけの情報ということになっている。もし依頼人が、ゴルゴ13のことや依頼の内容を漏らした場合、正当な理由が無い限り「裏切り」と見なされ、報復をされる。
5,事前の調査
依頼の面談をする前に、ゴルゴ13は依頼人の情報を徹底的に調べている。その為、依頼人は、既に自分のことを知られているつもりで対面しなくてはならない。また、この事前調査での情報と依頼人との話しを照合することで、虚偽防止をしている。
6,依頼は1つ
ゴルゴ13が1度に受ける依頼は1件のみであり、完遂するまで別件の依頼は受けない。
7,二度と会わない
基本的にゴルゴ13と会えるのは、依頼をする為に直接対面する時だけである。もう一度会うとしたら、依頼人が急に依頼内容を変更という時と、その依頼が完了して、別の新しい依頼をするという時ぐらいである。
8,報酬
基本的には金銭である。ゴルゴ13が提示した金額を指定の口座へ振り込まない限り、依頼は遂行されない。金銭以外には「依頼人の命」「依頼人が押し付けた金品」がある。金品の場合はゴルゴ13が納得しなければ返品されるだけだが、その直前に依頼人が死んで依頼拒否が成立しなくなってしまい、そのまま引き受けるということもある。

連絡ルート

基本的に、依頼者がゴルゴ13へ何も介さず直接連絡するというのは無い。仲介者を通してからのコンタクトとなる。そのルートは複数あり、これまでの回で判明しているルートは以下である。また、仲介人とゴルゴ13の関係性は明かされていない。
1,終身犯マーカス・モンゴメリーに手紙を出す
ゴルゴの旧知であるマーカス・モンゴメリーへ手紙を出すと、マーカスが「賛美歌13番」をラジオ番組へ曲でリクエストする。そして「賛美歌13番」が流れると、ニューヨーク・タイムズ紙に『13年式G型トラクター売りたし』という広告記事が掲載される。そこに連絡をして出た者へ自身の連絡先を伝えると、ゴルゴ13から連絡が来てコンタクトをとることが出来る。作中このパターンが最も多い。また、この広告記事を掲載しているのはゴルゴ13である。
2,カジノのオーナーへ合言葉
ラスベガスのカジノにいるオーナーにとある合言葉を伝えると、そのオーナーがスロットマシンのG13番台でジャックポットを出してくれる。すると上記と同様に「G13型トラクター買いたし」が新聞に掲載されてそこへ連絡することでコンタクトをとることが出来る。
3,株を暴騰
「ユナイトホライズン土地開発株式会社」という特定の会社の株を買って暴騰させると、新聞に「G13型トラクター買いたし」が記載され、そこへ連絡してゴルゴ13とコンタクトをとることが出来る。
4,「フォンデューを二人だけで食したい」という広告を出す
レポンティネ新聞に「フォンデューを二人だけで食したい」という広告を出すとゴルゴ13からコンタクトしてくれるというものである。
5,「英国R、G&M商会、船員募集」の広告を出す
新聞に「英国R、G&M商会、船員募集」の広告を出すことで、ゴルゴ13自ら連絡をしてくれるというもの。
6,エゴータ夫人
孤児院を営むエゴーダ夫人にお願いして仲介してもらうことで、ゴルゴ13とコンタクトをとれるというもの。手紙や広告を使うのとは違い、直接仲介人に会って、ゴルゴ13とのコンタクトをさせてもらうこととなる。
7,絵葉書
絵葉書の文面に、USドルで依頼の報酬金額6桁を入れて、イギリス/グレートブリテン島ペンザンスに住むウィリアム・パートリッジに出すと、絵葉書はゴルゴ13の代人らしき人物の元へ転送され、その代人がゴルゴ13へ連絡して絵葉書の文面を読み上げることでコンタクトが取れる。というものだが、エピソード「300万通の絵葉書」において、このコンタクト手段を破壊されてしまい使用不可となってしまった。
8,人工衛星を爆破させて13の流れ星
人工衛星を爆破させてそこから13個の破片を意図的に流れ星として流し、「13個の流れ星が流れた」というニュースを流すことでゴルゴ13がコンタクトしてくるというスケールの大きい連絡ルートである。ゴルゴ13との全ての連絡ルートが使えなくなった場合の最後の正式な連絡ルートとされている。

デイブ・マッカートニー

1話完結でゴルゴ13のみが主役という本作でも、複数回登場する数少ない人物。ゴルゴ13が以来を遂行する際、狙撃を成功させる為に銃へ何らかの手を加える必要があると判断した時、協力してもらっているのが銃職人・デイブ・マッカートニー。
銃職人としての腕は確かで、ゴルゴ13からも高く評価されていて「ありがとう」というゴルゴ13の名言を受けた人物である。厚い信用と高い評価を得ているだけあって、どうしてもデイブの腕が必要とされた時に、ゴルゴ13から出張依頼という形式で無理やり引き受けさせられた回もある。性格は軽口で冗談を言う面があり、教えてくれないと分かっていながらもターゲットを聞く癖がある。そういった態度からは一流とは思えないが、いざ仕事となるとゴルゴ13相手でも「仕事の邪魔だ」と平気で言う。ゴルゴ13から依頼される内容はデイブからすると、全く用途が把握出来ないものや、いくら一流でも無理、という前代未聞なものばかりで愚痴をこぼしはするが、断ったり裏切るということはなく、今まで全て依頼を請け負ってゴルゴ13の要望を叶えている。テレビアニメでは声優千田光男が担当で第1話で早速登場をしており、次回予告でのナレーターも彼の声である。

名作回

G線上の狙撃

数ある回の中でも短くて分かりやすい短編作品。ターゲットは人でなく物で「バイオリンの弦」。一流のバイオリニスト「トーマス・シンプソン」は多くの観客から期待をされていてたが、ある日コンサートでアンコールを受けて「G線上のアリア」の演奏中に「G線」が切れてしまう。このアクシデントで演奏は中止され、コンサート客からの評価は一転してしまい、シンプソンは多大な非難の的となる。耐えられなかったシンプソンは怯えながらその場を後にするが、その後も非難はメディアを通して続き、彼は演奏がトラウマとなって管弦楽団からも降ろされることとなる。
後任になったバイオリニストが「セルゲイ・ケルンスキー」というソ連の人間になる。アメリカのシンプソンは、敵対国の者が自分の座を継いだことに屈辱を覚えてしまい、ケルンスキーを自分と同じ目に合わせようと、ゴルゴ13にバイオリンの弦「G線」を意図的に狙撃してもらうことを画策する。ゴルゴ13は難なく受け入れて見事にG線を狙撃し、ケルンスキーをシンプソンと同じ状況へと導く。しかしケルンスキーは「D線」を緩めることで演奏を続けてしまう。この一部始終を見ていたシンプソンは、自身との格の違いを思い知り、愕然としたまま落ち込むのであった。そして依頼を完遂したゴルゴ13は何1つ言う事なく、ホールを去って行く。
こうした分かりやすさと時代に左右されない完成度から、簡潔にゴルゴ13の狙撃の凄さを見せつける有名な高評価作でアニメでも第7話で採用されている。

36000秒分の1秒

タイトルの36000秒とは10時間のこと。10時間中1秒だけが依頼を完遂させる狙撃のチャンス、というエピソードである。
無差別テロで妻と娘を失った依頼人は、無差別テロを実行した犯人「カルロンテ」を殺して欲しいとゴルゴ13に依頼をする。その詳細は、現在カルロンテはフランスで最も厳重な刑務所に居て、射殺するチャンスがあるとしたら『「出入り口の回転扉」と「通路のスライドドア」が同時に開いて「独房の扉の小窓」が見えた瞬間に、この3つの間を縫って狙撃をしなくてはならず、尚且つカルロンテが独房の小窓に接近したとき』というものだった。誰がどう思っても不可能と取るであろう内容だが、ゴルゴ13は当てがあるのか、引き受ける。そしてゴルゴ13が取った行動は「10時間M16を構えたままの姿勢でターゲットを待ち続ける」というものだった。それだけの時間同じ姿勢でいたら、当然筋肉が硬直し、思うままに体が動かなくなるというもの。しかしゴルゴ13は待ち続けた甲斐あって、その1秒のチャンスで見事にターゲットを射抜く。
ゴルゴ13は10時間同じ体勢を保つために予め“筋肉弛緩”効果の薬を狙撃前に摂取していた。その薬を調合したスポーツ医学者「デグナー」は薬には副作用があるといい、服用後に体のマッサージをさせてくれと言っていた。マッサージをしにゴルゴの元にやってきたデグナーは、目の前の男が「ゴルゴ13」であることを知っていた。デグナーはゴルゴの命を奪うことを条件に大金をもらう約束を取り付けており、体をうまく動かせないゴルゴに迫る。デグナーに銃を向けられたゴルゴ13は、手に持っていた棒に飛び道具を仕込んでおいたことで、デグナーを殺すのである。この回での見所は、ゴルゴ13が10時間同じ姿勢というシーン以外に、デグナーに命を狙われる際の用心深さにある。デグナーは世界一の殺し屋であるゴルゴの用心深さに感心しながら死んでいった。

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