ガヴリールドロップアウト(ガヴドロ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ガヴリールドロップアウト(Gabriel DropOut)』は、うかみによる漫画作品。『コミック電撃だいおうじ』にて連載中。2017年7月現在でコミック単行本は4巻まで発売されている。そして2017年1月から3月には、これを原作としたアニメ作品が全12話にわたり放送された。修行のために下界(=人間の住む世界)に下り立った天使と悪魔の少女たちの、明るく、コミカルで賑やかな日常を描いている。

悪魔なのに真面目。悪魔なのに優しい。そんなヴィーネの魅力を堪能できるのは、やはり第7話である。
この回では、まず普段のヴィーネの生活の様子が描かれている。
休日なのに早起きをして、ゴミ出しをしっかりと済ませ、朝、昼、夜の食事を自炊し、食事前にはしっかりと『いただきます』の挨拶をする。
そんなヴィーネの規則正しすぎる、礼儀正しすぎる生活は、お見事のひとことである。

そしてその後、地獄からの仕送りが減っていることに慌てたヴィーネが、悪魔らしく悪いことをしよう、と心に誓う。
だが根が真面目なヴィーネが行う悪いことは、制服を少しだけ着崩す、ボールペンを芯を出したままで片付けない、チョベリバ(超ベリーバッドの略語。要するに、とても悪いと言う意味の言葉で、1990年代の後半ごろに、10代の若者を中心に大流行した言葉)と言う、古い時代の流行語を口にしてみると言った、悪いこととは到底、言えない行動ばかり。
それでも悪いことをしてしまっているとドキドキしたり、慣れないことをしたせいで精神的に疲れを感じてしまうヴィーネの姿は、とてもいじらしい。

サターニャの魅力が堪能できる回

出典: pbs.twimg.com

ガヴリールとラフィエルにいじられ、騙され、乗せられ、弄ばれているサターニャ。
そんなサターニャの姿も、比較的、全編を通じて多く描かれている。
その中でも特に見ものなのは第6話。
ガヴリールに一矢報いるつもりで、笑いが止まらないと言う銃でガヴリールを脅迫するサターニャ。
しかしガヴリールの言葉にうまく乗せられ、銃をガヴリールに手渡してしまったサターニャは、逆に笑いが止まらないハメになってしまう。
そして最終的には、先生にこっぴどく叱られると言う流れは、サターニャの可愛らしいおバカ満載だと言える。

また天敵である犬を助け、犬と共に放浪の旅を続けるサターニャが描かれる11話も魅力である。
おバカだが、本質的にはとてもやさしい女の子であるサターニャの魅力が、この回では知ることができる。

ラフィエルの魅力が堪能できる回

サターニャが困っている影には、ラフィエルの姿あり、と言っても過言ではないので、ラフィエルのサディスティックな活躍ぶりも、全編を通じて描かれている。
ただその中でも、第1話において、犬にメロンパンを奪われそうになり困り果ているサターニャを初めて目撃した時のラフィエルの輝かんばかりの表情は、見ものである。

また第5話にて、憧れだったガヴリールの変わり果てた姿に衝撃を受けたタプリス。
そのタプリスに対して、サターニャに似た臭い(騙しやすそう、弄りやすそう)を感じ取ったラフィエルが、ガヴリールがあんな姿になってしまったのは悪魔であるサターニャがたぶらかしたため、と嘘を吐き、サターニャとタプリスを争わせたラフィエルの行動も、ラフィエルの意地悪さ満載だと言える。

作中名言・名セリフ

『ここで私は絶対人々を幸せに導く立派な天使になってみせます』『はぁ?そんなこと知らないよ。人類なんか勝手に滅んで下さいって感じ』

1話にてガヴリールの口から発せられる、全く真逆のセリフ。
まず最初の台詞は、天使学校を卒業し、下界を見下ろした際にガヴリールが口にしたセリフである。
彼女が天使として、人々を幸福にするための使命感にどれほど燃えているかがわかる。

そしてふたつめの台詞は、ひとつめの台詞が発せられてから数分後、ネトゲに溺れすっかり退廃的になってしまったガヴリールが口にした言葉である。
幸せにしたいと願っていた人類に対し、勝手に滅んで下さい、と言い切ったガヴリールに、もはや天使だった頃の面影を見つけることはできない。
1話にして、簡潔に、しかし強烈に、ガヴリールが天使からダメな天使にドロップアウトしてしまった!と視聴者に感じさせるセリフである。

『この着崩し。もしかして結構、悪いことできちゃってる?ガヴがどんな反応をするか楽しみだわ!』

出典: stat.ameba.jp

制服を着崩して、ちよっと自信満々そうなヴィーネ。

7話。仕送り増額を目指し、悪いことを行おうと決心したヴィーネ。
ガヴリールのバイト先である喫茶店のマスターにアドバイスをもらった結果、彼女は制服を着崩す。
しかしそれは、ボタンをいつもより多めに外す、靴下をルーズソックスにすると言ったレベルで、着こなしの範疇とも理解できる行為であった。
それでも、ヴィーネはそのことに興奮すら覚え、ドキドキしながら登校する。
その時に、彼女が心中で発したのがこのセリフである。

悪魔でありながら、どこまでも真面目で、とことん悪いことができないヴィーネ。
そんな彼女の真面目さが、視聴者にとってはもはや可愛らしいレベルにも見えてくるセリフである。

『はっ!私は孤高の悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェル。魔界の支配者になる者なり!』

2話でサターニャが、ガヴリールとヴィーネに対して行う自己紹介的挨拶。
胡桃沢=サタニキア=マクドウェルとはサターニャの本名。

悪魔でありながら、騙されやすく、乗せられやすく、それ故、ラフィエルのおもちゃにされているサターニャ。
一応、ラフィエルに対して警戒心は抱いているものの、やはり言葉巧みに騙され、またおもちゃにされてしまうサターニャ。
根拠のない自信家で、先生にたくさん怒られて、ラフィエルのおもちゃにされても、それでもめげずに自分の道を突っ走るサターニャ。

そんなサターニャのおバカな性格、けれど前向きで自信家で途方もなく明るい性格が感じられる挨拶のセリフである。
中二病満載、暴走する自意識が逆に聞く側に恥ずかしい思いを抱かせるほどだが、サターニャはそんなことは露ほども気にしていないのである。
それこそが、サターニャがサターニャたるゆえんだ。

『天使たる者、困っている方を助けるのは当然のことですよ』

助け船を出してきてくれたはずのラフィエルが、サターニャの目にはこんなふうに見えていた。

8話。雨に見舞われ傘がなく困っているサターニャに、相合傘を申し出たラフィエルのひとこと。
当然、普段からラフィエルにからかわれているサターニャは、警戒心を剥き出しにする。
(アニメ内においては、ラフィエルがこのセリフを口にした時、サターニャの目にはラフィエルが悪魔のような存在に見える、と言う演出がなされている)
だがこの時、ラフィエルは本当にサターニャを助けようと思っていただけで、特に何もする気はなかった。

いつもはサターニャをからかい、あるいはサターニャをのせる言葉ばかりを口にしているラフィエル。
しかしこのセリフでは、珍しく、ラフィエルの天使らしい性分を感じることができる。

『ガヴリールドロップアウト』の主題歌

OP(オープニング): ガヴリール(CV:富田 美憂)、ヴィーネ(CV:大西 沙織)、サターニャ(CV:大空 直美)、ラフィエル(CV:花澤 香菜)『ガヴリールドロップキック』

彼女たちの日常のひとこまを切り取ったような、可愛らしい映像も必見である。

オープニングは『ガヴリールドロップキック』
歌うのは、本作の主要キャラクターであるガヴリール(CV:富田 美憂)、ヴィーネ(CV:大西 沙織)、サターニャ(CV:大空 直美)、ラフィエル(CV:花澤 香菜)の4名。
作詞、作曲、編曲をつとめたのは数々のアニメ主題歌を担当していることで、アニメファンからの認知度も高い前山田健一。

それぞれのキャラクターの個性が十二分に感じられる、そしてそれぞれの声の個性も味わうことができる、非常ににぎやかかつ聞きごたえのある楽曲となっている。なお第1話では、エンディングとして使用された。

ED(エンディング): ガヴリール(CV:富田 美憂)、ヴィーネ(CV:大西 沙織)、サターニャ(CV:大空 直美)、ラフィエル(CV:花澤 香菜)『ハレルヤ☆エッサイム』

天使=純白、悪魔=漆黒の衣装に身を包んだ彼女たちの、いつもとは一味違った、クールでセクシーな姿が描かれた映像も見どころである。

1話~6話、そして8話~12話のエンディングもオープニング同様、ガヴリール(CV:富田 美憂)、ヴィーネ(CV:大西 沙織)、サターニャ(CV:大空 直美)、ラフィエル(CV:花澤 香菜)の4名がつとめている。
曲のタイトルは『ハレルヤ☆エッサイム』
こちらはオープニングとは異なり、彼女たちのかっこいい、クールな歌声が堪能できる。

7話のエンディングは、ヴィーネ(CV:大西 沙織)による『ガヴリールの数え歌』
7話は、ヴィーネが主役とも言えるような回であり、その締めくくりとして歌われたのがこのエンディンクである。
こちらはBD及びDVDの第2巻の初回特典として収録されている『天使と悪魔のキャラソン&サントラCD』に収録。

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