魔法少女育成計画(まほいく)のネタバレ解説・考察まとめ

魔法少女育成計画(まほいく)とは作・遠藤浅蜊、イラスト・マルイノによる小説。2012年6月より文庫として宝島社より刊行が開始されており、2016年10月から12月まではその一部を原作としてテレビアニメ全12話も放送された。可愛らしい絵柄とは裏腹に、魔法少女としての力を授かった少女たちの、命がけのシビアな戦いを描いている。

作中の名言・名セリフ

「連中はヒーローでなくてはならないぽん。アイテム追加ごときで死ぬなんてのは脇役が死ぬべくして死んだだけぽん」

6話においてファヴが発するセリフ。
この台詞自体、ファヴがいかに魔法少女たちの命を軽視しているのかがわかる台詞である。
しかしそれと同時、この台詞は普段のファヴの声音、少し高めの、どちらかと言えば可愛らしい声ではなく、低めの声で放たれていると言うのもポイントである。
つまり運営として非情さ、あるいは命を軽視しきっているファヴの本性、何としてでも自分の思い通りに事を運ばせたいと思っているファヴの本性が全面に押し出された声であるととらえることもできる。

マスコットとしての仮面を脱ぎ捨てたファヴの、その内面に抱いている底知れない闇の深さのようなものが言葉の内容から、そしてそれを話す声から感じることができる台詞である。

「あなたがいれば…この街から魔法少女はいなくならない…そう言ってあげたかったのに」

10話。スノーホワイトの腕の中で息を引き取るハードゴア・アリスが口にした言葉。

過去、スノーホワイトに助けられたことがあるハードゴア・アリスにとって、スノーホワイトは憧れであり、また希望の存在でもあった。
正しい心で、ただ一途に人を助けるスノーホワイト。
残酷な戦いの中にあって、傷つき、迷いながら、それでも魔法少女としての使命、人を助けることを忘れないでいようとするスノーホワイトの姿に、ハードゴア・アリスはきっと、とても胸を打たれていたのだろう。

言葉が足りず、スノーホワイトとの距離を縮めることができないでいたハードゴア・アリス。
しかしその距離が縮まり、スノーホワイトと共にいられる時間が多くなった矢先に、命を奪われてしまった。
自らの命が消えゆく中、それでもスノーホワイトに魔法少女として存在していてほしい。
傷つき、揺れるスノーホワイトの心を鼓舞するような、そんなハードゴア・アリスの強い思い、けなげな思いが感じ取れる台詞である。

「キャンディ集めとかより、魔法少女になって人助けできるのが嬉しくて…私、魔法少女になれて本当に良かった」

12話でスノーホワイトの独白によって綴られる言葉。
小雪にとって、困っている人の声を聞くことができる、そしてその人を助けることができる魔法少女になれたのは、何事にも勝る喜びだった。
それはひとえに、彼女がとてもやさしい心の持ち主であるからである。

ただ人助けができること。それだけがとても嬉しい。
ファヴや森の音楽家クラムベリーの思惑とは程遠い位置にあるような、彼女のまっすぐな思いが切ないほどに伝わってくる言葉である。
そしてだからこそ、ファヴが明かした真実の残酷さ、その中で多くの魔法少女が命を落としていったという現実の残酷さが際立ってくるような台詞でもある。

『魔法少女育成計画』の主題歌

オープニング

沼倉愛美/「叫べ」

オープニングは沼倉愛美の「叫べ」
沼倉は本作ではリップルとしても出演している。
声優として数多くのキャラクターソングを歌唱し、またアイドルマスターでは我那覇響として堂々としたライブパフォーマンスを披露してきた沼倉だが、個人名義での歌手活動は行っていなかった。
この「叫べ」は、そんな沼倉の、満を持してのデビュー曲である。

圧倒的声量と卓越した表現力で、戦いを繰り広げる魔法少女たちの緊迫した世界観を歌い上げている。
そしてその中にあっても信じること、魔法少女としての希望を忘れたくないと願うようなスノーホワイトの思いも歌われているのではないか、と感じることができる。

エンディング

ナノ/「DREAMCATCHER」

エンディングはナノによる「DREAMCATCHER」

ナノはアメリカニューヨーク州出身の歌手。
日本のアニメ作品を視聴したことで、日本でのアニソン歌手を目指したとされている。
家族と共に来日してからはオーディションなどを受ける傍ら、ニコニコ動画やユーチューブなどで歌手活動を開始。
そうした活動が評判を呼び、2012年3月にメジャーデビューを果たす。

過酷な戦いを繰り広げる魔法少女たちの、表には出てこない、心の奥にある悲しみや寂しさのようなものが伝わってくる楽曲となっている。

小説について

アニメ作品として放送されたのは、刊行されている原作小説の内のごく一部である。
そのため、アニメを見てその後の展開が気になると言う人、アニメより更に各キャラクターのバックボーンや心情を知りたいと言う人は、ぜひ、原作小説を読み進めていくと良い。
原作小説は以下の通り。

刊行順に『魔法少女育成計画』
『魔法少女育成計画 restart』(前)(後)
『魔法少女育成計画 episodes』
『魔法少女育成計画 limited』(前)(後)
『魔法少女育成計画 JOKERS』
『魔法少女育成計画 ACES』
『魔法少女育成計画 episodesφ』
『魔法少女育成計画 16人の日常』
『魔法少女育成計画 QUEENS』となっている。

続刊ではキャラクターやルールが変更された上で、魔法少女の力を与えられた少女たちによる戦いが繰り広げられている。
またスノーホワイトなども登場しており、アニメ作品を見た者であれば、尚のこと楽しんで読み進めることができる。
勿論、アニメを見ていない人でも、まずは小説から触れてみると言うのも良い。

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