魔法少女育成計画(まほいく)のネタバレ解説・考察まとめ

魔法少女育成計画(まほいく)とは作・遠藤浅蜊、イラスト・マルイノによる小説。2012年6月より文庫として宝島社より刊行が開始されており、2016年10月から12月まではその一部を原作としてテレビアニメ全12話も放送された。可愛らしい絵柄とは裏腹に、魔法少女としての力を授かった少女たちの、命がけのシビアな戦いを描いている。

シスターナナ(CV:早見 沙織)

出典: tama-yura.jp

博愛主義者で、戦いが始まってからも戦いをするのは愚かだと説いているシスター姿の魔女。
ヴェス・ウィンタープリズンとは同性同士のカップル。
本名は羽二重奈々(はぶたえなな)。
ただしヴェス・ウィンタープリズンに対し、ヒロインを守る王子様の役割を押し付け、自分はその王子に守られるヒロインを演じると言う、少々歪んだ理想を抱いている。
ヴェス・ウィンターフーリズンの死に耐え切れず、絶望の中、自死を選択する。

授けられた魔法は『好きな人の力をめいっぱい引き出せるよ』。
任意の対象者の能力を引き出すことができる。自分にはかけることができない魔法なので、パートナーの存在が必要不可欠である。

ヴェス・ウィンタープリズン(CV:小林 ゆう)

シスターナナとコンビを組む、中性的な魔法少女。
本名は亜柊雫(あしゅうしずく)で、シスターナナとは同性同士でのカップルでもある。
冷静沈着にも見えるが、時折、短気な顔が出てくることもある。
スイムスイムたちの攻撃からシスターナナを守り抜き、ユナエルを屠った後に死亡する。

授けられた魔法は『何もないところに壁を作り出せるよ』。
サイズは限られているが、ある程度の頑強さを持った壁を任意の場所に作り出すことができる。

森の音楽家クラムベリー(CV:緒方 恵美)

出典: tama-yura.jp

変身前の姿や名前など、一切の情報が不明の、謎多き魔法少女。
妖艶な雰囲気をまとっているが、生粋の戦闘狂。
たまからの予期せぬ攻撃を受け死亡する。

授けられた魔法は『音を自由自在に操ることができるよ』。
音を衝撃として発するのは勿論のこと、他人の声音も真似ることができる。

ハードゴア・アリス(CV:日高 里菜)

出典: tama-yura.jp

本名は鳩田亜子(はとだあこ)。母親殺害の罪で父親が刑に服している。そのことで周囲に多大な迷惑をかけたことにより、自分は不必要で、迷惑な存在だと思い込んでしまっている。
そのことで心を閉ざしているため人とコミュニケーションをうまくとることができない。
しかし、かつて自分を助けてくれたことがあるスノーホワイトとは仲良くなりたいと願っている。
魔法少女に変身することができないまま、スイムスイムによる攻撃を受け命を落とす。

授けられた魔法は『どんなケガをしてもすぐに直るよ』。
非常に強力な再生能力を持つ。そのスピードは緩やかだが、それ以上の速さでダメージを与えられても、完全に消滅させることは不可能と言うレベルの再生能力。

ファヴ(CV:間宮 くるみ)

出典: tama-yura.jp

ゲーム「魔法少女育成計画」の運営伝言を「ぽん」と言う言葉を語尾につけ、魔法少女たちに伝えるマスコット。
感情によって表情が変化すると言うことはない。
森の音楽家クラムベリーと結託して、魔法少女たちに必要のない殺し合いを行わせた黒幕とも言えるキャラクター。

森の音楽家クラムベリーとファヴについて

ファヴと森の音楽家クラムベリーが結託し、必要のない殺し合いを行わせた理由については以下のとおりである。
まず森の音楽家クラムベリーの正体は魔法の国から送られた試験官であり、更にファヴのマスター。

彼女自身も、過去、魔法の国による選抜試験を受けている。
だがその最中、候補者のひとりが誤って召喚してしまった悪魔が暴走し、多くの犠牲者が出てしまうと言うアクシデントが発生している。
その中にあって、自らの能力でその悪魔を撃破した森の音楽家クラムベリーは、戦いの面白さに芽生えてしまい、戦闘狂になったと言うバックボーンがある。

しかもその後にファヴが、森の音楽家クラムベリー自らが試験官になれば、魔法少女同士を殺し合わせるような、そして強敵と森の音楽家クラムベリーが戦いあうような試験にすることも可能だと、森の音楽家クラムベリーに吹き込む。
その結果、森の音楽家クラムベリーは試験官になることに成功。
だが、その裏側には、そんな彼女を見ているのが面白いと言うファヴが上層部に掛け合ったからと言う真相も存在している。

この辺りはアニメ内においては、過去、森の音楽家クラムベリーに何かがあったのだろう、と感じさせる描写、そして彼女とファヴは結託していると言う様子が描かれている。

作品の見どころ

魔法少女たちによる命を賭けた戦い

可憐で、可愛らしく、人の役に立つための能力を授けられた魔法少女たち。
その魔法少女たちによる、心あたたまるストーリーが繰り広げられるのではないか。
キービジュアルだけ見れば、そのような印象を抱く人がいてもおかしくはない。
しかし本作は、その可憐で、可愛らしい魔法少女たちが生き残りをかけ殺し合いを繰り広げる。

戦いに乗り気の者。疑心暗鬼の中、必死に他との連携を図ろうとする者。
これを機に下剋上を図ろうとする者。戦いそのものを拒む者。戦いの中にあっても、大切な者、大切な感情を守り抜こうとする者…。

そうした感情がぶつかり合い、目まぐるしく入れ替わる物語は非常に緊迫感があり、見る者の胸に深く突き刺さる。
魔法少女としての死は現実社会での死にもつながると言う、残酷すぎるルールが適用されている物語だからこそ、少女たちの命をかけたやり取りは、今作の大きな見どころだと言える。

魔法少女たちの人間としての生活

魔法少女たちは皆、普段は普通の人間としても生活を送っている。
物語ではそのシーンも時折、挟まれ、それがより視聴者のキャラクターに対しての感情を強くわかせることにつながっている。

スノーホワイト=小雪のように、ごくごく普通の生活を送っているキャラクターがいる一方、多くの魔法少女たちは、人間の姿である時には鬱屈した思いを抱いている。

義父からの性的虐待のために若くして一人暮らしを余儀なくされているリップル=華乃。
酒におぼれた挙句、家族を失い、半ば自暴自棄になっているようなカラミティ・メアリ=奈緒子。
社会との関係を断絶し、ただ怠惰な日々を送っているねむりん=合歓。
劣等生であるが故、自分の居場所を見つけることができないでいるたま=珠。
自分を迷惑な存在、不必要な存在だと思い込み、うまく他者との交流がはかれないでいるハードゴア・アリス=亜子。

こうした苦しい、どうにもならない思いを抱いている彼女たちは、魔法少女になることで新たな世界を見つけ、魔法少女として生きることでどうにか、人間としても生き続けることができていたのかもしれない。
時折、挟まれる彼女たちの人間としての生活のシーンには、そんな切実な思いを感じることができる。
今作が単なる殺し合いを描くだけで終わっているのではなく、人間ドラマとしても非常に秀逸な味わいを秘めているのも、このようなシーンが出来うる限り丁寧に描かれているためである。

ファヴの存在

残酷な戦いを煽るような存在であるファヴは、今作には欠かすことができないキャラクターである。
「ぽん」と言う独特の語尾もあいまって、最初は可愛らしい印象を抱かせるファヴ。
マスコットキャラクターらしいその印象は、しかし回を進むにつれ、じょじょに変化していく。

魔法少女たちに対し、残酷なことを表情ひとつ変えずに、いつもの口調で告げるファヴ。
時には戦いを煽るような言葉を口にし、それに打ちのめされる魔法少女に対しては、中身のない慰めの言葉を口にする。
相手の言葉などお構いなしに、自分の言葉、自分の都合だけを押し付けるように話す。
そして極めつけは、実は森の音楽家クラムベリーと手を結び、魔法少女たちによるバトルロイヤルを実現させたと言うのだから、まさに凶悪と言っても過言ではないマスコットである。
その辺りを、声を担当した間宮が実に巧みに演じているのも、本作の見どころのひとつだ。

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