グランディア(Grandia)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

グランディアとは、1997年に発売されたセガサターン用RPGゲーム。その後プレイステーションに移植され、2009年にプレイステーションのアーカイブスでダウンロード可能になった。ゲーム発売から20年経っても名作との呼び声が高い。冒険者に憧れる主人公「ジャスティン」は、作中の文明「古代エンジュール文明」の遺跡で、謎の美少女「リエーテ」に神殿「アレント」を目指すように言われ、冒険へ出る。

一同は旧レーヌへ行き、ドーリンの角を入手。
旧レーヌは石の森になったカフーの里とは違い亜空間状態になっており、ガイアバトラーと遭遇し戦闘になった。
ドーリンに角を渡すと、ドーリンは復活した。
ドーリンによると、ジャスティンがリエーテから貰った「知恵のメダル」はアレントへの鍵では無く、ジールパドン神殿の鍵らしい。
元々アレントとジールパドンは遂になる神殿で、アレントは知識、ジールパドンは知恵を象徴している。
メダルは、アレントのリエーテがジールパドンの知恵のメダルを、ジールパドンのモゲ族がアレントの知識のメダル持っているという。
アレントへ行くためには知識のメダルを手に入れて「虹の泉」と呼ばれる場所に投げ込むと、アレントへの扉が開かれるのである。

ミルダはレーヌに残りお別れとなった。
ジャスティンたち三人はジールパドンへ行き、虹の泉(噴水)を見ていると、モゲ族の「チット」が声をかけてきた。
モゲ族の長老がジャスティンを呼んでいる、という。
長老の家へ行くと、そこにはギドがいた。
ギドはジャスティンに何故アレントへ行きたいのか問う。
ジャスティンは、前はただ行ってみたいだけであったが、今は世界を守りたいと思うようになったと言う。
光翼人でも無いただの人間がどうやって守るのかと聞かれると、ジャスティンは悩んだ。
その姿を見て、ギドはジャスティンを認め、一緒に知識のメダルを探しに行くという。
ギドはジャスティンの誰よりも前向きな姿勢を高く買っているのである。
ギドは虹の泉の水を引かせる。
そして、一同はジールパドンの地下神殿へ続く扉に知恵のメダルをはめ込み、神殿の中へ入っていく。

神殿で知識のメダルを発見する。
しかし、道中バール・ミューレン・リーンが神殿内に居るの見てしまう。
バールはミューレンがいつまでも精霊石を発見できないことを責め立てる。
精霊石に導かれた者がこの神殿にいるため神殿の扉が開かれている、つまり神殿内を探せば精霊石を持った者が発見できるはずだという。
バールはリーンの光翼人の力を使うためどこかに連れて行こうとするが、ミューレンはそれを良く思って居ないのかリーンを庇おうとする。
しかし逆らいきれず、リーンはバールに連れて行かれてしまう。
バールより先に精霊石を見つけたいらしいミューレンには焦りが感じられる。
一同は、ミューレンに見つからないように別ルートで帰ろうとし、壁に描かれたゴーレムを見つける。
ギド曰く、このゴーレムは時が来るまで封印されている神殿の守護者なのだという。
するとそこへミューレンが現れ、ジャスティンに精霊石を渡すように迫る。
ミューレンがそれほど悪い人間では無いと知っていたフィーナは二人の間に入り、話し合うように言う。
その時、突如神殿が揺れ始める。

バールに連れて行かれたリーンは、光翼人の力を強制的に搾り取られる装置に入れられていた。
苦しがるリーンから力を奪い、壁のゴーレムを動かして精霊石を持ちアレントへ行こうとするジャステインを抹殺しようとしていたのである。
この方法では神殿内にいるミューレンも巻き込まれてしまうが、バールにとって息子のミューレンはもう用済みなのであった。
それを聞いたリーンは抵抗しようとするが、バールに抗いきれない。

ゴーレムの封印が解かれ動き出す。
フィーナは突如苦しみだしその場にうずくまり、ラップとギドは足場を破壊されて落ちていく。
ジャスティンとフィーナはゴーレムに囲まれる。
するとフィーナの体が光り出し、その光を浴びるとゴーレムの動きが止まりただの石に戻り崩れ去り、ジャスティンは気絶した。
バールはその異変に気づき、リーンの他に「もう1人光翼人が居る」事に気づく。

このシーンではアニメーションムービーが入る。

ジャスティンが目を覚ますと周りには誰もおらず、フィーナたちを探しているとミューレンを発見する。
ミューレンは精霊石を持ってこの場から早く立ち去るようにジャスティンに言う。
他の兵たちに見つかりそうになると、ミューレンはジャステインを隠し庇った。
ミューレンと兵達の会話からバールがフィーナがもう1人の光翼人だと確信し、フィーナを捕獲したと聞く。
ミューレンは兵を連れてバールの元へ行き、沢山の兵が一連の件で下敷きになってしまったことを問いただす。
しかしバールは聞く耳を持たなかった。
バールは空飛ぶ戦艦で気絶したフィーナを連れ去った。
フィーナが連れ去られる現場を目撃したジャスティンは戦艦を追いかけるが、人間の足では追いつけるはずも無い。
段々戦艦が遠のいて行った時、ギドとラップが巨大な飛行エイに乗って現れ、ジャスティンをエイに乗せた。

目を覚ましたフィーナは戦艦の中の部屋に連れ込まれていた。
バール曰く、古代から光翼人の像は女性で腕は4本あったのは、光翼人は女性の双子であると言う意味だという。
フィーナは自分が光翼人であることを否定し、ジャスティンが助けに来ることを信じていた。

戦艦の中でジャスティンたちは三人娘と戦う。
近くにあった何かの装置をラップが弄ると、最終命令を実行しますという声と共に戦艦が揺れ始める。
三人が慌ててフィーナを探していると戦艦は真っ二つに割れてしまい、ラップとギドは機体と共に地上へ落下してしまう。
二人はジャスティンに構わず先に行けと言い、見えなくなってしまった。
ジャスティンはバールに捕らわれたフィーナを発見する。
バールはフィーナとジャスティンの持つ精霊石を交換しようと提案してくる。
そしてジャスティンにとって大事なのは石かフィーナか、と問う。
ジャスティンは精霊石を投げ渡すと、その瞬間足元の床が開いて落下してしまう。
その姿を見て高笑いをするバール。
しかし、ジャスティンは何とかしがみ付き、戦艦の中に戻り、再びバールの前に立ちふさがる。
バールはフィーナを光翼人と呼び、ジャスティンに光翼人は必要がないと言う。
だがジャスティンにとってフィーナはフィーナであり、光翼人かどうかは関係ないのであった。
そして二人は戦闘になり、ジャスティンが勝利をする。
ジャスティンはまずフィーナに駆け寄りって束縛していたロープを解いたあと、精霊石を取り替えそうとバールに近づく。
するとバールの右腕が膨らみ、ガイアの触手が生えていた。
その腕でジャステインをふっ飛ばし、ジャスティンに駆け寄ろうとしたフィーナをガイアの触手で捕まえる。
ジャスティンは立ち上がってバールに向かって行くが、触手で戦艦の下へ弾き落されてしまう。
突如フィーナの体が発光し、フィーナを捕まえていた触手が砕ける。
その一瞬の隙でフィーナは落下するジャスティンを追い、自らも飛び降りた。
バールは精霊石を手に入れられたならフィーナはもうどうでも良いと笑い、燃え盛る戦艦の中に居た。

落下するジャスティンの元にフィーナが追ってきて、二人は空中で手を繋ぐ。
追って来たところで二人とも死んでしまうのに、というジャスティンであるが、フィーナは後悔していないようであった。
しかし落下の恐怖で気絶してしまう。
ジャスティンは気絶したフィーナを抱き寄せて、こんな所で死んでたまるかと叫ぶ。
すると、それに応える様にフィーナは発光し、背中から緑の翼が生えて、二人は空中に浮いた。
その光を発見し、ギドとラップが飛行エイでジャスティンたちの元へ飛んできた。

フィーナは三日後に目を覚ました。
フィーナはジャスティンに自分のせいで大事な精霊石を失ってしまったことを謝る。
しかしジャスティンは、精霊石を失った事は残念であるが、バールと共に燃え尽きたならガーライル軍ももう変な事はしないだろうと言う。
フィーナは自分が光翼人だったことを自覚し、自分もアレントへ行って知りたい事をが出来たと話す。
一同は改めてアレントを目指す。
ギド曰く、アレントへの道はレーヌの三賢者が知っているという。
ジャスティンたちはもう一度レーヌへ行き、ダーリン話を聞く。
ジャスティンはアレントへ行って、エンジュール文明が何故滅んだのか、ガイアとは何なのか、光翼人とはなんなのか、精霊石が何なのか、答えが知りたいと話す。
三賢者は実はアレントの門番の役割をしており、ダーリンはジャスティンがアレントへ行く資格がある物と認定する。
今度はドーリンの元へ行き事情を話す。
レーヌの裏山にある泉に知識のメダルを投げ込むと、虹がかかりそこからアレントへ行けると言う。

ガーライル軍では、ミューレンがバールの元に現れる。
バールは燃え落ちる戦艦に乗っていたはずであったが、無傷だった。
ミューレンはバールの企むユグドラシル計画(ガイアを復活させる計画)を止めようとする。
しかしバールは、理想世界はガイアによってもたらされると笑うのであった。
ミューレンとリーンはバールの計画に疑問を持ち、止めようとしているようである。

アレントに到着

一同は虹を渡り、アレントに到着する。
アレントの神殿にはリエーテが立っており、話しかけると何か余所余所しい。
ジャスティンたちが周りを見ると、神殿の中には複数のリエーテが立っていた。
神殿の中には沢山のリエーテが居るが命を持ったリエーテはただ1人だという。
リエーテはアレントで長い間ずっと1人なため、神殿を街の様にしているのだ。

ジャスティンたちはリエーテたちに話を聞いていく。
知恵のメダルはモゲ族を現し、知恵のあるモゲ族は地上で商人をしている。
知識のメダルはリエーテを現し、知識豊富なリエーテは天空で歴史の証人をしている。
リエーテとはエンジュール文明の記憶を保管し、たった1人でアレントを守り続けている存在であるという。
本来精霊石は光翼人と共になければ力を発揮しないものである。
しかし、人間が光翼人を頼らずに精霊石の力を引き出そうとすると、人間の欲や悪意を吸収し、精霊を取り込んで成長して行く。
ガイアとは精霊石を扱う物を写す鏡のような存在なのである。
精霊達が精霊石を人間に与えた時、人間の双子の姉妹から光翼人が現れ、精霊石と運命を共にする定めになった。
しかし人間がガイアを生み出したことで精霊たちは人間と関わるのを拒み、精霊石を七つに砕いた。
その後光翼人は現れなくなった。

そして一同は命のあるリエーテの居る部屋に辿り付く。
そこにいたのはジャスティンを導いてきた、あのリエーテであった。
リエーテとは名を受け継いでいく存在で、その受け継いできた記憶の量は膨大である。
部屋には沢山の石版が並んでおり、それら一つ一つがこれまでのリエーテを現しているという。
悲しい記憶を持ったリエーテ達の石版は青く、幸せな記憶を持ったリエーテの石版は赤いという。
しかし赤い石版は2~3つしかなく、あとは全て青い石版であった。
エンジュール文明とは光翼人が居た頃、まだ人間達が種族ごとに分裂していない時代。
そこにガイアが誕生し、光翼人が自らの命を持ってガイアを封印するという事が起こって以降、リエーテの石版はずっと青い色なのだという。
現在のリエーテの石版の色はまだ決まっていないが、青になるのだろうと語る。
何故なら、精霊石を持ってガイアを復活させようとしているものが居るからだとリエーテは言う。
ジャスティンは、バールと精霊石は戦艦が燃え落ちた時に一緒に燃えたのだと思って居たが、バールも精霊石もまだ存在するのだと知る。
またエンジュール文明で起こった悲劇が繰り返されようとしていて、それを止められるのは光翼人であるリーンとフィーナしかいない。
しかし光翼人が自らの命を持ってガイアを止めるということは、リーンとフィーナの命を使わなければならないという事であり、他に方法はないのか、とジャスティンは問う。
リエーテは、アレントには過去は存在するが未来は存在しないと言う。
しかし、「世界の真理を体現した者」にのみ開かれる扉から行ける「精霊の聖地」へ行くことが出来れば、精霊の力を借りることができるかもしれないという。
精霊の聖地は、世界のどこにでも存在し、どこにも存在しない場所と言われている。
アレントまで辿り着けたジャステインなら、精霊の聖地も探せるかもしれないとリエーテは言う。
ジャスティンはリエーテに、アレントに未来が存在しないと言うのならリエーテの未来はどうなるのかと聞く。
リエーテは、自分の石版の色は自分で決めるのではなく世界が決めるものだと答える。
しかしジャスティンは、未来は自分で変えるものではないか、とリエーテを正し、リエーテを一緒に外の世界に行こうと誘う。
リエーテにとってその発想は自分では出来ないものであったようで、とても驚く。
そして、リエーテはジャスティンが作る未来を見届けて、自分の石版を赤くする事を決めた。

4人はアレントから地上へ戻ろうとする。
地上へはシャトルでしかいけないようで、一同はシャトルに乗る。
極めて安全なシャトルで、地上まであっという間に落下するとにこやかに言うリエーテ。
ジャスティンたちが「落下」の言葉を疑問に思ったその瞬間、シャトルは真っ逆さまに地上へ落ちて行った。
シャトルの中は、これまでのシリアスで難しい展開が嘘かのような阿鼻叫喚に包まれる。
リエーテだけは楽しそうであった。

謎の美少女として登場したリエーテであるが、仲間になってから実はド天然のお姉さんである事が発覚する。

ガイアの復活

その頃、ガーライル軍ではミューレンがクーデターを起こし、バールを捕らえようとしていた。
ミューレンは父親であるバールに刃を向ける。

阿鼻叫喚で地上へ辿り着いた一同は、リエーテ以外フラフラだった。
リエーテがガイアの気配を感じ取り、一同はルゼット山脈を目指す。
辿り付くとそこにはガーライル軍の基地があった。
そしてクーデターの影響で軍は物々しい雰囲気になっていた。
クーデター自体は成功し、あとはミューレンがバールを捕らえるだけであったが、そのミューレンが通路で倒れている。
側にはリーンが付き添っていた。
ミューレンは、ジャスティンに精霊石をバールに渡すべきではなかったと責め気絶した。
ジャスティンたちが奥へ進むと、バールが今まさに7つに砕けた精霊石の最後のピースを装置はめ込んでいた。
バールはガイアと同調し始め、正気ではなくなっていた。
四人はバールを倒そうとするが、時は既に遅くバールとガイアが完全に同調しきってしまった。
四人はリーンの光翼人の力で守られ、一端撤退をする。
するとミューレンの意向でフィーナがガーライル軍の中尉に否応無く任命される。
言っている事が理解できないジャスティンたちであるが、ミューレン曰くフィーナは光翼人であるため戦う責務があるという。
バールと一体化したガイアは、まず人口の多いジールパドンを襲おうとしているという。
ミューレンは、ガイアがジールパドンを襲っている間に、ガーライル軍の作った兵器「蒸気砲」を準備するという作戦を立てていた。
ジャスティンたちはリーンに話を聞きにいく。
リーンはミューレンのために自分の光翼人の力を使いたい、だからフィーナも協力して欲しいと頼んでくる。
ジャスティンはフィーナを無理やり中尉にしたことも、ジールパドンを見捨てる作戦も納得行かない。
フィーナも同じくジールパドンを見捨てる作戦には同意できず、一同はジールパドンへ村人達を助けに行こうとする。
リーンはそれは危険すぎると止めるが、意見はぶつかり合うばかり。
同じガイアを倒すという目的であっても、ミューレンやリーンの思う正義と、ジャスティンたちの思う正義は違うのであった。

ジャスティンたちがジールパドンへ付くと、程なくしてガイアが襲撃しに現れ、ジールパドンはあっという間に破壊されてしまう。
生存者を探すと、街には沢山の逃げ遅れた人々が石化していた。
街にはあちこちでガイアバトラーが現れ、生存者を襲う。
ジャスティンたちはガイアバトラーを倒すが、直ぐに復活してしまう。
そこへリーンが現れ、光翼人の力でガイアバトラーを撃退する。
普通の人間にはガイアに太刀打ちはできない、光翼人でなければガイアは倒せないと言うリーン。
しかしガイアの触手がリーンに接触し、リーンは気絶した。
ジャスティンたちは気絶したリーンをモゲ族が用意した避難所へ運ぶ。
避難所では何が起こったのか分からない人々が怖がり絶望していた。
その光景を見て、フィーナは戦うのではなく皆を守りたいのだと言い、その言葉と共にフィーナの体が発光する。
リエーテは、フィーナが新たな力に目覚めようとしていると指摘する。
それはかつての光翼人たちも持ち得なかった力で、誰かを「想う力」だという。
ガイアバトラーが避難所に襲撃してくると、フィーナはジャスティンに一緒に強く想って欲しいと言う。
ジャスティンがそれに応える。
フィーナの守る力でガイアは一時的に活動を停止した。
それを見ていたリーンは、フィーナとジャスティンの想う力に戸惑う。
そして、ジールパドンを見捨てる作戦をジャスティンたちに押し付けようとしたのを詫び、自分の進むべき道を示してくれた事に感謝した。
リーンはフィーナを連れて行かず、1人でミューレンの元へ帰った。
リーンはミューレンにジールパドンで見た事を話す。
自分の光翼人の力はガイアを倒すためのものであったが、フィーナの力は守るためのもので、光翼人の力よりもずっと大きなものだったと語る。
ガイアを倒すためにジールパドンを見捨てる作戦は間違っていたのでは無いかと問う。
しかしミューレンは引き下がれず、そんな理想を語っていても仕方がない、ガイアを倒すのは二人の光翼人の力だとリーンに強く言う。
そして、リーンの翼は罪の象徴なのだと優しく諭す。
リーンはその言葉にショックを受け、主張を止めてミューレンのいう事を聞いた。

フィーナはまだ自分が戦うための存在なのかと迷いを持ち、自問自答をしていた。
ジャスティンもその問いにキチンと答えられなかった。
そこへガーライル軍が動き出したと知らせが入るが、そもそもガーライル軍の作戦はフィーナありきのものであった。
フィーナは嫌な予感がしつつ、一同はミューレンのいる軍事要塞へ行く。
ジャスティンたちが到着すると、どうやら様子がおかしい。
リーンが作戦を無視して単独行動をはじめ、蒸気砲の上に立っていた。
ガイアは蒸気砲の直ぐ前まで侵攻して来ていて、リーンと合間見える。
ジャスティンは司令室に居るミューレンに事情を聞くと、ミューレンは何故フィーナがここに居るのかと驚く。
本当ならばリーンがフィーナを説得し連れて来て作戦を実行するはずであったのである。
しかしリーンは1人でガイアに立ち向かっている。
すると、モニターがジャックされリーンがミューレン達に向けて一方的に語りだした。
リーンはミューレンの考えた作戦を止めるためにここに居ると話す。
世界を救う力を持っているのは自分ではなくフィーナで、フィーナにあって自分には無いものはジャステインという存在であるという。
その自分にはない「新しい力」はまだ小さいもので、リーンはその時間稼ぎをするために力を使うと語る。
自分の翼は罪の象徴であるが、この翼でミューレンを苦しめる人々の罪(ガイアを生み出す欲望や悪意)を軽く出来るなら、それは誇らしいという。
ミューレンはモニターに向かって、リーンが苦しめられているからその翼から解放させてあげたかったと叫ぶ。
続けてリーンは、世界中の人々に争うことを止めるように言い、そしてガイアという存在に立ち向かって欲しいと呼びかける。
そしてジャスティンには、悲しい歴史を繰り返さない新しい道が探せるはずだと、今後を託した。
最後にミューレンに、「貴方を誰よりも愛しています」と告白し通信は途切れた。
ミューレンの悲痛な呼びかけもリーンには聞こえない。
ラップはジャステインにリーンは死ぬ気では無いかと言い、ジャスティンはリーンの居る蒸気砲へ向かう。
ジャスティンは砲塔に辿り着き、リーンに止めるように呼びかけるが、それと同時にリーンが翼を開く。
リーンは蒸気砲を操り、自らを囮にしてガイアをおびき寄せ、蒸気砲の照準をガイアに合わせた。
ガイアがリーンを丸呑みにするのと同時に、蒸気砲が発射され、ガイアの頭と蒸気砲の破片が飛び散った。
リーンは帰らぬ人となった。

食べられる瞬間に、リーンのテーマ曲の一節が流れる演出が涙を誘う。

ジャスティンの挫折

リーンの身を削った攻撃でガイアは一時的に活動を停止していた。
フィーナはリーンの死にショックを受け塞ぎこんでいる。
そこにミューレンが現れ、フィーナに会おうとする。
ジャスティンは激怒し、今度はフィーナを殺す気かと責める。
ミューレンは光翼人であることの責任の重さがお前に分かるのか、他人を責めるより前に自分の無力さを恥じろと怒鳴り、ジャスティンは言い返せなかった。
ミューレンはフィーナに、リーンの残したこの時間を使い、ガイアに止めを刺しに行く手立てを話す。
フィーナは暗い顔で、自分も神話の光翼人たちと同じように死ぬ運命なのかとミューレンに問う。
ミューレンは命の保障は無いと正直に答える。
ジャスティンは、フィーナをこれ以上巻き込むなと止める。
ならば戦う以外の道があるのかとミューレンに言われ、ジャスティンは言葉を詰まらせた。
ミューレンは今この時間もリーンの命と引き換えに手に入れたものなのだと言い、フィーナに決断するよう言い残して帰った。
フィーナはジャスティンに、リーンの言っていたようなこれまでと違う道なんてあるのかと聞く。
ジャスティンは自分が見つけてみせると答えるが、だったら何故ミューレンにもそう言い返せなかったのかと声を荒げる。
フィーナは死ぬのを怖がっていた。

フィーナの居たテントから出ると、ラップがジャステインを励ます。
するとギドから呼び出しが掛かる。
ジャスティンはギドに、リーンの言っていたことが自分には分からない、どうやったらフィーナを犠牲にせずに世界を救えるのかと、自分の迷いを語る。
ギドは、そもそも1人でやろうとしたって出来るわけがない、助け合う力が大切なのだと諭す。
誰かのために力を使うときが一番大きな力を出せる。
ジャスティンとフィーナが力を合わせればきっと何かが出来ると言う。
ジャスティンはそれを聞くと気持ちが晴れ、もう一度フィーナと話し合おうとフィーナの元へ向かう。
するとフィーナはミューレンと共に行く決意をし、今まさに飛行戦艦に乗り込むところだった。
ジャスティンは自分がどうにかするとフィーナに呼びかけるが、もう決断をしてしまったフィーナの心は動かない。
フィーナは自分が捕らえられたから精霊石をバールに奪われ、結果リーンが死んだ、ならば自分が戦わなくてはならないと思っていた。
そして何よりジャスティンを守るために世界を守ろうとしているのである。
お互いにお互いを守ろうとし、意見が対立してしまう。
フィーナは光翼人の力でジャスティンを吹き飛ばし、ジャスティンに私の事忘れないでと別れを告げた。
ジャスティンは成す術もなく、フィーナがミューレンと一緒に戦艦に乗り込むのを見送ることしかできずに居た。

その光景を見ていたラップとリエーテ。
ジャスティンは二人に暗い顔で行こうと言う。
フィーナのもとへ行こうという意味ではなく、諦めから来る帰ろうという意味であった。
ラップは、ジャスティンが行く場所はフィーナの元だろと叱咤激励するが、ジャスティンは暗い顔のまま。
ジャスティンの態度に愛想を付かしたのか、ラップは悪態を付きながらジャスティンの元を去った。
リエーテは、ジャステインが自分の未来を赤い石版に変えてくれるのではなかった?と問う。
だがジャスティンは答えられず、リエーテもまたジャスティンと一緒に居る意味は無いと立ち去って行った。
ジャスティンの心中を表すかのように、突然雨が振り出した。
そこへ三人娘が現れ、ミューレンの命令でガーライル軍は撤退し、兵達を故郷へ帰すのだとジャスティンに話す。
三人娘はこれまで敵であったが、こうなってしまえばもう適も味方も無い。
ジャスティンに命があるうちに早く逃げなさいと声をかけ、その場から立ち去った。
そしてその場にはジャスティン以外誰も居なくなってしまった。
ジャスティンは何故自分は冒険者に憧れたのか、こんな遠くまできて何をやってるんだと自問自答する。
世界を守れるなんて何で思ったんだろう?好きな女の子1人も守れないのに、リーンの言う新しい道なんて分からないと打ちひしがれる。
すると精霊がジャスティンの目の前を横切り、ジャスティンは導かれるようにジールパドンへ向かう。
ギドなら、今の自分にも何が出きるのか教えてくれるのでは無いか…と、残った唯一の頼りにした。

ジールパドンにつくと、ギドはここぞという時のためにためていたお金で復興に励んでいた。
ジャスティンはギドに自分にもなにか手伝わせてくれないかと言うと、ギドはその申し出を断る。
ギドにも捨てられるのかとジャスティンは言葉を濁す。
ギドは捨てるものなんて何も無い、全てのものに精霊が宿っていて、全てのものにやるべき事があるのだと語る。
しかしジャスティンにはもうやるべき事は何も無い。
ジールパドンを救ったのはフィーナで、ガイアを止めたのはリーンで、最後の戦いに挑むのはミューレンで、自分の役割などないと言う。
ギドはジャスティンにヒーローになりたかったのかい?1人の力で何が出来る?と問う。
1人では何も出来ない、けど自分はもう1人ぼっちだとジャスティンは言う。
ギドは君が一人ぼっち?気づいてないのかい?と言うと、ジャステインの背後から聞きなれた女の子の声が聞こえる。

そこにはスーの姿があった。
スーだけではなく、ガドインやミルダ、ラップとリエーテの姿もあった。
ミルダは、女はいつだって惚れた男が助けに来てくれるのを待ってるさと声を掛ける。
リエーテは、フィーナには光翼人としての抗えない運命があるが、だからこそジャスティンが新しい道を作ってあげるのだという。
ラップは、うじうじ考えるくらいならとりあえずやっちまおうぜ!なんとかなるさお前なら!と笑いかける。
ガドインは、良い仲間を持ったなとジャスティンの成長を肯定した。
ギドは、沢山の人々と関わり結んできた、それが君の力だと語りかけた。
スーには、いつまで休んでるつもり?早くフィーナを助けに行かないとと発破を掛けられる。
ジャスティンはただみんなで力を合わせれば良いだけなんだ、何でこんな簡単なことも分からなかったんだろうといつもの調子を取り戻していく。
そして皆がいてくれるなら俺はやってやるぜ!と声をあげると、ジャステインの目の前に精霊が集まり1つの門が現れた。
それは幻の地「精霊の聖地」へ続く精霊の門だった。
ジャスティンは精霊石の所有者として精霊達に認められたのである。
一同は精霊の力を借りるために、精霊の聖地へと入って行った。

最後の戦いへ

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