グランディア(Grandia)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

グランディアとは、1997年に発売されたセガサターン用RPGゲーム。その後プレイステーションに移植され、2009年にプレイステーションのアーカイブスでダウンロード可能になった。ゲーム発売から20年経っても名作との呼び声が高い。冒険者に憧れる主人公「ジャスティン」は、作中の文明「古代エンジュール文明」の遺跡で、謎の美少女「リエーテ」に神殿「アレント」を目指すように言われ、冒険へ出る。

『グランディア』の概要

グランディアとは、1997年に発売されたゲームアーツ製作のセガサターン用RPGゲーム。
セガサターン自体はその後撤退への道を歩む事になってしまったが、グランディア自体は高く評価されセガサターンソフトとしては賞を取るなど功績を上げた。
そして1999年にはプレイステーションに移植。
派生作品には、セガサターン用のファンディスク「グランディアデジタルミュージアム」、グランディア(無印)のキャラが出てくるゲームボーイソフト「グランディアパラレルトリッパーズ」がある。
さらに、続編(魔法などの名前は同じであるがキャラや世界観は別)のグランディア2、グランディア3、グランディアXが発売された。

本作品は3Dと2Dの融合が上手く出来ており、戦闘や移動する時のキャラクターはドット絵アニメーションで、会話で出てくる顔のグラフィックはアニメ絵で、ムービーは2Dアニメ+3DCGで、マップは全方位に回せる3D使用するなど、90年代のゲームでは画期的なものであった。
近年では当たり前に入っている戦闘シーン以外で(会話シーンなど)のキャラクターボイスも、この頃では珍しいものであった。

グランディアのデータベースを監督の「本谷利明」がホームページ上で公開しており、かつて掲示板ではファンとの交流が盛んに行われていた。
世界設定デザインには、個性派アニメーターとしても有名な「小林治」も参加している。
音楽は、ゲーム音楽や東京ディズニーリゾートのパレード曲や舞浜駅の発着音を手がけている「岩垂徳行」が担当し、民族音楽でゲームを彩った。

世界観は完全ファンタジーで、古代文明や未開の地などのオリエントな雰囲気や、高度な機械を使う軍隊・魔法で動かす古代の機械などスチームパンクな雰囲気を持っている。
物語は、冒険家に憧れる好奇心旺盛な主人公が故郷から遠く離れた地を目指し、沢山の人々と出会い、最後は仲間達と共に世界を救うという王道なストーリー。
歴史や神話、古代文明などの膨大な世界観、機械、衣装、小物、音楽まで非常に細かく作られていて、誰もが持つファンタジーへの憧れをそのまま形にしたような作品となっている。
ボリューム満点のシナリオで、プレイヤーはジャスティンたちと一緒に大冒険している気分を味わえる。

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『グランディア』のあらすじ・ストーリー

メッシナ大陸からニューパーム大陸へ

本作の主人公「ジャスティン」。冒険者に憧れている好奇心旺盛でちょっとお調子者の少年。

ジャスティンの幼馴染「スー」。8歳でありながらジャスティンの保護者のような存在。

本作の主人公「ジャスティン」は冒険家にとても強い憧れを持っていた。
というのも、ジャスティンの亡き父親や祖父は冒険家であったからだ。
ジャスティンは父の形見である「精霊石」を大事に持ち歩いていた。
ジャスティンは母「リリィ」の元で、好奇心旺盛で正義感の強い、ちょっとお調子者の少年へ育った。
いつか冒険家として旅に出ることを夢に見ながら、幼馴染で年下の女の子「スー」と共に故郷パームの街で日々元気良く遊んでいた。
スーは8歳の女の子であるが、しっかり物で自称ジャスティンの保護者で、頭にはプーイという謎の生き物がリボンの様にくっ付いている。
ある日、ジャスティンとスーは博物館の館長から紹介状を貰い、近くにある古代文明の跡地「サルト遺跡」の見学に行った。
サルト遺跡には私設軍隊のガーライル軍が発掘調査に来ていた。
ガーライル軍とは最高司令官「バール」、指揮官でバールの息子「ミューレン」、ミューレンの部下で中尉の「リーン」、隊長の「ミオ」「サキ」「ナナ」、そして大勢の軍人からなる組織である。
人間関係は複雑で、ミューレンはリーンを気に入っており、リーンもミューレンを特別視し、ミューレンに憧れるミオ・サキ・ナナ(まとめて3人娘と呼ばれる)はリーンを目の敵にしていた。
ジャスティンの持っていた紹介状は3人娘によって破り捨てられてしまった。
それでも諦められなかったジャスティンとスーは隙を付いて遺跡へ忍び込み、ガーライル軍に見つからないように遺跡の中を見て回る。
するとジャスティンの持っていた精霊石が反応し、石に導かれて二人はサルト遺跡の最深部へと辿り着いた。
ジャスティンとスーは、そこで謎の美女「リエーテ」に出会う。
リエーテは映像として現れ、失われた文明「エンジュール文明」、そして翼を持ち精霊の力で強力な魔法を使う「光翼人」についての話をし、詳しく知りたければ東を目指し「アレント」へ来るように言う。
アレントとは地図上には無く、何処にあるか分からない場所であった。
ジャスティンとスーが最深部から出ると、調査をしていたミューレンとリーンに遭遇してしまう。
遺跡の最深部へは精霊石が無ければ入ることができず、また精霊石が無ければ操れない部屋の仕掛けがあったのだ。
ミューレンはジャスティン達を捕まえようとするが、ジャスティンたちにまんまと撒かれてしまう。

謎の美少女リエーテ。精霊石を持つジャスティンに東を目指すように言う。

無事に帰宅したジャスティンは、冒険へ出る決意をした。
まずは新大陸と呼ばれているニューパーム大陸へ行くため、船に乗る必要が出てきた。
ジャスティンはスーと一緒に冒険家のジンを訪ね、船のパスを入手する。
しかし、パスは一枚だけ且つスーが8歳であることからジャスティンはスーを置いて一人で旅に出ることを決め、スーに別れを告げる。
当然自分も一緒に旅に行くのだと思っていたスーは泣きじゃくり、ジャスティンの前から消えてしまった。
ジャスティンは母リリィにも冒険へ行く事を告げていなかった。
早朝、壁に貼られた父の写真の隣に自分の写真を張り(自分も冒険家の仲間入りという決意表明)、リリィへの手紙を置いてこっそりと家を抜け出し、港へ向かった。
スーは姿を見せなかった。
港でジャスティンは荷物の中に見慣れない手紙が入っている事に気づく。
それはジャスティンの行動を察したリリィが冒険家協会(冒険家の団体)へ当てた手紙で、最後にはジャスティンへ当てたメッセージも書かれていた。
ジャスティンはリリィに感謝し、船へ乗りこんだ。

母リリィはジャスティンが冒険に出る事に気づいていながら、いつも通りの態度を取っていた。粋である。

船の中でジャスティンはプーイを見つけ、プーイを追いかけると甲板では密航者としてスーが捕まり、樽流しされそうになっていた。
スーはジャスティンを追いかけて、こっそり船に忍び込んでいたのだ。
ジャスティンは、港に着くまでの間船の中で働く事を条件にスーを許してもらい、二人は見習い船員としてこき使われた。
二人が甲板を掃除していると、冒険者協会のプロ冒険者であるフィーナが船へ乗り込んできた。
フィーナは有名な女冒険家であったため、船員はフィーナを歓迎した。
ジャスティンもフィーナに挨拶しようとするが、フィーナはジャスティンを子供扱いし、まともに取り合ってくれなかった。
そこに幽霊船が現れ、フィーナは退治に向かい、ジャスティンとスーもそれに同伴した。
一緒に行動する中でフィーナとジャスティンはお互いに認め合い、ニューパーム大陸港に到着後フィーナとは別れた。

本作のヒロインのフィーナ。最初はジャスティンを子供扱いする。

ジャスティン達が冒険者協会へ行くと、そこにはパコンというちょっとおかしな会長がいた。
パコンの語る観光のような冒険と、ジャスティンの思うハラハラドキドキの冒険は大きく違い、ジャスティンは腑に落ちない。
しかもパコンは近々フィーナと結婚するという。
真相を確かめるためにフィーナの家に向かい、フィーナから事情を聞く事にした。
フィーナはジャスティンたちとの再会を喜び、家に迎えてくれた。
元々家で姉と二人暮らしをしていたが、ある日姉は出て行ってしまい、その後1人暮らしをしているという。
ジャスティンと同じく協会に疑問を抱いているが、パコンを拒否すれば冒険が自由に出来なくなることを恐れ、嫌々従っているのであった。
すると突如パコンが現れ、挙式を上げるためにフィーナを攫って行ってしまう。
ジャスティンたちはパコンとフィーナの結婚式に乱入し、フィーナを救い出した。
フィーナはルールに縛られないジャスティンの在り方に感銘を受け、協会を抜けてジャスティンと一緒に冒険をする決意をした。

ばふひん=ジャスティン

ニューパーム大陸から世界の果てへ

ジャスティンとスーは、道中「世界の果て」と呼ばれている巨大な壁を遠目に目撃する。
世界の果てには向こう側は無く、登ることもできない、そこで世界が終わっているといわれているものである。
三人は「ドム遺跡」へ到着し、そこでまたリエーテに出会う。
リエーテはジャスティンにさらに東へ進むように言うが、世界の果てがありこれ以上東には進めないというと、「世界に果ては無い」と言い残しリエーテは消えてしまう。
帰り道、小さな少年が倒れているのを発見し、保護する。
その少年(レム)には言葉が通じず、頭には角が生え、耳が尖った「亜人」であった。
レムは最初威嚇していたが、自分が三人に助けられたことを悟るとジャスティンたちに好意的な態度を見せる。
するとそこへガーライル軍がやってきて、レムとジャスティンたちを捕まえた。

亜人の少年レム。ジャスティンたちとは違う言葉を話す。

ガーライル軍の目的はレムの捕獲で、ジャスティンたちはサルト遺跡の事と、レムと関わっていたこともあり、牢屋に閉じ込められ3人娘に処刑を言い渡される。
見兼ねたリーンはこっそりと鍵を置いて行き、ジャスティンたちは檻から脱出する。
三人はミューレンとレムが不思議な言葉で会話しているのを目撃する。
ミューレンの母親は亜人で、ミューレンは亜人の言葉(古代エンジュール語)が使えるのであった。
ジャスティンたちはレムを助け出す事に成功し、ガーライル軍の列車を乗っ取り、世界の果ての近くにある「霧の樹海」と呼ばれる森へ行く。
レムはジャスティンたちに木の実を渡し、三人がそれを食べるとレムの言葉を理解できるようになった。
霧の樹海にはレムの住んでいる「ルクの村」があり、レムに案内されて村に到着する。
しかし亜人である故なのか、村の住民達は外部からのよそ者を良く思わず、レムを救った事には感謝されたが警戒される。
三人は東へ進むために霧の樹海をさらに進まなければならず、そのためにルクの村の住民の持つ霧除けの実を譲って貰えないか持ちかけるが、とても貴重な物であるため断られる。
するとまたもガーライル軍が攻めてきて、村の御神体を奪おうとする。
指揮していたのはリーンで、リーンはこれまでジャスティンたちに密かに情を掛けていたが、今回は一歩も引き下がらなかった。
そして、これまでリーンと顔を合わせずに来ていたフィーナが出会い、二人は双子の姉妹である事が発覚する。
だがリーンはフィーナにこれ以上自分達に関わるなと言い、戦いになってしまう。
三人はルクの村のために戦うが、御神体は壊され、リーンは御神体に使われていた精霊石を奪い去った。

あまり外見は似ていないが、双子の姉妹。

三人は村のために戦ったことで認められ、貴重な霧除けの実を分けて貰えることになった。
ジャスティンは霧を晴らし、さらに樹海の奥へと進んでいく。
樹海を抜けると世界の果ての壁が現れ、三人は壁をひたすら登り続ける。
しかし登っても登っても頂上は見えてこず、三人は段々頂上は無いのでは無いかと不安になる。
そしてまた何日も登り続け、ある朝、ついに頂上へ辿り付く。
世界の果ての向こう側には森や大地が続いていて、リエーテの言うとおり世界に果ては無かったのである。
三人が感動しその光景に唖然としていると、突如謎のヘリコプターのような機械が現れる。
三人はヘリコプターのような物に捕まえられ、世界の果ての向こう側へ投げ落とされてしまう。

巨大な壁「世界の果て」の向こうにはまだ世界が続いていた。

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