それでも夜は明ける(12 Years a Slave)のネタバレ解説まとめ

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19世紀のアメリカで、自由黒人であるにも関わらず奴隷として売られ、12年間の奴隷生活を送ることとなったソロモン・ノーサップの実話を、彼が書いた体験記をもとにスティーヴ・マックイーン監督が映画化、2013年に公開された。主人公のソロモン・ノーサップをキウェテル・イジョフォーが熱演。監督の志に賛同したブラッド・ピットが制作段階から参加し、出演も果たしている。

『それでも夜は明ける(12 Years a Slave)』概要

『それでも夜は明ける(12 Years a Slave)』は2013年公開のイギリス・アメリカ合作映画。自由黒人でありながら拉致され12年間の奴隷生活を送ったソロモン・ノーサップの体験記『Twelve Years a Slave』を、スティーヴ・マックイーン監督が映画化した。

アメリカでの当初の公開は19館のみであったが、そのリアルな描写と感動的なストーリーが話題となり、2週目には123館、3週目には410館に拡大。数々の賞を受賞し、第86回アカデミー賞では9部門にノミネートされ、作品賞、助演女優賞、脚色賞を受賞した。アメリカの負の歴史である奴隷制度を扱った作品がアカデミー作品賞を獲得したことで、再びこの歴史と向き合おうという機運が高まり、学校での教材に使用されるなど歴史教育にも大きな影響を与えた。

あらすじ・ストーリー

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1841年、ニューヨーク州のサラトガ。黒人を奴隷として所有することが合法であった時代。ソロモン・ノーサップは、奴隷として扱われない自由証明書を持った「自由黒人」だった。ヴァイオリニストであるソロモンはある日、サーカス公演の人材を探している二人組の男を紹介され、演奏家としてワシントンへ行くことになる。しかし公演の成功を祝い酒に酔いつぶれたソロモンが目覚めると、身ぐるみは剥がされ、手足は手錠で繋がれていた。興行主がソロモンを奴隷として売ったのだ。自分は自由黒人であると訴えるが、証明するものは何もなく、奴隷市場で「プラット」という名を与えられ、材木商のウィリアム・フォードに買われてしまう。

農園の監督官であるチェイピンのもと、木を切り倒し運ぶ仕事をしていたソロモンは、水路を利用して材木を運ぶことをフォードに提案し成功させる。フォードはソロモンの働きに感謝し、ヴァイオリンをプレゼントした。しかし農園だけでなく様々な仕事をこなすようになったソロモンは、フォードの大工であるジョン・ティビッツの反感を買ってしまう。嫌がらせを受けても我慢していたソロモンだったが、ある時鞭で打たれそうになり、反対に鞭を奪って暴力をふるってしまう。その仕返しに木に吊るされそうになったソロモンを見たフォードは、能力があるが故にトラブルの元となってしまうソロモンを、資金面で世話になっているエドウィン・エップスに売ることを決める。

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広大な綿花畑を営むエップスは、奴隷に対し冷酷な人物だった。毎日その日摘んだ綿花の量を1人ずつ量り、平均に達しない者には鞭打ちを行った。エップスは誰よりも多くの綿花を摘む少女・パッツィーがお気に入りだった。パッツィーを特別扱いするエップスが気に入らない夫人は、パッツィーに対し時折暴力をふるった。夜はエップスの相手をし、昼間は奴隷として働き、夫人から嫌がらせを受ける。そんな生活に耐えられなくなったパッツィーはソロモンに「私の人生を終わらせて」と頼むが、「神に背くようなことを頼むな」とソロモンはその頼みを断った。

綿花畑が害虫にやられてしまい、エップスは奴隷たちを知り合いの判事の畑に貸し出す。そこでヴァイオリンの腕を買われたソロモンは、演奏家としてパーティーなどに参加し、小銭を稼いだ。エップスの元に戻ると、元監察官の白人・アームズビーが奴隷として加わっていた。彼は良心の呵責から酒におぼれ失敗をし、奴隷になってしまったのだ。アームズビーを信頼したエップスは、ヴァイオリンで稼いだ全財産を彼に渡し、故郷の友人に自由証明書を送ってもらうよう書いた手紙を郵便局に出してほしいと頼む。アームズビーはそれを了承するが、エップスに告げ口をする。ソロモンはエップスに問い詰められるが、アームズビーがアル中で、職を得るため嘘をついていると言い、なんとかその場をごまかし、必死に描いた手紙をこっそり燃やした。こうしてソロモンの小さな希望は消え去ってしまう。

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エップスは日曜の度に他の屋敷へ遊びに行くパッツィーが浮気をしていると疑い、ソロモンにパッツィーを鞭で打つよう命じる。銃を突き付けられ、「皮膚が裂け血と肉が出ないと奴隷を片っ端から殺す」と脅され、身を切る思いでパッツィーに鞭を打つソロモン。パッツィーの背中には深く消えない無数の傷が残った。ある日エップスが雇ったカナダ人の大工、サミュエル・バスの仕事を手伝うことになったソロモン。エップスに対し、奴隷の扱いが酷すぎると苦言を呈するバスを信用したソロモンは、彼に自分の素性を明かし、故郷の友人に自由証明書を送ってもらうよう手紙を書いてほしいと頼む。

バスが去った後も奴隷としての日々は続いた。そんなある日、ソロモンのもとへある男を連れた保安官がやってくる。「あの男を知っているか?」とソロモンに尋ねる保安官。そこにいたのはかつての友人パーカーだった。バスがパーカーに手紙を書いてくれたおかげで、ソロモンが自由黒人であることが証明されたのだ。こうしてソロモンは奴隷生活から解放された。そして12年ぶりに家に帰ってきたソロモンを、家族が温かく迎える。愛する娘・マーガレットは結婚し、母親になっていた。生まれたばかりのその子どもには「ソロモン」という名がつけられていた。

登場人物・キャラクター

ソロモン・ノーサップ(演:キウェテル・イジョフォー)

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ニューヨーク州サラトガに住む自由黒人で、ヴァイオリニストとして活躍していた。当時の黒人としては珍しく教育を受けていて、読み書きもでき、白人の友人も多い。しかしその友人の一人から紹介された男たちに騙され、奴隷として売られてしまう。奴隷時代もその教養を生かして様々な仕事をこなすが、それが返って周りの反感を買い、トラブルを起こしてしまうことも少なくない。

12年間の奴隷生活の末、1853年に身分を回復、自由の身となった。その後は自らの半生を記した「12 Years a Slave」を出版。奴隷制度廃止の活動家として、アメリカ北東部を中心に講演活動などを行うとともに、逃亡を手助けする結社「地下鉄道」を支援した。しかし1857年以降の彼の記録は残っておらず、いつどこで亡くなったのかなどは不明のままである。

ウィリアム・フォード(演:ベネディクト・カンバーバッチ)

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奴隷市場で最初にソロモンを奴隷として購入した材木商。信心深く温和な性格で、奴隷に対する扱いも丁寧。ソロモンが材木を運ぶため水路を利用することを提案するとそれを受け入れ、成功すると感謝を伝えヴァイオリンをプレゼントするなど、奴隷でもきちんと評価をする人物である。
しかしソロモンが自由黒人であることを打ち明けても、それを救済するほどの勇気はない。ソロモンによってトラブルが起こることを恐れ、借金返済に追われていたこともあり、結局ソロモンをエップスに売ってしまう。

ジョン・ティビッツ(演:ポール・ダノ)

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フォード家の雇われ大工。奴隷たちを見下し、自分のことを「旦那様」と呼ばせている。ソロモンが水路を利用して材木を運ぶことを提案すると、出来ないと決めつけ反対する。そしてソロモンがフォードから重用されるようになると彼を妬み、なにかと嫌がらせをするようになる。
口ごたえするソロモンを鞭で打とうとして返り討ちにされ、その報復として仲間を連れてソロモンを木に吊るすが、チェイピンに脅されるとすぐに逃げ出すなど、気が荒く冷酷だが、陰湿で臆病な性格である。

エドウィン・エップス(演:マイケル・ファスベンダー)

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フォードからソロモンを買った綿花畑のオーナー。奴隷を所有物としか考えておらず、毎日摘んだ綿花の量を一人ずつ発表し、平均以下の者には鞭打ちをする。働き者のパッツィーがお気に入りであり、妻が嫉妬しパッツィーを売れと頼んでも「あれを売るくらいならお前を捨てる」と言い放つ。
パッツィーが浮気をしていると疑い、ソロモンを銃で脅してパッツィーに対し鞭打ちをさせる。そして自らもパッツィーに鞭を打ち、「今私はすごく楽しいんだ」と言うなど、最後まで奴隷に対する扱いは酷いものであった。

パッツィー(演:ルピタ・ニョンゴ)

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