リストランテ・パラディーゾ(GENTE〜リストランテの人々〜)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『リストランテ・パラディーゾ(GENTE〜リストランテの人々〜)』とは、『マンガ・エロティクス・エフ』(太田出版)で連載されていたオノ・ナツメによる、老紳士たちが織り成すハートフル漫画である。幼くして両親が離婚し祖父母に預けられたニコレッタは、母親の再婚相手を一目見るためローマにあるリストランテにやってきた。そこで働き始めたニコレッタは、従業員全員が老眼鏡着用必須のリストランテであることを知ったのである。数々の人気作品を生み出してきたオノ・ナツメが描く、老眼鏡紳士たちによるおもてなし漫画だ。

『リストランテ・パラディーゾ』の初版時の帯には、『3月のライオン』や『ハチミツとクローバー』の作者である羽海野チカがコメントを寄せている。「真剣に好きです」というコメントとともに羽海野チカが描いたキャラクターが号泣しており、その様子を心配するクラウディオが描かれている。

グッズ化されるほど根強い人気を誇るキャラクターたち

2018年に有楽町マルイで開催されていた「オノ・ナツメ1日1キャラクター展」が、2021年には西武渋谷店や神戸阪急でポップアップストアとして開催されていた。オノ・ナツメが描いてきたキャラクターたちの展示があるほか、物販などもあり大いに盛り上がった。そして、グッズのラインナップにはクラウディオやニコレッタが描かれた缶バッジやキャンバスアートなどがあり、今でも根強い人気を誇ることが分かる。

雑誌『ダ・ヴィンチ』の「眼鏡の男たち」特集で紹介される

2021年10月発売の『ダ・ヴィンチ』11月号(KADOKAWA刊)で、「眼鏡の男たち」という特集が組まれオノ・ナツメ最新作『僕らが恋をしたのは(講談社刊)』が紹介されている。また、『リストランテ・パラディーゾ』や『GENTE〜リストランテの人々〜』も「老眼鏡紳士マンガ」として登場し、エッセイストで漫画家の夏目房之介氏と菓子研究家の福田里香氏の対談では、「老眼鏡紳士という新しい地平を開拓した画期的作品」と紹介されているのだ。

『リストランテ・パラディーゾ(GENTE〜リストランテの人々〜)』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):orange pekoe「マリーゴールド」

テレビアニメ『リストランテ・パラディーゾ』のオープニング主題歌を担当したのは、1998年に結成した音楽ユニット「orange pekoe」だ。ヴォーカルや作詞などを担当しているナガシマトモコ、ギターや作曲を担当している藤本一馬から成るユニットで、ナガシマトモコの柔らかく透き通るような声が特徴のユニットと言えるだろう。イタリアの街並みや、リストランテで働くキャラクターたちが次々に登場するオープニング映像は、作品の魅力を前面に押し出している。老眼鏡紳士のかっこよさや、スタイリッシュさが伝わってくる映像にorange pekoeのジャズっぽい雰囲気の曲がマッチしているのだ。オノ・ナツメの繊細なキャラクターたちと、orange pekoeの柔らかい曲調がぴったりと言える。

ED(エンディング):コミネリサ「ステキな果実」

テレにアニメ『リストランテ・パラディーゾ』のエンディング主題歌を担当しているのは、シンガーソングライターのコミネリサだ。作曲はコミネリサが担当しており、CDのジャケットはオノ・ナツメ描き下ろしのニコレッタとクラウディオが描かれている。全体的に静かな曲調だが、コミネリサのダイナミックな歌い方が特徴だ。こちらもジャズのような、アレンジがかかったポップのようなリズムのよい曲で『リストランテ・パラディーゾ』の優しい世界観を盛り上げている。

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