谷山浩子(Hiroko Taniyama)とは【徹底解説まとめ】

谷山浩子とは、日本のシンガーソングライター。代表曲はNHK「みんなのうた」で流れた「まっくら森の歌」「しっぽのきもち」など。作風は小さな子でも聞ける童話的なものから歌謡曲チックなもの、シュール・ブラックメルヘン・感動系なものまで様々。物語が見えてくるようなファンタジーな歌詞が多く、谷山浩子ワールドを繰り広げている。2012年にデビュー40周年を迎えた。

谷山浩子の概要

「谷山浩子」とは、ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス所属のシンガーソングライター。
中学生の頃にキングレコードへ曲を持ち込み、ベイビーブラザーズ(フィンガー5)の「白い天使」のB面曲として「僕たちの秘密」が採用された。
作曲家志望であったが、自身で歌う事を条件にデビューが決まり、1972年にアルバム「静かでいいな 〜谷山浩子15の世界〜」とシングル「銀河系はやっぱりまわってる」で最初のデビューを果たす。
キングレコードに持ち込みに行ったのは、通っていた学校から走って30秒の所にあった事と、知り合いの知り合いにキングレコードのディレクターが居たためであった。
その後1975年にキャニオン・レコード(ポニーキャニオン)でシングル「お早ようございますの帽子屋さん」の発売で2度目のデビュー。
1977年に「河のほとりに」が発売され、3度目のデビューをした。
谷山浩子は、デビューが3回あると語っている。
2000年にヤマハでヤマハミュージックコミュニケーションズが設立した際に移籍。

小さい子へ向けた童話のようなポップで可愛い曲、幻想的な曲、しっとりしたバラード、カオスでシュールな曲、ダークメルヘンな曲など扱うジャンルは幅拾い。
有名作「まっくら森の歌」は「みんなのうた」で流れ、ほの暗い不思議なアニメーションとも相まって不気味な雰囲気を出し、トラウマ曲としても名高い。
動画サイトではシュール系の曲は一際人気が高い。

アニメでは、劇場版「未来少年コナン」で、オープニングテーマの「愛をもう一度」、エンディングテーマの「なつかしい朝」を提供。
どちらも歌唱は研ナオコがした。
他にも、スタジオジブリの「ゲド戦記」の「テルーの唄」や、「コクリコ坂」の「朝ごはんの歌」「初恋の頃」等を曲提供をしている。
ジブリ系の提供曲は全て手嶌葵が歌唱、作詞を宮崎吾朗(コクリコ坂は谷山氏と共同で)している。

その他にも沢山のアーティストに楽曲や詞を提供している。
有名所では声優の岩男潤子・豊崎愛生・上坂すみれ(作詞提供のみ)、女優の斉藤由貴、歌手の森山良子・石川さゆりなど。
また、小説家としても沢山の小説やエッセイを発売している。

人物像

パソコンを1980年代から使っており、パソコン通信が個人でも出来るようになると「谷山浩子」名義でネット活動を始める。しかし偽者だと勘違いされ、事務所からそのニックネームを使うのは止めてくださいと警告されたことがある。
その後もホームページ(ソフトを使わずにHTMLを自分で手打ちしたサイト)で活動を続け、ツイッターをも使いこなしている。
ホームページの更新は2011年で止まっているが、ホームページ自体はそのまま残っていて閲覧が出来る。
日記は1996年からつけていたり、アンケートやファン参加が出来る企画などを立てたり等、マメでユーモア溢れる性格がうかがえる。
また、夢日記をつけており(ツイッターでもたまに見た夢のツイートがある)、見た夢をそのまま曲にしたのが「仇」という曲。
20~30代の頃の夢は何かを食べている事が多かったそうで、食への興味が強いのか食べ物関連の曲も多く存在する。
小説・映画・漫画・ゲームなど色々な娯楽にも精通し、ゲームでは「クーロンズゲート」がお気に入り。
長いことネットに触れているからなのか、ネットに不慣れな人程やらかしがちな炎上発言なども無く落ち着いており、ファンからの信頼度も高い。

経歴

1972年:アルバム「静かでいいな 〜谷山浩子15の世界〜」とシングル「銀河系はやっぱりまわってる」でデビュー(一回目)。
1975年:シングル「お早ようございますの帽子屋さん」でデビュー(二回目)。
1977年:シングル「河のほとりに」でデビュー(三回目)※これが正式デビュー。
1980年:シングル「カントリーガール」オリコン55位。
1984年:9thアルバム「水の中のライオン」。オリコン23位。
1992年:18thアルバム「歪んだ王国」。オリコン29位。
1999年:24thアルバム「僕は鳥じゃない」。
2001年:25thアルバム「心のすみか」。
2005年:ベストアルバム「白と黒」。
2006年:31stアルバム「テルーと猫とベートーヴェン」。
2008年:セルフカバーアルバム「タマで弾き語り」。
2011年:33rdアルバム「夢みる力」。
2012年:谷山浩子×ROLLY(THE 卍) 名義で「ROLLY&谷山浩子のからくり人形楽団」。
2013年:谷山浩子×ROLLY(THE 卍) 名義で二枚目のアルバム「暴虐のからくり人形楽団」。
2014年:ライブアルバム「谷山浩子 デビュー40周年記念コンサート at 東京国際フォーラム」。
2017年:ベストアルバム「谷山浩子 45th シングルコレクション」。

ポニーキャニオンから発売されていた、2ndアルバム「ねこの森には帰れない」から24thアルバム「僕は鳥じゃない」までのアルバムは、長い間入手困難であった。
しかし、2011年に紙ジャケットシリーズでヤマハミュージックコミュニケーションズから再発売された。

レギュラーアルバム

14th 「しっぽのきもち」

1988年5月21日発売。オリコンランキング42位。
子供向けの曲を集めたアルバム。
「しっぽのきもち」「おはようクレヨン」「恋するニワトリ」「まっくら森の歌」はNHK「みんなのうた」で流れた曲。
「愛をもういちど」は劇場版未来少年コナンの曲で、研ナオコへの提供曲セルフカバー。
「恋のタマゴ」はテレビアニメ「ななこSOS」の挿入曲。
「花時計」は花王提供母と子の教育フィルムの主題歌になった。
「秋ぎつね」は動物愛護協会主催ニッポン放送協賛音楽コンテスト入賞曲。

ジャケットはイラストレーターの「伊藤正道」が描いている。

収録曲

1 しっぽのきもち
2 おはようクレヨン
3 秋ぎつね
4 キャロットスープの歌
5 まっくら森の歌(2nd Ver.)
6 エッグムーン
7 恋するニワトリ(2nd Ver.)
8 ニャコとニャンピ
9 はじめてのピュンタ
10 愛をもういちど
11 恋のタマゴ
12 ほうき星の歌
13 花時計

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18th 「歪んだ王国」

1992年6月3日発売。オリコンランキング29位。
「王国」は「ゲド戦記」の第2巻「こわれた腕環」をモチーフにした曲。
「悲しみの時計少女」は谷山浩子が執筆した小説「悲しみの時計少女」と同タイトル。
「アーク~きみの夢をみた~」は漫画家の水沢めぐみイメージアルバム「空色のメロディ」収録「いつか きみと…」の歌詞変え版。
「落ちてきた少年」は杉本理恵への提供曲のセルフカバー。
「気づかれてはいけない」「時計塔の殺人」はミステリー作家「綾辻行人」が作詞をしていて、綾辻氏の作品「時計塔の殺人」がモチーフになっている。
また「王国」の男性パートを綾辻氏が歌唱している(綾辻行人は元々谷山浩子のファンで、自身の作品を谷山浩子のコンサートの時に差し入れとして持って行き、それを読んだ谷山浩子が綾辻氏の作品を気に入りファンレターを描き、その後交流を持つようになりコラボに至った)。

全体的にゴシックロマンな雰囲気で、黒い谷山浩子が好きな人たちからは強い支持を得ている。

収録曲

1 王国
2 会いたくて
3 さよならのペガサス
4 Elfin
5 アーク〜きみの夢をみた〜
6 悲しみの時計少女
7 落ちてきた少年
8 気づかれてはいけない
9 時計館の殺人
10 HATO TO MAGI

【綾辻行人】×【谷山浩子】

1.『時計館の殺人』作詞:綾辻行人/作曲:谷山浩子 2.『気づかれてはいけない』作詞:綾辻行人/作曲:谷山浩子 3.『王国』作詞・作曲:谷山浩子/side vocal:綾辻行人

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21st 「漂流楽団」

1995年9月21日発売。
オリコンランキング59位。
「子守唄」「ふたり」は新居昭乃への提供曲で、楠桂原作の漫画「人狼草紙」イメージアルバムへ提供した曲のセルフカバー。
「DOLL HOUSE」は斉藤由貴への提供曲のセルフカバー。
1995年は阪神大震災や地下鉄サリン事件が起こった、バブル崩壊後の日本に影を落とすような年であったため、作品も間接的に影響を受けている。

収録曲

1 風のたてがみ
2 真昼の光は嘘をつく
3 漂流楽団
4 SAKANA-GIRL
5 子守唄
6 楽園のリンゴ売り
7 DOLL HOUSE
8 見えない小鳥
9 ふたり
10 七角錐の少女

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