特警ウインスペクター(特撮テレビ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「特警ウインスペクターとは、平和を愛し、友情を信じ、人の命を守るため犯罪に立ち向かう、警視庁・特別救急警察隊の事である!」(OPナレーションより)
特警ウインスペクターとは、1990年に放映された東映製作の特撮ヒーロー番組である。1982年の宇宙刑事ギャバンより続くメタルヒーローシリーズの第9作にして、その後2作品続くことになるレスキューポリスシリーズの第1作目でもある。

画像中心の人物。冷酷かつ凶悪犯罪者。

世界中で指名手配されている国際的犯罪者で、死神のような執念深さで犯罪を遂行することから「死神モス」と呼ばれる。食糧危機を乗り越えることができるハイブリッド種子を狙い、大勢の部下たちとともに専用のスーパーカーで研究所を襲撃したが失敗。追跡するウインスコードをスーパーカーのミサイルで爆破し、香川竜馬を瀕死の状態に陥れる。更には追跡中のバイクルとデミタスを襲撃・拉致してバイクルを解体したり、里村研究所所員の竹田を次期所長の座で釣って寝返らせるなどの悪辣さも見せた。 最後は新マシン・ファイヤースコードとファイヤーの活躍で追いつめられた末、逮捕される。

第31話「哀しみの最強ロボ」

アメリカFBIに派遣されていたロボット刑事・ブライアンが年に一度のメンテナンスのため日本に帰ってきた。だがその身体は、日本に居た時には無かった強力な武装が施されており、頭脳も改造されてしまっていた。そんな中都内全域に誘導電波が発信されセーフティーシステムが外されていたことよりメンテナンス中のブライアンが暴走してしまう。強化されたブライアンには、ウインスペクターも敵わない。逆転の切り札は、新開発の超兵器・ギガストリーマー。追いつめられたウインスペクターは、完成したてのギガストリーマー・マキシムモードでブライアンを見事倒すが、ブライアンの最期は、ウインスペクターの面々に暗い影を落とすのだった。

新兵器・ギガストリーマーが登場するエピソード。ブライアンは強力な武装でウインスペクターを圧倒したりと新武器登場回に相応しい敵として立ちはだかる。一方で、人間に振り回された末に人殺しのロボットになってしまい、最後には倒されてしまうという悲劇も描いた力作回。

ブライアン

多くの人間に振り回された、悲劇の最強ロボ。

FBIの依頼で開発されたロボット刑事で、当初は心優しい性格の持ち主であった。しかし治安に対する考え方の違うアメリカで強化改造を受けた結果、殺人兵器と化してしまい、性格も凶暴なものとなってしまった。メンテナンスのため一時帰国した際、犯罪者広崎の誘導電波により警視庁を脱走し暴走してしまう。暴走したブライアンは街を走るバイクを次々と破壊したうえ、ギガストリーマー開発者・朝比奈博士の娘、夏美を誘拐。更にはウインスペクターのこれまでの装備では太刀打ちできない強さを見せつけた。しかし、最後は完成した新兵器ギガストリーマーマキシムモードの一撃を受け、優しかった頃の心を取り戻し、爆破四散した。

『特警ウインスペクター』の名言・名セリフ/迷言・迷セリフ

「西暦1999年。科学技術の発達で生活は豊かになった。でも、人の心まで豊かになったろうか?」(香川竜馬)

第1話より、主人公香川竜馬のモノローグ。特警ウインスペクター設立の背景と世界観を端的に説明している。

「君の仕事はレスキューだ。人の命を救う事だ!!」(正木本部長)

第15話より、凶悪犯・八神の策略で記憶を失い錯乱し、八神に操られたことで正木に銃を向けた竜馬に向って叫んだ台詞。最終的に彼のこの台詞と、助けを求める良太の声が、竜馬の心を呼び覚ました。

「"殺す"?ハハハ…ついに本性を現したな。人の命を守ると言いながら、貴様も殺しが好きなただの獣に過ぎなかったのか!?撃て、撃てるものなら撃ってみろ!!」(黒田鬼吉)

最終話、正木に追いつめられた際「電磁波発生装置を止めなければ殺す」と発言した正木に向って放った痛烈な一言。彼のこの一言と、黒田を救えなかった事が決め手となり、「人の命だけでなく心をも救う」という新組織の結成を正木に決意させる事となる。

「マニュアルに従い、まず説得を行うべきです!…おとなしくお縄を受けなさい、お上にも、お慈悲というものがあります!」(ウォルター)

第12話より、防衛システムの不備により殺人兵器と化してしまったお手伝いロボット「ロボオ」を説得した際の迷台詞。緊迫感あるシーンだというのに、妙に古臭い台詞回しが笑いを誘う。案の定、「ウォルター、そのマニュアルは古いがね!」とバイクルに即突っ込まれてしまった。

『特警ウインスペクター』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

怪我の功名といえるコンセプト

本作製作当時、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の影響によって漫画・アニメはおろか特撮も批判の対象にされており、従来のヒーローモノに対する当たりが強かった。また、前作「機動刑事ジバン」で多額の予算を使用した結果、本作では年間レギュラーとしての怪人の着ぐるみが用意できなくなってしまっていた。本作の「悪は倒さず逮捕する」、「レギュラーの悪の組織が存在せず、毎回違う犯罪者が登場する」というコンセプトは、こうした苦難より生まれていたのである。

作品評価

本作の視聴率は平均12.8%、最高16.7%と非常に好調であり、日曜朝8時に放送された特撮番組の中では平均・最高ともに最も高い視聴率である。
玩具面については、当初レスキュー装備という設定や、同年に発売されたスーパーファミコンによる影響が懸念されたものの、特警手帳などのなりきりアイテム、後半発売されたギガストリーマー等が好調な売り上げを記録した。特にギガストリーマーは、前作から導入された大型武器を発展させ、「1号武器との合体」という要素を加えたものであり、以後のシリーズでも恒例となった。

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