ボールルームへようこそ(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「ボールルームへようこそ」とは、「竹内友」による漫画作品。2011年より「月刊少年マガジン」にて連載を開始し、2017年夏に「Production I.G」製作でアニメ化。なんの取り柄もなく日常をただ過ごしていた気弱な少年「富士田多々良」は、ある日偶然にも社交ダンスに出会う。プロダンサーの仙石や同年代のダンサー兵藤・雫達に影響され、多々良は社交ダンスに没頭していく。

初めて仙石にダンススタジオに連れてこられた時、多々良は姿勢が猫背気味だったため、仙石に骨盤矯正をされる。
鏡には自分がこれまでになく真っ直ぐ堂々と立つ姿があり、多々良は自分の姿に驚く。
仙石は「立ち方一つで人の見る目は変わる」のだと多々良に教えた。
これは「将来の夢」も「目標」もないという多々良の人生においての訓告とも言える言葉となった。
以降多々良は意識的に姿勢を正すようになり、喫茶店でアルバイトをした際は店主(明の父)から姿勢が良いと感心された。

「見ろ」

多々良がたまきにカバンに入れられていたDVDを観て感じた、ダンサーたちの言葉。
一人一人の自己主張と熱気に、多々良は新しい世界の扉を開けることになる。
社交ダンスの大会では誰よりも視線を奪う選手が審査員の目に入るため点数を獲得し勝ち進んでいき、強いカップルは佇まいからして既に違うのだという。
多々良もまた自分のダンスを見てもらう事を喜ばしく思い、普通はガチガチに緊張してしまう場面でも、皆が自分を見ていると思うと楽しくなってしまう性質であった。
都大会で釘宮ペアと戦った多々良もまた自分を見ろと主張して踊る。
始めはDVDに映る自分とは遠い世界のものが、いつの間にか多々良も同じステージに立ち、同じく「自分を見ろ」と主張する存在となっていたのであった。

「僕は変わらなきゃ」

多々良のセリフ。
趣味も無く毎日だらだらと流れにそって日々を過ごしていた多々良。
しかしそんな自分を嫌い、「何か一つ胸を張って好きだと言えるものがあれば僕は変われる」とも思っていた。
そんなある日、多々良は偶然社交ダンスと出会う。
ダンススタジオにいたのは職員室で先生に呼び出されて将来について問われていた美少女・雫で、多々良はあの子も自分と同じく将来の夢がないのだと勝手に思いこんでいたが、雫は社交ダンスという夢を持ち、青春を全てダンスに捧げていたのであった。
多々良は社交ダンスをしたいわけでもないのに流されるがままレッスンを受け、真面目にやっている人に失礼だと後ろめたさを感じ自己嫌悪する。
しかしたまきが多々良の鞄に勝手に入れた社交ダンスの大会のDVDを見てみると、そこには観客達の視線を集める仙石のダンスが映り、多々良は仙石のダンスに見入ってしまう。
翌日、多々良はたまきと仙石にスタジオに入会するかと問われ、心の中ではレッスン料も高くて無理だから断ろうと思うが、口から出たのは仙石のようなプロになりたいという言葉であった。
自分の言葉に吃驚した多々良は咄嗟に仙石から目をそらしてしまうが、仙石が踊る姿を思い出し、自分は変わらなきゃいけないと言い「ダンスをやらせてください」と頼み込んだ。
多々良は小笠原ダンススタジオでレッスンを受けることになり、日々をただ生きているだけであった多々良が変わっていく第一歩となった。

「“情熱”…?」

多々良は、多々良に触発され自分の力を解放した兵藤のダンスを見る。
それは情熱的なダンスをする種目であるタンゴに相応しいむき出しの情熱を感じるダンスで、会場の誰もが兵藤ペアに目を奪われていた。
好きな様に自分のパートナーを踊らされた事と、多々良が心底楽しそうに感情でダンスする姿に刺激され、これまでパッとしなかった兵藤の才能が開花した。
ここからの兵藤はまさに天才と呼べる存在になり、雫と共にぐんぐん成長をしていく。

「一体となれ!!」

真子と多々良がペアを組むことになるシーン。
仙石に「今から『リード&フォロー』をやってもらう!ただし真子は一切自分からは動かない しかし行くべき方向は決めてある お前はその心を読み取って導いてやれ」と言われ、多々良は熟練カップルでもできない課題を与えられる。
しかし多々良は真子の小さな動き一つ見落とさず、真子がどうしたいかを読み取り、真子と一体となって完璧なリードした。
仙石は、兵藤の替え玉として多々良と雫の即興ペアを組んだ時に即興とは思えないほどの一体感を持っていたことなどから、多々良に相手の気持ちを読み取る天才的な才能を見出していた。

「ありがとう 僕を舞台に立たせてくれて」

真子と多々良の電話でのシーン。
多々良は兵藤に「お前も早く舞台に上がれ」と挑発されたり、兵藤の見舞いに行った先で出会った多々良が替え玉出場をした時の大会で2位だった岩熊に「君は強いんだね」と言われたり、仙石に「お前は正しい」と言われたり、真子に「自分のことを考えてください」と言われる。
そのことで、大勢の人の後押しで自分がダンスをすることができると気づき、感謝する。
この会話で真子との信頼関係を結び、天平杯へと挑む。

「倒すべきはしずくだろ」

非公式戦である天平杯で賀寿・雫ペアと戦うことになった多々良・真子ペアに兵藤が言ったセリフ。
真子が雫より上手く踊れたらペア解消を無しにするという言葉を皮切りに、「より美しく女性(パートナー)を躍らせる」という目標で戦っている多々良と賀寿。
多々良が勝つには賀寿にではなく、真子を綺麗に躍らせて雫に勝つことが必要だと兵藤は多々良に気づかせた。
パートナーである兵藤が多々良を後押しするような事を言ったため、雫の闘争心も煽る事になった。
雫は兵藤が多々良ばかりを見ることを気にしていたが、兵藤はちゃんと雫の事も見ていた。
雫と兵藤はパートナーという立場でありながら、馴れ合いではなくお互いに技術を高め合うライバルでもあるのであった。

「まこちゃんは“花”だ…!」

倒すべきは雫、というセリフを受けて戦意を奮い立たせる多々良。
それに対して社交ダンスは男が額縁で女が花だ、という言葉を仙石が告げる。
多々良は額縁は目に入らない物と考え自分の存在を消し、花である真子だけを徹底的に美しく見せることに挑戦する。
審査員達は真子のダンスの可憐さに釘付けになるが、リーダーである多々良の事は目に入らず、審査の段階になりリーダーはどんな人間だったか思い出せなかった。
これによって審査員達も観客も真子は評価するが多々良はどう評価して良いのか変わらず、多々良・真子のペアに不思議な魅力を感じるのであった。
他人を観察し何がしたいのかどう思っているのか読み取る事に天才的な才能を持つ多々良だからこそ、自分の存在を消し真子の魅力を最大限引き出す事に成功した。
そして多々良と賀寿の勝負の内容は、真子が雫より上手く踊れるかどうかであり、会場中の視線を集めた真子はボールルームクイーンを獲得したのであった。

「またあなたと戦いたい」

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@hachiware831z2

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