目次

  1. 概要
  2. ストーリー
  3. 第一期
  4. はじまり
  5. キャンプ
  6. 文化祭
  7. 第二期
  8. 修学旅行
  9. 生徒会長選挙
  10. クリスマスイベント
  11. 三人の関係
  12. 主な登場人物
  13. 比企谷 八幡(ひきがや はちまん)
  14. 雪ノ下 雪乃(ゆきのした ゆきの)
  15. 由比ヶ浜 結衣(ゆいがはま ゆい)
  16. 平塚 静(ひらつか しずか)
  17. 葉山 隼人(はやま はやと)
  18. 戸部 翔(とべ かける)
  19. 三浦 優美子(みうら ゆみこ)
  20. 海老名 姫菜(えびな ひな)
  21. 一色 いろは(いっしき いろは)
  22. 名言・名場面
  23. 「青春とは嘘であり、悪である。」
  24. みんなで仲良くという言葉自体が元凶なのに。あれは呪いじみたお題目なのに。
  25. 「誰かを助けることは、君自身が傷ついていい理由にはならないよ」
  26. 「(完全に理解したいだなんて、ひどく独善的で、独裁的で、傲慢な願いだ。)それでも、それでも、俺は…俺は、本物が欲しい。」

概要

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル)」とは、「ガガガ文庫」より刊行されている渡航によるライトノベル(2011年~)、及びそれを原作としたアニメ(第一期2013年4月~6月 第二期2015年4月~6月)のことである。
自身の書いたひねくれた作文をきっかけに「奉仕部」なる部活に入部させられたぼっちな男子高校生比企谷八幡。彼と、そこで出会った雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣たちが奉仕部を舞台として数々の経験を積み重ねる中で、三者三様に変化していく様子が主に八幡視点でシニカルにコミカルに描かれている。
もともとは単巻完結の予定だったが、予想以上の人気を博したことで続刊が決定。メインストーリーである1~11巻の他、主にサイドストーリーを収めた6.5巻、7.5巻、10.5巻を加えた既刊14巻で累計発行部数500万部以上の人気作となっている。
宝島社が発行するライトノベルのガイドブック「このライトノベルがすごい!」の作品部門で2014年~2016年の間三年連続一位を獲得、その後殿堂入り作品となった。

ストーリー

第一期

はじまり

「青春とは嘘であり、悪である。」
「青春」を謳歌する周囲を鼻で笑いながら孤高のぼっち街道を邁進する残念な高校二年生、比企谷八幡はそんな一節から始まる作文を生活指導担当教師の平塚静に問題視され「奉仕部」なる部活に入部させられる。そこにいたのは校内一の才女として知られる雪ノ下雪乃。頭脳明晰、成績優秀、息を呑むほどの美少女だが、他人に同調せず直球で正論を並べ立てる性格のせいで周囲から浮きがちな雪乃に、カースト上位のグループに属するいわゆる典型的なリア充女子高生の由比ヶ浜結衣を加え、八幡は奉仕部の活動をスタートさせることになる。
中二病全開のラノベ作家志望、材木座義輝の作品作りの相談やイケメンリア充、葉山隼人を取り巻く人間関係のもつれ等、奉仕部には校内外から種々雑多に相談や依頼が舞い込んでくる。正論を説き正攻法で解決案を提示する雪乃、人付き合いの苦手な二人に代わって周囲との調整役を果たす結衣、模範解答からは斜め下のひねくれた意見ながら時に確信をつく八幡。独特な人間観・人生観を持つ八幡に呆れ、戸惑うこともしばしばの雪乃と結衣という構図の中、タイプの異なる三人は思いがけず始まった関係に次第に馴染んでいく。

キャンプ

ぼっちにとっての至福の時間、夏休みをだらだら過ごしていた八幡のもとに思いがけず平塚からメールが届く。スルーを決め込んでいた八幡だったが、妹の小町を巻き込んだ平塚の作戦により奉仕部の面子に加えて葉山を中心とするリア充グループたちと小学生のキャンプの手伝いをすることになる。
川遊びや飯ごう炊飯などキャンプの計画はつつがなく進行するが、小学生グループ内で孤立以上いじめ未満といった状態にある鶴見留美の存在が懸案事項として議題に上る。「みんな仲良く」を前提に仲間たちに溶け込ませようとする葉山に対し、そんな理想論はすでに成立しない状況と見た八幡はある解決策を提案、その説得力に葉山達も渋々ながら計画に同意する。計画実行は夜の肝試し。脅かし役としてスタンバイしていた葉山達は、まるで怖くない肝試し企画のできの悪さをいじられらたことをきっかけにキレた風を装い、留美がいる班の小学生たちに今馬鹿にしたのは誰だ、と迫る。責任を押し付けあう小学生たち。仲間はずれは表面上の「仲間」集団があるからこそ起こる。それならば「仲間」自体を瓦解させてしまえば「仲間はずれ」は成立しなくなる。八幡の想定どおり事は進んでいたが、思いがけず孤立していたはずの留美の機転により怒っている(フリをしている)葉山たちから小学生たちは逃げおおせることに成功する。表面上の間柄と分かりつつ仲間を助けることを選択した留美の行動は予想外だったが、事は一応の決着を見、キャンプは幕を閉じるのだった。

文化祭

ホームルームで居眠りをしていたせいで文化祭の男子実行委員を押し付けられた八幡。女子実行委員は乗り気でない風のリアクションを見せつつも、推薦されたことにまんざらでもなさそうな相模南。相模は照れながらも自身の「成長」を掲げ、委員会では実行委員長を引き受けることになる。
一方で文化祭準備期間中は部活動停止にする予定だった奉仕部に、相模から仕事の手伝いを願い出る依頼が来る。文化祭の副実行委員長でもある雪乃が単独で引き受けることで奉仕部はイレギュラーに活動継続という形をとることになる。仕事を丸投げする相模にその存在をかすませるほどの仕事ぶりを発揮する雪乃。しかし、そのせいで実行委員会はバランスを欠きはじめ、実務はますます雪乃に集中することに。多忙の中ついに体調を崩し学校を休んでしまう。
復帰した雪乃、そして八幡もまた身を粉にして仕事をした(させられた)甲斐あり、文化祭もいよいよクライマックスへ。しかしエンディングセレモニーの準備中、セレモニーであいさつをするはずの実行委員長である相模が雪乃の活躍を前にいたたまれなくなり姿を消してしまう。落ち込む“構ってちゃん”に「お前ならできるよ」と優しく励ましの言葉をかける、そんな茶番めいた役割が自分の仕事でないことを自認する八幡は、逆に実力も努力も伴わない肩書きだけの「成長」を求めた相模の浅はかさを罵倒することで周囲の同情を一手に相模へと集め、奮起を促す作戦に出る。結果、土壇場で相模は壇上に上がり文化祭は何とか無事閉幕するが、もともと校内において空気的存在だった八幡は、事情を知る平塚や奉仕部の面々など一部の者たちを除いて名実ともに嫌われ者として有名になってしまうのだった。

第二期

修学旅行

それぞれの思いを残した文化祭も終わり、季節は修学旅行を控えた秋。そんな中、奉仕部に思いがけず恋の相談が舞い込む。内容は葉山といつも一緒にいる戸部翔が同じく仲間内の海老名姫菜に抱いた想いを成就させるためサポートして欲しいというシンプルなもの。けれど直後に海老名から、誰とも付き合うつもりはないけれど、戸部を振ってこれまで仲の良かったグループの友だち関係に傷を付けたくない、とする相談が持ち込まれたことで板ばさみの状況に。
どっちつかずなまま修学旅行も終盤、戸部は海老名を呼び出し告白しようと決心する。戸部も傷つかず、その後の人間関係もギクシャクしないためには…。八幡はあえて戸部の見ている前で海老名に告白し、今は誰とも付き合う気がないから「誰に告白されても絶対に付き合うつもりはないよ」との言葉を引き出した上で振られて見せる。戸部に恋のライバル認定されてしまった以外は人間関係もそれまで通りの「普通」に戻り、おおむね丸く収まる。けれど、その投げやりな自己犠牲に基づいたやり方は結衣や雪乃に何ともいえないもやもやを抱かせ、八幡自身もどうしてそんなやり方でわざわざ「普通」を守ろうとしたのか、答えの出ないまま修学旅行は終わる。

生徒会長選挙

修学旅行の一件からギクシャクしたままの奉仕部に再び依頼が持ち込まれる。相談者は葉山に想いを寄せるサッカー部の一年生マネージャー一色いろは。同姓からは好かれないであろう「あざと可愛い」ところが売りの彼女は、彼女を嫌う誰かしらの悪ノリで生徒会長の立候補者に仕立て上げられてしまう。生徒会長になるつもりはないけれど信任投票で不信任になり、さらし者になるのも嫌だ。そんな相談に奉仕部の面々の意見は割れる。当初嫌われ者の自分が応援演説をしていろはの名誉を傷つけない形で落選させることを提案する八幡だったが、文化祭や修学旅行の一件に続いて自身を貶めるやり方に二人は反発。そこで雪乃と結衣も対立候補として生徒会長に立候補すると言い出す。依頼を満たす上でそうした対応は反論の余地のないものだったが、どちらかが生徒会長になってしまえばおそらくこれまでのように奉仕部の活動を続けることはできなくなる。素直でない八幡はこれまで通り奉仕部を続けたいと思っていたが、それを言葉に出来ずにいた。しかし、小町の後押しにより三人の唯一の接点である奉仕部を守るため、雪乃、結衣の生徒会長当選を阻止すべく作戦を開始する。
決選投票になってしまえばおそらく勝ち目がないため、水際での阻止を目論む八幡は、ツイッター上で複数のアカウントを立ち上げた上で、校内に多数いるかのようにいろはの応援者をでっち上げる。限りなくクロに近いグレーな行為によって得た架空の支持者を材料に、まずはいろはと交渉、多数の応援者を背景に生徒会長になることを承諾させる。次いで雪乃と結衣には、いろはが生徒会長になることを承諾したこと、そしてでっち上げた多数の応援者を根拠に、信任投票であれば落選の心配がないことを伝え、二人の立候補申請を取り下げさせることに成功する。そうした工作の甲斐あり、いろはは無事生徒会長に信任され、依頼はおおむね満たされる。けれど、素直に喜ぶ結衣と裏腹に多くの言葉は語らずもどこか寂しげな雪乃。もしかすると雪乃から生徒会長の仕事のチャンスを奪ってしまったのだろうか、八幡のそんな疑念を残しながら奉仕部はこれまでとは少し異なる、本音を隠したようなどこか空虚で取り繕った日常を紡いでいくことになるのだった。

クリスマスイベント

生徒会長選挙後、具体的にそれが何かは分からないけれど、何かを間違ってしまったというわだかまりを心の中に残す八幡。そこへいろはが持ち込んできた依頼は、他校の生徒会との合同クリスマスイベントの運営を手伝って欲しいとのことだった。生徒会の問題ということで奉仕部としては依頼を断りながらも、八幡は表向きはいろはを会長に仕立てた責任から単独でいろはを手伝うことにする。
向かった先にいたのは絵に描いたような「意識高い系」の面々。それっぽいカタカナ用語を飛び交わせ、まとまる見込みのない「ブレインストーミング」の末、内容の定かでない「アグリー」が繰り返されるばかり。迫るイベント期日を前にしてまるで進まない会議に危機感を募らせた八幡は一つの選択肢が浮かぶが行動に移せない。こうした仕事にもっともふさわしく、そして少しのボタンの掛け違いさえなければそこにいたかもしれない雪乃に頼ることで、雪乃を傷つけてしまうかもしれないことを無意識に避けていたのだった。
しかし、平塚の助言もあり八幡は曖昧にしていた自身の本音に向き合うことを決意する。自分が本当に求めているもの…。目の前のイベントを成功させようと頑張るのは、自分が推すことで生徒会長になってしまったいろはのため、そしていろはを生徒会長に推したのは雪乃と結衣を生徒会長にしないためだ。そしてそうまでして求めたものは、奉仕部の存在だった。けれどそれは、うわべだけを取り繕った表面的に楽しいだけの偽者じゃない、自己満足で押し付けがましいものだとしても本音を理解したいと思えるような「本物」を雪乃と結衣との関係に期待したからだ。だから助けて欲しい、「本物」が欲しいから。複雑に絡まる八幡の思いを雪乃と結衣は受けとめる。吐露してしまった後で自身の言葉を反芻し激しく悶える八幡だったが、奉仕部の三人の距離はまた少し縮まり、久々に三人そろってクリスマスイベントの解決に向かうことになる。
ただ抽象的に繰り返される会議の無責任さや無意味さを正面から指摘する雪乃と八幡は、差し迫った期日を前に一つずつ物事に白黒をつけていくことで、いろはとともにクリスマスイベントを何とか成功に導くのだった。

三人の関係

久々に穏やかな空気が訪れた奉仕部。葉山の進路をめぐった三浦優美子の相談やバレンタインデーへ向けたチョコ作りのイベントをこなす中、 雪乃、結衣そして八幡の関係が少しずつ揺らいでいく。
「デート」と称して三人で水族館に遊びに行った帰り、これまで口にしてこなかった三人の関係のことを言葉にする結衣。「これから、どうしよっか?」。そう切り出して、「あたしは全部欲しい」と意味深な言葉で自身の思いを伝える。具体的なことを言わないためそれが何を意味しているのかは分からないけれど、すでに心の中ではどうするか決めているらしい結衣。それに対して、進路、親との関係、そして三人の関係の中で自分がどうしたいのか、全てが薄ぼんやりとしていろんなことが分からない雪乃。それは八幡も同じことだった。三人のそれぞれの思いが交錯する中、物語はクライマックスへのカウントダウンを始める。

(アニメ第二期13話 ライトノベル単行本11巻まで)

主な登場人物

比企谷 八幡(ひきがや はちまん)

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CV:江口拓也

本作の主人公。総武高校2年生。幼少時から基本的にぼっちで、周囲からは存在を軽視されたり、裏切られたりしたなどの経験を重ねたことから人間関係にトラウマを抱えている。またそうした経験から、表層的な現象や世俗的な正義の背景にある打算や意図に敏感で、一般的な常識や倫理にとらわれない独自の人間観・人生観を持つ。基本的に同級生などの友人関係に関心を注ぐことはないが、妹の小町のことは溺愛している。

雪ノ下 雪乃(ゆきのした ゆきの)