目次

  1. 概要
  2. あらすじ
  3. 人間椅子(前後編)
  4. 影男
  5. 怪人二十面相
  6. 芋虫
  7. 地獄風景
  8. パノラマ島綺譚(前後編)
  9. 恐ろしき錯誤
  10. 変身願望
  11. 白昼夢
  12. 登場人物
  13. アケチ(CV:櫻井孝宏)
  14. コバヤシ(CV:高橋李依)
  15. ハシバ(CV:山下大輝)
  16. カガミ(CV:小西克幸)
  17. ナカムラ(CV:チョー)
  18. 黒蜥蜴(くろとかげ CV:日笠陽子)
  19. 影男(かげおとこ CV:子安武人)
  20. ミナミ(CV:藤田咲)
  21. 死体くん(したいくん CV:山口勝平)
  22. ハナビシ(CV:中原麻衣)
  23. ナミコシ(CV:福山潤)
  24. 用語
  25. 三分間ショッキング
  26. 暗黒星
  27. 名セリフ
  28. 「その日初めて退屈じゃなくなった」
  29. 「初めて…面白いなって思ったんです。いくら推理ゲームをしたり本を読んでも満たされない。何をやっても退屈だ。空虚だ。だけど先生が殺されて、僕が疑われていて…この状況が楽しいんです!」
  30. アケチ「壊れるぞ」コバヤシ「壊れたいです…」
  31. 「そう。先生は僕に好意を持っていたんだ」
  32. 「いらない少女などいない!全ての少女が幸せになる権利がある!!」
  33. 「ったく…子供は嫌いだ。猫も嫌いだ。変態も大嫌いだ」
  34. 「俺たちもまあ一生懸命やってんだけどなー。なあカガミ。俺は今俺たち警察とお前のどっちが正しいのか分かんなくなってきたよ」
  35. 「他人を完全に理解できる人間なんていないと思いますけど?」
  36. 「これでいいんだ。2人は仲直りできる。僕にしては最後になかなかいい考えだったんじゃないかな」
  37. 「親友が死のうとしてんだ!絶対見捨てるもんか!死なせるもんか!!説教してやる。俺がどれほどお前を思ってるか朝まで説教してやる!」
  38. 伏線
  39. 登場人物以外の表現方法
  40. 死体くんの声
  41. 裏話
  42. 舞台版乱歩奇譚

概要

2015年7月に没後50年を迎えた江戸川乱歩の作品群から代表的なものを現代の世界観にアレンジメントを加え、「舞台演出のような内容で、自由な表現を行える思考空間」を念頭に置いて作られた作品。
放送時期は2015年7月2日から2015年9月17日まで放送されていた。放送局はフジテレビ「ノイタミナ」枠、他全16局ネットで放送された。全11話構成である。

2017年4月に新宿シアターサンモールにて第一弾舞台が公演された。

あらすじ

人間椅子(前後編)

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コバヤシ少年は中学2年生になった今でも生きる喜びを感じたことがなかった。
コバヤシに言わせてると、自分は死んでいるも同然であると思っていた。

ある日、コバヤシ少年は教室の中、オブジェと化した死体の前で目を覚ます。それは殺された担任の教師が椅子に模して作られたオブジェだった。
第一目撃者だった彼は当然警察に疑われ、そのまま容疑者として逮捕されてしまう。しかし17歳の少年探偵アケチの指示で釈放となるコバヤシ少年。彼は友人のハシバと共にアケチ探偵の元を訪れ、「助手にして欲しい」と懇願する。
コバヤシ少年は今回の事件で犯罪の容疑をかけられた時、生きている実感を感じていた。アケチの助手になろうと思ったのも、その喜びを感じるためだった。

その頃と同じく、殺された担任の自宅から女性の遺体を加工して作られた人間椅子と大量のコバヤシ少年の指紋が発見され、彼は元担任の共犯者として新たに逮捕状が出された。
アケチの通報によりコバヤシ少年はカガミ警視たちに逮捕される。
アケチは、「自力で事件を解決し、自分の嫌疑を晴らすことが出来れば、自分の助手に採用してもよい」と、コバヤシ少年に提案する。

コバヤシ少年は「少年A」として報道され、学校でも話題となった。
彼は唯一の友人ハシバに「真犯人をおびき寄せて欲しい」と指示を出す。ハシバは新担任のハナビシの協力も得て、この作戦を見事成功させる。
犯人は同じクラスメイトにして小学校からの同級生であるホシノだった。
ホシノはコバヤシ少年に好意を抱いていた元担任を独占したいが為に、愛する担任を殺す犯行に及び、犯行をコバヤシ少年に擦り付けようとしていたのだ。

事件が解決し、コバヤシ少年はアケチから認められ、事務所の合鍵を渡されることになる。

影男

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街では連続少女誘拐事件が発生していた。

カガミ警視はアケチ探偵に誘拐事件捜査の協力を依頼するが、アケチは事件の内容に全く興味を持たなかった。変わってコバヤシ少年が独自で捜査しようとしたところ、アケチの姿に変装をした男、影男が接触してくる。
「怪人影男」は変装の天才で、どんな人物にでも変装できる。
ただし自らの決めた定めで少女にだけ変装できないという決まりを作っていた、それは彼が全ての少女をとても愛しているからだった。
警察は今起きている連続少女誘拐事件の犯人だと疑っていたが、影男本人はそれを否定する。

そして影男はコバヤシ少年に、少女に変装できない自分に代わって女装して囮捜査に協力して欲しいと懇願してきたので、コバヤシ少年達は影男の要請を了解し、女装して犯人をおびき出そうとする。
犯人の「ワタヌキ」は少女たちを誘拐する漫画喫茶に現れ、コバヤシ少年を誘拐していった。

漫画喫茶の会員証につけたGPSで犯人の根城を発見した影男はコバヤシと少女たちの救出に向かうが、ワタヌキに返り討ちに合う。もうダメだと思った瞬間にハシバが連絡していたカガミ警視やアケチが飛び込んできて、危機一髪を脱した。
しかし影男が最も救出したかった「大曽根さち子」の姿が見えないことがわかる、彼女は既にワタヌキに殺害されて、壁の中に塗り込められていた。
ワタヌキは影男の連絡で急行したアケチらによって逮捕されるが、影男は警官に変装し、涙を流しながら誰にも見つからずその場を去っていった。

怪人二十面相

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3年前、正体を隠して法で裁けぬ悪人を天誅をする「怪人二十面相」事件があった。

それ以降、二十面相を名乗る模倣犯が次々と現れ、警察は模倣犯に関する報道を規制することになっていく。
インターネット上では模倣犯二十面相に関する情報が広まっていた。そんな中、ネットで犯行声明が発表される。「刑を免れて、法が裁けない悪人をその者が行った殺人と同様の方法で殺す」という新たな二十面相が現れたのだ。

警察は彼のことも模倣犯と決定し、「現・二十面相」と呼んだ。
現・二十面相の被害者は1週間で15人にも達し、検視官は忙しすぎてアケチたちへの検視結果の解説もいつもより雑な状態で行われいた。
カガミ警視はアケチ探偵へ捜査協力を依頼する。

新宿本庁の地下にある犯罪犯の特殊独房、通称「新宿プリズン」に出向いたアケチ達は「黒蜥蜴」に接触し協力を依頼する。
「黒蜥蜴」とは女盗賊で、現在は新宿プリズンに収監されていた。彼女は牢屋の中にいても外部の情報が手に取るようにわかるようだった、そして不思議な人間でもありアケチの言葉に反応し、体をくねらせ、最終的には失禁してしまうような人物だった。

アケチは黒蜥蜴の力を借りて前回逮捕した「ワタヌキ」を釈放させ、彼を餌に「現・二十面相」をおびき寄せる。
作戦は見事成功し、ワタヌキは現・二十面相に拉致され、殺害されかけてしまうが、アケチが助けに入り現・二十面相とアケチのバトルが始まった。

結果は辛くもアケチの勝利。
アケチが現二十面相のドクロのマスクを外すと、そこにはカガミ警視の顔があった。

芋虫

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カガミ元警視が逮捕された。
カガミの部下で相棒であったナカムラとアケチはカガミを取り調べる。

そんな中、カガミは少しずつ自分の過去を語っていく。

カガミには妹がいた、名前を「トキコ」
両親を早くに亡くしていた二人は協力し合いながらも立派に暮らしていた。努力の結果カガミは警視庁のキャリア組に、トキコはデザイナーの道を進もうとしていた。

カガミは警察官になった時から多くの犯罪者を捕まえていく。
しかし、その中で心神喪失状態となった加害者は逮捕しても罪に問われない問題にぶつかっていく。どれだけ犯罪者を逮捕しても多くの加害者が何らかの理由で不起訴、釈放されることに疑問を持ち始めていた。
そして、ある事件でカガミが逮捕するも不起訴となり措置入院中に脱走した「スナガ」にカガミの妹「トキコ」が殺害されてしまったことでカガミの精神は崩壊した。
この事件がきっかけでカガミ自身が犯罪の抑止力となるために現・二十面相となったのだ。

ナカムラ刑事は、カガミが殺害した犯罪者の中にスナガが含まれていないことに疑問を持つ。
カガミは「スナガは自宅の浴槽で四肢を溶かして、目を潰し、妹と同じ姿で薬品漬けにしてゆっくり殺している」と自供するのだった。
取り調べが終了して連行されていくカガミ、しかし彼は最後にこう言い残す。

「だが、二十面相は死なない」

カガミの逮捕に伴い、現・二十面相をおびきよせるために釈放されていた犯罪者たちは再逮捕される、しかし、ワタヌキにはまだ警察の手が及んでいなかった。
ワタヌキもドクロのマスクを被ったさち子の父に刺殺されてしまう。
二十面相はいまだに増え続けているのだ。

地獄風景

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ある日、アケチ探偵事務所の軒先に子猫が捨てられていた。
コバヤシ少年はアケチ探偵にこの猫を飼おうと提案する。ところがアケチは猫アレルギーだったので許可してくれない。
「捨ててこい」と追い出すアケチ。
渋々、コバヤシ少年は子猫の飼い主を探そうと事務所を出る、しかし今度は事務所前に時限爆弾と一緒に縛られた影男が捨てられていた。

影男は「レンタルビデオ店で会計を済ませた直後に記憶を失い、気がついたらアケチ事務所の前にいた」と話す。
助けを求める影男にアケチは冷静に追い出そうとする。
コバヤシ少年は、以前世話になったのだから助けてあげようと提案したが、アケチは反対する。コバヤシ少年も「(影男が)爆発してバラバラになった姿に興味がある」と半分面白がっている節があるようだった。
コバヤシ少年の行動と発言は時折、普通の人間とは違う感覚を持っていた。
時限爆弾はエメラルドと共にベルトで影男と一緒に縛られており、無理にはがすと爆発する仕掛けとなっていた。
アケチが爆弾解体を試みるが、ドタバタしてうまく進まない。

そんな時に赤ん坊の鳴き声が響いた。
次は事務所の前に赤ん坊が捨てられていたのだ。
「この子は探偵さんの子です、悪いママを許してください」というメモも書いてある。
これだけでも十分地獄風景の様子が見て取れるが、さらに次は事務所階下の銀行で強盗騒ぎが起きる。
どうやら犯人たちは立てこもりをしていてアケチたちは脱出不可能状態になってしまう。

なんとかコバヤシ少年はベルトを解除するキーワードを割り出し、影男からベルトを無事に外すことに成功、爆弾を空中に放り投げ、間一髪で事なきを得た。
時限爆弾とエメラルドは「黒蜥蜴」が自分の誕生日を記念してアケチに送ったサプライズプレゼントだったのだ。
しかし、黒蜥蜴のサプライズは影男に縛り付けた爆弾のみで、赤ん坊が捨てられていたこと、銀行強盗は全くの偶然から起こった産物だった。

その後、赤ん坊の母親も名乗りでて、アケチ事務所に平穏が訪れる。
しかし、コバヤシ少年の希望でアケチは苦手な猫と同居することになってしまうのだった。

ナカムラがカガミに面会し、二十面相事件が増えてきていることを告げる。
カガミは「ナカムラさんは俺みたいにならないでください、俺の憧れの先輩のままでいてください」と言って頭を下げる。

パノラマ島綺譚(前後編)

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コバヤシ少年達が通っている学校も定期試験の季節がやってきた、コバヤシ少年は勉強自体には全く興味がわかない。赤点ギリギリのコバヤシ少年に対して、ハシバは心配を見せる。
しかし、コバヤシ少年の興味は別のところにあった、カガミ警視が逮捕された後も二十面相の模倣犯は後を絶たなかった、先月のうちに10人、今月に入って3人の模倣犯二十面相の出現があり、その事件らをアケチは全て解決していた。
普段の事件にはやる気を見せないアケチが、二十面相が絡む事件だけはやる気を見せることをコバヤシ少年は疑問に感じていた。

探偵事務所に足を運び、「何故二十面相の事件にだけ真剣になるのか?」と問いただす。
アケチはまともに答えようとしない、彼は過去の事になると必要以上に口を閉ざしていた。

そこにナカムラ刑事が探偵事務所にやって来た。
「四人目の二十面相が現れた」という報告、そして彼からの「不可能犯罪を解明してみろ」という挑戦状も一緒に持ってきていた。

世の全ての男の夢をカタチにした芸術的理想、究極のテーマパーク「パノラマ島」。
三重県に出来る大リゾート地として開発が進むこの施設で、新たな二十面相による殺人が行われた。
コモダコーポレーション会長の「コモダゲンザブロウ」とアートプロデューサーの「ヒトミヒロスケ」が密室状態で下敷きになり死亡したのだ。

黒蜥蜴がアケチに提供した情報によると、事業主達はタチが悪い工事計画を進めており、恨まれるのは当然だったようだ。
遺体らは大量のマネキン人形に押し潰されており、遺体発見者で現場監督の「ツノダ」、作業員の「キタミ」、事務員の「ヒガシコウジ」の3人は「遺体のあった部屋は密室だった」と証言する。
アケチは頑丈な鋼材が使われなくてはならない部品が脆いものとなっていること、マネキン人形の倒壊時間を予測できることから部品の発注責任者であるヒガシコウジが犯人だと推理した。

ヒガシコウジは「過酷な労働で死に追いやられた友人の家族に、謝罪と賠償をするようコモダとヒトミに直談判したが、代わりにパノラマ島に展示する女体のマネキン人形のモデルとなるよう強要され、しかもその後もコモダらの従業員に対する姿勢が改まらなかったため、殺害した」と自供する。

またも二十面相の事件を解決したアケチ、彼は何故そこまで二十面相の事件にこだわるのか。

東京に帰還したアケチ達はコバヤシ少年とハシバに昔話をする。
中学時代、優秀すぎて周囲から孤立していたアケチには、自分と同等の頭脳を持つ「ナミコシ」という友人がいた。
ナミコシは社会を変革する法則「暗黒星」の算出に熱中しており、アケチもそれに協力する。
「暗黒星」とは全てに事象を見通す全知の法則を見出すための数式のことである。

「暗黒星」が完成した時にはそこから生み出される『二十面相』が社会の邪悪なモノを排除する予定だった。だが、アケチは法則に重大な欠陥があることに気が付き、ナミコシに警告するもそれに反発。
彼らは初めて喧嘩する。
ナミコシは自らの法則の正しさを立証するため、自らが二十面相となり、焼身自殺を遂げた。
そして、その後、二十面相の模倣犯が次々と出現するようになる。
その時から、アケチは全ての二十面相を逮捕することを決意したのである。

恐ろしき錯誤